ご主人が亡くなって一人暮らしをしている85歳の一番上の姉から電話がありました。
子供2人は遠く離れた所に住んでいるので、
庭木の剪定や雪囲いや屋根雪下ろしから病院への送り迎えまで錆鉄人が何かと世話をしているのですが
「屋根の修理の見積もりをしてもらったので見て!」という事でした。
行って見積書を見ると、若干の値引きがあって30万円でした。
仕事でイギリスにいる長男や滋賀県にいる長女にも相談して、修理してもらったらと言われたとの事でした。
築143年の天女さんちよりも古く、地盤の不当沈下でいたる所で床がかなり傾いている家なのですが、
(藤七温泉の食堂や銀婚湯の旧館ほどではありませんが、10㎝ほど下がっている所もあります。)
何処の修理か聞くと仏壇の上の屋根が下がっている所という事でした。
雪の重みで垂木にひびが入って屋根が下がっているようです。
見積もりは瓦を外し垂木を取り替え、また瓦を載せるという事だと思いますが、
一人暮らしの弱みに付け込んで、〇〇も悪かった、△△も交換しなければいけないからとか言って
すぐに60万円、100万円要求されたというような悪徳業者の話は最近よく聞きます。
屋根瓦を外されて、そう言われたらそのままにしておくことは出来ないから、言うなりにお金を出すしかありません。
見積もりした業者はそういう悪徳業者ではないとは思いますが・・・
何れにしても姉の死後は取り壊す家に、そんなにお金をかけて修理する必要はないと思いました。
これなら折れかかっている垂木に材木を当て、それを柱で支えれば済むので
1日もかからずに出来ると一瞬で判断しました。
「もう長くはないんだから修理しなくてもいいんじゃない?」と言うと
「私はまだまだ長生きするんです!」
「わかった、分かった。僕が120歳まで大丈夫なように修理してあげるよ。」
と言って、冬までに修理をすることにしたのでした。
数年前の大雪で壊れた小屋の張り出し屋根を取り壊した時に
屋根の支柱に使っていた長さを調整出来るパイプを回収していたので
それを支柱にすれば簡単だと考えていたので
木工関連の作業をしていたご主人の作業小屋を覗いて使えそうな材木を見つけておきました。
という事で昨日、作業に必要な道具や材料を準備して修理に行きました。
材木は垂木に木ネジで取り付けることにして、
ドリルで深穴をあけて木ねじを少しねじ込めば良いように加工して
垂木にくぎを打ち込み、ロープで材木を吊り上げます。(荷造りロープですが・・・)
12㎝角で長さは3.3ḿ(小屋にあった一番長くて丈夫そうな材木です)30㎏程度でしょうか?
一人での作業なので、何度も脚立を乗り換えて材木を持ち上げてロープをくくり直し・・・
最後は脚立をはしごにして左手で材木を持ち上げ、右手でドライバーを回して垂木に取り付け
左側も同じようにして木ネジを締め付け、右側に戻って余していたネジを締め付けました。
続いて、調整式のパイプ支柱の長さを調整し、レバーを回して支柱を伸ばして屋根を持ち上げました。
レバーを回せば簡単に持ち上がると考えていたのですが、すぐに重くなって簡単には回せなくなってきました。
これはジャッキで持ち上げてレバーを回すしかないと考え、
ちょうど12時近くだったので帰宅し、ジャッキを積み込んで昼食を食べて戻りました。
ジャッキは車のタイヤ交換用の油圧ジャッキ
使用する材木の長さに合わせてブロックで高さを調整して、その上に厚い板を載せてジャッキ台にして
支柱を支えながらレバーを動かして垂木に固定した材木に当て、
それから少しずつジャッキを持ち上げ、パイプ支柱をそれに合わせて伸ばし・・・を繰り返し
パイプ支柱3本を取り付けて作業完了
等間隔でないのは、錆甚五郎の大失態と思われるかもしれませんが・・・
当初は右端は必要ないと考えていたのですが、
パイプ支柱は3本あったので、右端にも取り付ける事にしたためです。
最初の写真と同じ位置から見ると・・・
右端のほうは柱が沈下しているのが原因ですが、垂木にも問題があるようならそのうちに対策しようと思います。
真ん中から左までほぼ一直線になりましたが、屋根瓦を見るとまだ下がっていることが分かります。
しかし、それも柱の沈下が原因と思われます。
(ジャッキアップしていると柱が持ち上がるような音がしたのでそこでジャッキアップをやめました。)
これでどんなに雪が積もっても大丈夫です。(それまでに屋根雪下ろしに行くし・・・)
姉も大喜びしてくれました!