追憶の彼方。

思いつくまま、思い出すままに、日々是好日。

クスッと来る洒落た話(3)

2018年05月04日 | 癒し
イギリスはややこしい。最先端の文化を発信するイングランド、ノスタルジックな街並みが魅力のスコットランド、 ケルト文化が色濃く残るウェールズ、豊かな自然に恵まれた北アイルランド。  
国の正式名称は「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」。略称をUKと言う。イングランドやスコットランド、ウェールズは、そのUK を構成する王国/公国である。
イギリス人が使うBritish は、本土グレートブリテン島(Great Britain)の形容詞だ。そしてそのUK の中で、イングランドをはじめ各国はその独自性を強く主張しつつ、一国UK を形成する。互いに牽制し、緊張感を内包する点もあるが、各国はうまく折り合いをつけている。 
サッカー発祥国の特権としてUK からは、FIFA ワールドカップでは4 国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)の代表チームが出場することができる。一方オリンピックでは、UK から代表1 チームが参加する。サッカーではウェールズやスコットランドの選手が、イングランドのチームに所属することも稀ではない。
4か国は独自文化を維持することで、国としての独自性を保ち、適度な協力関係の下“ 連合王国”UK として統一行動をとる。 
しかし連合への道程は、平坦ではなかった。各国は幾度となく衝突し最終的に融合しUK となったが、その過程を通じて、ある文化は消え、ある文化は残って独自性を形成する。
その一方で共有される文化もあり、UK 共通の文化も生まれた。
この様なUKがもつ緊張と融和の関係を背景としてエスニックジョークが生まれた。 
イングリシュ(ジョーク)、ウェルシュ、スコティッシュ、アイリッシュ、夫々にジョークが有りユーモアを交えた悪口や辛辣な皮肉で相手を揶揄し・非難する内容だが、言った方も言われた方も酒の肴にして大笑いする。ジョークがひとつの「文化」としてイギリスに定着している。これら4つの「国民」は、お互いにジョークの種にされてもびくともしない。ここに、打たれ強い「イギリス人」の特質が生まれたのかもしれない。

UKジョークの巻
* ウェルシュジョーク……山道で二人の人間が出会った時、アイルランド人同士なら殴り合いになる、スコットランド人同士なら自分の財布を握りしめる、イングランド人同士なら無言(紹介されていないから)、ウェールズ人同士なら一緒に歌うんだそうだ。  これは、アイルランド人の喧嘩好きと、スコットランド人のけちん坊な性格、イングランド人の唯我独尊・自意識過剰で固い感じ、そしてウェールズ人の友好的で歌好きな所が描かれている。
ウェールズ目線のジョークではあるが日本でも多数のCDが出ているケルト音楽。 リズム感に溢れては居るが何処か哀愁を帯びた音色は日本人の琴線に触れるものがある。

スコットランド人のケチぶりをイングランドの連中は隙あれば嘲りの種にしたがるのはスコットランドが長い間フランスと深いつながりを持ちイングランドに敵対してきた事に加え、カトリックとプロテスタントの根強い確執が原因である。スコットランドの連合大国からの独立が折に触れ出てくると言う両者の関係である。

* イングリシュジョーク①…かって対イングランド戦争の拠点となったエデインバラ城のガイドのレパートリーとなっている話。
「この大砲は午後一時に発射され市民にお昼を知らせます。」
「お昼と言うのにどうして12時じゃないの」「一時なら一発で済む」
* イングリシュジョーク②…「何故イエス・キリストはナザレに生まれ、ダブリンで生まれなかったのか、知っているかい?」 「いいや、そういえばどうしてなんだろ?」
「あそこじゃ処女が一人も見つからなかったのさ。それに賢人が3人もなんて……」
アイルランドがカトリックの国であることは知られているが、それもプロテスタントのイングランドにとって悪口の格好の材料になる。
* アイリッシュジョーク…「バンベリーにやってきたよ、この罰当たりなオイラ。」「そこで見かけたのは、なんとピュリタン野郎が月曜日に猫をつるしているところ」。「この猫日曜日にネズミをとッ捕まえたんだとさ」
清教徒にとって日曜日は安息日、神の御業を褒め称える為の日である。彼等の行き過ぎた戒律に対する考え方、異常な潔癖さはカソリックの揶揄の対象であった。イングランド中部のバンベリーこそ清教徒中枢の街である。
* イングランド魂
ロンドン中心街のデパート「セルフリッジス」、爆撃で正面玄関をやられた翌日、玄関の横にでかでかと張り出された「お知らせ」…「当デパートは今日も開いております。いつもより広く」
何事にもめげず笑いで相手をへこませるイギリス魂、今や伝説となっている。

スコットランドが発祥の地と言われるゴルフに付いてのジョークは多い。
* 夫に暴力振るわれた妻が裁判所に訴えた。窓の外上天気につい心奪われたゴルフ狂の裁判長、代理人の「被告はなんと、ゴルフクラブで妻を打ったのです。」と言うくだりで、ついうっかり訊ねてしまった。「何打 ?」
* カトリックの神父が日曜日と言うのに教会をさぼってゴルフに出かけた。その日に限って夢の様なスコア、しかも二つのホールインワンが出て神父さんすっかり舞い上がってしまった。 天を仰いで曰く「おお、神様私は大変な罪を犯してしまいました。 信者たちを見捨てゴルフを楽しみました。それなのにあなたは、二つもホールインワンを達成させて下さいました。」 すると天から声あり 「その通り、だがお前は誰に自慢話をするつもりだ?」


イギリスのエスニックジョークを追いかけると止どまるところが無い。この辺で打ち止めにして次は、世界の「エスニックジョーク」及び「ちょっといい話」
クスッと来る洒落た話…(4)へ

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