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ボトルネック (組織戦略の考え方(沼上 幹))

2005-12-10 09:52:58 | 本と雑誌

 プロセスに取り組む上で最も重要な能力は、「ボトルネック」「クリティカルパス」を見極める目です。

(p53より引用)  「生産工程」の生産能力は一番処理能力の少ないところに規定されているのだから、その周辺がどれほど生産していても事態は一向に改善しない。・・・ボトルネック以外が、無闇に頑張りすぎるとろくなことにならない。・・・周りの人間が頑張りすぎることで、却って組織の意思決定生産能力が低下してしまうことさえあり得るのである。

 この現象の背景には、「プロセスのノーコントロール状態」があります。
 プロセス上の「ボトルネック」を識別する仕掛けがなかったり、プロセス全体を管理・調整する役割のマネージャーが不在だったりしているのです。
 その中で、一連のプロセスのそれぞれのパーツが勝手なペースで回転し、処理しきれないプロセス在庫や未稼働プロセスを積み上げているのです。

(p56より引用)  ボトルネックは短期と長期では異なるという点をしっかり認識しておくべき

 この点も、当然ですが、実際の場面では結構忘れ去られています。
 すなわち、目の前のボトルネックを解消することが根本的な改善にも繋がると思ってしまうのです。短期的な対応での外部リソースの活用と長期的な人材育成の取り組み等がいい例だと思います。

(p136より引用)  エースに重要な仕事が集中するのは組織全体にとっても適切だから、経営上の深刻な問題ではない。問題は、重要でない仕事までエースに集中してしまう点にある。本当のボトルネックであるエースの仕事処理能力を無駄遣いしてしまうことになるから、こっちの方は経営上の深刻な問題である。

 この点も意識して気をつけないと、放っておくと必ずこうなります。
 エースと言われる人は、仕事を嫌がりませんし、その周りにはコバンザメのように「フリーライダー」が取り巻いているからです。

コメント
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