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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

日本沈没

2006-07-06 20:17:40 | 映画 ナ行
試写会で、出演:草 剛/柴咲コウ/豊川悦司/大地真央/及川光博/福田麻由子/吉田日出子/柄本 明/國村 隼/石坂浩二/原作:小松左京/脚本:加藤正人/監督:樋口真嗣/作品『日本沈没』を観ました。

●感想
 ・『ガメラ』シリーズや『ローレライ』で特撮技術の高さを示した樋口真嗣監督が小松左京氏の代表作『日本沈没』をリメイクしたと言うことで、10年前に原作を読んだ私としては我慢出来ずに試写会に行って参りました。

 ・原作を読んだと言っても、もう10年も経っているので細かい事はすっかり忘れていました。
ストーリーは日本の地殻変動により各地で大地震が発生し、地球物理学者である田所(豊川悦司)は各地の調査を行った結果、1年足らずで日本が沈没してしまうという驚愕の事実に直面します。
この調査結果を重く見た日本政府は、国民の海外への脱出計画と田所が発案した地殻爆破計画を推し進めて行くのだが……と言ったところです。

 ・いや~、さすがに樋口監督の特撮シーンはリアルで良く出来ていました!割れる大地、爆発する山々、襲い掛かる大津波、どれをとっても現実味があり観ていて恐ろしくなりました。

 ・各地で震度7を表すニュース画面や崩れ落ちる六本木ヒルズ、胸まで水没した奈良の大仏、完全に海に沈んだ大阪道頓堀、日本各地の名所が「これでもか!」と破壊し尽くされ、日本列島が真っ赤に燃えている映像は、あまりにも衝撃的で泣きたくなってしまいました。

 ・登場人物では、豊川悦司さんと大地真央さんが良かったですね~!豊川さんは、殆どが般若の様なしかめっ面をしているのですが、総理や大臣達の前で「日本は1年以内に沈没する!」と熱弁を振るったり、地殻爆破計画の責任者として最後まで日本に残り、結城(及川光博)や小野寺(草 剛)の行く末を見守ったりと主演の草くんが霞んでしまう存在感でした。
大地さんも毅然としたセリフ回しが、未曾有の国難を回避しようと奮闘する有能な女性大臣・鷹森沙織にピッタリでしたし、最後の声明発表のシーンはとても感動的でした!

 ・常々、日本には「人あっての国でいて欲しい」と願っているのですが、本作のように日本が壊滅して国民が他国に流出して行くシーンを観ると「国あっての人なのかも知れない」って考えてしまいました。

●採点
 ・私的評価……80点(大地震のシーンを始めとする災害の特撮シーンは、どれをとっても迫力があり見応え充分なのですが、主演の草くんと柴咲さんの演技がどうしても愛し合う恋人同士には見えず、彼らが出て来る度に現実へと引き戻されてしまいました。これを見せられると、どうしても「草 剛と柴咲コウって仲が悪いの?」って変な勘繰りをしたくなりました。)

 ・「どうして阿部玲子(柴咲コウ)をハイパーレスキュー隊員にしたんだろう?」って思いながら観ていたのですがラストシーンで「こういうエンディングにしたかったからなのか~」って納得致しました。

 ・と言う訳でこの作品は、樋口監督の『ガメラ』シリーズが大好きな方と万が一の為に「非常持ち出し袋」を枕元に置いているって方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「この映画を日本の近隣諸国で公開したら、泣いて喜ぶ人達がたくさんいるだろうなぁ~」って日本を目の敵にしている国々の主導者達の顔が目に浮かんでしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ナイロビの蜂

2006-05-03 17:15:41 | 映画 ナ行
試写会で、出演:レイフ・ファインズ/レイチェル・ワイズ/ユベール・クンデ/ダニー・ヒューストン/ビル・ナイ/ピート・ポスルスウェイト/原作:ジョン・ル・カレ/脚本:ジェフリー・ケイン/監督:フェルナンド・メイレレス/作品『ナイロビの蜂』を観ました。

●感想
 ・直前まで何故だか気乗りがせず、観るかどうかをかなり迷ったのですが、監督が『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレスであるのと、アカデミーで助演女優賞を獲得したレイチェル・ワイズの演技がどうしても気になったので行って参りました。

 ・物語はイギリス外交官・ジャスティン(レイフ・ファインズ)の妻・テッサ(レイチェル・ワイズ)がアフリカで何者かに突然、殺害される事件を軸に2人の出会いから現在へと至る恋愛模様を回想シーンで見せてくれます。

 ・本作は、1日90円の収入で生活している人々が集まるアフリカのスラム街でロケをしているのですが、劣悪な環境の中でも、元気に遊ぶ子供達の笑顔が印象的でした。

 ・大手製薬会社と現地政府、イギリス官僚達が癒着し、アフリカの貧しい人々を新薬の実験台として利益を得ている事実を告発しようとしてテッサは殺害されたのですが、夫のジャスティンがその真実に辿り着くまでの様子を見事なカメラワークで描いているのは「さすがに上手いな!」って感じました。

 ・劇中では、レイチェル・ワイズが妊婦姿で出演しているのですが、これは特殊メイクではなく、実際に妊娠中に撮影されたそうです。そういった点では、体を張った演技だと思うのですが、これまでの彼女の演技と大きな違いは感じられませんでした。それでも、アカデミー助演女優賞を獲れたのは、社会派の重いテーマを扱った作品だったからなんでしょうね。そう考えるとやはり脚本の力ってとても大きいなぁ~って感じました。

●採点
 ・私的評価……70点(映像の見せ方や編集などは上手いと思いましたが、テッサのあまりにも無謀な戦い方には「もっと賢いやり方があったんじゃないの?」と疑問を持つ所が多かったです。ジャスティンのテッサに対する想いよりも、テッサの死後、アフリカの貧しい人々に対する想いを強めていく、ジャスティンの姿に感動致しました。)

 ・と言う訳でこの作品は、アフリカの貧しい現状を理解したい方と国の陰謀に巻き込まれて、危険な目に遭った事がある方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「テッサ(レイチェル・ワイズ)の様に活動的過ぎる妻を持つと大変だなぁ~」って控え目で優しい日本女性がますます好きになってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR

2006-04-01 15:57:51 | 映画 ナ行
映画館で、出演:コンスタンチン・ハベンスキー/ウラジミール・メニショフ/マリア・ポロシナ/ガリーナ・チューニナ/ヴィクトル・ヴェルズビツキー/原作:セルゲイ・ルキヤネンコ/共同脚本:セルゲイ・ルキヤネンコ/ティムール・ベクマンベトフ/監督:ティムール・ベクマンベトフ/作品『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR 』を観ました。

●感想
 ・「ロシア発、世界のトップクリエイターが嫉妬した脅威の映像体験」とか「『マトリックス』を越える映像革命」というお決まりな宣伝文句がどうしても気になってしまい、初日の初回に観て参りました。

 ・「『マトリックス』を越える映像革命」という大層なキャッチフレーズが付いている作品なのですが、なぜか郊外の劇場でしか上映されておらず、普段の倍以上の交通費を使ってしまいました。

 ・『マトリックス』シリーズが好きなので、ロシア版『マトリックス』がどんなものなのかと多少は期待していたのですが、本家『マトリックス』のアクション、映像、俳優、ストーリー等と比較してみて、どれをとっても上回るどころか足元にも及ばない、そんな出来の作品でした。

 ・ハッキリ言って、もう少しアクションで魅せてくれると思ったんですけどね~。3部作の1作目だからなのか、全編を2作目の前振りとして作った様に感じました。

 ・作品の全体的に暗めな雰囲気や、超能力者同志による善と悪との戦いというストーリー構成は大好きなんですけどね~、もうすでに『マトリックス』シリーズを観てしまっている人達にとっては、あらためてビックリする程の映像ではないので、あまり楽しむ事が出来ないでしょうね。

 ・ストーリーの展開も途中でテンポが悪くなるのを感じましたし、行く先々で災いをもたらす女性・スヴェトラーナ(マリア・ポロシナ)のエピソードの必要性についても現時点では、疑問を持っています。

 ・今後は、ナイト・ウォッチのアントン・ゴロデツキー(コンスタンチン・ハベンスキー)と息子のイゴールとの対立を中心としたストーリーに発展して行きそうなので、『マトリックス』というよりは『スターウォーズ』に近い人間模様を見せる作品になりそうです。

●採点
 ・私的評価……50点(ハッキリ言って、宣伝文句に『マトリックス』を使わない方が良かったですね~。「『マトリックス』を追い越そう!」という意気込みは良いと思うのですが、自分からハードルを高く上げすぎて失敗している様な印象を受けました。肝心な1作目だったので、もっと観客の心をガッチリつかんで終わって欲しかったですね~。それでも私としては、乗りかかった船なので3作目までキッチリ観守りたいと思っております。)

 ・という訳でこの作品は、逃げ出した婚約者を連れ戻そうとした事がある方と地下鉄内でライトを持って絶叫しているサングラス男を見た事がある方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「オリガ(ガリーナ・チューニナ)がどういう罪でフクロウにされていたのか?」が、ずーっと気になって仕方がなかったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


ナイト・オブ・ザ・スカイ

2006-02-07 23:23:50 | 映画 ナ行
試写会で、出演:ブノワ・マジメル/クロヴィス・コルニヤック/ジェラルディン・ペラス/フィリップ・トレトン/原作:アルベール・ユデルゾ/ジャン=ミシェル・シャルリエ/脚本:ジル・マランソン/監督:ジェラール・ピレス/作品『ナイト・オブ・ザ・スカイ』を観ました。

●ストーリー
イギリスの航空ショーに参加していたフランスの主力戦闘機ミラージュ2000が突然、ショーの最中でデモンストレーションを中止し、会場から飛び去ってしまう。

このミラージュ2000を追ってフランス空軍のマルシェリ大尉(ブノワ・マジメル)とヴァロワ大尉(クロヴィス・コルニアック)がスクランブル発進し、旅客機の影に隠れレーダーから逃れている機体を発見する。

マルシェリ達に発見された事に気付いたミラージュのパイロットは旅客機から離れ、突然ドッグファイトを仕掛けて来た。

このミラージュの思いがけない行動に油断したヴァロワは背後をとられ、ロックオンされ危機に陥ってしまう。

この非常事態に司令部から追撃中止命令が下るが、ヴァロワの身を守る為にマルシェリは敵機を撃墜してしまう。

基地に戻ったマルシェリとヴァロワは司令部の命令に背いた責任を問われフランス空軍から軍籍を剥奪されてしまうのだが、この事件の裏には巧妙に仕組まれた陰謀が潜んでいたのだった……。

●感想
CGやVFXを使わず、本物の戦闘機・ミラージュ2000による迫力のある映像は「見応え有り!」で「トップ・ガン」に優るとも劣らない素晴らしい出来でした。

主人公のマルシェリを演じたブノワ・マジメルを始め、空軍のパイロット達はそんなに男前ではないのですが、そこがかえってリアル感があり、良かったと思います。

ストーリーの序盤でフランス空軍に2人のアメリカ人女性パイロットが訓練の為にやってくるのですが、この2人の使い方が上手く、「アメリカ絶対正義主義」として描いてないのがフランス映画らしいと思いました。

ストーリーはオーソドックスではありますが少し捻りが有り、ミラージュ2000に乗ったパイロットの目線で「これでもか!」というくらいに音速のアクションが繰り広げられるので、自分があたかも戦闘機を操縦しているような感じになり、小学生の時の夢がパイロットだった私は大いに満足致しました!

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

正直言ってあまり期待していなかったのですが、久々に丁寧に作り上げられた戦闘機アクションムービーだったので「観て良かった!」と思いました。

始めの頃はミラージュ2000の機体がそれほどカッコ良く思えなかったのですが、観終わる頃には、すっかりファンになってしまいました。

いや~、やっぱり戦闘機はいいですね!スピードがあって美しくて、男のロマンがたくさん詰まってますね~!

特にミラージュ2000が音速の壁を越える瞬間に出来る飛行機雲の映像には迫力があり、ビックリしてしまいました!

と言う訳でこの作品は、戦闘機好きな方や空を音速で飛び回る疑似体験をしたいと思っている方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが「日本の航空自衛隊じゃ~、ここまでの協力はしてくれないだろうなぁ~」と思い、フランス空軍の太っ腹な協力ぶりに拍手を送りたくなったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ナルニア国物語 Vol.1/ 第1章 ライオンと魔女

2005-12-11 21:10:45 | 映画 ナ行
DVDで、出演:リチャード・デンプシー/ソフィ・クック/ジョナサン・R・スコット/ソフィ・ウィルコックス/バーバラ・ケラーマン/原作:C.S.ルイス/脚本:アラン・シーモアー/監督:マリリン・フォックス/作品『ナルニア国物語 Vol.1/ 第1章 ライオンと魔女』を観ました。

●ストーリー
第二次大戦下のイギリス、ペベンシー家のピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーら4人の兄弟姉妹は、郊外へと疎開する。

ふとした事から、次女のルーシーが疎開先の洋服ダンスの奥に、雪に閉ざされた世界(『ナルニア国』)があるのを発見する。

その国は、冷酷な白い魔女が支配し100年もの間、永い冬に閉ざされているのだった。

この事態を救うべく4人の兄弟姉妹は、ライオンの姿をした、かつて偉大なる王・アスランと共に白い魔女の率いる悪霊軍団と決戦を挑むのであったが……。

●感想
本作は1988年にイギリス公共放送BBCが8時間にもおよぶ、第4章からなる大作をTVシリーズとして制作した第1章のストーリーで、収録時間が2時間42分の作品となっております。

3月から全国上映予定の映画『ナルニア国物語』の予習用としてレンタルして来たのですが、時間が2時間半を超えるので、とにかく長く感じました。

まず思った事が、イギリス公共放送BBCが作った作品なんで、画像のトーンが『Mr.ビーン』によく似ている事と、今から17年前に作られたので、登場するキャラクターの衣装とか着ぐるみ等の出来が非常にお粗末で、どこかの安物劇団の芝居を観せられているような感じがしました。

クライマックスの決戦のシーンなどにも、ショボいアニメーションが合成で使われており、日本アニメとのレベルの差を感じ「いくら17年前でも日本のNHKが作ったら、もっとマシなものになっただろうなぁ~」としみじみ感じてしまいました。

●評価
私のこの作品に対する評価は40点です。

子供向けに制作されたのでしょうが、私が10歳以上だったら、やはり「ショボい作品だなぁ~」って思った事でしょう。

でも、映画の予習用としてストーリーを理解する為に観る分には、非常に分かりやすく作られているので、2時間42分という収録時間が気にならない方なら、観てもいいんじゃないでしょうか。

と言う訳で、この作品は「劇場で『ナルニア国物語』を絶対に観るぞ!」って気合の入っている方と喋る動物達に出会った事のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、出来栄えは大した事がないもののストーリーの面白さで、続編がとても気になっているのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。



ナポレオン・ダイナマイト/バス男

2005-11-03 23:25:16 | 映画 ナ行
DVDで、ジョン・ヘダー、ジョン・グリース、アーロン・ルーエル、エフレン・ラミレッツ 出演の「ナポレオン・ダイナマイト/バス男」を観ました。

●ストーリー
アイダホの平和な町に住む、冴えない高校生ナポレオン・ダイナマイト(ジョン・ヘダー)は、無職でチャット恋愛に夢中な兄・キップ(アーロン・ルーエル)とバイク好きで過激な祖母(サンディ・マーティン)と共に平凡な毎日を過ごしていた。

ルックスも服装も髪型もダサく、運動神経も頭も良くないナポレオンは、学校で友達もなく、毎日イジメに遭っていた。

そんなある日、砂漠をバイクで爆走していた祖母が転倒しケガをした為、いつもはキャンピングカー住まいをしているリコおじさん(ジョン・グリース)が、彼らの面倒を見にやって来る。

リコおじさんは、過去に戻りアメフト部に入部する為、通販で売り出しているタイムマシンを買おうと思いつき、キップと共に怪しげな商品の訪問販売を始めるのだった。

そんな時、、メキシコ人の転校生ペドロ(エフレン・ラミレッツ)と親しくなったナポレオンは、彼が女の子にモテたい一心で立候補した、生徒会長選挙を応援する為に、色々と力を発揮するのだが……。

●感想
どこかのセンスの無い方が、オタク繋がりという事だけで、日本でヒットした「電車男」にあやかり「バス男」というイマイチな邦題を付けられてしまった「ナポレオン・ダイナマイト」ですが、MTVムービーアワードで「スパイダーマン2」や「キル・ビル Vol.2」を相手に作品賞を受賞した、実力のあるオモシロムービーで御座いました。

「オースティン・パワーズ」程では無いものの、主人公のナポレオン・ダイナマイトを始め、ちょっと変わったオモシロキャラ達がたくさん登場する為、「クスッ」と笑えるシーンがとても多くなっているのが、この作品の見所だと思います。

例えば、ナポレオンのバレバレの大ウソやキップのチャットをしながら最強の格闘家になろうとしている所なんて、二人の会話を聞いただけで「本当に兄弟揃ってバカだなぁ~」と、思わず笑ってしまいました。

そこに、通信販売で売っている、いかにもインチキ臭いタイムマシーンを本気で買おうとする、ステーキとアメフト好きなリコおじさんがやって来て、話はどんどん面白い方向に進んで行きます。

他にも、強面のいとこを持つナポレオンの親友・ペドロや写真で進学費用を稼ごうとしている同級生のテビー(ティナ・マジョリーノ)がストーリーに絡んできて、なかなか良い味を出してくれています。

ナポレオンの描いた絵や自宅の電話のコード、センスの無いTシャツなど、小物を使った笑いもたくさん用意されていますので、映像を注意して観ていれば、決して飽きる事の無い作品だと思います。

面白いシーンは、言い出したらキリが無いので、実際に目で観て確認して欲しいのですが、笑いの他に恋愛や友情などのテーマも盛り込まれているので、観た後に穏やかな気持ちになれる不思議な作品だと思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

アイダホの美しい景色や劇中に流れる数々の音楽も、この作品を素晴らしいものにしているので、こちらにも是非、注目して欲しいと思います。

また、エンドロールが終わった後も、ナポレオン達の2ヵ月後がオマケ映像として続きますので、観ようと思っている方は、くれぐれも最後までご注意を!

DVDに収録されている特典映像も面白く、未公開シーンやこの作品の原作にもなった短編映画「PeLuca」を観て、本編と比べると更にこの作品が楽しくなると思いますので、是非に観て欲しいです!

ラストもナポレオンとテビーが共に遊ぶ姿が微笑ましく、これからの2人の幸せな姿を想像出来て、心が温かくなりました。
そう言う意味では、デビーを演じたティナ・マジョリーノのキャスティングは最高だったと思います。

と言う訳で、この作品はイケてない主人公を中心としたお笑い映画が大好きな方と実の兄がネットで知り合った黒人美女と結婚してしまったという方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、生徒会長の選挙戦でペドロの為に踊るナポレオンを観て「人って何か一つは特技があるもんだなぁ~」って驚きながらダンスに見入ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。






ノロイ

2005-08-21 01:22:02 | 映画 ナ行
映画館で、一瀬隆重プロデューサー、白石晃士監督作品「ノロイ」を観ました。

●ストーリー
2004年4月、怪奇作家の小林雅文の自宅が全焼し、焼け跡から小林の妻・景子の焼死体が発見されたが、小林の死体は見つからず最新のビデオ作品「ノロイ」を残して行方不明となる。

小林が行方不明になる1年半前、ある主婦からの「隣の家から居るはずのない赤ちゃんの鳴き声がする」という連絡を受け、この内容に興味を持った小林は早速、取材に出向く。

小林が連絡をくれた主婦に隣の家族について聞くと、「住んでいるのは間違いなく、40代の無愛想な女性と幼い男の子だけだ」と言う。

事実を確認する為に小林が隣の家の玄関を叩くと、40代のやつれ切った顔をした女性がいきなりドアを開け、恐ろしい形相で「なんでそんな言い方ができるんだよ!」と小林に怒りを込めた意味不明な言葉を吐きかけ、一方的にドアを閉める。

満足な取材が出来ないまま帰った小林に数日後、「あの不気味な女性が引っ越した」と赤ちゃんの鳴き声を聞いた主婦から連絡が入り、再度、問題の家に取材に向かい残されたハガキから、不気味な女性の名前が「石井潤子」である事を確認する。

事務所に帰った小林とカメラマンが、その時のやり取りを録画した映像を見ていると、奇妙なノイズが入っているのを発見する。

この奇妙なノイズの解析を専門機関に頼んだところ「複数の人間の赤ちゃんの鳴き声」だと断定される。
そして、この数日後、小林は連絡をくれた主婦が原因不明の交通事故で娘と共に死亡した事を新聞記事で知るのであるが、、、。

●感想
正直な感想を一言で言えば、そんなに怖くないです!
むしろ、個性的な霊能者が度々出てくるので、声を出して笑ってしまうくらいでした。

ドキュメンタリー風にハンディカメラを使い、ドキュメンタリー番組の映像を使用したりしているのですが、製作者が「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を意識しているのがバレバレの作品でした。

「魔女の呪い」が「鬼の呪い」であったり、「魔女の住む森」が「霊能者達が昔に住んでいた村の近くの山 」だったりと、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を観た事がある人なら、すぐに気が付いてしまう設定だと思います。

怪奇作家の小林雅文という人物を実在するかのように見せ、「この話は事実かもしれない」と映画を観た人に思わせ、作品自体が噂になる事を狙って、TVや雑誌であまり広告しない作戦なんでしょうけど、この作戦は大失敗でしょうねー。この作品のレベルじゃ、噂どころか話題にも上らないでしょう。

ドキュメンタリー風に作りたい割りには、肝心なところで安いCG使ってますし、ドキュメンタリー風に見せたい為に「かぐたば」に関わった人達の不可解な死を映像には出してきてませんし、、、。(何人かは死に方が映像で出てくるんですけどね、物語の展開上、偶然に撮影出来たみたいな作り方です。)

なんだか、製作者側の方針に矛盾するところやジレンマが見えてしまい「ドキュメンタリー風ホラーという設定に困りながら作ってるなー」と感じてしまいました。

ほとんど無名の役者さん達を使い、「リング」「呪怨」「着信」など女性オバケ?キャラを出さずに新しいホラー作品を作ろうとしたのは評価するんですが、どう考えても「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を意識して「ドキュメンタリー風な映像でホラー映画を作ろう!」という発想に問題がありましたねー。
ホラー映画なのに怖くない!そんな作品になってしまったんですから、、、。

「かぐたば」に関わった人達が残忍な死に方をするシーンを挿入し、恐怖シーンで観客がビックリするような効果音を入れたオーソドックスな作品にすれば、もっと観客を恐怖に陥れられたと思います。
物語の脚本が良かっただけに、「もっと普通に作っていたら!」と思うと、本当に残念な作品でした。

●評価
私のこの作品に対する評価は60点です。

劇場の大スクリーンじゃなく、家のテレビで寝ながら観るのがドキュメンタリー番組を見ている様で、ちょうどいいんじゃないでしょうか。

ですから劇場で観るのは、よっぽどのホラー映画マニアかアルミホイルマニアの方のみ、おすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「アンガールズはこの映画に出る必要あったの?」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。

ネバーランド

2005-08-15 02:31:28 | 映画 ナ行
DVDでジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ダスティン・ホフマン出演の「ネバーランド」を観ました。

●ストーリー
劇作家のジェームズ・バリ(ジョニー・デップ)はロンドンでの初作品が不評で、すぐさま観客を魅了する新作を発表しなければならない立場に追いやられていた。

そんなある日、ジェームズはいつものように公園で執筆中に、シルヴィア(ケイト・ウィンスレット)と四人の息子たちに出会い、愛犬との愉快なダンスを披露しシルヴィア達と親しくなる。

しかし、兄弟の中でも三男のピーターは父親を亡くしたショックが大きく、悲しみを早く癒そうと無理して大人らしく振舞い、ジェームスの愉快な妄想の世界を全て否定するのだった。

シルヴィアと四兄弟の悲しみを少しでも癒そうとジェームスは、夏の間、自分の別荘を貸し出すことを提案する。

ジェームスと過ごす時間が増える度に、ピーターも次第に心を開き、自分で初めて書いた物語を兄弟達と劇にして母のシルヴィアとジェームスに見せようとするのだが、、、。

●感想
ピーターパンを生み出したジェームスの空想シーンがふんだんに使われ、とてもメルヘンな雰囲気をかもし出しています。
中でもジェームスが熊やたくさんのピエロ達とダンスするシーンは「いいんじゃないの!」って思える素敵な出来栄えでした。

あまりにメルヘンチックに出来上がっているので、「ティム・バートン作品かな?」って思ったら、ハル・ベリーが出演している「チョコレート」のマーク・フォースターって人が監督でした(「チョコレート」はまだ観てないので、あまりどんな作品かピンとこないのですが、、、)。

私としては、ティム・バートンが監督しても「結構、面白いモノが出来たんじゃないの!」って思ってしまったのですが、、、。(出来れば、ティム・バートンが監督したモノも観てみたいなー!)

ジョニー・デップのコミカル&シリアスな演技がこの作品をしっかりと支えていて、最後まで飽きずに観ることができましたし、公園や草原の緑の美しさがふんだんに使われ、清々しい気分にもさせられました。

●採点
私のこの作品の評価は85点です。

笑いあり、涙あり、メルヘンありでテンポよくストーリーが展開されるので、観ている者を飽きさせないいい作品だと思います。
正直言って、ラストシーンは少し心に染みました。

空想好きな人やかわいい男の子が大好きな方にオススメします。

最後にどうでもいいことなんですが、この作品を観終わった後、榊原郁恵さん主演のミュージカル「ピーターパン」を観とけばよかった!って後悔したのは私だけでしょうか?(でも、ミュージカル大丈夫かなー?「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の急に始まるミュージカルシーンにイライラして全部早送りしてしまったからなー、、、。郁恵ちゃんもすっかりお母さんになって体型変ってしまったしなー、、、や、や、やっぱり観なくていいです(汗)。すいません、渡辺徹さん!)

それでは、また何か観たら書き込みします。

ニュースの天才

2005-07-31 00:55:36 | 映画 ナ行
DVDでヘイデン・クリステンセン主演の「ニュースの天才」を観ました。

●ストーリー
スティーブン・グラス(ヘイデン・クリステンセン)は権威ある政治雑誌「THE NEW REPUBLIC」の若き編集者である。
彼は人当たりが良く、同僚を含め誰にでも好かれてしまうそんな青年だった。

政治記事が中心になるなか、彼の書く記事は同僚も認めるほどユニークでみんな彼に期待を寄せていた。
そんな中、毎月スクープ記事を取ってくる、彼の行動力に同僚達も賞賛を集めるようになっていった。

ある日、彼の上司の編集長チャック・レーン(ピーター・サースガード)の元に地方の雑誌社からスティーブンの書いた記事「ハッカー天国」への問い合わせの電話が入る。

「ハッカー天国」に登場した人物や企業がアメリカ国内には存在しないと指摘されたチャックはスティーブンと共に雑誌社の電話取材を受けるのであるが、、、。

●感想
「良くできた話だなー!」と感心していたら、これも実際の話でした。
映像特典に実際のスティーブン・グラスやチャック・レーンが出演して、事件当時のことを赤裸々に語るものがあるんですが、これが良く出来ていて、本編よりもはるかに面白いです!

本編で詳しく語られていなかった、スティーブンが捏造するに至った理由や事件後の人生が述べられているので必ず観て欲しいと思います。

本編は主役のヘイデン・クリステンセンと編集長役のピーター・サースガードが素晴らしく、まさに「ハマリ役」だと感じさせられました。
個人的にはヘイデン・クリステンセンはスターウォーズのアナキンよりもこちらのスティーブン役がお似合いだと思うのですが、、、。

話の出来としては、スティーブンが捏造事件を起こす過程が詳しく述べられていないので、思いつきで急に事件を起こしてしまったのか?と錯覚してしまう様に作られているのが残念でした。
実際に起きた稀な事件が原作になっているだけに、もっと上手に作って欲しかったです。

●採点
以上の理由で、この映画の点数は60点にします。
ジャーナリスト志望の方は業界の裏側が見れるので為になるかも知れませんねー。

私がスティーブンくらいに話を作る才能があったら確実に作家になった事でしょう。
一言で言えば、ウソの話を作る才能を持った青年が真実を書かなければならない職業に就いてしまったが為に起きてしまった不幸な事件だと思います。

でも映像特典を観る限りでは、スティーブンが同僚と読者の信頼を裏切ってしまった事を本当に反省しているのか?疑わしく思ってしまいます。

スティーブンさん!そろそろ自分の適性を本気で考えた方がいいですよ!
そうじゃないと、また同じ過ちを犯してしまいますよー!
実際のスティーブンはどこか本気で信用することができない、そんな眼をした男でした。

それでは、また何か観たら書き込みします。



ニューオリンズ・トライアル

2005-07-21 01:01:21 | 映画 ナ行
DVDでジョン・キューザック、ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン、レイチェル・ワイズ出演の「ニューオリンズ・トライアル」を観ました。

ある日、証券会社で銃乱射事件が起き、その2年後、夫をこの事件で亡くしたウッド婦人が銃を製造した会社に対して、製造責任と販売責任を求める裁判を起こします。
婦人の弁護士であるローワ(ダスティン・ホフマン)は内部告発をする予定となっていた証人が銃会社側の陪審コンサルタント、フィッチによって行方不明になっていることに気が付き、激怒します。

そんな中、陪審員の1人となって裁判に参加しているニック(ジョン・キューザック)は他の陪審員から信頼を集め、票をとりまとめ彼の恋人マリー(レイチェル・ワイズ)と組んでローワ、フィッチの両者に「陪審員の票を売ります」と書いたポストカードを送るのですが、、、。

この話がどこまでリアルに描かれているのかわかりませんが、フィッチの率いるチームは弁護士のカバンの中に隠しカメラを付けて、人のしぐさやしゃべり方などからその人物の性格を分析し、自分の陣営に有利な評決を下しそうな者を陪審員として選んでいきます。

「弁護士のカバンの中は調べられないのかなー?」と疑問を抱きつつ観ていましたが、とにかく陪審員の票を獲得するため、陪審員全員に24時間の監視を付け弱みを握ろうと血眼になってます。
勝てばいいというやり方がジーン・ハックマンの演じる悪者らしくて、フィッチはいい味をだしてます。

話の作り方も判決がどちらに転ぶのか?
ローワとフィッチのどちらにニックとマリーは票を売るのか?
この核心部分を最後まで観ている者に飽きさせず持っていく手法は「上手いなー!」と感じました。

私の評価は80点です。
出演している役者全員がもちろんの事ながら上手いです。
ダスティン・ホフマンとジーン・ハックマンが共演しているだけでも観る価値があるのではないでしょうか!

今後、日本も陪審員制度を導入するみたいですけど、やっぱり色々な弊害が出てくるでしょうね。
そうならない様にもっと陪審員制度について議論した方が良いと思うのは私だけでしょうか?

では、また何か観たら書き込みします。