アルゼンチンは、許可なしにフォークランドで撮影した政略的な広告を放送して島の人々を怒らせています。
広告は、アルゼンチンの運動選手が7月のロンドン・オリンピックを控えてフォークランドで訓練をしているところを特集しています。
〝英国の地で戦うために、私たちはアルゼンチンの地で練習します″というスローガンで終わっています。
英国のヘイグ外相は、そのビデオを最近の外交の停滞を目立たせようとする姿勢だと決めつけました。
「彼らは南北アメリカのサミットで他国を引き寄せようとしてフォークランド諸島に関する宣言を発表したが失敗した」と彼は言いました。
「オリンピックを政治的に利用しようとしても他国によい影響を与えるとは思わない
水曜日の夜アルゼンチンで放送された広告は、アルゼンチンがマルヴィナスと呼ぶ英国の海外領土を再び獲得しようとするアルゼンチンの最新の手段です。
オリンピック大会2012:マルヴィナスの戦死者と退役軍人へ捧ぐと題されています。
アルゼンチンのホッケーのキャプテンのフェルナンド・ジルベルバーグさんがフォークランドの首都ポート・スタンレイで走ったり練習したりしているのが映っていて、ところどころにペンギンや吹きさらしの南大西洋が見えます。
ビデオは、英国の広告大手WPPが所有するアルゼンチンの大手広告会社Young & Rubiconによって制作されました。
以前秘密に撮影した経験のあるFly Films会社に仕事を頼みました。
撮影隊は、ジルベルバーグや他のアルゼンチンの選手や多くの国際的な選手が参加するマラソン大会を撮影することを表向きの理由として3月に諸島に行きました。
彼らは、1週間滞在してフォークランド諸島周辺を秘かに撮影しました。
アルゼンチンの主要紙La Nacion and Clarinは、政府は作品に関わっていないと言っています。.
最初は民間会社に頼みましたが、問題のあるビデオにかかわりたくないとして断りました。
それで、フェルナンデス大統領に働きかけてフィルムを買ってもらい水曜日の夜放送してもらいました。
ジルベルバーグさんは、政府の関与は知らなかったとラジオ局に語りました。
「放送の前日に、フィルムが大統領室の政治広告として使われるということを知りました」
フォークランドのハンセン議員は、ビデオは安っぽくてくだらないプロパガンダ作品だと非難しました。
ハンセン氏は、領土的野心をむき出しにしてオリンピックを政治化しようとしているとしてアルゼンチンを非難しました。
「ジルベルバーグ氏が戦争の記念碑をよじ登っているのを見ることは非常に悲しい。悲しいことにこれはアルゼンチン当局が我々の母国と国民に対して持っている軽蔑を表しているのだ」とハンセン氏は言いました。
「ビデオのどの場面にもフォークランドの島民は現れません。フォークランド諸島には人が住んでいないと印象付けるアルゼンチンの政策を明確に反映しているのです」
先月はフォークランド戦争開始30周年でした。30年前アルゼンチン軍は諸島に侵攻しましたが英国の機動部隊に負けました。
アルゼンチンは、統治権に関して英国との交渉を望んでいますが、英国政府はフォークランドの島民の合意無しには議論しないと言っています。
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アルゼンチンのマルヴィナス(英国ではフォークランド)諸島の帰属意識はかつての敵英国で行われるオリンピックを前に高揚しているようです。ここにも島をめぐる領土争いが歴然としてあります。胸が痛む問題ですね。