追憶の彼方。

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破茶滅茶総理(3)…「コロナウイルス問題」(c) 

2020年04月10日 | 国際政治
破茶滅茶総理(3)…「コロナウイルス問題」(c) 
破落戸大統領&破茶滅茶総理の終わりの始まり…(1)

略百年前の1918年3月、感染率の極めて高いインフルエンザが米カンザス州で発生し、瞬く間に米国各地の陸軍キャンプに広がった。軍隊での栄養失調、過密な医療キャンプや病院での医療崩壊と劣悪な衛生状態が細菌性の重複感染を促進し、20~40歳の比較的若年層の高死亡率に繋がった。米ウイルソン大統領は第一次世界大戦が終わりを告げかけていたこの時期に、予て約束していた米国の欧州戦線への参戦・軍隊の派遣を止めることが出来なかった為に、感染した兵士と共に、この恐ろしいウイルスが海路大西洋を渡ったのである。当時洋上で発症した兵士は船室を追われ3月の寒風の中、上甲板に放置され、死亡した兵士の胸は肺炎による内出血で赤黒く染まっていたとの凄まじい記録がある。
この欧州から全世界への感染拡大は1920年まで続き、近代史上最悪のパンデミック(世界的流行)となったが、当時中立国で情報統制していなかったスペインが、流行を大きく報じたことから「スペイン風邪」と悪名を押し付けられることになってしまった。正しくは「アメリカ風邪」,若しくは、より正確には「北米インフルエンザ」であろう。しかし現在WHOはウイルスを特定の国や地域に関連付けることに明確に反対して居り、アメリカの破落戸大統領が「チャイナ・ウイルス」と連呼するのは、破落戸が得意とするアメリカ流、全て相手が悪いと言う身勝手極まりない国際的なマナー違反である。
このインフルエンザ第一波は数か月で地球を一巡し終息の気配を見せたがウイルス特有の突然変異が発生し、第2波で致死率は跳ね上がった。(ウイルス突然変異はブログ2016年12月「インフルエンザウイルス」参照)
世界全体の推定感染者数は約5億人、当時の世界人口は20億人前後であると推定されているため、全人類の3割近くが感染したことになる。日本では、当時の人口5500万人に対し約4割、2300万人が感染したとされている。 日本の罹患率は40%と高かったが死亡者は25万人以上で罹患者の死亡率は1%、全人口比0.5%と数字の上では多くは無かったが、短期間で起こった死者数としては歴史上類例を見ないものであり、火葬場はパンク状態だったと伝わっている。
世界全体の推定死者数は5千万人以上と推定され、第一次世界大戦の戦死者1600万人、戦傷者2,000万人以上を遥かに超える数字であった。アメリカでは50万人が死亡したとされている。感染が休戦を早め、重要な講和会議では英米仏首脳も感染してしまった為に全員精神的にもダウンしてしまって、正常な判断力を失い、ドイツに過剰な賠償を押し付けた結果、ドイツ人に精神的・物質的に大きな打撃を与え、結果ヒトラーを生む素地を作り、第2次世界大戦の導火線にもなったと多くの歴史家が述べている。

WHOの天然痘根絶プログラムのリーダーの一人として、1980年に全世界での根絶を成功させた世界的な免疫学者L.ブリリアント(米)は過去の講演で、「もし今後パンデミックが起これば世界で10億人が罹患し、1億6500万人が死亡する、経済損失は1~3兆ドルに達する可能性がある」と警告している。又最近のインタビューでは新型コロナは世界的危機であると認め、実態把握の為の広範囲な検査を実施すべきであると警告を発している。WHOによると新型コロナの死亡率は人口の2%と推計しているが北米インフルエンザも2%であったことを考えると生ぬるい対応では悲惨な結果に繋がることを肝に銘ずるべきだろう。
然しながら日本の感染症の専門家の中には「季節性インフルエンザに毛の生えたようなもの」と言う人が少なからず居り、いまだに自説を曲げずに「ウイルスの影響は限定的なので、経済が崩壊する前にイベントの自粛などは止めるべきだ」という無責任な声が根強い。

国家を揺るがすような大きな国難に直面した時こそ、国家の指導者の力量が如実に表れる。
恫喝、嘘、権力乱用、自分1st等々、アメリカの破落戸大統領,日本の葉茶滅茶総理の得意の手法は愚かな国民を騙せても、「想像を超える感染力を示す未知の敵」には全く通用しないことが明らかである。この様な強力で姿の見えない敵・事態に対して成すべきことは想像力・洞察力を総動員し、具体的な行動方針を明示して迅速に実行することである。当然そこには決断力や誠実さ、熱意、思いやり、公正さが求められる、正に「*最悪を考え*慎重に*すばやく*誠意を持って*組織的な対応する」と言う危機管理の法則「さ・し・す・せ・そ」が当てはまる。
反知性主義、反教養主義の見本のような二人には所詮無理な要求かもしれないが、歴史に学ぼうと言う知恵や謙虚さが少しでもあれば、国民の生命・財産を預かる国家のトップとして常に危機管理の原則を脳裏に留め置き、行動することが出来たであろう。アメリカ、日本共に無能なトップ故に初動を誤った。根拠の無い一部楽観論者の言説に甘い希望を託し「ボォーと生きてきた!」結果が、現在の犠牲と混乱を招いているのである。

この項続く
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