(写真)注文が殺到してベストセラー・リストのトップになった本
米国防総省は、オサマ・ビン・ラデンを殺した2011年5月の奇襲行動の真実を書いた米特別軍の前兵士を訴えるとしています。
国防省トップの弁護士が、軍の秘密を暴露しないとする合意を破ったことになると特殊部隊Navy Sealに属していた元兵士(著者)に伝えました。
2007年に彼は海軍と非開示の2冊の書類に署名したと国防省が言いました。
「No Easy Day」という題の本は、マーク・オウエンという筆名で書かれています。
本は国防省もCIAもホワイトハウスも発行前の検閲を行っていません。当局は秘密情報の不正暴露は犯罪になると警告しています。
国防省の法律顧問のジョンソン氏は、木曜日に、非開示文書は秘密情報を暴露しないことを彼に義務付けていたと著者に文書で伝えました。
「あなたは自分で署名した非開示の合意書に違反する重大な行為を行っていると国防省は判断している。」と書かれています。
「我々にはあらゆる救済策が合法的に可能だと考えている」とつけ加えられていました。
今週、本の内容は急襲についての政府の話と矛盾していると報道されました。
事前のコピーを見たAP通信によれば、ビン・ラデンは階段を駆け上って寝室から外を伺ったとたんに銃撃されて死亡したと記しています。
しかし、米高官は、彼は寝室に急いで逃げた直後に撃たれた、不安に駆られて武器を掴もうとしていたのかもしれないと述べました。
特殊部隊はオバマ大統領の奇襲攻撃の決断を称賛したものの、彼らは大統領を熱烈に支持してはいなかったともその本には書かれています。
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今、大統領選挙運動たけなわです。このニュースには前段の前段があるようです。8月の中旬かその前からオバマ大統領がビン・ラデンの奇襲を自分の手柄にしていると政敵から非難され初めています。特殊部隊も大統領が自分の手柄にするために情報をリークしたと非難しています。多分、本の著者もその一人かもしれません。米国の大統領選挙では醜い程のネガティヴ・キャンペーンが行われています。どれが真実か分りません。
それにしても、特殊部隊の一員だった人が辞めたら合意を破って内部の秘密を暴く本を書く。何とも理解し難いけど、辞めれば自由人として言論の自由を主張する権利はあるでしょう。国防省といえども、民間人になった彼の言論の自由を拘束する権利はないと思いますが、告訴は可能でしょうか。
救済策の提示などで何とか収束したいようですが、彼の本は予定通り9月初旬に発行されるようです。国防省はどうするのでしょうか。