青森市子育てサポートセンター

「子育てをしている保護者のみなさんのお役にたちたい!」という熱い思いで、活動に取り組んでいます。

早期発見・早期支援~子どもの発達障がい 今できること~

2023-09-26 10:58:40 | うとう塾

2023-6月3日、講師に弘前大学医学部心理支援科学科 教授の栗林理人さんをお迎えして、親が子どもの障がいを受け止め、子どもにとって必要な支援に繋げることで、社会生活のしやすさや、子どもの持つ力の可能性について知る機会として講話をしていただきました。

 

 まず始めに、ご自身の3人のお子さんの子育て経験から、①第1子の写真やビデオが多く平等に育てていたつもりが、育てる側の思い入れがあったこと②子どもを叱った時の様子から、それぞれの子どもの生まれ持った感受性が異なること③飼い犬の接し方に違いがあることをお話しされました。これは、ご自身が治療の際に、育てる親の側の要因「養育環境」と子ども側の要因「個」(発達の特性)を意識することになったそうです。

 発達段階で自閉傾向のある子どもは、乳児期では養育者と「いないないばー」などで視線を合わせない・感覚過敏から抱っこを嫌がる・離乳食の時期に口に入れたものを嫌がる(偏食)・ごっこ遊びがうまく展開できない・こだわりや特定の物への執着があるなどが顕著に認められます。

 最近の問題は、知的な障害を伴わない自閉症傾向のあるグレーゾーンの子どもが増えてきていることです。日常生活での特徴は①1つのことにこだわり、物事を全体として捉えることが難しい②作業の同時進行が難しい③臨機応変が苦手④相手の気持ちを読むことができない⑤瞬間時に記憶する特殊能力がある⑥感覚過敏、などがあげられ、これらの発達の特性を背景として、独特の「生きづらさ」を感じているものと推測できます。

 また、怒られたり傷つく体験や失敗経験を積み重ねて思春期になった場合、自己肯定感が低下し、うつなどの2次的な障害を併発したり、不登校やひきこもりなどの問題がでてきやすいです。そのため、「生きづらさ」を軽減するためには、周囲の理解や環境調整が必要です。子どものうちに家庭や学校以外に安心できる居場所をつくることで、自尊心を保てる環境が確保できます。

 最後に【グレーゾーンのゴールは「生きていく力」を身にけることです。例えば、食事を作ること(食材を加工する)から、興味が湧き食材の買い出しでお金の計算なども身につきます。好きなことを突き詰め、裾野を広げ社会へ繋がる道筋をつけます。また、身の回りのことができるようになる生活指導が必要です。】と、アドバイスをいただきました。

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