ツルピカ田中定幸先生

教育・作文教育・綴り方教育について。
神奈川県作文の会
綴方理論研究会
国分一太郎「教育」と「文学」研究会

新しいスタートのために

2007-01-04 05:28:45 | Weblog
(1)いのちとからだを大切にし、健康に生きていきたいという願いを強くもった子ども。
(2)ゆたかなゆとりのある生活をしたいという願いをつよくもった子ども。
(3)人間として生まれもってきたさまざまな能力を、できるだけのばしていきたいとつよくねがう子ども。
(4)他人やまわりの人びとと、人間としてたがいに認めあったり尊敬しあったりして生きていきたいとつよく願う子ども。
(5)以上の願いを、みんなの力で、みんなの上に実現していきたいと強く願う子ども。
(6)以上の願いを実現していくための知識(基礎学力をふくむ)と技術、どんな困難にあってもねばりづよく努力していく態度と習慣をキチンと身につけた子ども。
          「新しい児童像と教育」国分一太郎 他著 誠信書房 1958年

教育基本法が「改正」されてスタートした新しい年である。
様々な問題を抱えている教育界にとって、今、あらためて考えなくてはならないことのひとつに、どんな子どもに育てたいのか、「みんなで確認しあえる児童像」をつくりあげることである。
競争原理が導入され、つながりを断ち切られている子どもたちにとって、「共通の願い」をたしかめあって、共に学び合える学級・学校をとりもどすためにもとりくまなければならない。
ここに掲げている児童像は、昭和23年3月31日の教育基本法制定ををうけて、その精神にのっとり、子どもをふくめた父母・教師・教育関係者の共通の旗印にするために国分一太郎が提起している「児童像」である。
国分一太郎自身も言っているように、改めてこの「児童像」をもとにしながら、どんな子どもに育ちたいのか子ども自身に考えさせ、どんな子どもに育てたいのか、父母・教師・教育関係者、そして、子どもに未来を託する大人達が、今こそ、考えていかなければならないのではないだろうか。

 では、具体的には、どんな子どもの育てるのか、どう実践するのか。国分一太郎の講演記録「こんな子どもに そだてたいので」を参考にされるとよい。1981年に開かれた第30回作文教育研究大会・神奈川大会の講演記録が『現代つづりかたの伝統と創造』(国分一太郎著・百合出版・1200円)に掲載されている。(今ならまだ手に入るはずである)