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東京原発

2005-09-04 14:44:47 | 映画 タ行
DVDで役所広司、段田安則、岸辺一徳、吉田日出子、平田 満、出演の「東京原発」を観ました。

●ストーリー
押しの強さと派手なパフォーマンスで、都民の支持を得てきた天馬東京都知事(役所広司)は、津田副知事(段田安則)、佐伯政策報道室長(田山涼成)、石川都市計画局長(菅原大吉)、大野財務局長(岸部一徳)、泉環境局長(吉田日出子)、笠岡産業労働局長(平田満)の6人を臨時緊急会議に召集し、その席上で切迫した財政の再建のために、東京に原子力発電所を誘致すると言い出し、この突然の爆弾発言にその場に収集された副知事以下5名の局長は驚かされるばかりだった。

他者の意見は一切聞かず、強引にでも東京に原発を誘致しようとする天馬都知事の姿勢に、危険性を感じた副知事の津田は、物理学の権威で東大の榎本教授(綾田俊樹)を呼び出し、原子力発電所の問題点について詳しい説明を行わせる。

都庁で都知事達が原発誘致の議論を戦わせている時、フランスから極秘裏に運ばれてきたプルトニウム燃料を載せたトレーラーを、爆弾マニアの少年・透が改造銃で運転手の中村(塩見三省)を脅し、乗っ取ってしまうのだった。

透はパソコンとWEBカメラを利用し、車内の模様を都庁に送信し、テレビ局にこの事件を生中継させなければ、トレーラーに仕掛けた爆弾を爆発させると天馬達を脅迫し、トレーラーを都庁に向けて走らせるのだが…。

●感想
現実に起こりうる原発の危険性を、切々と語りかけ、観ている者に原発の是非を考えさせる良く出来た作品だと思います。

中盤の榎本教授が、原子力発電所の問題点や危険性を阪神大震災やチェルノブイリ原発事故などの具体例を挙げ、詳しく説明してくれるので、本当の原発の現状がよく分かり、政府の原発推進政策が必ずしも正しくないと理解しました。

これまで、牛肉問題や厚生省の薬害エイズ問題など、数々の重要な事柄を国民に隠し続け、騙し続けている政府ですから、どうしても、この原発問題もその一つに入るんじゃないかと勘繰ってしまいます。

最近、村上 龍さんの小説「半島を出よ」で日本の原発がテロリスト達に乗っ取られるストーリーが話題となりましたが、「これはあながち小説の中だけの話だと放っておけないリアルな危険性が含まれている」と考える私は、この「東京原発」で益々「日本政府は原発施設に対する防衛の重要さを再認識すべきだ!」と強く思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

榎本教授に原発の危険性を分かりやすく説明させている為に、後半のプルトニウムを積んだトレーラーが都庁に向かう恐怖が上手く伝わり、良い演出が随所にされている作品だと思います。

また上記の説明が上手くいっている為に、ラストシーンで損傷を受けたプルトニウムの容器に雨が激しく打ちつける危険性が理解でき、更なる恐怖心を煽ってくれました。

他にも、それぞれの局長の性格を机の上に置かれている持ち物で表現する手法は、短時間で分かり易く効果的なやり方だと感心させて頂きました。

だからこの作品は、日本の原発について学びたい方と爆弾マニアでない方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「酒を飲まなければ運転出来ないような男にプルトニウムなんて運ばせるな!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。








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