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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

隠し砦の三悪人

2005-11-28 23:32:03 | 映画 カ行
DVDで、出演:三船敏郎/上原美佐/千秋 実/藤原釜足/藤田 進/志村 喬/脚本:黒澤明/菊島隆三/小国英雄/橋本 忍/監督:黒澤明/の『隠し砦の三悪人』を観ました。

●ストーリー
百姓の太平(千秋 実)と又七(藤原釜足)は、戦に参加し一旗上げようと村を出たのだが、戦には間に合わず、死体の穴掘り作業をさせられ、やっと開放してもらい、故郷の早川領へと向かっていた。

その途中、空腹を凌ぐ為に2人は、米を盗み、川原で飯を炊いた。

しかし、薪が中々燃えない事に腹を立てた又七が、1本の薪を投げ捨てると、聞いたことの無い甲高い音が跳ね返って来た。

これに驚いた2人が、音のした場所へ向かうと、さっき又七が投げ捨てた薪の中に秋月家の家紋の入った金の延べ棒が隠されているのを見つける。

これに大喜びした2人は、更に金を得ようと辺りの薪の中を片っ端から探し始める。
そんな2人の行動を、岩山の高い場所から1人の髭面の男(三船敏郎)がじっと見ていた。

太平と又七は、そんな男の視線に気付き、金を探しているのを隠す為に、そっと男から離れ、川原に戻ったのだが、夜になって再び髭面の男が2人の目の前に現れ、「200貫の金を運び出す手伝いをしないか?」と持ちかける。

欲だけで生きていると言っていい太平と又七は、「金を等分する」という条件で真壁六郎太と名乗る髭面の男とその連れの口がきけず、耳の不自由な女(上原美佐)と共に山名領を抜け、早川領へ入るという過酷な旅をすることになるのだったが……。

●感想
「もう少し、黒澤作品を堪能しよう!」と言う事で、今回は『隠し砦の三悪人』を借りて参りました。

この作品に登場する「太平と又七」を見て、あの『スターウォーズ』シリーズの監督として有名なジョージ・ルーカスが「R2D2とC3PO」のキャラを作り出したというのは、あまりにも有名なエピソードなんですが、ルーカスが『「太平と又七」の様なキャラを作りたい』と思う気持ちは、この作品での2人の活躍を観れば充分納得できます。

この作品の主人公は、三船敏郎演じる忠義に熱い武士「真壁六郎太」なんですが、あまりにも千秋 実さんと藤原釜足さんの演じた「太平と又七」が人間臭い為に、どうしてもそちらに目がいってしまいました。

三船敏郎さんも馬上での切り合い等の迫力ある演技を見せてくれるのですが、千秋 実さんと藤原釜足さんのケンカシーンや金を必死に運んでいる姿が印象に残りました。

それに引き換え、雪姫を演じた上原美佐さんは、声が甲高くキンキンした感じがして、私はどうしても好きになれませんでした。

「黒澤監督もひょっとしたら、私と同じ様に感じたので、途中から雪姫を口が聞けない設定にして、セリフを減らしたんじゃないの?」って勝手に思ったりしました。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

もう、これは「太平と又七」のコミカルな掛け合いと、敵中を色々な知恵と武力で切り抜けて行く「真壁六郎太」の忠義心が全ての映画ですね!
そこの描き方が「面白い!」と感じる人には、とても楽しめる映画だと思います。

ラストもどうなるのかハラハラしたのですが、思わぬ人が「アッ!」と驚く行動をして、全てが上手くまとまる様になっていますし、「太平と又七」の心温まるエピソードも用意されているので、私は「なるほど!」と納得致しました。

だから、この作品は、危機を切り抜けながら、逃げ延びようとするハラハラした展開の映画が好きな方と、『ジョージ・ルーカスが愛した「黒澤作品」を観てみたい!』という方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「足場の悪い岩山を、何度も降りたり登ったりした千秋 実と藤原釜足さんは、すり傷が絶えなかっただろうなぁ~」って2人の頑張りに拍手を送りたくなったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

七人の侍

2005-11-26 23:00:17 | 映画 サ行
DVDで、出演:三船敏郎/志村 喬/津島恵子/藤原釜足/加東大介/木村 功/千秋 実/宮口精二/小杉義男/
左卜全/稲葉義男/土屋嘉男/高堂国典/脚本:黒澤 明/橋本 忍/小国英雄/監督:黒澤 明/の『七人の侍』を観ました。

●ストーリー
ある貧しい村では、去年「野伏せり」と呼ばれる野盗と化した落ち武者に襲われ、収穫した麦を奪われていた。

その「野伏せり」が今年も村を狙っている事を知った村人達は、村を守ってくれる侍を雇い入れる事に決め、二人の百姓を町へと送り出す。

「腹一杯、米を食わせる」とう条件だけで、村を命懸けで守ってくれる侍はなかなか見つからず、二人の百姓が諦めかけた時、子供を人質にとって、立てこもっていた野武士から、頭を剃り僧に変装して、見事に子供を助け出した侍を見つける。

その侍の名は勘兵衛(志村 喬)と言い、幾多の戦場を生き抜いて来た強者の武士であった。
百姓達は、勘兵衛の腕を見込んで、何とか村を救ってくれる様に頼み込むのだが、条件が悪い事もあって勘兵衛は難色を示す。

しかし、侍に米を食わせる為に、百姓達がひえを食っている事を知った勘兵衛は、百姓達の村を守る約束をし、腕のたつ侍を探し始めるのだったが……。

●感想
ある番組で、爆笑問題の太田さんが「黒澤映画」を熱く語っているのを見て、「白黒映画」にあまり興味の無かった私も観る決心を固め、この作品に挑戦致しました。

本作は、3時間を越える大作なので、「途中で飽きたらどうしよう…」などと色々な不安があり、これまで敬遠して来たのですが、分かり易いストーリー展開とよく練られた脚本のおかげで、最後まで楽しんで観る事が出来ました。

監督業だけではなく、脚本製作にも黒澤氏が携わっているのですが、大監督と呼ばれているにも係わらず、橋本 忍、小国英雄の両名を加え、自分以外の様々な意見も取り入れて、より良い脚本作りを目指す貪欲な姿勢が映像に現れている様に思いました。

ストーリーは「7人の侍達が、貧しい村を悪党から守る」という至ってシンプルなものなんですが、その中に「人の強さ、弱さ、醜さ、貪欲さ、優しさ、切なさ、喜び、悲しみ、別れ」等の色々な要素をふんだんに盛り込んでいるので、とても見応えのある作品でした。

出演する役者陣も演技に緊迫感があり、スクリーンの中をスピード感あふれる動きで駆け回る姿には、ビックリしてしまいました。

数々ある合戦のシーンもテンポが凄く早いので、古い作品であるという印象は全く感じられず、どれも素晴らしい出来栄えだったと思います。

その中でも、志村 喬さんの凛とした存在感のある演技と、三船敏郎さんの荒々しく野獣の様に迫力のある演技は、決してこの作品に欠く事が出来ないものであり、私には、忘れられない印象深いものになりました。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

「黒澤監督は人の本質を描くのがとても上手い人だ!」って言うのが、本作を観た後の、私の率直な意見でした。
ここら辺が「黒澤映画は面白い!」って言われる由縁なんでしょうね。

私は、この作品の「弱者を美化しない」という姿勢を最後まで貫き通している所が好きです。
一見、弱者の様な百姓も、実は「ずる賢さや醜さを隠し持っている」という描き方に好感を持ち、作品の奥深さを感じました。

だから、この作品は、「黒澤映画」がみんなに絶賛されている理由を知りたい方と、いつまで経っても色あせない時代活劇を観たい方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「この時代の百姓に生まれなくて、本当に良かった!」って、今の時代に生きてる事を、心から感謝してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。







ハサミ男

2005-11-25 20:35:24 | 映画 ハ行
DVDで、出演:豊川悦司/麻生久美子/阿部 寛/斎藤 歩/樋口浩二/石丸謙二郎/原作:殊能将之/脚本:池田敏春/香川まさひと/監督:池田敏春/の『ハサミ男』を観ました。

●ストーリー
土手の傍らにある鉄塔で、女子高生が誰かを待っている。
そこに歩いてやって来た若い女・知夏(麻生久美子)と長身の男・安永(豊川悦司)。

どうやら、女子高生は2人を待っていたらしく、笑顔で彼らを出迎えた。
その女子高生に安永だけが、手にゴム手袋を嵌めながら近づいて行く。

次の瞬間、声も無く女子高生が仰向けに倒れて行く。
彼女の喉元には、ハサミの刃が深く突き立てられていた。

「人間の骨って硬いものなんだな…」と動かなくなった女子高生を見ながら安永が呟く。
しばらくは死体を見つめていた2人だったが、何事も無かったかの様に、元来た道を帰って行った。

その後、女子高生をもう一人殺した安永は、マスコミで騒がれ「ハサミ男」と呼ばれる様になっていた。

安永は3人目の標的となる、成績の良い美少女を既に決定し、知夏を従え、その女子高生の後をつけている途中で、彼女が見知らぬ男とハンバーガーショップに入って行き、楽しげに会話をするのを目撃する。

しばらくして、その場を離れた安永と知夏は、女子高生の自宅を調べ終え、引き返そうと近くの公園を通りかかった時、3人目の標的としていた女子高生が、喉にハサミを突き立てられ死んでいるのを発見する。

2人が呆然とその場に立ち尽くしていた時、日高(斎藤 歩)という男と出会ってしまい、計らずも安永と知夏は「ハサミ男」の3番目の犯行の第一発見者となってしまうのだった……。

●感想
レンタルショップの新作コーナーにあった本作の『ハサミ男』という題名に目が止まり、サスペンス作品だという事で借りる事に致しました。

主演が、豊川悦司と麻生久美子という演技派同士の組み合わせにも興味が湧き、観る前はとてもワクワクしたのですが、内容は物凄く淡々としたのもでした。

殺人事件の中にサイコの要素が含まれて、ストーリーはそこそこ面白いと思うんですが、あまりにも使い古されたネタで新鮮さが感じられませんでした。

映像も無機質な感じが強すぎて、現実の世界とは思えず「この街には誰も住んでいないのか?」って思うくらいに寒々としていました。

物語の前半と後半で、演技を変えている豊川悦司と麻生久美子、石丸謙二郎の演技は良かったと思うのですが、阿部 寛と斎藤 歩の使い方がイマイチだったのと、熱血刑事を演じた樋口浩二の演技は、周りの役者達と比べると少し浮いた印象を受けました。

●採点
私のこの作品に対する評価は50点です。

池田敏春監督は、意識してシュールな感じの映像作りをしたんだと思いますが、私にはどうしても、この映像のテイストが好きになれませんでした。
それに、甲高いトランペット音をエンディングに延々と流す演出にも疑問を感じました。

私は原作を読んでませんし、主人公がサイコキラーなので無機質な感じで撮るのもいいとは思うんですが、あまりにも部屋や街の表情が殺風景過ぎると、普通の人間さえも人形の様な印象を受けてしまうので、少し考えて欲しかったです。

だから、この作品は、今までと表現方法を少し変えたサイコキラーを観たい方と、今までに「ファザコンで感情の無い子」と言われた事のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、この作品に出演している阿部 寛さんの顔を見て『「故・田宮二郎氏」によく似てるよな~』ってビックリしてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。







さよなら、さよならハリウッド

2005-11-24 21:14:41 | 映画 サ行
DVDで、出演:ウディ・アレン/ティア・レオーニ/トリート・ウィリアムズ/ジョージ・ハミルトン/脚本・監督:ウディ・アレン/の『さよなら、さよならハリウッド』を観ました。

●ストーリー
過去に2度もオスカー賞に輝いた映画監督・ヴァル(ウディ・アレン)であったが、心因性から来る様々な病気が原因で仕事をことごとく失敗し、今では何とかCM撮影の仕事で食いつないでる状態だった。

そんなCM撮影の仕事も途中でクビになり、これからの仕事にも困り始めた頃、元妻・エリー(ティア・レオーニ)が映画プロデューサーを務めるハリウッドのメジャースタジオから、新作映画の監督としてのオファーが舞い込む。

しかし、このオファーは、エリー(ティア・レオーニ)が、ヴァルを監督に復帰させようと、強く推薦し決定されたものだった。

最初は、自分を捨てて、オファー先の映画製作会社社長であるハル(トリート・ウィリアムズ)の元に走ったエリーに、恨みと未練をぶつけるヴァルだったが、監督として再起を図る為、ハルとエリーへの感情を押し殺して仕事を受ける決心をする。

ところが、正式な監督就任が決まりクランク・イン直前になった頃、ヴァルは、またしても心因性が原因となる失明状態に陥ってしまい、代理人のエド(ジョージ・ハミルトン)に全てを打ち明け、監督の仕事を断ろうとするのだったが……。

●感想
ウディ・アレンの映画を始めて観たのですが、この作品はとても面白かったです!
何が面白いって、ウディ・アレンのいかにも落ちぶれた映画監督の演技と「目の見えない映画監督が映画を撮る」って設定が私のツボに見事に入りました。

ショボくて、神経質な映画監督役がウディ・アレンに見事にハマっていて、彼をサポートする元妻役のティア・レオーニとの色々なギャップがとても楽しい作品です。

ウディ・アレンとティア・レオーニは元夫婦の役なので、一緒にいるシーンが多いのですが、中でも2人きりで会話をするシーンでは常に笑わされました。

興奮して話しの内容が次々と変わっていくヴァルの会話に、見事について行くエリーには元夫婦でしか出来ない雰囲気を感じましたし、目が見えなくなったヴァルが社長のハルと会う事になり、エリーがホテルの部屋の間取りを必死にヴァルに教えるシーンでは「あの教え方じゃ、一生分からないよ!」って笑いながら突っ込んでしまいました。

笑いの中にも、息子のトニーと語らうシーンには、ちょっとジーンとさせられたりと色々な要素も詰まった作品です。

ラストも納得の行くハッピーな展開になっていますので、恋人や奥さんと一緒に観るには、持って来いの1本だと思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

中国人カメラマンを起用する理由が、後から分かって来る展開と、ニューヨークでコケにされた映画がフランスで大ウケするって話は、ハリウッドを上手くコケにしていて、とても良かったと思います。

この作品を観て、ウディ・アレンが出演している他の作品も、観たくなってしまいました。

だから、この作品は、ストーリー構成が上手く出来たコメディ映画を観たい方と、別れた元妻に今だに未練がタップリあるって方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、ヴァルの息子のトニーの芸名を聞いて、思わず吹き出してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。



乱歩地獄

2005-11-23 17:49:35 | 映画 ラ行
映画館で、出演:浅野忠信/成宮寛貴/松田龍平/岡元夕紀子/緒川たまき/原作:江戸川乱歩/脚本:竹内スグル/薩川昭夫/夢野史郎/カネコアツシ/監督:竹内スグル/実相寺昭雄/佐藤寿保/カネコアツシ/の『乱歩地獄』を観ました。

●ストーリー
江戸川乱歩の原作『火星の運河』『鏡地獄』『芋虫』『蟲』の4作品を、4人の監督が独自の感性で描いたオムニバス作品。

①『火星の運河』
男(浅野忠信)は気が付くと、全裸でどんよりとした雲がどこまでも続く大空と、緑が果てしなく広がる大地にポツンとある小さな沼の前に立っていた。
男が無意識に沼の中を覗き込むと、昔暮らした女と全裸で争い合う姿が映る。

男は終に女の首に手を掛けて締め始める。
その時、沼に映る自分の姿が首を締めている女の姿に変わっていく。

「自分は、一体何者なのか?」
錯乱した男は、もがき苦しみ沼の淵に倒れ込むのだった……。

②『鏡地獄』
鎌倉で行われた茶会に参加した女性達が、次々と顔を焼かれた無残な死体で発見される。

事件の噂を聞きつけた探偵の明智小五郎(浅野忠信)は、事件に和鏡が関係している事を掴み、製造者の斎透(成宮寛貴)に会いに行くのだが、彼はゾッとするほど美しい容姿を持つ青年だった……。

③『芋虫』
戦争で両手、両脚を失う重傷を負った夫の須永中尉(大森南朋)を狭い一室に隠し、献身的に介護を務める妻の時子(岡元夕紀子)。

しかし、時子には夫に虐待を加える事で性的興奮を覚えるもう一つの顔があったのだ……。

④『蟲』
人と触れ合うと湿疹が出るアレルギーを持った柾木愛造(浅野忠信)は、愛する女優・木下芙蓉(緒川たまき)の運転手を務めていた。

芙蓉には、既に恋人がおり、柾木は何度も二人が密会する現場を覗き見しては、満たされぬ思いに悶々としていた。

そんな自分の気持ちを抑えきれなくなった柾木は、花束を抱え、芙蓉の前に現れるのだったが……。

●感想
いや~、スゴイですね江戸川乱歩の世界は!
人間の持つ、エロ、グロ、嫉妬、暴力などの醜い欲望の部分を抉り出すように描かれた映像の数々には、後頭部をいきなり殴られたような、凄まじい衝撃を受けてしまいました!

4作品全てに出演している浅野忠信には、明智小五郎から壊れゆく男まで、幅の広い演技で充分に楽しませてもらい、『鏡地獄』で美しい男を演じた成宮寛貴には、これまでにない新しい魅力を見せてもらい、演技に対する頑張りを感じました。

他には、『芋虫』に出演した岡元夕紀子の身体を張った、美しくてエロチックな演技と、『蟲』に出演した緒川たまきの妖しい魅力で存在感のある演技が印象に残りました。

作品的には、どれも強烈なインパクトが有り、見応えのある出来になっていると思いますが、エロくてグロいシーンがたくさん出て来るので、江戸川乱歩の世界が理解出来ない方には、全く楽しめない内容だと思いますので敢えておすすめ致しません。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

多分、内容からして好き嫌いが、かなり別れる作品だと思います。

私は、これまでに観た事の無い刺激的な映像と、本性を暴かれる様な、エロとグロの魅惑的な世界観に充分満足させてもらいました。

どちらかというと、この作品は、私の様に精神的にどこか壊れている人間が楽しめる内容になっていると思いますので、自分の胸に手を当ててみて「自分はエロとグロが大好きな人間です!」と自信を持って言える方だけに観て欲しいです。

と言う訳で、この作品は、「江戸川乱歩の世界に入ってみたい!」と真剣に考えた事のある方と、恋人とSMプレイで楽しんだ事のある方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「『芋虫』で須永中尉を演じた「大森南朋」って誰?」って思い、彼の素顔をどうしても見たくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。







カッコーの巣の上で

2005-11-21 22:50:37 | 映画 カ行
DVDで、出演:ジャック・ニコルソン/ルイーズ・フレッチャー/ブラッド・ドゥーリフ/クリストファー・ロイド/ダニー・デヴィート/原作:ケン・キージー/脚本:ローレンス・ホーベン/ボー・ゴールドマン/監督:ミロス・フォアマン/の『カッコーの巣の上で』を観ました。

●ストーリー
1963年9月、一人の男がオレゴン州立精神病院に運ばれて来た。
その男の名はランドル・P・マクマーフィ(ジャック・ニコルソン)。
刑務所の強制労働を逃れる為に、精神病を装ってやって来たのである。

そんな彼の行動を担当医が監視し、精神鑑定を行う為にマクマーフィは、病院に移送されて来たのである。

そのマクマーフィが収容された病棟は、婦長・ラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)が絶対権を持ち、専制のもとに統治されている所だった。

ハーディン(ウィリアム・レッドフィールド)、ビリー(ブラッド・ドゥーリフ)、テーバー(クリストファー・ロイド)、マーティー(ダニー・デビート)等の様々な精神異常を持つ患者達を相手に、完全にラチェッド婦長が取り仕切る、異様なディスカッション療法を目の当たりにして、マクマーフィは不快感を覚えてしまう。

独断的なラチェッド婦長に一泡吹かせようと考えたマクマーフィは、次の日のディスカッション療法の際に、ワールド・シリーズの実況をテレビで見れるよう日課の変更を要求する。

ラチェッド婦長はこの提案をすぐさま却下するのだが、病院の方針により、患者たちの投票に委ねられる事になる。
しかし、結果は、婦長の顔色を伺う患者が多く、賛成したのは僅か3人だけだった。

この結果を、悔しく思ったマクマーフィは、何とか患者達の協力を得ようと、病院内で様々な活動を開始するのであったが……。

●感想
観る前は、刑務所内で繰り広げられる脱走話だと思っていたのですが、舞台は精神病院だったので少しビックリしてしまいました。

まず感じたのが、ジャック・ニコルソンの目付きが今よりも遥かに鋭いですね!
現在も普通の人に比べたら充分に危ない目付きなんですが、若い頃は本当に何かやらかしそうで、かなりヤバイです。

そのジャック・ニコルソンが演じる受刑者のマクマーフィが、ルイーズ・フレッチャーの演じるラチェッド婦長に反抗心を持つ事で、病院内の患者達を一つにまとめて行く過程がとてもユーモラスに描かれています。

この作品でアカデミー主演男優賞を獲った、ジャック・ニコルソンの演技が素晴らしいのは、もちろんの事、周りを固める精神病患者役のウィリアム・レッドフィールド、ブラッド・ドゥーリフ、クリストファー・ロイド、ダニー・デビート等の、今では絶対に集められない程の豪華な俳優陣のリアルな演技は、見逃せないものばかりです。

特にダニー・デビートの演技は、「本物の患者なのかな?」と間違うくらいに、動きや仕草がとてもリアルに見えました。

また、ラチェッド婦長を演じたルイーズ・フレッチャーの表情を一切変えない威圧感を与える演技は、アカデミー主演女優賞を獲るにふさわしいものだったと思います。

それにストーリー展開もテンポが良く、起承転結もハッキリしていて、オチも意表を突くものになっているので、総合的に見るとかなり良く出来た作品だと思います。

だから本作を、まだ観ていない人には、是非観てもらいたいですね。

●採点
私のこの作品に対する評価は85点です。

最近、名作と呼ばれている昔の作品を意識して観ているのですが、この作品は素直に「観て良かった!」って思いました。

ラストに行く程、先の展開が読めなくなり、意外な人が思いもかけない行動をとってエンディングを迎えるのですが、この終わり方が自分にとってはとても素晴らしく感じ、監督の演出の上手さにすっかりやられてしまいました。

だから、この作品は、先の読めない名作を探している方と、大事な時に酒を飲みすぎて、後悔してもしきれない程の大失敗をした事のある方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、『最初から最後まで「チーフ」にはすっかり騙され、かなり驚かされたなぁ~』って心地良い裏切りに拍手を送りたくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ディア・ハンター

2005-11-20 21:09:13 | 映画 タ行
DVDで、出演:ロバート・デ・ニーロ/クリストファー・ウォーケン/ジョン・サヴェージ/メリル・ストリープ/脚本:デリック・ウォッシュバーン/監督:マイケル・チミノ/の『ディア・ハンター』を観ました。

●ストーリー
マイケル(ロバート・デ・ニーロ)、ニック(クリストファー・ウォーケン)、スチーブン(ジョン・サベページ)、スタン(J・カザール)、アクセル(チャック・アスペグラン)の親友5人は、ペンシルベニア州クレアトンの製鋼所に勤め、飲んで騒いだり、山で鹿狩りを楽しむ普通の若者達だった。

1968年のある土曜日、ベトナム戦争へと向かうマイケル、ニック、スチーブンの歓送会と、スチーブンとアンジェラ(ルタニア・アルダ)の結婚式が町の教会で盛大に行なわれ、みんなで楽しいひと時を過ごし、月曜日に3人は、戦地へと向かった。

1970年、北ベトナムでの激しい戦いの中で、偶然にもマイケルは、ニックとスチーブンに再会するが、ベトコンの激しい攻撃に晒され、間もなく3人は捕虜になってしまう。

マイケル達が監禁された小屋では、弾丸を一発だけ込めたピストルを捕虜が交互にこめかみに当てて撃ち合う、ロシアン・ルーレットというゲームが行なわれていた。

ベトコン達の賭けの対象にされ、捕虜達は次々と死んで行き、いよいよマイケルとニックの番になり、2人は、絶対絶命の窮地に立たされるのだったが……。

●感想
私がまだ幼い頃に、浜村 淳さんが番組の映画紹介のコーナーでこの作品の事を語っていたのですが、その時に観たロバート・デ・ニーロとクリストファー・ウォーケンがロシアン・ルーレットをする映像がとても怖くて、思わず目を伏せてしまい、それ以来、この作品に対してトラウマが残ってしまい、今まで観るのを避けていました。

それでも最近になって、「どうしても話の全貌が知りたい!」という欲求が高まりDVDをレンタルするに至った次第であります。

ベトナム戦争によって親友達が離ればなれになり、やがて心までもが病んでしまうという戦争の悲劇を題材にした作品なんですが、前半は、マイケルとニックを含む5人の親友達の幸せな日々が時間を掛けて描かれており、後半の戦争の悲惨さを際立たせる構成がなされています。

毎日の仕事、車での暴走、バーでの暴飲、盛大な結婚式、鹿狩り等々。
これらの日常の何気ないシーンが、1時間以上も続くので、少し長く感じてしまいますが、ここさえ乗り切れば、後は展開が早くなり、観ていてストレスが少なくなると思いますので頑張って欲しいと思います。

監督のマイケル・チミノが「ワンシーン長回し」の手法を多用しているので、映像自体はとても観易く、見応えがあると思います。

特に、マイケル達が捕虜になり、ロシアン・ルーレットを強要されるシーンは、とても緊迫感があり、やはり劇中で一番印象に残ってしまいました。

最近はCGなどを使った凄惨なシーンを扱った映画が多く、私もそんな作品を、長年に渡りたくさん観て来たせいなのか、子供の頃に感じた「怖さ」を、今回は感じずに観る事が出来ました。
この事を素直に喜んで良いのか?今はとても複雑な心境であります……。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

さすがに、3時間を越える作品になると集中力を維持するのが辛かったです。
特に、前半の戦争に行くまでの幸せなシーンは、かなり長く感じてしまいました。

けれども、リンダ(メリル・ストリープ)を巡るマイケルとニックの心の動きにも注意して観ていたので、より深くこの作品を楽しめたと思います。

でも、どうしてニックは無事に助かったのに、リンダの元に帰らなかったんでしょうね?
もう、あの時点で既に精神を病んでいたんでしょうか?

それとも、ニックは、マイケルがリンダを好きな事を知っていて、彼に任せたのでしょうか?
ここが私には謎であります……。

『プライベート・ライアン』や『ブラックホーク・ダウン』等の戦闘シーンをメインに戦争の悲惨さを伝えるのではなく、壊れ行く人の心で戦争を非難している、実に見応えのある名作であると思います。

だから、この作品は、若きロバート・デ・ニーロとクリストファー・ウォーケンの熱気溢れる演技のぶつけ合いを観たい方と、山に鹿狩りに行く事を趣味にしている方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、マイケルがニックを探し出すシーンを観て「マイケルって、一体いくら金持ってんねん!」って思いもしないマイケルの金持ちぶりにビックリしてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

2005-11-19 21:26:49 | 映画 ハ行
映画館で、出演:ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン/原作:J・K・ローリング/脚色:スティーブ・クローブス/監督:マイク・ニューウェル/の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を観ました。

●ストーリー
4年生になったハリー(ダニエル・ラドクリフ)達をはじめ、全校生徒が集まる中、ダンブルドア校長(マイケル・ガンボン)が、危険ゆえに100年以上も開催が延期されていた三大魔法学校対抗試合の開催を宣言した。

驚きに声を上げる生徒達の中を、気品と美しさを持つ「ボーバトン魔法アカデミー」の女子生徒達と、力強さと荒々しさを感じさせる「ダームストラング学院」の男子生徒達が大広間へと入って来る。

三大魔法学校対抗試合とは、招待された2校とホグワーツ校との間で、「炎のゴブレット」に選ばれた、各校それぞれ1名ずつの代表選手が永久に栄誉を語り継がれる優勝カップを目指して過酷な戦いに挑むものだった。

数日後、立候補した者の中から、炎のゴブレットが選んだのは、「ボーバトン魔法アカデミー」のフラー・デラクール(クレマンス・ポエジー)、「ダームストラング学院」のビクトール・クラム(スタニスラフ・アイエネフスキー)、「ホグワーツ校」のセドリック・ディゴリー(ロバート・パティンソン)に決まった。

生徒達の歓声が上がり、全ての代表選手達が決定したにも係わらず、「炎のゴブレット」がもう一人の出場者の名前を選んだ。

その名はハリー・ポッター!

14歳で参加資格も無く、立候補もしていないハリーが何故選ばれたのか?
戸惑うダンブルドア校長だったが、『「炎のゴブレット」に選ばれた者は棄権を許されない!』という伝統に則り、ハリーを三大魔法学校対抗試合に参加させるのだったが……。

●感想
最近、メンバー会員になった映画館で先行上映が行われる事もあり、お得な会員価格1000円で本作を観賞して参りました。

『ハリー・ポッター』シリーズはファンも多く、人気のある作品なので、『「炎のゴブレット」を1日でも早く観たい!と思う人々で混雑するだろう』と予想していたのですが、定員138人のスクリーンの約1/4が埋まる位にしか観客は来てませんでした。

「土曜日なのにどうして人が少なかったんでしょうね?」
私の行った劇場は駅からも3分くらいで、シネコンでスクリーンが4つある、そこそこの規模の劇場だったんですが……。

勝手に今後の観客動員数の事を心配しながらも、予想以上に快適な状況で観れる事に喜びながら全編をジックリ楽しませてもらいました。

『ハリー・ポッター』シリーズの原作は全く読んでいないので「どうして、ダンブルドア校長が、死人の出る恐れもある、危険な三大魔法学校対抗試合の再開を急に宣言したのか?」が最後まで引っ掛かって仕方ありませんでした。

実際に、みんなが恐れていた様に「ある人」が死んでしまい、全員が悲しむに暮れてしまうので、どうしてもダンブルドア校長の奇行を嘆いてしまいました。

まぁ、そんな事を言ってると話しにならないので感想に行きますと、まず感じたのがハリー、ロン、ハーマイオニーが大きくなってますね!

それにともなって、ほのかな恋心を抱きハリーとロンが、ダンスパティーのパートナーを誘うシーンが出て来るのですが、2人は意中の相手に見事に断られてしまい、すっかりモテない君ぶりを発揮しているのが面白いです。

ハーマイオニーも、「ダームストラング学院」のビクトール・クラムに誘われるのですが、本当はロンに誘って欲しかったみたいで、今後の作品での、彼らの恋の行方にも注目したくなる内容になっています。

肝心な三大魔法学校対抗試合の初戦であるドラゴンとハリーの戦いは見応えがあって良いのですが、その他の選手がドラゴンと戦う姿が全然描かれていないので、とても残念に思えました。

私としては、ハリー以外の代表選手達が個性的な魔法を使って戦うシーンをもっと観てみたかったです。

クライマックスでついに、「闇の帝王・ヴォルデモート」が復活するのですが、大きな鍋に色々な物を入れて、まるで「三分間クッキング」を観ている様に簡単に復活してしまったのには、本当にビックリしてしまいました。

あまりにも簡単に復活したせいなのか、顔はかなりシンプルな作りになっていますが……。

今回は、復活したのが物語の後半だったので、そんなに「闇の帝王・ヴォルデモート」の活躍が見られなかったのですが、今後の作品では大いにハリーを苦しめそうな彼の邪悪な強さに、注目して観るのも面白いんじゃないでしょうか。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

2時間37分と少し長い作品なんですが、「もっと観ていたい!」と思いました。
個人的には、後1時間くらい長くなってもいいので、もっと三大魔法学校対抗試合の戦闘シーンを詳しく描いて欲しかったです。

原作がボリュームがあるだけに、監督も出来るだけ多くのエピソードを盛り込もうと苦労している様子が目に浮かぶようでした。

ストーリーのせいか映像も比較的暗いシーンが多く、これまでの作品と比べると少し地味な印象を受けましたし、ロンとハーマイオニーの活躍があまり観れなかったのも残念でした。

その分、ユニークなキャラの先生達がたくさん出て来るので、今回はこっちに注目した方がより楽しめるかも知れませんね。
そして、今回の悪の手先には、あの先生が……!

まぁ、勝手に色々な事を書きましたが、この作品がシリーズ中でターニングポイントとなる重要な要素を多く含んでいる事は、間違いないと思いますので、気になる方は是非、劇場で楽しんで頂きたいと思います。

と言うわけで、この作品は、これまでの『ハリー・ポッター』シリーズを見続けている方と、親友の有り難さを再認識したい方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、先行上映に訪れた観客の予想外の少なさに『「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」にもっと関心を持って下さい!』って全国の皆さんにお願いしたくなったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。




告発

2005-11-17 17:45:52 | 映画 カ行
DVDで、出演:クリスチャン・スレイター/ケヴィン・ベーコン/ゲイリー・オールドマン/ウィリアム・H・メイシー/脚本:ダン・ゴードン/監督:マーク・ロッコの『告発』を観ました。

●ストーリー
1930年代後半、わずか5ドルを盗んだ罪でアルカトラズ刑務所に送られ、25年の刑で服役中だった
ヘンリー・ヤング(ケヴィン・ベーコン)は、副刑務所長グレン(ゲイリー・オールドマン)の残忍な拷問に耐えきれず、脱獄を企てたが仲間の裏切りにより、「穴蔵」と呼ばれる狭く、暗く、寒い地下牢に3年間も閉じ込められてしまう。

3年後、地獄の様な地下牢での日々を耐え抜き、一般牢へ戻されたヘンリーだったが、食堂で自分を裏切った囚人を見つけると、止め処もない怒りが込み上げて来て、発作的に手にしていたスプーンで相手の首を突き、殺してしまうのだった。

この事件を担当することになった、若き弁護士ジェームズ・スタンフィル(クリスチャン・スレイター)は、初仕事となる殺人事件の弁護を任され張り切っていたのだが、弁護するはずのヘンリーが事件については全く語ろうとせず、ジェームズは困惑してしまうのだった。

弁護士として事件の真相を知る為に、何度も訪問を重ねたジェームズは、ヘンリーの心を少しずつ開いて行き、やっとの事でアルカトラズ刑務所内で日常的に行われていた、恐るべき囚人虐待の真相を掴むのだったが……。

●感想
この作品も、私の周りの知人達の間では、評判の高い作品で、「いつかは、観よう!」と思っており、本日やっと観賞した次第であります。

この作品を観るまでは、脱出不可能の刑務所として名高い、「アルカトラズ刑務所」でこんな凄惨な囚人虐待が続けてられていたとは、少しも考えた事が無かったですし、凶悪犯の他にも、刑務所を存続させる為に、軽微犯の者も収容していたという事実には、驚きを隠せませんでした。

この作品は、事実を元にして作られているのですが、「アルカトラズ刑務所」を閉鎖に追い込んだ裏に、「こんなにも悲しい事件があったのか…」と何ともやり切れない気分になりました。

物語の中盤までは、ヘンリー・ヤングが副刑務所長グレンに暴行を受け、地下牢に閉じ込められる等の凄惨なシーンが続くのですが、ケヴィン・ベーコンとゲイリー・オールドマンが鬼気迫る演技でそれを魅せてくれているので、本作で2人が一緒に出ているシーンを観るだけでも充分価値のあるものだと思います。

更に、若き弁護士ジェームズをクリスチャン・スレイターが熱血感溢れながら、思いやりを滲ませる優しい演技を魅せてくれ、終盤でヘンリーと共に檻の中でトランプ投げをして遊ぶシーンは、私の心に残るものました。

また、ジェームズの相手役の検事にウィリアム・H・メイシーが出演している事で、この作品をしっかりまとめ上げている印象を受けました。

実話なので、残念ながらハッピーエンドとは行きませんが、ヘンリー・ヤングが地下牢に戻されながらも「VICTORY」(勝利)の文字を残していたという事実に、せめてもの「救い」を感じた名作でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は90点です。

ハッキリ言ってとても内容の濃い、観た後に色々な事を考えさせられる作品ですが、ケヴィン・ベーコン、ゲイリー・オールドマン、クリスチャン・スレイター、ウィリアム・H・メイシーらの演技が素晴らしい作品なので、まだ観ていない方は、1度は観て欲しいと思う作品です。

私としては、『レオン』の悪徳刑事以上に、本作でゲイリー・オールドマンの演じた「副刑務所長グレン」が憎たらしく思えて仕方ありませんでした。

それは、本作での彼の「悪役」としての演技がとても素晴らしく、絶賛するに値するものだったからだと思っています。

最近では、『バットマン ビギンズ』の警官の様な善人役を演じる事もあるゲイリー・オールドマンなんですが、私はこの作品を観て「ゲイリー・オールドマンには、もっとキレた悪役を演じて欲しい!」と切に願った次第であります。

と言う訳で、この作品は、「アルカトラズ刑務所」を閉鎖に追い込んだ衝撃的な事実を知りたい方と、自分の将来がダメになるかも知れないというリスクを背負いながらも、真実の為に闘った事のある方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですけど、最近『エコーズ』に出演していたケヴィン・ベーコンを観て、「もう少し、出演する作品を選んでくれよ~」って何だか悲しくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


ミート・ザ・ペアレンツ2

2005-11-16 23:03:09 | 映画 マ行
試写会で、出演:ロバート・デ・ニーロ/ベン・スティラー/ダスティン・ホフマン/脚本:ジョン・ハンバーグ/ジム・ハーツフェルド/監督:ジェイ・ローチの『ミート・ザ・ペアレンツ2』を観ました。

●ストーリー
看護士として働くグレッグ・フォッカー(ベン・スティラー)は、恋人パム(テリー・ポロ)の元CIAの堅物頑固親父・ジャック(ロバート・デ・ニーロ)から苦労の末に、ようやく結婚の承諾を得た。

しかし、今度は、結婚を前にジャック夫婦を、西海岸に住む自分の両親に引き合わせなければならない。

グレッグは超堅物のジャックに、父は弁護士、母は医者と説明していたのだが、実際は、父・バーニー(ダスティン・ホフマン)は本業を休業中で専業主夫をしており、母・ロズ(バーブラ・ストレイザンド)も医者ではあるのだが、高齢者向けの性生活カウンセラーを営んでいた。

おまけに2人は、明るい変わり者で、堅物のジャックとは何もかもが対称的だったのだ。

果たしてグレッグは、何事にも開放的過ぎる自分の両親を、ジャックに気に入られる様に紹介し、無事にパムと結婚式を挙げる事が出来るのであろうか……。

●感想
ロバート・デ・ニーロとダスティン・ホフマンが競演しているというだけでも、「見る価値あり!」と思い試写会に行って参りました。

本作は『ミート・ザ・ペアレンツ』の続編なんですが、全編ギャグのコメディ作品なので、たとえ前作を観ていない人でも充分に楽しめると思うのですが、かなり下ネタが多い作品になっているので、下品な笑いが嫌いな人には、おすすめし難い内容になっています。

また、下ネタが笑えるものになっているのであればOKなのですが、全然笑えないネタもたくさんあって、「どこが面白いねん!」と頭をひねりたくなるシーンも多々ありました。

今回は、ジャックの孫の「リトル・ジャック」という赤ちゃんやイヌ、ネコなどの女性が興味を惹きそうなものを総動員して、ウケを狙いに行ってます。

確かに、それがいい味を出しているとも言えるのですが、ワンパターンな笑いが多く、赤ちゃんの「手信号ネタ」の使いまわしには、いい加減「もう、ええやろ!」って突っ込んでしまいました。

まぁ、それでもベタな笑いが全編を通して次々と出て来ますので、アメリカンギャグが大好きな方には、かなり笑える作品になっていると思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は60点です。

「ロバート・デ・ニーロとダスティン・ホフマンは、何でもこなすスゴイ役者さんだなぁ~」と感心しながら観ていたのですが、2人にはもっとシリアスな内容の作品でも競演して欲しいです。

私としては、花嫁役のテリー・ポロにイマイチ魅力を感じないので「もっと華のある女優を起用して欲しいなぁ」とも思いました。

だから、この作品は、下ネタ満載のコメディ映画が好きな方と、飼い犬を事故でトイレに流してしまった事のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが「この映画のチラシのデザインって、もう少し何とかならなかったのかなぁ~」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。