中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

橋下氏のメディア批判

2013-05-19 19:31:57 | 身辺雑記

 日本維新の会の共同代表の橋下大阪市長は、従軍慰安婦制度は「当時は必要だった」とする自身の発言をめぐって「大誤報をやられた」とメディアの報道を批判し、「僕は慰安婦を容認したことは一度もない。メディアは一部だけ聞いて、そこだけ取る。(誤解されたのであれば)日本人の読解力不足だ」とも語り、今後は正式な記者会見以外の取材を拒否する意向を示しました。この時の橋下市長のぶら下がり取材の記録をインタネットで見たのですが、『朝日』や『毎日』を「最低だ」と喧嘩腰で罵っていて、「文脈をきちっと取って報道するのが皆さんの役目だ。『一言一句チェックしろ』というなら(取材対応を)やめます」と話しました。 

 これまで彼は、最初の発言の翌日の14日、「(記事は)比較的正確に引用してくれていた」「フェアに出している」などとツイッターに書き込み、毎日新聞が掲載した一問一答について「ある意味全て」と評価していたそうです(『毎日』)。その後も「いろんな報道の仕方は、報道の自由だから仕方ない」と語っていましたが、その後の反応の大きさ、抗議の広がりにいら立ったのでしょう。それにしても自分の発言の「正当」であることを言うのに、「大誤報をやられた」とメディアに責任があるかのように言ったり、「日本人の読解力不足だ」とまで言うのは彼らしいとは思うのですが、非常に独善的な感じがします。「メディアは全部橋下嫌いだ」とも言ったそうですが、そうでしょうか。これまで各メディアは彼に群がって記事を垂れ流し「人気者」に押し上げました。彼もそのようなメディア、特にテレビを利用してきました。今後は正式な記者会見以外の「ぶら下がり取材」は拒否するようですが、結構なことだと思います。メディアもこれからは正式な記者会見の場での彼の発言を正確にとらえて報道し、批判するべきところはきちんとすることを望みます。 

  つくづく橋下と言う人物は「口舌の徒」だと思います。これまで選挙協力や合流も模索してきたみんなの党は、橋下氏の発言に反発して、夏の参院選での共通公約策定に向けた政策協議を凍結する方針を表明しました。代表の渡辺氏は「党の文化、体質が違う」と明言し、さらに「口(弁舌)でのし上がった人は口で失敗する。因果応報だ」と厳しく批判したそうですが同感です。

 

 

 

 

 

 

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救助をしようとした男性の死

2013-04-27 07:27:00 | 身辺雑記

 大阪市此花区の淀川に架かる橋から60代くらいの女性が転落し、助けようとして飛びこんだ大阪市環境局の51歳の男性が溺れて女性と共に水死しました。大阪市環境局と言うとこれまでに何度か職員の不祥事がありましたが、これはとっさの善行が招いた悲劇です。51歳は私の長男と同い年だけに、まだ若いのにと痛ましく思います。このことについて橋下市長は「業務外でも市民を助けようとする行動に、市役所のトップとして心から敬意を表したい」と話し、記者会見では「いざこういう場面に遭遇して、飛びこめるかと言ったらできない。最大限敬意を表したい」と言っています。大阪市は市長表彰を検討しているようです。


徒然雑草

2012-10-08 10:48:28 | 身辺雑記

10月5日

 ○長野市のJR長野駅の在来線ホームに1頭の熊がいるのをJR東日本社員が見つけた。熊はすぐ逃げたが、約10時間後に駅から1キロ離れた市街地を流れる川沿いで発見され、猟友会員が射殺した。体長約1メートル、体重約80キロのツキノワグマの雄の子どもだった。餌の豊富なこの時期にどうして街中に出てきたのか分からないとのことだが、射殺しなければならなかったのだろうか。かわいそうに思う。 

10月6日

 ○中国雲南省昭通市で4日朝に大規模な地滑りで小学校の校舎が流され児童全員18人が生き埋めになって死亡した。地元当局は遺族に一律2万元(約25万円)の慰問金を出すことを決定した。これに対してインタネット上では非難が殺到していると言う。当局は誠意を示したつもりだったのだろうが、「いのちの値段が2万元?」、「幹部の財産はみな7桁なのに」、「理由もなく値段を決められた」などと批判の的になっているようだ

 ここは寒村らしいが、いかに子どもであっても2万元と言うのは安すぎる。どうせ当局はうやむやに済ませてしまうだろう。私も寧夏や湖南の寒村に行ったことはあるが、多くは貧しく、中にはこれが人間の住まいかと言うような生活もあった。 

10月7日

 ○千葉市の動物公園で生まれた生後3か月の双子のレッサーパンダの一般公開が始まったというニュースがあった。この双子は立ち姿が話題になった「風太」の孫に当たる。名前を募集しているとのことだ。姉がのんびり屋、弟は落ち着きがないという性格の違いも表われ始めているという。

 レッサーパンダは中国四川省のパンだ公園でたくさん飼っているのを見たが、とても可愛く、人気のあるジャイアントパンダよりも愛らしい。この世界にどうしてこんなに可愛い生き物がいるのかと不思議に思うくらいだ。

             6日から一般公開されたレッサーパンダの双子の姉(上)と弟=千葉市動物公園で 拡大写真 

  四川省成都のパンダ公園で。レッサーパンダを抱く邵利明。(2006.5.25)

  

10月8日

 昨日の夕方帰宅する途中で、かすかに金木犀の香りを嗅いだ、今朝はこのあたり一面に漂っている。近所を回って見ると一晩のうちに花が橙色に色づき開いている。空気はひんやりして、ああ、大好きな季節が訪れたなと嬉しくなった。

 

 

 

 

 

 

  

 
 

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ハナミズキ

2012-04-22 08:37:41 | 身辺雑記

 前に紹介した「花のみち」を通り抜けて北に向かうと、街路樹に紅白のハナミズキが植えてある。今から20年以上前にハナミズキが植えられて間もない頃、妻と散歩したことがある思い出の道だ。あの頃若かった樹もだいぶ太く大きくなっている。

 

 歌劇場とハナミズキ

  

  

 ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)は1912年に東京市長だった尾崎行雄が、アメリカのワシントンに桜(ソメイヨシノ)を贈り その返礼として1915年に贈られたものだ。花が白いものと赤いものがある。

 

 

  

 花弁のように見えるのは苞というもので、中央にかたまっているのが花序。

 

 

 


憲法九条

2012-04-19 10:26:43 | 身辺雑記

 私は、住んでいる市の「九条の会」に入っている。と言っても会費を納め会報を読むだけで、活動もしない名ばかりの怠け会員だが、それでも憲法第九条は守らなければならないと考えている。日本が内外に大きな災害をもたらしたあの大戦の反省を込めた九条だが、以前から保守派は現在の日本国憲法は、戦勝国アメリカが押しつけたものと批判し、憲法を改悪しようとしているが、九条もその的になっていることは間違いなく、中には公然と核武装まで言う者がいる。ここであらためて九条を見てみよう。

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権」の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
  2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 この条文があるから、日本はあの大戦後から現在に至る60年間というものは戦争、戦闘を体験していないで、一部の者は嫌悪するが、「平和国家」としての体面を保ってきた。もっとも第2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」は、現実には自衛隊という形の軍事力はあり、2011年の軍事費は、突出して1位の米国から、中国、英国、フランスに次いで世界第5位、58.4億ドルになっている。これでも物足りないと言うのは、要するに攻撃力、交戦権を持つ実質的な軍隊を持つべきだと言うことだろう。あの大戦から60年、このように非戦を否定し、軍事力を増大させるべきだという声が高まっている今、改めて憲法九条の持つ意義を理解しなければならないと思う。それを夢想と嘲笑することは、あの大戦の多くの犠牲者を冒涜することにならないか。

 東北大震災の瓦礫処理は放射能汚染を心配する市民の反対で引き受ける自治体が少ない。大阪市は引き受けることにしたが、やはり住民の反対に遭っている。それにいら立ったのか橋下市長は2月にこんなツイーとをした。 

 「世界では自らの命を落としてでも難題に立ち向かわなければならない事態が多数ある。しかし、日本では、震災直後にあれだけ「頑張ろう日本」「頑張ろう東北」「絆」と叫ばれていたのに、がれき処理になったら一斉に拒絶。全ては憲法9条が原因だと思っています。」

 言っていることはまともだろう。ただこのツイーとの末尾の「全ては憲法9条が原因だと思っています」は突飛で、一見何のことかわからないのだが、真意は瓦礫の処理が滞っているのは国防と同じで、要するに自分で汗しないで他に頼ろうとしている。日本人がこのような精神状態になったのは憲法九条が原因だと言いたかったらしい。この橋下氏の発言に対して大阪府泉南市の25歳の大学院生が批判の声を寄せている。 

 「(前略)橋下氏いらだっているらしい。記者の質問に『平和を維持するために自ら汗をかかないというのが9条の根源的な精神だと思う』と答えたという。     橋下氏は間違っていると私は考える。9条の前提は国民の不断の努力により、話し合いで紛争を解決することだからだ。私たちは平和に対して真正面から向き合っている」

  そして瓦礫の処理に対して人々は放射能による体への影響、風評被害を懸念しているとして、「9条のせいにする前に、橋下氏はしっかりとした補償などの支援態勢を考えてはどうか」と結んでいる。

 ところで、橋下氏のツイーとの最後の「全ては憲法9条が原因だと思っています」がいかにも突飛だと思った人が多かったのか、あるブログによると次のようなツイートが続出したらしい。見て笑ってしまった。

 ○「あたいの胸が小さいのも全ては憲法9条が原因だと思っています」  ○「オレの頭の毛が薄いのも全ては憲法9条が原因だと思っています」  ○「私がモテないのはどう考えても全ては憲法9条が原因だと思っています」  ○「商談が不調に終わって今月のノルマの達成が危ういのも、全ては憲法9条が原因だと思います」   ○「広島が勝てないのも黒田が帰ってこないのも、全ては憲法9条が原因だと思います」  ○「阪神が優勝しないのも、全ては憲法9条が原因だと思っています」  ○「郵便ポストが赤いのもすべては憲法9条が原因だと思っています」 などなど

 ふざけている、不真面目だという向きもあるだろうが、江戸時代に時の幕府の政策や世相を風刺した狂歌と一脈通じる庶民感覚があって面白い。もっともこれらのツイーターが、どれくらい九条の精神を大切にし、橋下氏の意図に反発して揶揄したのかは定かではないが。 (続く)

 

(朝の散歩から)

カイドウ(海棠)。中国原産のバラ科植物。

 

 

 

 

 

 

 


匿名性

2012-04-02 09:03:08 | 身辺雑記

 長男の家族と食事した時に、長男がこんな話をした。 

 パソコンをいじっているうちに、予期しないサイトに入った。そこはかなり知られたチャンネルの掲示板で、その書き込みを見ていると「死ね!」などのあまりの言葉遣いの悪さにげっそりしてしまったらしい。どうしてあのようなえげつない言葉遣いになるのか、短い言葉で、よくあれだけの性格が悪く口汚いことが言えるものだと心底苦々しそうに言い、もう二度とあそこは覗かないとも言った。私も福島の被災者にひどい言葉をあびせかけていた書き込みを読んだことがあるからそれを話し、しばらくそのことで遣り取りをしたが、息子は「結局匿名性に問題があるのだろうな」と言った、匿名だと何でも言えるという気持ちになってしまうのだろうし、またそのチャンネルではそのような言葉遣いをしないとならないという気持ちになるのではないかとも息子は言った。 

 匿名での言動は何も悪いことばかりではない。世間では匿名で恵まれない人たちのために多額の寄付をする人があるし、そこまで行かなくても街頭募金に応じるのももちろん匿名行為だ。新聞の読者の声の欄などへの投書も原則は匿名だが、時折本人の希望もあり、担当者が誹謗中傷の類ではなく、妥当と判断したものは「匿名希望」として掲載される。だから匿名ということは本来何も悪いことではない。 

 しかし世間には匿名であることをいいことにして、反社会的な、あるいは常識を逸した言を弄する者がいる。先にあげたチャンネルでの書き込みなどはその例だが、他にも何かあると市役所などの公的機関にクレームをつける人間などもその例だろう。市長の発言や職員の応対が気に入らなかったとかいうと、すぐに市役所などに電話やメールでクレームが入る。被災地の木の薪で大文字の送り火をしようとした時のかなりの数の京都市民の反応などもそうだろう。おそらくはほとんどすべてが匿名だ、中には口汚くののしるというのもある。相手に顔を見られない匿名ということで、傲慢さが現れてしまうのではないか。 

 車に乗ると人が変わるということを時折聞く。車に乗るとおっとりした人間でも荒々しくなるのか、本来の性格が車という自分の占有空間の中で露呈してしまうのかは分からないが、このようなことはブログでも感じる。 (続く) 


梅(2)

2012-03-14 10:06:55 | 身辺雑記

 

   ウメの学名は、Prunus mumeという。Prunusは分類上の属名でサクラ属を意味し、ウメ、サクラ、モモ、アーモンド、プルーン、スモモ、アンズなど春に美しい花を咲かせるものは皆これに属している。 

 mumeは江戸時代の古名の「ムメ」。ウメの語源はいくつかあるそうだが、その一つに中国語の梅(メイ)が日本に伝来した当時(奈良時代以前)の日本人は鼻音の前に軽い鼻音を重ねていたのでmeをmme(ンメ)と発音し、これが「ムメのように表記されて、それが読まれるとmume→umeと転訛したという。 

 実際に、現在でも「梅」、「馬」と発音する時の「ウ」と、「牛」、「歌」と発音するときの「ウ」とは、唇の形が違っていて、「梅」や「馬」と時には唇は閉じている。よく聞くと「梅」は「ムメ」、「馬」は「ムマ」となっている。だから馬子はマゴだし、馬籠(マゴメ)という地名もある。中国語の馬の発音も「ma」。 

 奈良時代には「花」と言えば梅を指していたが、平安後期以降は桜を指すようになった。 

 日本では梅は、松竹梅の一つとして、正月などの慶事に好んで画の題材とされたそうだし、今でも正月の飾りにする。また梅は、菊、蘭、竹とともに中国や日本ではその高潔な美しさ君子にたとえて「四君子」と称し、、やはりよく絵画の題材とされてきた。 中国西安の李真の父親の李延年氏は今は引退したが、西安では名の知れた画家で、私に作品を収めた画帳を贈ってくれたが、そこにも四君子が描かれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


民主主義  多数決

2012-01-16 12:40:50 | 身辺雑記

 久しぶりに「民主主義」について考えてみた。

 

  私が高校生の頃に、文部省が作った「民主主義」という教科書が使われていた。かなり大部なもので上下2巻だった。文部省が作ったと言っても、つい何年か前までは軍国主義を鼓吹していたその頃の文部官僚にそのようなものが編纂できたとは思われない。当時は米軍の軍政下にあったから、おそらく総司令部(GHQ)の指導で作ったものだろう。当時のGHQには理想主義的なリベラリストがいたらしいから、この本も米国型民主主義を日本の若者に教え込むことが目的だっただろう。米国型であろうと何であろうと、私たち日本人の多くは、そもそも「民主主義」ということば自体にまったく無知であったから、それは当時の私たちにとっては、新鮮なものに聞こえた。そして、これからは「民主主義」というもので、日本の未来は明るく開けていくなどと思わされたものだ。

 

 それから60年以上たった今、欧米先進諸国に比べると歴史はまだ浅いが、日本は民主国家だということに疑問を持つ者はいないし、民主主義ということばは常識になってしまっている。政党も与党は「民主党」、野党第1党は「自由民主党」といずれも党名に「民主」を使っていて、それに違和感を覚える者はいない。では民主主義は日本の国に根付き、揺るがないものになっているのだろうか。

 

 言うまでもなく欠陥のない完全無欠な制度というものはない。民主制もそうだが、それでも人類が長い間紆余曲折した歴史をたどってたどり着いたこの制度は、今の段階では最高のものだろう。しかし、わが国の政治などのあり方を見ると、民主主義というものが皮相的に捉えられて、形骸化している面はないだろうか。

 

 例えば民主的ということは、成員の多数決で決めるものだと言う。しかしこれには前提があって、多数決で決める前段階では成員の十分な議論が必要だと言うことだ。しかし、現実には、例えば国会でも十分に審議を尽くさないままに多数党が数の力で押し切ってしまうことは、これまでによく見られたことだし、学校のクラス会などでは発言が少ないのに、早々に「採決します」ということで、挙手をさせて決めてしまう。こういう状態は民主主義というものが正しく機能していないものだ。だから内容はそっちのけにして、民主的とは多数決で決めるものと単純に決めてしまう向きもある。そこでは多数者は少数者をどのように遇するかはなおざりに、あるいは無視されてしまう傾向がある。 (続)


ツバキ

2012-01-14 12:08:10 | 身辺雑記

 ツバキは漢字では木偏に春だが、冬から春にかけていろいろな品種が咲く。季語も「花椿」は春だが、「寒椿」は冬。私はツバキは寒いときのほうが似合うように思う。中国語では山(シャンチャア。サザンカ(山茶花)のような名称だが、中国語のサザンカは茶梅チャアメイ)。

 

我が家にあるのは園芸種のオトメツバキ(乙女椿)で、まだ現役時代にハナツバキをシンボルマークにしているある化粧品会社が寄付したのを分けてもらったもの。花言葉は「控えめな美」「控えめな愛」。

 

   

 

  一輪咲いたが、蕾はたくさんあるのでこれからしばらく楽しめそうだ。

 


徒然に思う

2012-01-08 13:42:56 | 身辺雑記

 歴代最年少総理と言われながら、1年で職を投げ出した元首相が、どういうものか最近よくマスメディアに顔を出している。ある隔月雑誌の表紙にも大きく写真が載っていて、「2012 日本をどうする」という特集記事の冒頭の対談に出ている。「尖閣に自衛隊を派遣せよ」という相変わらずのタカ派ぶりだが、この人はもういい加減おとなしくしていたらどうなのという気持ちになる。まだ若いから本人は捲土重来を期しているのかも知れないが、ある評論家が評した「お坊ちゃまナショナリスト」は鬱陶しい。