中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

冥王星

2006-08-28 00:35:49 | 身辺雑記
 先週の話題の1つは、冥王星が惑星の仲間から除外されたというニュースだった。



 小学生の頃、惑星の名称を覚えるのに太陽からの距離順に「スイキンチカモクドテンカイメイ」と暗記した。リズムがよく小学生にも覚えやすく、一度覚えると忘れることはなかった。近年1度、海王星と冥王星の軌道が入れ替わって「・・・ドテンメイカイ」となったことがある。

 冥王星は英語名Plutoでギリシャ神話の冥界の王の名、大きなカロン(Chron)と言う衛星がある。このカロンもギリシャ神話に出てくる黄泉の国への渡し守の名。地球から平均して60億キロ離れた暗黒極寒の空間にある星とその衛星にふさわしい名だ。もっともその名称はプルートの妻の名に由来するという説もあるらしい。カロンが発見されたのは近年の宇宙探査技術の発達の結果で、私の小学生の頃にはもちろん知られていなかった。この冥王星と言う漢字名は英文学者で天文に造詣が深かった野尻抱影氏の命名だそうだが、この名は中国でも同じように使われている。中国語の惑星名はすべて日本と同じだから覚えやすい。

 ところで、このカロンとの関係で、以前から冥王星が惑星であるか、カロンが衛星であるかについては専門家の間で議論があったようだが、8月24日のチェコのプラハでの国際天文学連合という団体の総会でのかなり激しい議論の結果、結論が出たと言う。門外漢の私には新聞の記事を読んでもよく理解できなかったが、とにかく1930年の発見から76年たって、冥王星は惑星の仲間から「除籍」されたわけだ。日本の教科書では2008年に惑星は8個と記されるようだ。これからの学校では「スイキンチカモクドテンカイ」と覚えるのだろうが、「・・・ドテンカイメイ」と呼び習わしていた者には、何かしら尻切れとんぼのような感じもしないではない。

 しかし人間があれこれ言おうと、これからも冥府の王は、地獄への渡し守を従えて、暗黒の空間を旅し続ける。