12月31日
○大晦日。1年は早く過ぎたと誰もが言う。それだけせわしなかったということだろうか。今朝の新聞は例年のように今年の大きなニュースを特集している。それを見ると最低と言われた政党乱立の衆院選があり、3年3か月ぶりに自民党が政権を奪回した。民主党政権のあまりのひどさに、助けられた形だ。中国や韓国との関係も悪化した。それに乗って勇ましく軍備増強や中国との交戦も辞さないという声も一部に出てきて、国民の間に右寄り傾向が高まったのは憂うべきことだ。
京大の山中教授のノーベル賞受賞や、ロンドン五輪での日本選手の活躍など明るいニュースはあったが、尼崎の連続変死事件。群馬の関越道で46人が死傷した事故など暗いニュースも少なくなかった。
今年鬼籍に入ったのは芸能界では、春日野八千代さん(96)、山田五十鈴さん(95)、森光子さん(92)、淡島千景さん(87)、大滝秀治さん(87)など高齢だったが、歌舞伎の中村勘三郎さんは57歳という若さだった。懐かしい名前ではバイオリニストの諏訪根自子さん(92)があった。その他の分野では故三木武夫夫人で憲法改正に反対する「九条の会」の呼びかけ人だった三木睦子さん(95)、作家の丸谷才一さん(87)や藤本義一さん(79)、映画監督の新藤兼人さん(100)などがある。今年も多くの人達を見送った1年だった。
○安倍首相は原発新設を表明した。「新たに作っていく原発は事故を起こした福島第1原発とは全然違う」と言い、「当面の電力需要にどう対応していくかが国民も不安なのだろう。だから、簡単に、『脱原発』『卒原発』とやや言葉遊びに近い形で言ってのける人たちは(衆院選で)信用されなかったのだろう」と述べたようだ。原発依存から脱却するというのは多くの国民の願いだ。それを「言葉遊び」という感覚は度し難い。衆院選で2割の得票率だった自民党の原発政策が大きく信任されたとでもいうのだろうか。年末に不愉快なニュースだ。
○こうして今年も暮れて行く。独り住まい13年の私は、年末年始と言っても取り立ててすることもない。年越し蕎麦と雑煮の準備もだいたいできた。部屋の片づけは諦めて、普段通りで年を越す。今年の後半は、朝は毎日整骨院に通って、それなりに規則正しい生活ができたので今夜も早く寝よう。「紅白」はテレビもなく、あっても興味がないし、この辺りでは除夜の鐘を撞く寺もない。「新しい下着そろえて寝た昔」という川柳を見た。懐かしい大晦日の光景だ。
○良いお年をお迎えください。