読みました

本を読むのが好きです。
忘れないように感想等を書いています。
その他、ねこのひとり言…。

今年の5冊目

2009-07-31 21:42:06 | 読書
                   のち一時

 昨晩と今夜は地域の盆踊りの練習に行って来ました。
6~7曲を二晩で覚えるのは年齢のせいか無理みたいです。

何とか輪の中で見よう見真似で踊れるようになったけど
本番まで1週間以上あるので忘れてしまいそうです。

 「鍋の中」 村田喜代子著

主人公「たみ」の祖母と長い間付き合いのなかった弟が
ハワイにいると手紙をくれたのは弟の息子(甥)だった。

しかも農園を経営して資産家だが重い病気らしく、
最期に会いたがっている、と書いてあった。

両親たちは、早速ハワイに尋ねるため、私と弟の信次郎、
いとこのみな子と縦雄の4人を夏休みに祖母の家に預ける。

そのひと夏の物語。
祖母は昔の記憶をたどるが、手紙をくれた弟の事は

思い出せない。そのうちに縦男やたみの出生を語りだし、
知らされた親子関係にショックを受けるものの、その

記憶が、どうにも曖昧で・・・  人間が生きていく上で
家族の中での自分の立場はとても重要な事に気付かされます。

たみは料理を作りながら、鍋の中に祖母の記憶の断片を
見出します。

「鍋」とついた題名の小説で芥川賞を獲るなんて素敵!と
おもしろ半分(失礼!)に借りてきたけれど、時々哲学的な

表現の文章も出てきて面白かったです。
他に「水中の声」―幼い娘を亡くした母が、子どもの事故を

防ごうとある団体に所属し活動する、ホラーのような話等3編。
読むのも今が季節的にぴったりの1冊かも知れません。