年の暮れが近づくと、
あちこちで第九の演奏会がひらかれる。
この時期に第九の演奏会が目につくのは
日本だけで、ほかの国ではみられない傾向らしい。
合唱をはじめたきっかけは、
ベートーヴェンの第九。
当時の職場の先輩に、
「こんなのがあるのよ。歌ってみない?」
と、手渡された1枚のチラシ。
阪神淡路大震災復興のための第九を歌おうという
合唱団員募集のチラシだった。
原語であるドイツ語で、
プロの指揮者のもと、
これまたプロのソリストさんやオーケストラの方々と
アマチュア合唱団が共演する第九。
きちんと指導を受けて、
一度くらいこんな経験をするのもよいなと
直感的に思い、合唱団員となった。
それから何度第九を歌い、聴いたことだろう。
合唱の世界に足をふみいれてから、
18年ほどになる。
こんなに長く続けることになるとは、
そのときは夢にも思わなかった。
合唱をきっかけに、たくさんの音楽に触れ、
声楽を始めてドイツリートや日本歌曲、ミュージカルなどを
ソロやデュエットでも歌うようになった。
ちっともじょうずにならないながらも、
自分なりの歩みで歌いつづけている。
あのときの第九が、はじまりだった。
わたしの生きる世界を広げてくれた。
第九は、大きなパワーを秘めた曲。
歌うにも聴くにも、それなりのエネルギーを必要とする。
その反面、
元気がない時に歌うことで、聴くことで、励まされることもある。
どんな音楽も一期一会で、第九に限らないのかも知れないが、
何度歌ってもむずかしい。
何度聴いても新鮮。
不思議な曲だ。
天使のソプラノは、永遠にめざしつづけるはるかな高み。
エネルギー第九にもらう十二月
つもりだけ天使ソプラノパートです
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