日本維新の会の共同代表の橋下大阪市長は、従軍慰安婦制度は「当時は必要だった」とする自身の発言をめぐって「大誤報をやられた」とメディアの報道を批判し、「僕は慰安婦を容認したことは一度もない。メディアは一部だけ聞いて、そこだけ取る。(誤解されたのであれば)日本人の読解力不足だ」とも語り、今後は正式な記者会見以外の取材を拒否する意向を示しました。この時の橋下市長のぶら下がり取材の記録をインタネットで見たのですが、『朝日』や『毎日』を「最低だ」と喧嘩腰で罵っていて、「文脈をきちっと取って報道するのが皆さんの役目だ。『一言一句チェックしろ』というなら(取材対応を)やめます」と話しました。
これまで彼は、最初の発言の翌日の14日、「(記事は)比較的正確に引用してくれていた」「フェアに出している」などとツイッターに書き込み、毎日新聞が掲載した一問一答について「ある意味全て」と評価していたそうです(『毎日』)。その後も「いろんな報道の仕方は、報道の自由だから仕方ない」と語っていましたが、その後の反応の大きさ、抗議の広がりにいら立ったのでしょう。それにしても自分の発言の「正当」であることを言うのに、「大誤報をやられた」とメディアに責任があるかのように言ったり、「日本人の読解力不足だ」とまで言うのは彼らしいとは思うのですが、非常に独善的な感じがします。「メディアは全部橋下嫌いだ」とも言ったそうですが、そうでしょうか。これまで各メディアは彼に群がって記事を垂れ流し「人気者」に押し上げました。彼もそのようなメディア、特にテレビを利用してきました。今後は正式な記者会見以外の「ぶら下がり取材」は拒否するようですが、結構なことだと思います。メディアもこれからは正式な記者会見の場での彼の発言を正確にとらえて報道し、批判するべきところはきちんとすることを望みます。
つくづく橋下と言う人物は「口舌の徒」だと思います。これまで選挙協力や合流も模索してきたみんなの党は、橋下氏の発言に反発して、夏の参院選での共通公約策定に向けた政策協議を凍結する方針を表明しました。代表の渡辺氏は「党の文化、体質が違う」と明言し、さらに「口(弁舌)でのし上がった人は口で失敗する。因果応報だ」と厳しく批判したそうですが同感です。
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