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折れそうな心の鍛え方 (日垣 隆)

2011-03-09 22:08:01 | 本と雑誌

 日垣氏の著作は何冊も読んでいます。舌鋒鋭く、その分持論の周りには少なからず波風が立ってしまうタイプですね。

 本書は、過去においてウツになりかけた著者自身の体験をもとに、それを克服するためのある種「素人療法」を紹介したものです。「素人療法」といっても自ら実践したものだけにリアリティはあります。もちろん全ての方法が全ての人に有効というわけではありませんが、それは当然でしょう。

 紹介されている50の方法の中から、私自身、なるほどと思ったものをいくつかご紹介します。

 まずは、悲しみや苦しみの大きさについて。

 
(p56より引用) 不思議なもので、悲しみや苦しみにもキャパシティがあります。
 人は、自分にふさわしい悩みや落ち込みしか抱えないのです。
 ふさわしいという言葉が適当でないのなら、「自分の力以上のものは抱えない」と言い換えてもいいでしょう。・・・
 「夜明け前が一番暗い」
 「明けない夜はない」
 ありふれたフレーズではありますが、確かな真実だと思います。

 
 この指摘は、日垣氏の論を待つまでもなくよく語られるところですし、究極の支えになる心の姿勢ですね。
 こういう気の持ち様はとても大事です。

 
(p88より引用) 人間は、「できる」と思うことしか、できません。
 逆に言えば「できる」と思っていれば、できてしまったりするものです。

 
 こういう「割り切り」も心の負担を軽くしてくれます。

 また、最悪の状況にあると感じている人に対しては、こんなアドバイスも。

 
(p127より引用) もしあなたが今、喪失感や落ち込みの真っ只中にいたら、それは「最悪」を経験するという貴重なときであり、人生のなかでまとめて与えられた「考えるための時間」かもしれません。
 そこから何を生み出すか、生み出さないかは、「最悪の時期」の過ごし方で決まるような気もします。

 
 さて、本書、読み終わって改めて「目次」を眺めてみると、落ち込んだ気持ちから「V字回復」するための50のノウハウがテンポよく並んでいるのが分かります。

 ・原因を人のせいにする愚痴は、ストレスを育てるだけ
 ・一発逆転を狙わず、やれることは全部やる総力戦で
 ・「何だか不安」は「何が不安か」がわかっていないから
 ・「自分のつらさは特別」という思い込みをぶち壊す
 ・落ち込んだら、まず出口をイメージするのが回復の第一歩 等々。

 日垣氏の著作の中では、どちらかといえば異色な部類でしょうか。かなり「優しい」語り口です。
 
 

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