Runrun日記

最近読んだ本―太陽の王ラムセス4 アブ・シンベルの王妃



クリスチャン・ジャック 著 「太陽の王ラムセス4 アブ・シンベルの王妃」 角川文庫

この小説では、歴史的な事実や神話・聖書の話などが織り交ぜて描かれている。

ヒッタイトとエジプトが結んだ講和条約は、世界最古の文書化された講和条約らしい。この小説では、ラムセスの友人であり外務卿を務めるアーシャが、苦労の末、この条約をまとめる。

アブ・シンベル神殿は、永い間、砂の下に埋もれていたらしい。19世紀初頭に発見され発掘された。1960年代にダム建設の為移設されたらしいが、今では、世界遺産に登録され観光客も多いとか。王ラムセスと王妃ネフェルタリの愛情の神殿。神の力でエジプトを守ろうとして、アブ・シンベルの神殿を作る経緯が美しく描かれている。

モーゼの出エジプトは?
ヤーウェの神を信ずるモーゼと、エジプトの神々でもってエジプトを治めようとするラムセスが、折り合えるわけもなく・・。
他の神と折り合いをつけない、唯一神というのが、良くないんじゃないかい。神のお告げとか、約束の地とかいうけれど、結局は、自分たちの土地を持たないヘブライ人達が、カナンの地に押し入ったいうのが、歴史的な事実じゃないかい???
現代にいたるまで続く、中東の混迷の源には、この唯一神という考え方があると思うのだが。

ラムセスの兄・シェナルや、ヒッタイトの間諜・オフィールの企ても、ついに成功できず、彼らは死んで行く。
ラムセスの最愛の妻、王妃ネフェルタリも、アブ・シンベル神殿の完成を見て死んでしまう。
さて、この次は・・・

この小説のお気に入り度:★★★★★

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