ボクは雑草です

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栄光のハーレーダビッドソン

2018-07-10 06:39:58 | 報道/ニュース
アメリカの代名詞のようなハーレーダビッドソン、200万円から高いものは700万円以上もするオートバイです。1000万円を超えるものもありますよ。一度は乗ってみたいという人は世界中にいくらでもいます。で、この会社、いつごろからあるかと言うと、なんと1903年ウィスコンシン州ミルウォーキーに設立とあります。100年以上前からあるんですね。1969年に公開された映画「イージーライダー」はハーレーダビッドソンの映画のようでした。
このオートバイ、当初は警察署に販売されていました。そして戦争になると戦場で大活躍。そのためますます頑丈になり、オートバイでは世界最強になりました。
しかし第二次世界大戦が終わると、でかさと頑丈さがじゃまになりました。敗戦国日本が性能も燃費も良い小型オートバイを安く作ると、それが売れるようになります。ハーレーは無用の長物、無駄の代名詞になってしまいました。
ハーレーはAMFに売却され、その後1980年代にはさらに投資家グループに売却、何とかアメリカの代名詞ハーレーダビッドソンを残そうとしますが、安くて性能がいい日本メーカーのオートバイにはかないませんでした。
そこで、日本メーカーがオートバイを大規模にアメリカに輸出することはアメリカ国内メーカーを脅かす、と当時のレーガン大統領は国際貿易委員会の調査を踏まえ700cc以上のオートバイの輸入に45%の関税を課すと発表します。100万円のものが145万円になってしまいました。
しかし日本メーカーは大量生産とコスト削減、さらに現地生産で対抗、45%の関税を掛けられてもなお売れていきます。確かに300万円のオートバイは高い、日本製が同じ排気量で150万円、しかも扱いやすい小型で燃費も良いとなれば、こちらを買うでしょう。力をつけた日本メーカーは世界の自動車レースにも参戦、性能も飛躍的に良くなりました。
こうして110年の歴史を持つハーレーダビッドソンは、実用品から愛好家の特別なオートバイとなり、古き良きアメリカの象徴的存在となりました。
トランプ大統領がアメリカへの輸入製品に大幅な関税をかける、と選挙目当てに息巻いたとき、中国・EUなど各国は同率の報復関税をかけると発表、30%の関税をかけるならアメリカからの輸入製品にも30%の関税をかける、と言う意味です。このトランプの政策に反旗をひるがえしたのがなんと名門ハーレーダビッドソンでした。ただちにタイ工場での生産を50万台にすると発表。つまりハーレーダビッドソンに関税をかけられるなら、海外で作っちゃうよ、と言う意味です。口だけのトランプに行動で対抗したのです。このニュースは痛快でしたね。名門の誇りを感じました
関税で自国の製品を守るという政策はグローバル化した今の経済ではあり得ません。セイロンで作られたナイキのシューズなんて当たり前の時代です。アメリカで走っているTOYOTA車の6割はMade in USAですよ。関税を掛けあう貿易戦争は誰も得をしません。50年前に終わっています。
ハチャメチャな大統領に、いい加減にしろ、と名門企業がアメリカ魂を見せましたね。言われたトランプは「ハーレーは降伏した」などといきがっていましたが、トランプの親衛隊が革ジャン着てアメリカ国旗をなびかせ乗っているオートバイ、100台も連ねて現れるオートバイ、あれがハーレーダビッドソンですよ。トランプ親衛隊も困りましたね。これからはハーレーに乗らず馬に乗って応援するんでしょうか?50年前どころか西部劇の騎兵隊に戻っちゃいますよ。
追伸:こんな時代遅れのトランプに世界で唯一べったり張り付いているのが日本の安倍さん。6月8・9日カナダでのG7でプラスティックごみをなくそうと各国が声明を出したのに加わらなかったのはトランプだけ、それを知った安倍さんも参加をやめ、結局5か国での声明となりました。安倍さんに言いたい。あなたも一応先進国の首相なのだから、プラスティックごみのことぐらい自分で判断しなさい。以上です。

2018/07/10