原稿用紙の使い方
(『表記の手引き』(第四版 松村 明校閲 教育出版編集部編)より抜粋
『国語教育辞典』(朝倉書店)の「原稿用紙の使い方」の項目の中で、原稿用紙に書く意義として、
国語教育としては、
⑴ 各マス目に一字一字正しく美しく書くという指導。
⑵ 作文を視覚的に読みやすくするために役立てる。
⑶ 印刷文化の普及に伴い、生活必要性との関連において、正しい使い方に慣れさせる。
とある。
(注―田中、「自分自身が書いている文章をより自覚的に、意識的に表現するために役立てる。」を付け加えたい。)
一 縦書きの原稿用紙の場合
1 題名
一行めの三~四字めぐらいから書く。
2 氏名
三行めに書く。姓と名との間を一字分あけ、氏名の下が一、二字分あくようにする。また、学年組名は、氏名の上に二字あけて書く。
3 本文
三行めから、最初の一字分をあけて書き始める。
4 改行
改行は、一字下げて(最初の一字分をあけ、二字めから)書く。
会話を、かぎ(「 」)を用いて表すときは、なるべく改行する。改行する場合、最初のかぎ(「)は、必ず行の一字めに書く。
会話文が二行以上にわたる場合には、両様の書き方がある。
⑴ 二行め以下の文字も一字下げて(最初の一字分をあけ、二字めから)書く。
⑵ 二行め以下の文字は、地の文と同じく一字下げないで書く。
なお、詩などの場合には、連ごとに一字下げの形にしないで、詩全体を二~三字分ぐらい下げて書くことが多い。
5 文字・符号
⑴ 文字は、原稿用紙の一ますに一字書くのが原則である。促音や拗音の場合も、一字扱いにし、一ますの右側に小さめに書く。
⑵ 句点(。)や読点(、)も、一字扱いにし、一ますの右上に書く。
⑶ なかぐろ(・)も、一字扱いにし、一ますの中央に書く。
⑷ 「 」かぎ 『 』二重かぎ ( )かっこ
‐ ハイフン = ダブル‐ハイフン
なども、それぞれ一字扱いにし、一ますに書く。
⑸ 疑問符(?)や感嘆符(!)も、一字扱いにし、一ますに書く。
ただし、疑問符や感嘆符が用いられた場合は、(?」)(!」)のとき以外は、次の一字分をあけて続けるようにする。また、疑問符や感嘆符と同時に句点や読点が用いられることはない。
(例)「どうしたんだ? つう! どうしたんだ!」
⑹ 中線(――)やてんてん(……)は、二字扱いにし、二ますに書く。
注 句点と、次のような符号が一緒になった場合は、一ますの中に書く。
(例) (」)と句点(。)、二重かっこ(』)と句点、())と句点。
注 作文などの場合には、行頭に、次のような符号を書かない。
。 、 ’ 」 』 ) ‐ =
こうした場合には、前の行の最下にある文字と同じますの中に書き入れる。極端な場合には、行の最下のますの中が、次のようなことがありうる。(文字・句点・かぎ 丸かっこ)
6 くり返し符号(々)
⑴ 一字扱いにし、一ますの中に書く。
⑵ 作文などの場合には、行頭に、繰り返し符号を書かない。こうした場合には、繰り返し符号を使わないで、前の行の真下にある文字と同じ文字を行頭にもう一度書く。
二 横書き原稿用紙の場合
読点(、)がコンマ(,)に変わる以外は、縦書きの原則がそのまま横書きの書式になると考えてよい。