中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

部落格

2006-08-25 08:59:29 | 中国のこと
 週に1回の中国語教室、盆明けの講座で先生が盆休みには何をしたかと尋ねられた。私がブログを造りましたと言うと、先生は「部落格」と板書された。何?と思ったが、先生がピンインでbuluogeと書かれたので「ああ、ブログか」と納得した。その後は先生がコピーしてきた「小夏蒂(Xiao xia di)」と言う教材を読んだ。「夏蒂ちゃん」と言う題の童話らしいので、ざっと目を通すと「アルプスの少女ハイジ」を要約した話だった。皆で音読し、訳していくと「阿爾卑斯(Aerbeisi)」(アルプス)、「彼得(Bide)」(ピーター)、「克蘭拉(Kelanla)」(クララ)などのおなじみの地名や人名が出てきた。しかしハイジがなぜ「夏蒂(Xiadi)」となるのかは、先生の説明を聞いても私にはちょっと理解できなかった。よく知られているように、漢字の国中国では、すべて漢字で書き、表現するから、固有名詞も例外ではない。日本なら片仮名で表すところを漢字を使うから、私のような初学者にとっては一見して戸惑うことが多い。

 中国に行った時、ホテルで何もすることがないとテレビを見る。聞いてもほとんど理解できないのに、ドラマを一本見てしまったことも何回かある。何となく分かったような気になったのは、多くは字幕が入っているし、筋書きのある映像だからだろう。時事解説や経済ニュースなどはさっぱり分からない。ニュースはテロップを見て辛うじて分かることもできる。当然地名や人名がよく出てくるが、これがなかなか読めない。「克林頓(Kelindun)」(クリントン)や「布什(Bushi)」(ブッシュ)など、よく知られている人物の固有名詞はかなり簡単に読めるが、東欧などの人名は長いから、テロップを見ても何かなと思っているうちにすぐに消えてしまい、分からないままに終わったことは多い。今年の3月に貴州省の省都貴陽のホテルでニュースを見ていると、テロップに人名らしいものが見えたがとても読めない。すぐに画面には人物が写ったのでそれを見て「ああ、(ユーゴ大統領だった)ミロシェビッチか」と分かった。彼が急死したニュースだった。しかしそれでも、漢字ではその名がどう表記されていたのかはもう思い出せなかった。それほど私には判読が難しいものだった。ミロシェビッチならまだしも、例えばあまりニュースには出たことがないような国の人物で、時には長い名前が初めて出される場合はどうするのか。表記はしても、それを読んだ者はすぐに分かるのだろうかと思うのだが、普通の中国人ならおそらく分かるのだろう。

 人名でこれまでに、これは傑作だと思ったのは「活力門(Houlimen)」だった。これは世間を騒がせた例のライブドアの前社長堀江貴文の通称ホリエモンを表している。中国語の発音がホリエモンによく似ているし、活力はliveに通じ、門は中国語ではドアだ。意味と発音の二重の造語で、誰が考え付いたのかと呆れるくらい感心した。「可口可楽(kekoukele)」(コカコーラ)も音と意味がうまく合っていると言われている。「倶楽部」はわが国で造語されたもので、音と意味がうまく合っているが、これは中国でもそのまま使っている。発音はjulebuで合わないが意味を取ったようだ。最近はコンピュータ、IT産業の発達に伴って新語はどんどん造られているようで、北京で発行されている日本語の月刊誌「人民中国」には毎号紹介されている。日本のように「新語辞典」のようなものも出されているのではないかと思う。

 外国の地名や人名の表記法はいろいろあるようで、インタネットで「中国語における外国固有名詞の表記」を検索すると、要領よくまとめたものが読める。