ツルピカ田中定幸先生

教育・作文教育・綴り方教育について。
神奈川県作文の会
綴方理論研究会
国分一太郎「教育」と「文学」研究会

心のケアと自立のための日記指導-2 「はじめて書く日記」

2016-03-31 10:05:29 | Weblog

        心のケアと自立のための日記指導

      ―「週一日記」のすすめー

 

(三) はじめて書く日記

 

 1 新しい学年になって「心が動いた日のこと」を

 予告しておいた日の朝の会に、日記帳を子どもたちにもどします。そして、今日は、この日記帳に、はじめて書いてもらうことを伝えます。

 新しい学年になって心が動いたこと、ドキドキした日のことを書こうと話します。始業式の日のこと、その日、家に帰って話したこと。桜の木の下で出席をとり、自己紹介をしたときのこと。先生とすもうをとったときのこと、授業のこと、いろいろと思いださせ、その中から一つえらんで書くようにさせます。

書 く時には、今日の日付、曜日、天候を一行目に書くように話します。そして、題をつけて書くように指示します。日記にも題をつけるのは、書きたいことがらを生活の中から「切り取って」、そのことだけを書くように習慣づけるためです。

 題の後には、名前を書いてもらいます。「自分のノートなのに、なんで名前を…。」という子がでてくるかもしれません。「これでもう3行書けたことになるのではないか。」と、ひとこと冗談をいったあとで、「たくさんの人の日記帳を読むことになるので、そのとき、いちいち誰が書いているのか表紙を見るのでは、時間がかかってしまいます。名前を書いて、その日に書いたところを開いて出してくれると、誰が書いたかわかって、すぐに読むことが出来るからです。これは先生からのお願いです。」こういうと、それからは名前も忘れずに書いてくれます。

 教師にとっても、長く続けるためには、こんな小さな工夫をしていくことも大切です。

「はじめて書いた日記」には、いつまでも心に残っているものがたくさんあります。

 

  いやな先生になった

                                  5年・ひろゆき

 始業式に日、組がえの日だとはりきってきたぼく。自分では、「また石渡先生がいいな。」と思っていたが、デンチュウテイコウ(田中定幸)なんて、へんなあだなの先生になっちゃった。ちょっとおっかなそうな先生だ。なんだかぼくには、むいてないような気がする。(以下略)

 

 この日記を読んだときには、ちょっとショックでしたが、よし、このひろゆきさんを、一年かけて「石渡先生もよかったけれど、田中先生もよかった」と思ってもらえるようにがんばろうと闘争心をもやしました。そんな思いも交えて、この日記を紹介しました。ひろゆきさんの心をここで知ったことは、いいことだったと今も思っています。

 ここでのねらいは、 

・まず、日記帳に一斉に書かせて、書き慣れさせること。

・新しい学年になった、「ある日のこと」を書くことで、日記には、必ずしもその日にあったことだけでなく、数日前のことでもよいこと。いつも、思っていることでもよいこと。

・その日の出来事ではない場合、「おとといのことでした」というように、いつのことかをはっきりさせて書けばよいこと。

・書くときには、その出来事の「はじまり」のところから順に思いだして書くこと。

 

 そして、この時期、何よりも大切なことは、子どもどうしの心をつなぐには、まず、教師が、一人ひとりの子どもとつながれるように努力すること。その気持ちを大切に、「はじめて書いた日記」を読んでいくように心がけます。

 

 これを、ひとつの「作文の授業」〈ある日。あるときのことを、出来事の順に思い出して、したとおり、見たとおり、「~しました。」「~しました。」と過去形表現を主にして書く作文の授業〉として実践するのもよいかと思います。

 


心のケアと自立のための日記指導-1 「週一日記のスタート」

2016-03-30 06:56:05 | Weblog

               心のケアと自立のための日記指導-1

                  ―「週一日記」のすすめー

 

 

 科学や知識、文化からも学ばせたい。また、日々の生活の中からもたくさんのことを学ばせたい。ていねいに物事を考えて、事実にもとづいて考える子に育てたい。

 そのためには、日記を書くことが大切です。

 そして、それを読み合い、学び合う学級・学校をつくらなければなりません。

 その、応援として、私の実践した「日記指導」について、紹介します。不十分なもの(未定稿)ですが、参考にしていただけたらうれしいです。

                                                                《 文中にでってくる児童名は仮名です。ご了承下さい。》

 

一 「週一日記」のスタート

 

(一)学び合える集団をつくる

 今は、「安全」「安心」がキーワードの時代。新しい学年を受け持ったとき、まず、子どもたちの安全を保障し、心を開かせ、安心して学校生活をすべての子がおくれるように心がけなければなりません。

 それは、クラスのなかの一番弱い立場にいる子どもたちに目を向け、一人ひとりのちがいを認めながら「仲間づくり」「学級づくり」をしていくことです。ほおっておいては、形はあっても「集団」はできてないのです。

 その時に大きな力を発揮するのが、子どもたちが書いてくれる日記や作文、詩です。

 とくに日記は、子ども自らが書きたいことをえらんで書くことが原則になりますから、えらんだ題材、書かれている内容、その書きぶりなどから、その子の生活や願い学習の状況、友だちとの関係などがみえてきます。日々の心の変化の一部を知ることもできます。

 一人ひとりの子どもの生活や願いを知れば知るほど、その子にあった教育ができる。

 このことばは、日記をずっと子どもたちに書いてもらってきた、わたくしの経験から生まれたものです。

 子どもたちの書いた日記は、教師が読んで、「赤ペン」を入れて書いた子どもを励ますだけでなく、書かれたものを読んだり、学級通信や一枚文集に紹介したりすることで、書き手の生活に対する思い、願い、見方・考え方をみんなのものとすることができます。

 お互いの生活や願い、その日、その時の気持ちを知ることで、心をひらき、共感、共鳴する心も育ち、安心して生活をおくることもできるのです。

 大震災の後、「災害に遭った子どもたちの心のケアにどう取り組むか」が、問題になっています。今回の大震災の特徴から、今後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の増加が予測され、学校でのPTSDを未然に防止するために必要な支援として 「(1)安全・安心の確保。(2)個々の子どものへの理解。(3)特別支援教育に学ぶべきユニバーサルデザイン教育。」があげられています。さらに(3)のユニバーサルデザイン教育で必要な具体的な配慮として、①クラス一人ひとりが、安心していられる場所を作る。②好きなこと、得意なことで教師、仲間とつきあえる。③クラス一人ひとりに活躍の場がある。④不快な感情を言葉で表現できる機会がある。」(注1)という提言が出されています。

 けれども、今、こころのケアの必要なのは、災害にあった子どもだけではありません。こころのケアの必要な子はどの学級にもいるのが現状です。

 インクルーシブな教育、人権教育の充実。人間理解を深めるという観点からも、「具体的な配慮」を可能にしてくれるのが、日記のもつ力です。

 教育をつかさどる教師の大切な仕事として、「日記指導」を上位に位置づけて、とりくんでみてはどうでしょう。一週間に一回は書く、「週一日記」からはじめましょう。

 

(二) スタート前の準備

 

1 教師が語ることから

 日記を生活の一部として子どもたちに書いてもらうようにするためには、まず、教師が子どもにたくさんのことを語ることが大切です。

 新学年・新学期のスタートにあたっては、まず教師の思いや願いを、できれば通信か「一枚文集」に書き、それを読みながら語ることが大事です。

 

 進級おめでとう/一人ひとりの力とよさを出し合って/すばらしいクラスをつくっていきましょう

「田中定幸先生」と、五年一組の担任が発表になった時、どんな気持ちでしたか。一年生の時に習った、石川先生や大澤先生がよかったとか、四年の時の受け持ちの先生方がよかったとか、新しく武山小学校へきた若さモリモリの米田先生がいいなと思った人もいたかもしれません。

 でも、がまんしてください。一人ひとりみんなの気持ちを聞いていたら、武小のクラスの担任を決めることはできません。学校全体のことをよく考えて校長先生が決められたのです。その中で、みんなはせいいっぱいやるほかはないのです。先生が気にいらないからといってしょげていては、何も学ぶことはできません。

 先生たちも、好きな子ばかりをえらぶことはできません。また、そんなことはしません。みんなも好きな友だちを集めてクラスを作ることは出来ません。

 組がえになった仲間35人と先生が、力を合わせていいクラスをつくっていくのが、だいじな『人を育てる』学校教育の目標なのです。

  ぼくの好きな言葉に、国分一太郎先生の言葉があります。(注2)

…君ひとの子の師であれば/とっくに それは ごぞんじだ/あなたが 前に行くときに/子どもも 前を向いていく。/ひとあし ひとあし 前へ行く。

 先生のぼくががんばれば、子どももきっといい子に育つ。まず、教師ががんばらなければだめなのだよ、という意味です。

 先生もがんばります。

 井上 友美さんも がんばってください。…。 (以下、クラス全員にこう、呼びかける)

 

 こんな通信を書くのです。そして、よいクラスをつくるためにはどうしたらよいか子どもたちに問いかけます。子どもたちに話させ、考えさせます。考えを引き出すようにします。そして、そういうクラスをつくるために、先生からは、一人ひとりの気持ちを大切に育てていくために「日記」を書いてほしいと提案します。

 

2 日記のすばらしさを語る

 日記を書くと、こんなよさがあると話します。

 ・先生が日記をよむと、たくさんのことを知ること、学ぶことができる。

・「赤ペン」によって、感想を伝えられる。

・書いた人の気持ちや心がわかったとき、その人にあった励まし方ができる。その人のよさをみんなに伝えられる。

・友だちの日記を読むと、友だちも、同じようによろこんだり、かなしんだり、心配したり、驚いたりしながらくらしていることに気づく。同じような出来事にであっても、ちがう考え方をする人もいる。各家庭には、それぞれの生活がある。

・友だちの、見方・考え方を学べる。

・おたがいが知り合うことで、学級としての「なかま」ができる。学び合える「集団」ができる。そして、「安心」「安全」な学校生活が送れる…。

 こういったことを話したからと言って、すべて伝わるわけではありません。けれども、日記を書き、それを読み合うことは、いじめのない、一人ひとりが大切にされる学級ができることをしっかりと伝えます。

 このときの話は、文字に固着させて、「学級通信」にも書いておきます。それを目にする保護者や家族の人たちにも伝わるようにします。所信をしっかりと伝え、指導の柱としての位置づけをします。

 

3 日記帳をプレゼント

 進級プレゼントとして日記帳を用意します。もちろん後で、集金してもかまいません。日記帳を教師が用意するのは、同じ物であれば扱いやすいこと。そして、子どもたちが、書きやすいように、また、書いた達成感が味わいやすいように、罫線の巾の広いもの、マス目の大きいものなど、実態にあったものを選べるからです。書き方についても、共通の約束のもとに書き進めるようにできるからです。

 すぐに書かせず、初日は、日記帳のプレゼント。そして、1ページ目から順にページを書きこませます。表紙には、自分の好きな名前をつけて、1冊目、あるいは№1と書き入れさせます。

 そして、この次に、新しい学年になって心が動いた日のことを書こうと予告しておきます。日記帳はそれまで大事に教師が預かっておきます。子どもたちに持たせておくと、書く当日、忘れてしまう子が何人か出てしまうからです。

 

(注1)小林正幸「提言 災害に遭った子どもたちの心のケアにどう取り組むか」『教育展望』(教育調査研究 所編 2011.10)

(注2)『君ひとの子の師であれば』(国分一太郎著・新評論)の冒頭に書かれていることば。山形県東根市にある国分一太郎の教育碑にもこの文言が刻まれている。

 

 


「読点(、)の打ち方」 ただいま例会資料作成中-6(補足と訂正)

2016-03-29 08:57:44 | Weblog

 

「例会資料作成中」で、読点の打ち方の解答を省略しましたが、念のために近藤重勝さんは、どこに打っているか、その解答をご紹介します。ブログを読み直して、あらためて確かめていただければ幸いです。

【問題】

次の八つの例文にそれぞれ必要と思われるテンを打ってください。→答は次のとおりです。

① 昨日は暖かかったが、今日は随分と冷える。

② 金も、地位も、家もいらない。

③ 今日こそ、そばをたべよう。

④ 彼も喜び、私も喜んだ。

⑤ その夜、あなたはいなかった。

⑥ 私はそんなことは、前にも言ったように、していない。

⑦ 私は、彼はそんなことはしないと思う。

⑧ A 私は、熱心に働く人を探す。

    B 私は熱心に、働く人を探す。

 

 また、「縦書きの原稿用紙の場合」の、「2 氏名」のところが、「三行め」に書く。ーとなっていました。これはあきらかな間違いですので、訂正します。

1 題名

  一行めの三~四字めぐらいから書く。

2 氏名

  二行めに書く。姓と名との間を一字分あけ、氏名の下が一、二字分あくようにする。また、学年組名は、氏名の上に二字あけて書く。

 

 そのほかにも、誤記等があるかと思いますが、ご判断していただき訂正をして下さい。

 


「段落について」 ただいま例会資料作成中-5

2016-03-27 10:36:26 | Weblog

 

  段落について

 ここからは『何でもわかる文章の書き方百科』(平井昌夫著・三省堂・2003・5・1)からの引用です。この本を一冊手元においておくと、便利です。

 

 段落とは?

 ある考え(文章に表現する何か)を有機的な統一があるように表現しようとすれば、それがいくつかに区切られて表現するようになってきます。このくぎられた一つ一つのまとまりを段落といいます。

 したがって、段落は、書き手が述べようとする考えを読み手にわかりやすくするために案出された表現方法です。

 段落はこのように、表現方法の一種であり、一つ一つの段落は、その文章の全体の有機的な文節ですから、全体として考えの小単位と見なすこともできます。それゆえ、文章を書こうとするときには、まず話題(ときには主題も)をきめたのち、それをいくつかの小話題に分けます。つぎに小話題を一定の順序に配列します。すなわち“あらすじ”を作るわけです。そして、この小話題が一つ一つの考えであって、これ(または、これをさらに、いくつかに分けたもの)についって、具体的な表現をしていきます。この一つ一つが段落になるのです。

 

 よい段落になる基準

⑴ 段落は一つのおもな目当て(中心の考え)を述べているものです。このおもな目当てを話題とか題目(トピック)とかいいます。この話題や題目が、すべての文を一つの群れにまとめて段落を作ります。

⑵ 段落を組み立てているいくつかの文のうち、段落の中心の考えと関係の深い意味内容を表している文は、初めか終わりに出すほうが一般に読みやすくなります。

⑶いくつかの段落のうち、文章全体の中心の考えと関係の深い段落は始めか終わりへ出すほうが理解されやすくなります。

⑷段落はあまり長くならないほうが読みやすいです。四百字づめの原稿用紙一枚分ぐらいの長さの段落(おとなの読む論説文で)を目安にしますと、一般に読む心理的抵抗が少ないと言えるでしょう。また、あまり短い段落ばかりですと、かえって読み手をいらいらさせることがあります。

⑸子どもむきの文章では、段落は二〇〇字以内にします。要するに、行がえが多いほうが読みやすいのです。

⑹段落の書き出しは一字分下げるか(縦書き)、一字分右へ寄せる(左横書き)のがふつうです。

⑺同じような項目を書くときには、一つの段落の中へだらだらとつづけて書くよりは、箇条書きにしたほうがずっと読みやすくなります。

⑻事がらによっては、文よりも数字、数字よりも図表、図表よりも絵や写真を入れるとよいでしょう。一つの段落の中へ数字がべたべたはいってくるのは理解に困難を与えます。そうした数字は、適当に図表化して示すなり、ときには絵にして示すなりするとよいでしょう。

⑼ それぞれの段落に適当な小見出しをつけたり、必要な部分に点や線を与えたりしますと、いっそう読みやすくなります。小見出しは人々の注意を引き、内容のあらましがわかるようなものであることがたいせつです。

⑽ 会話の文のところは、地の文とは切り離して、特別の段落にします。

 

 段落に分ける目的

⑴句読点の一つの方法として、一まとまりの考えの初めと終わりを読み手に明示するために用いられます。

⑵読み手をうんざりさせないために、文の配列の単調さに変化を与える目的で用いられます。

⑶ 自分の考えを説明し、解明し、強調する表現方法として考え出されています。

 

段落の分け方

 もともと文章はいろいろなジャンルに分かれていますし、段落の用い方も一律ではありません。しかし、一般的に考えますと、つぎのようなジャンルのばあいには、文章は当然段落に分けられなければならないでしょう。

⑴ 小説や物語では、出来事(事件)や場所や動作や人物とその会話とを変えるときに、段落が変えられます。

⑵ 感想文では、気分や見地や立場や対象を変えるときに、段落がかえられます。

⑶ 説明文では、新しい考えや新しい対象や新しい段階へ移るときに、段落がかえられます。

⑷会話文では、話し手が変わるときに、段落が変えられます。

⑸論説文では、新しい論点へ移るときに、段落が変えられます。

⑹ある段落の考えと次の段落の考えとの間に飛躍がありすぎて前後の段落の橋渡しが必要なときに、橋渡しの段落が用いられます。

⑺あまり長い叙述(多くの文の集まり)のために読みにくいと思われるとき、適当に段落にくぎられます。


「読点(、)・句点(。)の打ち方」 ただいま例会資料作成中-4

2016-03-26 08:19:16 | Weblog

読点「、」

『学研 国語大辞典』(金田一春彦・池田弥三郎編・学習研究社 1982・1・20)より

 一文の中で、意味のまとまりや構文的な関係などを示すために、その区切ろうとする右すみに打つ「、」。読点は、一文中の語句の切れ続きを明らかにする必要のあるところに用いるのが原則で、多く用いすぎて、かえって全体の関係が不明になることのないようにしなければならない。具体的には、次のような場合に用いる。

 

(ア)叙述の主語を示す語句のあと。これらは、「は」「とは」「も」などで表示されることが多い。

  ○日本は、小さな島国である。

  ○ほんとうの親切とは、このようなものである。

 ただし、主語・述語の関係にある簡単な語句が、条件句の中、または文末にあるときなどには、叙述の主語を示す「は」「も」などのあとでも、「、」を用いないでよい。

(イ)対等に並列する同種類の語句の間。

  ○野を越え、山を越え、どこまでも歩いていった。

  ○彼女は、テレビ、ラジオ、などで広く活躍している。

 体言の並列には、「、」の代わりに「・」(中黒・クロポツ)を用いることができる。

(ウ)文頭に置く接続詞および副詞のあと。

  ○したがって、この点には触れないことにする。

  ○やがて、その村にも春が訪れた。

 語句を並列する接続詞では、名詞を結びつける場合は、いっさい「、」を用いないが、その他の語句の並列には、その接続詞の前に「、」を打つ。

  ○山また山。こえウン末に

  ○美しく、そして悲しい。

(エ)提示・呼びかけ・感動などを表し、他の成文に対して比較的独立的な位置に立つ語句のあと。

  ○夕食後の散歩、ぼくはこれが何よりも好きだ。

  ○さあ、この中へおはいりなさい。

(オ)条件や限定を表す語句のあと。

  ○雨が降ったので、運動会は中止となった。

  ○家に着いた時、雨が降り出した。

 ただし、語句が簡単なときには用いない。

(カ)他を隔てて離れた語句を修飾する語句のあと。

   ○どうしても、その山に登ることがあきらめきれなかった。

(キ)倒置法表現における、いわゆる正常文の文末部分。

   ○あす行きます、きっと。

(ク)会話文または引用文のあとを受ける「と」の下に主格や他の語句が来て、叙述のことばに直接しない場合には、その「と」のあとに打つ。

   ○「行きましょう。」と、花子さんが先に立った。

 

 以上、一般の文章で読点を用いることが比較的原則的になっている場合を列挙したわけだが、この他にも、誤読を防ぐための読点使用(○普通、乗車券はいらない。 ○東京に来ている、彼の兄に会う。)、読みやすくさせるための読点使用(あじや、さばのような魚。)などがある。また、引用の「と」格助詞が、「 」をつけない引用文を受ける受け方には、a「~と、彼は思った。」、b「~、と彼は思った。」、c「~、と、彼は思った。」の三通りがあるが、aはすでに古く、bは現在一般に行われており、cは比較的新しい打ち方といえる。 

 

句点「。」について

 

 句点

 一文が完全に終わったこと示すために、文末の右すみに打つ「。」。「 」や( )で囲まれている文にもつけるのを原則とするが、新聞や小説などではつけない場合の方が多い。題目・標語などのあとや箇条書きの各項のあとにはつけないが、箇条書きでも、「こと」「もの」「とき」「場合」などで終わるときはつけるのを原則とする。

『学研 国語大辞典』(金田一春彦・池田弥三郎編・学習研究社 1982・1・20)より

 

 句点(。)は文末のみに打つ

 句点を文末のみで打つことは常識だと思いますが、現実には、文の途中に打ってしまっているケースがしばしばあります。(◆原文、◇改善案)

 ◆綺麗な音色で演奏している人たちを見て、格好いいな。と感じた。

 ◇綺麗な音色で演奏している人たちを見て、格好いいな、と感じた。

 ◇綺麗な音色で演奏している人たちを見て、「格好いいな」と感じた。

『文章表現力の決め手』(阿部絋久著 日本実業出版)より

 

 

 句点は別に問題は無いと思いますが、学生の作文などで気になるのは閉じカッコの前にマル(。」)を打っていることですね。カッコの中でも文の終わりにマル(句点)を打つというのは、戦後文部省国語科発表した「くぎり符号の使い方」にもとづいて、先生がそう教えてきたからでしょう。

 でも、カギかっこで区切られている上に、さらにマルを打てば、二重の区切りとなります。今ではそういう区切りの重用は教科書とか公用文に見られる程度で、一般的ではありません。

                    『必ず書ける「3つが基本」の文章術』(近藤勝重著・幻冬舎新書)

 

 例会では、「原稿用紙の使い方」を、どう、子どもたちに学ばせるか、ワークショップふうに学習します。

 例会は、横須賀市総合福祉会館、5階第3会議室。3時から5時までです。そのあと、食事会を開催します。どなたでも参加出来ます。連絡先 090-9811-3888 田中定幸

 

 


「読点(、)の打ち方」 ただいま例会資料作成中3

2016-03-25 09:55:18 | Weblog

                  句読点について

読点「テンの打ち方」

 

  これは以前に読んだ、近藤勝重著『書くことが思いつかない人のための文章教室』(幻冬舎新書・2011・9/30)から、その一部を引用をさせていただきます。

 近藤さんは、毎日新聞専門編集委員。コラムニスト。さすがに文章を書く専門家です、みなさんにもおすすめの本です。新書版、780円です。ぜひ、購入して、句読点以外のことも学んでください。

 

【よくある質問】

 句読点はじめ符号の打ち方には約束事があるのでしょうか。とくに読点に決まりがあれば教えてください。

新聞社の『用語集』では

 文章の本でも、テンにふれていない本がけっこうあります。テンがなくてもすらすら読めるのが一番。今さらテンでもないだろう、といった著者の気分を反映しているのかもしれません。

 実はぼくもその気分が強いのですが、ただ「まえがき」でもふれたとおり、学生たちの間ではテンの打ち方についての質問が依然おおいんです。

そこでここでは手元にある『毎日新聞用語集』にのっとって、テンの打ち方の基本をしましめして行きたいと思います。

【問題】

次の八つの例文にそれぞれ必要と思われるテンを打ってください。

  ① 昨日は暖かかったが今日は随分と冷える。

  ② 金も地位も家もいらない。

  ③ 今日こそそばをたべよう。

  ④ 彼も喜び私も喜んだ。

  ⑤ その夜あなたはいなかった。

  ⑥ 私はそんなことは前にも言ったようにしていない。

  ⑦私は彼はそんなことはしないと思う。

 

 答えは次のとおりです。(ここでは省略します。答えを確かめたい人は例会に参加するか本を購入して、確かめてください。)

 

テンの基本は次の通りです。

 ①文の切れ目に打つテンです。

 ②は対等に語句を並べる場合に打つテンの例です。

 ③は誤読を避けるために使うテンですね。

 ④は節と節の間に打つケースです。

 ⑤は前置きの節や語句を区切るテンです。

 ⑥は挿入された節や語句を区切るためですね。

 ⑦は主語を明確にするためですね。

 ⑧は修飾する語とされる語の関係を明確にするためのテンです。この場合はA,Bの二つの例が考えられます。

 ただし先にも言いましたように、テンはすらすら読めて、意味もよくわかるように打たれていればいいわけです。あとはその人好みの問題、あるいはわかりやすくしようというサービス精神なども、テンの有無にかかわっているのではないでしょうか。

 

 近藤勝重さんは、最近出された『必ず書ける「3つが基本」の文章術』(幻冬舎新書・2015・11・31)の、第1章 〈何を書くかの〉の特別編・推敲指導の重要3ポイントの、②読みやすい文章であるか、でもテンの打ち方について書いています。

 

読点「、」の打ち方

 読点「、」は、すらすら読め意味がわかる文章ならば本来打たなくてもいい区切り符号です。でも、打たないと意味不明の文章もありますよね。

 

 A「私は倒れたまま泣いている友だちを見ていた」

 B「刑事は血まみれになって逃げる犯人を追いかけていた」

 

 Aは「倒れたまま」が私なのか、友だちなのか、Bは「血まみれになって」いたのは刑事なのか、犯人なのか不明です。私は、――」「刑事は、――」となると、はっきりしてきます。「私は倒れたまま、――」「刑事は血まみれになって、――」でも状況は理解できます。

 でも、こういう文章、どんなんでしょうか。「、」がないとわかりにくい。わかりにくいから打つ。それより打たなくてもわかる文章を、と思います。2つに分けて書いてもいいんじゃないでしょうか。「私は見ていた。倒れたまま泣いている友だちを」「私は倒れたまま見ていた。泣いている友だちを」とか。

 長い形容句があって、「、」をどこに打つかで変わってくるような文章は、できるだけ短い文章に書き分けてほしいですね。

 

読点は意味の切れ目に打つ

 

 ビジネス文書、論文、レポート、ブログ、Facebook、Twitter…… どんな文章でも、この1冊で万全です、こう帯に書いている『文章表現力の決め手』(阿部絋久著 日本実業出版・2013・11・1)の第11章からの引用です。

 

 読点(、)は、意味の大きな切れ目を示すものです。読点をどこに打てば理解しやすくなるかを研究すると、日本語の文章の特徴を理解することができます。

 

01 長めの「主語」の切れ目に

 長めの主語を持つ文は、「Aが(は)、Bである」という文の構造が一目で分かるようにすると、読みやすくなります。(◆原文、◇改善案)

 

 ◆勇気がなくて話したくとも自分から英語で話しかけることができなかった学生がその後あるアメリカ人と仲 良くなった。

 ◇勇気がなくて話したくとも自分から英語で話しかけることができなかった学生が、その後あるアメリカ人と仲良くなった。

 

 この本では、たくさんの例が、項目ごとに示されていて参考になります。ここでは、例示を省略します。自分で、こどもの作品のなかから選んでみるとよい勉強になります。

 

02 長めの「目的語」の切れ目に

 長めの目的語を持つ文は、「Aを(に)、Bする」という文の構造が一目で分かるようにすると、読みやすくなります。

 

03 「原因」と「結果」、「理由」と「結論」の間に

 原因と結果、理由と結論からなる文章は、とても多く見られます。その間に読点を打つと、文章の構造が一目でわかります。

 

04 「状況・場」と「そこで起きていること」の間に

 状況説明や場の説明と、そこで起きていることとの間に読点があると、意味がすんなりと理解できます。

 

05 「前提」と「結論」の間に

 前提の説明が終わった所にも、大きな意味の切れ目があります。

 

06 時間や場所が変わるところに

 時間が飛ぶ、場面が転換する、などの際には読点を打ちましょう。

 

07 逆接に変わるところに

 逆接というのは、文章の流れが逆に向かうことです。当然、そこには意味の切れ目があります。それを視覚的にも示せば、分かりやすくなります。

 

08 対比したり、言い換えたりする時

 意味が相反する言葉、あるいは逆に同じ意味の表現を比べる時には、その間に読点を打つと対比が明らかになります。

 

09 別の意味に取られないために

 読点の有無によって、あるいは読点の位置によって、別の意味になってしまうことがあります。

 

10 隣同士の修飾語の間に

 これは隣り合った修飾語同士が、想定外の修飾・被修飾の関係を持ってしまって、別の意味になってしまうのを防ぐケースです。

 

11 ひらがな、カタカナ、漢字ばかりが続く場合

 

12 読点で意味のつながりを断ち切らない

 読点は、意味の大きな切れ目を示すものですから、一連の意味のかたまりを読点で分段しないようにします。

 

◆日本では分刻みで時刻通りに、運転するのが当たり前だと思われている。

◇日本では分刻みで時刻通りに運転するのが、当たり前だと思われている。


「原稿用紙の使い方」 ー ただいま、例会資料作成中 2

2016-03-24 10:56:20 | Weblog

原稿用紙の使い方

      (『表記の手引き』(第四版 松村 明校閲 教育出版編集部編)より抜粋

 

 『国語教育辞典』(朝倉書店)の「原稿用紙の使い方」の項目の中で、原稿用紙に書く意義として、

 国語教育としては、

 ⑴ 各マス目に一字一字正しく美しく書くという指導。

 ⑵ 作文を視覚的に読みやすくするために役立てる。

 ⑶ 印刷文化の普及に伴い、生活必要性との関連において、正しい使い方に慣れさせる。

とある。

(注―田中、「自分自身が書いている文章をより自覚的に、意識的に表現するために役立てる。」を付け加えたい。)

 

一 縦書きの原稿用紙の場合

1 題名

  一行めの三~四字めぐらいから書く。

2 氏名

  三行めに書く。姓と名との間を一字分あけ、氏名の下が一、二字分あくようにする。また、学年組名は、氏名の上に二字あけて書く。

3 本文

  三行めから、最初の一字分をあけて書き始める。

4 改行

  改行は、一字下げて(最初の一字分をあけ、二字めから)書く。

  会話を、かぎ(「 」)を用いて表すときは、なるべく改行する。改行する場合、最初のかぎ(「)は、必ず行の一字めに書く。

  会話文が二行以上にわたる場合には、両様の書き方がある。

⑴ 二行め以下の文字も一字下げて(最初の一字分をあけ、二字めから)書く。

⑵ 二行め以下の文字は、地の文と同じく一字下げないで書く。

 なお、詩などの場合には、連ごとに一字下げの形にしないで、詩全体を二~三字分ぐらい下げて書くことが多い。

5 文字・符号

⑴ 文字は、原稿用紙の一ますに一字書くのが原則である。促音や拗音の場合も、一字扱いにし、一ますの右側に小さめに書く。

⑵ 句点(。)や読点(、)も、一字扱いにし、一ますの右上に書く。

⑶ なかぐろ(・)も、一字扱いにし、一ますの中央に書く。

⑷ 「  」かぎ  『  』二重かぎ  (  )かっこ 

   ‐  ハイフン   =  ダブル‐ハイフン

  なども、それぞれ一字扱いにし、一ますに書く。

 ⑸ 疑問符(?)や感嘆符(!)も、一字扱いにし、一ますに書く。

ただし、疑問符や感嘆符が用いられた場合は、(?」)(!」)のとき以外は、次の一字分をあけて続けるようにする。また、疑問符や感嘆符と同時に句点や読点が用いられることはない。

  (例)「どうしたんだ? つう! どうしたんだ!」

 ⑹ 中線(――)やてんてん(……)は、二字扱いにし、二ますに書く。

  注 句点と、次のような符号が一緒になった場合は、一ますの中に書く。

(例) (」)と句点(。)、二重かっこ(』)と句点、())と句点。

  注 作文などの場合には、行頭に、次のような符号を書かない。

    。 、 ’ 」 』  ) ‐  =

 こうした場合には、前の行の最下にある文字と同じますの中に書き入れる。極端な場合には、行の最下のますの中が、次のようなことがありうる。(文字・句点・かぎ 丸かっこ)

6 くり返し符号(々)

 ⑴ 一字扱いにし、一ますの中に書く。

 ⑵ 作文などの場合には、行頭に、繰り返し符号を書かない。こうした場合には、繰り返し符号を使わないで、前の行の真下にある文字と同じ文字を行頭にもう一度書く。

   

二 横書き原稿用紙の場合

 読点(、)がコンマ(,)に変わる以外は、縦書きの原則がそのまま横書きの書式になると考えてよい。


「原稿用紙の使い方」 ー ただいま、例会資料作成中 

2016-03-23 19:08:32 | Weblog

 

表記の仕方・原稿用紙の使い方

 3月26日の「横須賀・逗子」作文の会で、「 表記の仕方・原稿用紙の使い方」を話題にすることになりました。そこで、今日は、M社の教科書にでどのような扱いをしているか、ひろいだしてみました。

 まだメモの段階ですが。例会に来る前に、目を通していただけるとよいかと思います。

 

M社

《1年》

・ぶんの おわりには、まる(「。」)を つけます。 ▼ぶんを つくりましょう。おわりに、まるを つけましょう。

・これは、きつねの くちばしです。(読点)

・おもちやへ いく。

・あさがお (題 名前 白紙に観察したことを書く。)

・マスの中に、名前、文を書く。

・こんな ことを したよ (絵日記を(罫線のひかれた用紙に)書く。 以上(1年・上)

・はなした ことばは、かぎ(「 」)を つかって かきます。かぎを つかって、ノートに かきましょう。(四等分されたマスの中に、「。」の例示)

・1しらせたい ものの えと、見つけた ことを かきましょう。2見つけた ことを、文しょうに かきましょう。(マスに、5つの段落分けられた文章を書く。)3かいたら、よみかえしましょう。(文の おわりには まる(。)がついていますか。てん(、)を つけた ほうが よみやすい ところは ありませんか。字は、正しく かけていますか。

・よんだ 本を、カードに かいて、ともだちに しらせましょう。(本の だいめい。出てくる ひとやどうぶつ。すきなところなど。じぶんのなまえ。)「おはなしの 木」カード

・てがみで しらせよう。(罫線に書く)

・おもい出して かこう「いい こと いっぱい、一年生」(絵と 文しょう。)以上(1年・下)

 

《2年生》

・ ていねいに かんさつして、きろくしよう 「かんさつ名人に なろう」絵と 文章(だい 日時・天候 白紙)

・くみ立てを 考えて 書き、知らせよう「こんな もの、見つけたよ」(メモ 「はじめ」「なか」「おわり」題 名前 罫線)

*「丸、点、かぎ」

  ● 丸(。) 文の おわりに つけます。

● 点(、) 文の 中の 切れ目に うちます。

● かぎ(「 」) 人の 話した ことば(会話)につけます。会話は、行を かえて 書きます。丸(。)、点(、)、かぎ(「」(」)は、それぞれ1ますに、書きます。丸とかぎ(。」)も、1ますに かきます。

点(、)を うたないと、文の いみが 正しく つたわらない ことが あります。

  この店ではきものを買う。

  この店では、きものを買う。

  この店で、はきものを書く。

〈ます目の ある ノートなどに 書く とき・例示〉 

                             以上2年生 上

・できごとや気もちがつたわるように書こう 「楽しかったよ、二年生」

 「スイミー」(話の題に「」をつけている。2行にわたる会話は、2行目を1字さげている。

・書いた文しょうを読みかえそう。 つぎのことを、たしかめましょう。

  かん字やかたかなは、正しくつかえていますか。

  「は、を、へ」や、小さく書く字(ゃ、ゅ ょ っ)は、正しくつかえていますか。

丸(。)、点(、)かぎ(「 」)は、正しくつかえていますか。  以上2年生・下

 

《3年生》

・段落 文章を組み立てているまとまり。はじめを一字下げて表す。

・段落とまとまり 

文章は、ふつう、「はじめ」「中」「おわり」の大きなまとまりに分かれている。大きなまとまりは、一つの段落でできていることも、いくつかの段落があつまってできていることもある。

一つ一つの段落には、それぞれ、ひとまとまりのないようが書かれている。

符号など

句読点 丸(。)を句点、点(、)を読点、合わせって句読点といいます。句点は文の終わりに、読点は、文の中の意味の切れ目にうって、ぶんを読みやすくします。

  父は、銀行に行きました。

  おや、去年よりねだんが高くなりましたね。

  毛筆で書くと、気持ちが引きしまる。

  入学式の日も、遠足の日も、晴天だった。

中点(・) 言葉をならべる場合に使います。

タンポポ・オオバコ・シロツメクサなど。

ダッシュ(――) ①せつめいをおぎなう場合、 ②言い切りにせず、とちゅうで止める場合に使います。

  ①辺――図形を作る直線。

  ②「まあ、なんてきれいな――。」

かぎ(「 」)①会話、②書名・題名、③思ったこと、④とくにほかの文と分けたい言葉や文をしめす場合に使います。

横書き 左から右に書きます。

読点として、多くの場合、コンマ(,)を使います。

算用数字を使います。ただし、「一つ」「二日目」などは、漢数字を使います。

                    以上 3年・上

・本で調べて書く

   目次やさくいんを活用して本を使って調べ、分かりやすく書く。

   どの本で調べたかが後で分かるように、筆者名(かんしゅう者名)・出版社名・発行年を記録する。

・「です・ます」と「た・である」が交じらないようにする。

 

《4年生》

・調べたことをほうこくするとき、それがたしかであることをしめすために、本に書かれていることを引用することがあります。

 引用するときには、元の言葉や文をそのまま使い、かぎ(「」)を付けたり二字分下げて書いたりするなどして、他と区別します。そして、ほうこく書の終わりに、引用元の本の書名や筆者名などを書きます。そうすることで、ほうこく書を読んだ人が、同じ本をさがして読むことができます。

《5年生》

・「通信文のいろいろ」 手紙(たて書きの例・横書きの例) ファクシミリ通信文の例 電子メールの例

 

《6年生》 とくに記述がなかった。

 

「作文」という言葉も使われていませんが、「原稿用紙」ということばも、見当たりませんでした。どこかで、使われていたか、気づいた方は教えて下さい。」


山田ときさんを偲ぶー2 「辞令をもらって」

2016-03-19 07:46:25 | Weblog

          辞令をもらって

 昭和11年3月31日、これが私の出発の日だった。

 指定された場所にかけつけた私に、この郡担当の視学から渡されたものは、

「山形県公立小学校訓導ニ任ズ・本科正教員勤務・十四級俸給与」

「山形県村山郡長瀞尋常小学校訓導ニ補ス」

の2枚の辞令だった。

 そのころは、高等女学校をよい成績で卒業した人でさえ、ようやくのことで、銀行などの事務員にはいり、十円ぐらいの月給だった。そのとき、師範出は、初任給男43円、女40円だったので、教員志望者の数は大したものだった。この教員にするため、5年間の学校生活をつづけさせてくれた親たちの苦労はどんなものであったろう。卒業させた今のよろこびはどんなであろう。私はこの親たちの気持ちを考え、少しでも便利なところで、いくらかでもよけいに親孝行をしたいと願いながら、自分の名前の呼ばれるのを待っていたのだった。

 けれど、「長瀞」と読みあげられても、はじめて教師としていくその村が、どこにあるのかさえ、わからなかった。

 7,8人のなかまに辞令が渡されると、私たちは、視学の前に整列させられた。一場の訓示をいただくのだ。

「最初の出発が大事である。決して一年ぐらいで、便利なところに転任したいなどという欲を出さないで、じっくりと腰をすえて、その村の教育に精進してほしい。一年ぐらいでは、全体にほんとうの教育などできない。それから特に注意しなくてはならないことは、男女関係だが、聖職にあるものの夢にもそんな問題をおこすことのないように、その点だけはくれぐれも……」というのであった。そのあとの方のは、私たちには、何回目かの訓辞であった。師範の恩師たちから、舎監から、卒業式場で校長から、県の学務課から、また卒業生一同教育会館に呼ばれて視学からもというように、私たちの頭にはその文句が暗記されるほどしみこんでいた。それほど、わが国では、男女の交際は罪悪視されていたし、教育者は一種特別な人間にされていたのである。

 武田先生(高等女学校時代の恩師)は「私の教え子です。よろしくたのみます」と、かわって挨拶をしてくださった。宿を心配していただき、始業式の前日までにくることにして、職員室を辞した。

「北村山郡では、またすぐ荷造りをしなくてはならないから」と、寄宿舎から持ち帰った荷物をそのままにして、待っている父母のもとへ、やく40キロを汽車に乗った。汽車の窓から遠のいていくあの村に、「どんな子らが待っていてくれるのだろう」とふりかえりながら……。

  『路ひとすじ』〈出発・その道けわしく  1 はじめて一年――たんぽぽの子らと〉の部分より


「クローズアップ現代」最終回  国谷裕子さん23年間、お疲れ様でした  

2016-03-17 22:00:50 | Weblog

国谷裕子さん23年間、お疲れ様でした

 

 2016年3月17日(木)「クローズアップ現代」最終回、キャスターの国谷裕子さん23年間、お疲れ様でした。たくさんのことを学ばせていただきました。

 今後の、ご活躍を祈ります。

 そして、この日、コメントした柳田邦男さんの若者に語りかけた言葉を、「クローズアップ現代」の「記念語」(こんなことばはあったっけ)として記憶にとどめ、教育上の大事な視点としておさえるだけでなく、自分自身にも問いかけていくことにした。

 

(1)自分で考える

(2)情報を読みとく

(3)多様な考え方を理解する

(4)表現力をつける

 私も、ずっと大切にしてきたことだから。