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「選択と集中」が目指したもの (オンリーワンは創意である(町田 勝彦))

2008-12-01 22:37:57 | 本と雑誌

Aquos_2  著者の町田勝彦氏は、1998年から約9年間SHARPの社長を勤め、現在は会長職にあります。
 その町田氏が、自らの経営を語った本です。

 事業経営において「選択と集中」ということがよく言われます。また、自社の強みを活かす「コアコンピタンス経営」というコンセプトもよく見かけます。

 SHARPにおける「選択と集中」の対象である具体的な「コアコンピタンス」は、「液晶技術」でした。

 なぜ「液晶」に集中したのか?
 
町田氏にとっての「液晶」は「テレビ」での成功のための手段でした。さらにそれは、SHARPの致命的弱点である「ブランド力」強化のためのファーストステップだったのです。

 
(p20より引用) 私はテレビをやるために液晶を選んだ。・・・
 そして、テレビで成功しなければ、ブランド力は上がらない。ブランド力が上がらなければ、将来、企業として成り立ってゆかない。どんなに反対されても液晶をやりたかったのは、「家電の王様」であるテレビを制するためであった。

 
 「液晶技術」に加え、SHARPのブランド力を高めるための町田氏の戦術で大成功を収めたのは、「広告宣伝」でした。

 
(p70より引用) それまでの宣伝・販促活動は総花的で、新製品のデビュー広告が主流だった。・・・
 ブランド力向上が最重要課題である限り、宣伝活動も、それまでの「実売支援型」から、大転換をはからなくてはならない。・・・
 「選択と集中」は、どの場面においてもベクトルを合わせなくてはいけない。宣伝活動も例外ではない。・・・

 
 2000年の年明け、女優吉永小百合さんが登場したテレビスポットの効果は絶大だったといいます。
 確かに、今でも私の記憶に残っています。

 他方、「選択」に漏れ切り捨てられた事業もありました。

 
(p71より引用) 「選択と集中」をおこなえば、どこかで血は流れる-それは覚悟のうえだった。

 
 

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