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貧困について

2009-11-03 01:15:43 | 報道/ニュース
厚生労働省が10月20日に発表した「相対的貧困率」。日本は統計を取り始めて最悪の15,7%だそうです。1998年から調査をしていたのですがいままで発表してこなかった。今度民主党政権になったから発表したのだそうです。う~ん、10年以上も前から統計を取っていてなぜ発表しなかったのでしょうか。国がこっそり国民の実態を調べていて発表しない、これではまるで共産主義独裁国家ではありませんか。まだ国民に発表していない事がいくらでもありそうですね。
ところでこの「相対的貧困率」ってなんだ?全人口の可処分所得の中央値の半分未満しか所得がない人の割合だそうです。もっと?分からなくなりました。手取りの収入が全人口の真ん中の半分以下の貧しい人とでも解釈しておきましょう。ちなみに15.7%というのは2006年調査のもので年間手取りが114万円以下の人だそうですよ。今、回りを見ればこれ以下の人なんていっぱいいますよ。日本はますます貧しい国になっているようです。これがトルコ、メキシコ、アメリカについで世界4位とすれば、もしかするといまは世界一貧しい国ではないでしょうか。何で日本はこんなに貧しい国になってしまったのでしょう?どうやらこれは政治の失策から生まれたようです。
日本は明治以降戦争に明け暮れ決して裕福な国ではありませんでした。イギリスからお金を借りてロシアと戦争したほどの貧乏な国だったのです。そして敗戦。焼け野原からの復興で連合国は特別な改革をしました。小作人に土地を与える農地改革、財閥解体、金持ちやぜいたく品に高い税金をかける税制改革(シャープ税制)これらの政策により、1億総中流と言われる経済復興を成し遂げました。ところが1億総中流と言われても、まだみんな日本は貧乏な国と思っていました。より豊かになるために、もっと働いてもっと稼がなくてはと日本中が思っていました。そして世界第二位の経済大国(と言ってもアメリカとはずいぶん差がありましたが。)になったのです。
バブルがはじけて、市場原理だの競争主義だのと国民の事を考えない政治に変わってから、日本は貧乏な国へまっしぐらです。そして小泉・竹中路線はさらに格差を作りました。しかし問題はそれだけではありません。以前、経済大国と言われたとき日本はまだ貧乏だと思っていたのに、いまほんとうに世界一貧乏になっても国民はまだ貧乏という実感がないのです。これがみんなが政治を考えない元凶なのです。貧乏をつくっているのは実は政治なのです。
好きで貧しくなっている人は世界中ひとりもいません。金持ちにあこがれて失敗した人もいるでしょう。もともと貧しい人もいるでしょう。でも貧乏人をより貧乏に、金持ちをより金持ちにすることは政策によって可能なのです。為政者が優れている国は貧乏人を作りません。たとえお金がなくても心が貧しくないからです。みんなが100円持ってるグループは幸せですが、みんな1万円持っていてひとりが100円しかないグループは惨めです。そしてもっと惨めなのはみんなが100円しかないのにひとりだけ1万円持っている、今の日本なのです。貧困は絶対的なものではありません、人が感じる相対的なものなのです。

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