青森市子育てサポートセンター

「子育てをしている保護者のみなさんのお役にたちたい!」という熱い思いで、活動に取り組んでいます。

今、なぜ「子どもの権利」なのか?

2021-08-03 11:55:26 | きらきら塾

 

 今期最初のきらきら塾は、5月18日(火)に荒川市民センターを会場に、昨年コロナ禍で中止になった「青森市子どもの権利擁護委員」で弁護士の沼田徹さんをお迎えして開講しました。

 沼田さんは「人権や権利がなぜ必要なのでしょうか?人権や権利が侵害された場合のほかにそれらを意識することがあるでしょうか。人権や権利を意識しないのは、私たちが人権や権利の侵害に慣れて鈍感になっているからかもしれません。」と、そして「人権や権利・正義がない社会は、万人の万人に対する闘争が生じて一部の力の強い者が勝ちます。人権や権利・正義は、本来一人では生きていけない人間が共存するために必要で、他者との関係を結ぶ時の摩擦などを解決するためにあります。」と話されました。

 「権利や人権を教えるとわがままを許すことになると言う人がいるが、むしろ権利や人権を教えることで、他者との関係で一定の制約が伴うことを知り、他者を尊敬しなければいけないことを理解できる」そうです。

 次に「青森市子どもの権利条例」が保障するのは「①安心して生きる権利⇒困った時に相談でき支援を受けられる ②自分らしく生きる権利⇒他人との違いを認められ、安心して過ごせる ③豊かで健やかに生きる権利⇒間違いや失敗をしても助言や支援が受けられる ④意見を表明する権利⇒意見を表明して参加でき、自分の主張や表明した意見が適切に配慮される」の4つです。

 そして「青森市子どもの権利相談センター」の最大の特徴は、単なる相談に止まらず、子どもの権利擁護委員3名が、実際に学校など(相手方)のもとに足を運び、事情を聴いたり、働きかけをしたりといった「調整活動」をする点です。当事者同士では、うまく解決できない状況でも、第三者であるパイプ役(調停者)として関係の修復や問題の解決への橋渡しをすることです。「東北では、青森市だけに存在する機能で是非気軽に利用して欲しい」と優しく紹介してくださいました。

 各小中学校で起こったエピソードでは、集団主義的・全体主義的な校則や指導の落とし穴、時代錯誤的な連帯責任、管理主義的でモノを考えさせない指導など、学校における子どもの権利、人権の不合理な制約に対する純感さに一石を投じられました。

 最後に「子どもにとって本当によいことはなにか」では「自分で考え、判断し、失敗しても納得して、自分で人生を切り開いていけることが大事で、そのことが自分の人生の主人公になるということです。それとともに他者との違いを認め、寛容さを身に付け、可能な限り異質な他者との共存を実現するためにも、子ども時代に権利行使を経験することが大切です。親は否定せずありのままに子どもの話をきちんと聞いてあげることで子どもの意見表明権を保障できます。」とまとめられました。

 今期の講座も、コロナ対策でマスク着用・手指消毒・検温をして、密を避けて間隔を取っての受講です。

参加者のアンケートからは、以下の感想がありました。

「いじめは、不合理な校則が強化している」「校則はいい教材になる」「議論すればいい」名言がたくさんでした。

否定せずにありのままに子どもの話を聞くというのは簡単なようでなかなか続けられるものではないですが、少しの時間を見つけて今日から毎日続けていきます。

子どもの権利相談センターの役割を詳しくきけて良かった。ぜひ、もっと広めたいと思いました。

先生の講義から発生する疑問を、皆さんで議論してみたいなと思いました。

権利や人権は、ふだん意識してないけど、意外と身近なとこにあったのが発見でした。

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