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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

私の頭の中の消しゴム

2005-09-30 06:12:06 | 映画 ワ行
試写会で、ソン・イェジン、チョン・ウソン 出演の「私の頭の中の消しゴム」を観ました。

●ストーリー
建設会社の社長令嬢・スジン(ソン・イェジン)は、自分の勤めるアパレル会社の上司・ヨンミン(ペク・チョンハク)と不倫の末に駆け落ちの約束をし、彼がやって来るのを一人、駅で待っていたのだが結局ヨンミンは現れなかった。

失意の中、スジンはコンビニに立ち寄りコーラを買うが財布と共にレジに置き忘れてしまう。
その事をバスを降りる時に気付いたスジンは急いでコンビニに引き返す。

偶然にもスジンがコンビニに入ろうとした時、コーラを片手に持ち、無精ヒゲを生やした無愛想な男・チョルス(チョン・ウソン)と鉢合わせになり、レジにコーラが残されていないのを確認したスジンは自分の買ったコーラをチョルスが持って行こうとしているものだと思い込み、チョルスが持っていたコーラを取り上げ、一気に飲み干し、空になった缶をチョルスに渡すと笑顔を残し立ち去った。

数日後、スジンは建築会社社長の父と共に工事現場に立ち寄った時、偶然にも先日コンビニで出会ったチョルスが作業員として働いているのを目撃し、恋心を持ってしまう。

翌日、スジンの勤めるアパレル会社のテナント工事を請け負っていた工務店が倒産し、工事が進まず困ったスジンは父に助けを求め、作業員を1人送ってもらう事になる。

偶然にも、やって来た作業員がチョルスだった為、ビックリしたスジンは、工事の指示を上司に任せて、自分は慌てて身を隠すのだったが、スジンが自動販売機でコーラを買い飲もうとした時、急にやって来たチョルスにコーラを取り上げられ、アッと言う間にすべて飲み干されるのだった……。

●感想
「世界の中心で愛をさけぶ」や「解夏」でお馴染みとなった「愛する人が難病になった時、あなたはどうしますか?」を問う内容の映画で、男らしいチョン・ウソンと天真爛漫で愛らしいソン・イェジンの演技に何度も涙を流しそうになりました。

この原作は読売テレビが制作した「Pure Soul~君が僕を忘れても~」が原作となっているらしく、チョン・ウソンが映画のプロモーションで来日した際、原作の主演をした永作博美さんに花束をもらったりしています。

作品は、前半をスジンとチョルスの出会いから結婚に至るまでの幸せなエピソードを時間をかけ描いている為、中盤から後半へかけてスジンの「若年性アルツハイマー」の症状がだんだん重くなっていく毎に、二人のお互いを思いやる「愛」が切なく感じ、何度も涙を流しそうになりました。

もちろん、試写会場でもストーリーが進むにつれ、あちらこちらから鼻をすする音が多く聞こえて来たのは言うまでもありません。

私が思うにこの映画の良い所は、主役にチョン・ウソンとソン・イェジンを起用した事でしょうね。

スジンとの出会いを通して、服装や身だしなみの変化から憎んでいる実の母に「許し」を与える心に行き着くまでの無骨で優しいチョンスをチョン・ウソンは実に上手く演じていますし、天真爛漫でありながらも難病を抱え、次第に愛するチョンスの事さえも忘れてしまう悲劇のヒロイン・スジンを演じたソン・イェジンは終始、愛おしくてたまりませんでした。

●採点
私のこの作品に対する評価は85点です。

あまり私の好きなジャンルの映画では無いのですが、何度も泣きそうになりました。
それでも、さすがに劇場で観ていた為、人目を気にして涙は流しませんでした。

でも、1人でDVDで観ていたとしたら、確実に泣いていたでしょうね。
それくらい胸が痛くなる、切ないシーンが多かった作品であります。

その中でも、ラストシーンでチョンスがスジンに向かって言う、初めての「愛してる」の一言は、とても重く心に響き印象に残りました。

だから、この作品は切ない純愛映画を観たい方とファミリーマートで出会い、恋愛を始めたカップル達におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「スジンが病気のままで家を出て行ったのにも係わらず、良く無事でお父さんの所までたどり着けたな~」と思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。

笑の大学

2005-08-16 00:20:18 | 映画 ワ行
DVDで役所広司、稲垣吾郎、出演の「笑の大学」を観ました。

●ストーリー
時代は戦争色が強くなり始めた昭和初期。
国の方針で国民の娯楽に対する規制が強まり、演劇の台本でさえ厳しい検閲を受けるようになっていた。

そんなある日、警視庁の検察官として向坂睦男(役所広司)が赴任してくる。
彼は、笑いに対して冷酷で戦争が近づいている状況を考えず、喜劇を作ろうとしている脚本家達に対して敵意さえ持っていた。

今日も向坂は脚本家達の書いた台本の笑いの部分を削除し、笑いのない演劇にするように書き直しを命じていた。
検察官である向坂の許可が得られない台本での演劇は禁止され、これに反した者は投獄される運命にあった。

そんな中、劇団・笑の大学の座付作家・椿一(稲垣吾郎)が台本を携え、向坂の検閲にやって来た。

椿の台本を読み、あまりにも笑いの箇所が多すぎると判断した向坂は小出しに訂正箇所を指摘し、椿を困らせ劇団が次回作を上演出来ないようにしようと無理難題を吹きかけるのだが、皮肉にもこれが椿の持ち前の喜劇作家の才能を発揮させ、訂正前よりもより面白い台本となってしまう。

そうしたやり取りを続けるうちに向坂もだんだんと椿の笑いのセンスに魅了され、いつのまにか最高に面白い台本を作るため協力するようになって行くのだが、、、。

●感想
面白いです!正直言って声をあげて何度も笑ってしまいました。
笑いのツボを全く知らない向坂が天才喜劇作家・椿に出会い、笑いの素晴しさを学んで行く過程がおもしろ、おかしく描かれていて充分に三谷幸喜ワールドを満喫できる作品になっています。

基本的に役所広司、稲垣吾郎の二人芝居なので、彼らの芝居が素晴しく作品全体を盛り上げているのは言うまでもありません。
向坂を演じる役所広司は急にキレたり、笑いのツボがズレたりしている演技が素晴しく、椿を演じる稲垣吾郎は笑いに対して一途で謙虚な姿勢をみごとに表現していたと思います。

中でも「お国の為に」という文章を「お肉の為」に書き換えた事を激怒する向坂に対して、椿が「どうしても、おもしろい方向にしか書き直せないんです」と言うシーンには爆笑させられました。

しかし、物語中盤までは笑える箇所も多く楽しんで観ていたのですが、ラストに近づいていくにつれシリアスな方向に話を転換させ、無理に観客を泣かそうと、あれこれ手を尽くしているのが見えてしまい、全然泣けないラストシーンで終わってしまっている事がとても残念です。

三谷幸喜さんには喜劇ばかりではなく、悲劇をもっと上手く書いて欲しかったです。
もし、三谷さんが悲劇をもっと上手く書いていたら「新撰組!」もあんなにはスベらなかっただろうに、、、。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

典型的な「頭でっかち尻すぼみ」作品だと思いました。
「感想」でも書きましたが中盤まで笑いの部分が非常に良かっただけに、最後まで笑いで押して欲しかったです。

どうしても観客を泣かせたいのであったなら、笑いすぎてお腹が痛くなり我慢できずに泣いてしまう、そういった作品にしてもらいたかったです。
三谷さんならそれが充分に出来ただろうに非常に残念です。

とにかく声をあげて笑いたいって方とおじいちゃん警官が好きな人にはおすすめ出来ます。

最後にどうでもいいことなんですが、劇中に出てくる「いまがわ焼き」をむしょうに食べたくなったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。