ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

東北地方太平洋沖地震 タイから日本へ たくさんの支援  

2011年03月22日 16時57分14秒 | 日記
  
         タイと日本の国旗が描かれた千羽鶴。 
     


東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)。
この震災で被災したのは日本人ばかりではない。
日本に渡航している外国人、タイ人も被災している。
在日タイ大使館によれば、被災地と周辺エリアに在住のタイ人のうち、
3月20日時点で749人とまだ連絡が取れていないまま。


それでも、日本に対しての支援は厚い。
3月14日。
東日本大震災で甚大な被害を受けた日本に対し、
タイ王国では、2億バーツ(日本円で約6億円)の緊急予算が組まれた。
医療チームなどの派遣、食料や医薬品などの救援物資に使われるという。


16日にはタイ王室から 毛布2万枚が日本へ送られた。

救援物資に毛布をおくる。
この灼熱の国タイから。
普段のタイ人の生活ではほとんど目にしない毛布を、
被災した日本人が今、どれほど寒い思いをしているだろうかと
思いをめぐらせて送ってくれた。


日本人旅行者からの観光収入だけでも、最大200億バーツ(日本円で600億円程度)
の打撃があると言われる、タイ。
その上で、日本へ支援を買ってでている。


009から始まる日本への国際電話は、期間限定で無料となった。
また、タイ国内では被災者への義援金募集が広がりを見せ、
芸能人のチャリティーイベントやテレビ番組での呼びかけや、
企業、地方行政体、個人から多くの寄付が寄せられている。



世界中のバックパッカーたちが集まる、バンコクのカオサン通りでは象が募金活動。
顔に日の丸を描かれた象。
ふだんなら動物の体に人間のエゴで絵を描くなんて、と思うのだが、
今回ばかりはタイ人の思いやりを感じて感謝のほうが大きくうわまわり、
象には申し訳ないけれど、ありがたい気持ちでいっぱい。
    
 


バンコク最大のスラム、クロントイ地区でも支援活動が。
このスラム街には、約3万世帯、10万人がひしめきあい生活している。
トタン屋根とベニヤ板のバラック小屋が所狭しと建ち並び、
汚水とゴミが散乱する劣悪の住環境の中、
麻薬やエイズの蔓延など深刻な問題が山積している地区だ。
日雇い労働に従事する大人と、学校に行かず路上で物売りをして家計を支える子どもたちが多くいる。
一日の所得が日本円で数百円といわれるこの地区で、
日本のために募金をするたくさんの人の姿が ニュースに映し出される。

ピンク色の紙幣、100バーツ札を募金する人。
日本円では300円程度に換算されるが、この人たちにとったら1日分の収入。
私たち日本人の意味する 300円とは重さが違う。

    



タイ人はたとえ自分が貧しくとも、つらくとも、困っている人がいれば
何かを与えようとする人が多い。
敬虔な仏教徒の国であり、他人への施しは、やって当然のこと、
「チュアイガン」=「助け合い」という言葉をよく耳にする。





空港に設置された 募金箱。   バンコクのBTSの駅にも、募金箱が。
           





配属先に行くと、保護者から、先生たちから
   大丈夫なの?今どんな状況なの?
   ニュースを見て泣いているのよ、なんてかわいそうなの
と、心配する声と励ましの声の嵐。


朝の集会では、日本の今の状況を話してくれと言われ、
たくさんの人が亡くなったこと、今も安否がわからない人がたくさんいること、
日本は今寒く、物資も足りず、電気も十分になく、
人々が苦しい生活を強いられていること、
タイからの支援をテレビで見てる日本人も多くいて、
私に感謝のメールが来ていることなどを伝えると、
泣いている人、拍手している人。


夕方、久しぶりに、いつも行く果物屋の屋台にいくと、
なじみのおばちゃんが、私を見ていすからあわてて立ち上がり
   見かけないから心配してたのよ
   日本に帰ったの?日本の家族が心配でしょう?
   地震と津波でたくさんの人が亡くなっているのをテレビで見て心配してたのよ
と、おろおろしながら言う。

通りがかかりのタイ人のおじさんも、足を止めて話に加わる。
   日本人か。 どうなんだ? 今日本人はとてもこまっているだろう?


道路の向こうの屋台のおばちゃんたちにも、大声で
この果物屋のおばちゃんが叫んで知らせる。
「だいじょうぶだってー この子の家は大丈夫だってよー!」
辺り一帯が、
   ああ よかった。
という雰囲気になる。
     



私という 日本人一人でも、こんなに心配されている。

タイ人のごく自然な思いやり、基盤にある助け合いの精神には
今、本当に助けられている。
泣きながら日本の惨状を見て、
泣きながら、私の家族を心配してくれるタイ人たちに
感謝の気持ちが日々積み重なる。


たくさんの目が向けられている。
たくさんの思いが向けられている。


ニホン ニッポン  ニッポン  がんばれ  がんばれ  がんばれ
      

      

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。