OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

〔映画〕プロジェクト・グーテンベルク 贋札王

2021-07-17 12:16:24 | 映画

 
 香港・中国合作映画です。

 脚本がしっかりしていたのと映像も丁寧に作られていたので、楽しく観ることができました。
 こういったテイストの作品レベルは邦画を遥かに凌駕していますね。ちょっと驚きました。
 
 ただ、気になった点をひとつ。
 物語は最後にどんでん返しがありましたが、私としてはそれまでのエピソードを踏まえるとちょっと無理筋のような気がしました。無名の画家と偽札作りのリーダとがどうにも結び付きません。
 素直にエンディングに持って行く手もあったように思います。

 

 

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〔映画〕名も無き世界のエンドロール

2021-07-16 10:02:03 | 映画

 
 ほとんど期待していなかったのですが、想定外に結構楽しめました。
 
 まずは原作がしっかりしていたこと、これが最大の成功要因です。物語の中に、エピソードの背景説明や伏線がほどよく配置されていて無駄がありません。そのあたり映画として作り上げる際にうまく整えたところもあるのでしょう。
 
 二人の主人公を演じた当代の若手人気俳優の岩田剛典さんも新田真剣佑さんもよかったですね。

 

 

 

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〔映画〕万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-

2021-07-15 10:20:42 | 映画

 
 松岡圭祐さんの推理小説シリーズが原作で、コミックも出版されているようですね。「万能鑑定士」というプロットが秀逸です。
 
 内容は “想像どおり” の「サスペンス・コメディ」作品で、綾瀬はるかさんと松坂桃李さんの主役コンビは作品のテイストによくマッチしていました。とくに綾瀬さん、こういう役はとても自然に見えて好感が持てますね。
 ラスト近くの取って付けたようなシーンも、こういった作品ならではでむしろ好演出といえるでしょう。
 
 小説もコミックもシリーズもののようなので、この主人公のキャラクタなら映画でもあと2・3作は引っ張れそうな気がします。

 

 

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学校の「当たり前」をやめた。 - 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 - (工藤 勇一)

2021-07-14 08:12:25 | 本と雑誌

 いつも聞いているpodcastの番組に著者の工藤勇一さん(千代田区立麹町中学校校長)が登場して、ご自身の学校改革のお話をされていたのですが、その内容がとても興味深かったので手に取ってみました。

 まず「はじめに」の章で示された工藤さんの根本的な問題意識。
 工藤さんは、学校教育の「目的」は “「自律」する力を身に付けさせる”ことだと考えています。

(p6より引用) 今、日本の学校は自律を育むことと、真逆のことをしてしまっているように感じます。

 その課題感をもって、工藤さんは数々の改革に取り組みました。教師の立場、教育委員会の立場、校長の立場・・・、さまざまな職責での工藤さんの実績は、どれも独創的でありチャレンジングなものでした。特に、東京の「教育困難校」に赴任した際の経験談は強烈でしたね。

 さて、本書を読み通してみての感想ですが、期待どおり数多くの気づきを得ることができました。それらの中には、大いに首肯できるものもあれば、多面的により深く考えなくてはならないと感じたものもありました。

 たとえば、「心の教育」についての工藤さんの考えです。

(p61より引用) そもそも「心はみんな違っていい」はずです。人の価値観、考え方はみんな違ってよいのです。 私は生徒たちに、人は行動こそが大切だという「行動の教育」を伝えていきたいと思っています。

 「違いを認める」までは多くの人が言っていることですが、「それゆえに『行動こそが大事』」と一歩踏み込んだ指導を志向しています。陽明学の「知行合一」と同根の考え方でしょうか。

 そういった“割り切った考え”の工藤さんですが、同時に「弱者に対する心のケア」を忘れないのが素晴らしいところです。

(p62より引用) 幼稚園や保育園、小学校で心の教育の象徴としてよく言われている、「みんな仲良くしなさい」という言葉があります。この言葉によって、コミュニケーションが苦手な特性を持った子どもたちは苦しい思いをしているのではないでしょうか。 ・・・ 「人は仲良くすることが難しい」ということを伝えていくことの方が大切だと私は考えています。

 もうひとつ、現代社会における未来を切り開く道筋について。

(p195より引用) 現代社会においては、特定分野の技能を磨き続けることが、その人の可能性を広げることにつながるのです。ちょっと変な言い方かもしれませんが、自分の進路は狭めていけばいくほど、その後の進路は広がると思います。

 逆説的な言葉ですが、なるほどと思いますね。

 そして、最後に、本書の中で工藤さんが何度も語っている「目的」の共有の大切さについて。

(p203より引用) 一見、極端に相反する考え方も、その1つか2つ上の目的を確認し合えば、同じ目的を目指していることが分かったりします。それを確認し合うことで冷静に議論ができるようになることもあります。この経験を積み重ねていけば、対立を恐れることなく、協働して何かを決めることができるようになります。 民主主義社会の形成において、学校教育が果たす役割は大きいものがあると考えます。

 「手段の目的化」の弊害があらゆるところで顔を出す今日、「自律的思考」を身に付けた人材をいかに育成できるか、やはり「教育」が社会基盤再生のカギを握っているのは間違いありません。

 

 

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〔映画〕ミュンヘン

2021-07-13 11:15:14 | 映画

 
 スティーヴン・スピルバーグの監督作品です。
 
 1972年のミュンヘンオリンピック事件とその後のモサドによる報復作戦を描いたもので、さすがにしっかりと作り込んである “映画らしい映画” です。
 
 もちろん歴史的・政治的背景を考えると安直な感想を書き並べるのは不遜ではありますが、“報復の往還” にはやはり空虚感を感じえません。

 

 

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〔映画〕アクアマン

2021-07-12 08:29:12 | 映画

 
 地上波での放映を録画していました。
 
 アメリカン・コミックの実写版にはほとんど期待していなかったのですが、予想どおり、やはり私には合いませんでしたね。結局のところ、善悪対決とHappy endという単純ストーリーで、あとはキャラクターが魅力的か?だけの違いなので。
 
 その点では、本作品の主人公には特に際立ったプロットの工夫もありません。スーパーマンの「海洋版」ですが、ストーリーも舞台も限定的です。
 
 せいぜい大きなスクリーンで観たときの「映像」が評価される点になるかどうかですね。

 

 

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〔映画〕殺人の追憶

2021-07-11 15:04:26 | 映画

 
 韓国映画ははじめてだと思います。
 
 韓国の国民的俳優ソン・ガンホさん主演の2003年の作品です。
 舞台は1980年代後半、実際に発生した事件をもとにした「フィクション」ですが、物語は過度な演出もなくリアリスティックに進んでいきます。ただ、当時の韓国の世情が理解できていないこともあり、どことなく違和感を感じながら観ていました。
 
 韓国ではとても評価が高く、興行的にも大成功をおさめた作品とのことですが、私にはあまり響きませんでした。残念です。

 

 

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〔映画〕スカイスクレイパー

2021-07-10 10:38:13 | 映画

 
 定番のドウェイン・ジョンソン主演のアクション映画です。
 
 なので、スーパーヒーローが活躍して Happy End というお決まりのパターン。安心して観ていられると言えばそのとおりですが、出来としては “平凡” ですね。
 
 映画館のスクリーンだと、巨大ビルディングの火災シーンは迫力があったのかもしれませんが映像配信サービスをモバイルPCで観るぶんには物足りないのは止む得ないでしょう。
 そもそも、高層ビルの火災パニックというプロットには目新しさはありません。

 

 

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まくらが来りて笛を吹く (春風亭 一之輔)

2021-07-09 09:10:15 | 本と雑誌

 

 著者の春風亭一之輔さんは、2012年、21人抜きの抜擢で真打昇進した今最も人気がある落語家の一人です。

 私も時折youtubeで聞くことがあるのですが、確かに語り口は(私のような上方落語に染まっているものからすると、少々アグレッシヴではありますが)スマートでテンポが良く、マクラでのお客の掴みも卓越していますね。
 定番の古典落語の演目を語らせても、ところどころのやり取りに今風の工夫を凝らしていて見事です。このあたり、ひとつ間違うとワザとらしくなって、お客に阿った感が出てしまうんですね。そのあたりの加減は絶妙です。天性でしょう。

 さて、本書はその一之輔師匠のエッセイ集。「週刊朝日」への連載を再録したもので、軽いノリでページが進んでいきます。

 肝心の中身ですが、正直なところ、読者の期待するところによって合う合わないがはっきりしそうですね。

 エッセイを書くのは本当に難しいと思います。本人の感性だけでつらつらと筆を進めると、その作品は、作者の感性にマッチした人にしか受け入れられません。作者本人の感性が鋭ければ鋭いほど、そのレベルにしっかりと波長を合わせて受信できる人は限られてきますから。
 残念ながら、私はちょっと合わない方でした・・・。

 

 

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〔映画〕容疑者 室井慎次

2021-07-08 11:01:39 | 映画

 
 「踊る大捜査線」のスピンオフ映画です。
 これで映画版「踊る大捜査線」シリーズは、本編もスピンオフ作品もすべて観たことになります。
 
 シリーズを通してですが、これほど、出来にバラツキがあるのはどうなんでしょうね。この作品は、もちろん?ストーリーは荒唐無稽ですが、登場人物の性格づけはしっかりしていたので、まだいい方でした。
 
 キャスティングでいえば、やはり田中麗奈さんのキャラが成功要因ですね。あと、真矢みきさん。前作をうまく活かして大切な役回りを演じていました。

 

 

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〔映画〕ジョーカー・ゲーム

2021-07-07 10:37:40 | 映画

 
 このところ邦画は「大外れ」ばかりです。
 この作品は観る前から「また」との確信がありましたが、残念ながらそのとおりでした。
 
 「ギャグ漫画」ですね、キャスティング面での深田恭子さんはこういった役どころだというのが “見え見え” でしたが、それは制作側も織り込み済みでしょう。
 亀梨くんは・・・、ちょっと違うんですね。

 

 

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〔映画〕マイ・プレシャス・リスト

2021-07-06 11:42:21 | 映画

 
 あまり期待していなかったのですが、結構面白かったです。
 
 主人公のキャラクタ設定をはじめとしてプロットがなかなか気が利いているのと、何より、主人公を演じたベル・パウリーがとてもチャーミングでしたね。
 演出についていえば、伏線の扱いもスマートですし、極めつけはラストシーンでしょう。センスの良さが印象に残ります。
 
 こういう爽やかな軽いノリの作品は久しぶりです。いいですね。

 

 

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〔映画〕踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!

2021-07-05 11:22:15 | 映画

 
 映画版第1作目に続いて、第2作目も続けて観てしまいました。
 
 これはジンクスを打ち破って結構いい作品だと思います。
 このシリーズにリアリティを求めてはダメです。完全な “作り話”として、どこまでうまくエンターテインメント作品に仕立て上げているかというのがポイントです
 
 その点で、今回の作品の「肝」は、真矢みきさんの役どころでしょう。
 実際はここまで極端なキャラはないでしょうが、見事に演じていたと思います。キャスティングの勝利です。(ただ、この役の設定は、今の時代だとちょっといろいろと問題になりますね)
 
 あと、もうひとりは、いかりや長介さんの存在感です。
 物語のところどころに登場しては、こころに染み入るような台詞を届けてくれています。いいですね。素晴らしいです。
(ちなみに、 神木隆之介くんも子役で登場していました。驚きです。)

 

 

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子どもの算数,なんでそうなる? (谷口 隆)

2021-07-04 10:12:52 | 本と雑誌

 いつも利用している図書館の「新着書」のリストを眺めていて、目を惹いたタイトルだったので手に取ってみました。

 著者の谷口隆さんは数学者です。谷口さんは、子どもを相手にした算数の学びの機会を通して、数々の興味深い気づきを得ていきました。

 その中から2つ、特に印象に残ったものを紹介しましょう。
 まずは「第3話 マルとペケ」から。

(p31より引用) マルとペケは特定の意味をもつ記号だが、 元来これらには、良し悪しの価値判断は含まれていない。ベケとは、考える素材の提供である。そう考えることが本当の学びのための出発点になるのではないだろうか。

 まさに首肯できる捉え方ですね。

 そしてもうひとつ、「結び‐誤りは宝物」から。
 「ペケ」は多くの場合“誤り”に対して記し付けられますが、だからといって誤り自体「悪い」わけではありません。“誤り”には大きな効用があります。

(p133より引用) 「誤った」認識は、(子どもは将来的にはそれを手放すことになるのだけれど)そのときは過渡的な理解として、次のより正確な認識に至る足場になるのである。

 「誤り」は“理解への途中ステップ”だと考えるわけです。そうすると、「誤り」にゆとりをもって接することができるようになります。

(p134より引用) 誤りを見守ること。それは考えることの価値と誤りのもつ可能性を十分に認め、それぞれの誤りの効果ある活かし方について考えを巡らせることである。

 “誤りを見守る”というフレーズは、とても大らかで優しさやゆとりを感じるいい言葉だと思います。 

 

 

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〔映画〕踊る大捜査線 THE MOVIE

2021-07-03 10:16:20 | 映画

 
 昨日、「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」を観て、とても残念な気分になったので、改めて映画シリーズ第1作目に戻ってみました。
 
 やはりこちらの方がずっと素直な作りで、それでいて登場人物のキャラクタ設定にメリハリが効いていていいですね。これなら、シリーズとしてやってみようかと考えるのも頷けます。
 
 特にラストの病院でのシーンは、青臭いといえばそうなのですが、私は好きです。

 

 

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