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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

スーパーマン リターンズ

2006-07-25 23:00:09 | 映画 サ行
試写会で、出演:ブランドン・ラウス/ケヴィン・スペイシー/ケイト・ボスワース/ジェームズ・マースデン/フランク・ランジェラ/サム・ハンティントン/エヴァ・マリー・セイント/パーカー・ポージー/カル・ペン/ステファン・ベンダー/マーロン・ブランド(アーカイヴ映像)/原案:ブライアン・シンガー/マイケル・ドハティ/ダン・ハリス/脚本:マイケル・ドハティ/ダン・ハリス/監督:ブライアン・シンガー/作品『スーパーマン リターンズ』を観ました。

●感想
 ・遂にアメリカンヒーローの元祖スーパーマンが帰って来ましたね。前作でクラーク・ケントを演じていたクリストファー・リーヴ は真面目で堅物な感じがしたのですが、本作のブランドン・ラウスが演じるクラーク・ケントには憎めない3枚目的な要素を強く感じました。

 ・4000とか5000人のオーディションの中で選ばれたブランドン・ラウスは面影がクリストファー・リーヴによく似ており、監督のブライアン・シンガーはオーディション場所のカフェの入り口でブランドン・ラウスとぶつかりそうになった時に、彼が咄嗟にとったリアクションを見て「主役を演じれるのは彼しかいない」と感じたそうです。

 ・ストーリーはスーパーマンが故郷のクリプトン星の消滅を自分の目で確かめる為に、地球を去って5年が過ぎたところから始まりまるのですが、帰還の仕方が実にド派手でいかにもスーパーマンらしかったです。帰って来てすぐに、愛するロイス・レイン(ケイト・ボスワース)は編集長の甥(ジェームズ・マースデン)と同棲しており、おまけに男の子の母親になっている事を知って、クラークはショックを受けてしまいますが、彼女の乗ったジャンボ機が墜落しそうになっている事を知ると、スーパーマンに変身し、音速を超える速さで、あっと言う間に救出してしまうあたりは、カッコ良過ぎました。

 ・この後もスーパーマンは世界各地を意欲的に飛び回り、小さな強盗事件まで解決していくのですが、レックス・ルーサーのクリプトナイトを使った攻撃にパワーが発揮できなくなり、呆気なく敗れてしまうんですね~。でも、そういった強いばかりでなく、ちゃんと弱点を持っているところに人間臭さを感じ、好きになりました。

 ・敵役のレックス・ルーサーを頭をつるつるにしたケヴィン・スペイシーが演じているのですが、さすがにオスカー俳優だけあって、オチャメな匂いを振りまきながら楽しそうに悪役を演じている様に観えました。

 ・ロイス・レインを演じたケイト・ボスワースも子供を守る強い母親の顔とスーパーマンを心から愛している色気のある女性の顔を上手く演じ分けていて「いい女優さんだなぁ~」って思いました。

 ・もちろん主役のスーパーマンを演じたブランドン・ラウスもクリストファー・リーヴに負けず劣らずの好演ぶりだったので、本作のみで終わらず、2作目、3作目とシリーズ化をして欲しいと思いました。

●採点
 ・私的評価……70点(ラストはちょっと物足りないような気もしたのですが、親子愛とか恋人への愛を前面に押し出しており、助けを求める人の元へすぐさま駆けつける好感度抜群のスーパーマンの姿はまさに元祖アメリカン・スーパーヒーローでした。)

 ・ロイス・レインの子供はぜんそくとかアレルギー体質を持っており、身体が弱いのですが、彼の隠れた秘密が分かった時「次回作は彼の活躍をもっと観てみたい!」と思いました。
レックス・ルーサーも、今だにしぶとく生き残っている訳ですし、今後も益々楽しめる新展開が期待出来そうです!

 ・と言う訳でこの作品は、帰って来た元祖アメリカン・スーパーヒーローが観たい方と子供の頃に丸坊主の人を見て「ハゲてる!」と正直に言ってしまった事のある方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、ロイス・レインと同棲している編集者を演じているジェームズ・マースデンを観て「早くお前もサイクロプスに変身しろ!」って途中で『XーMEN』と混同しそうになった「アメリカンコミックス」バカは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

2006-07-24 21:41:37 | 映画 ハ行
映画館で、出演: ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ/ビル・ナイ/ステラン・スカルスガルド/ジャック・ダヴェンポート/ケヴィン・マクナリー/ナオミ・ハリス/ジョナサン・プライス/マッケンジー・クルック/トム・ホランダー/リー・アレンバーグ/ジェフリー・ラッシュ/脚本:テッド・エリオット/テリー・ロッシオ/監督:ゴア・ヴァービンスキー/作品『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』を観ました。

●感想
 ・先週行われていた、先行上映に行きたかったのですが体調を崩してしまい、本日やっと観て参りました。

 ・行く前に色々なブログをチェックして覚悟をしていたのですが、やっぱり上映時間151分は長いですね~。デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)が登場してから面白くなってくるのですが、それまでにちょっと時間を掛け過ぎる感じがしました。前半の島の原住民に捕まるエピソードは、ジャック(ジョニー・デップ)や ウィル(オーランド・ブルーム)の脱出シーンは面白いのですが、その他は別にどうでもいいような内容なので、もっと短くして欲しかったです。

 ・良かったのは、デイヴィ・ジョーンズやその手下達の海洋生物をイメージした特殊メーキャップでした。ハンマーヘッドシャークやヤドカリなどをイメージさせたものは、とてもユニークでしたし、ウィルの父親の顔に付いているフジツボが動いたり、時間が経つ毎に数が増えていく細かな変化は手が込んでいて面白かったです。

 ・あとはデイヴィ・ジョーンズのフライング・ダッチマン号が潜水して行くシーンのカメラアングルが迫力があったのと、転がる水車の上でのジャック、ウィル、ジェームズ(ジャック・ダヴェンポート)の三つ巴の戦いは見応えがあったと思います。

 ・それと忘れてならないのが、ビル・ナイもほとんど誰が演じているのか分からないデイヴィ・ジョーンズを迫力のある目の演技で好演しています。彼みたいに大御所になれば、顔の出ない役は断ってもよさそうなのに『アンダーワールド』でのヴァンパイア役といい彼って化け物を演じるのが好きみたいですね。

 ・全体的な内容としては、何だかビミョーでしたね。クラーケンに何度も船を襲わせてストーリーを盛り上げようとしたのでしょうが、さすがに3度目にブラックパール号を襲って来た時には「また、大ダコ出すのかよ!」とツッコンでしまいました。

 ・次回作の撮影も決っていたので、本作はその繋ぎに過ぎない感じでした。その中で、エリザベス(キーラ・ナイトレイ)のジャックへの微妙な感情は、ウィルを含めて今後どうなって行くのかが楽しみです。

●採点
 ・私的評価……60点(前作が面白かった事もあり、そこそこ期待していたのですが、ギリギリ合格点といった感じでした。エンドロールの後に、少しだけ映像が残っているのを知っていたので、クソ長い時間を我慢したのですが、ハッキリ言って「しょーもない……」です。観ても観なくても差し支えがないので、エンドロールの長さに我慢出来ないと思った方はサッサと劇場を後にした方がいいと思います。)

 ・と言う訳でこの作品は、ゴキブリなみの生命力を持ったジャック・スパロウのオチャメな活躍を楽しみたい方とタコお化けが弾くピアノの音色を聴いてみたい方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「クラーケン」の足がとても美味そうに見えたので、帰りにたこ焼き屋を探してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ゆれる

2006-07-21 23:55:12 | 映画 ヤ行
映画館で、出演:オダギリジョー/香川照之/伊武雅刀/新井浩文/真木よう子/木村祐一/ピエール瀧/田口トモロヲ/蟹江敬三/原案・脚本・監督:西川美和/作品『ゆれる』を観ました。

●感想
 ・本作は先週から公開されているのですが、会員になっている映画館が金曜日は1000円になるので、今日まで待って観て参りました。

 ・ストーリーは、東京でカメラマンとして活躍している早川 猛(オダギリジョー)が母の一周忌の為に帰省した際、兄の稔(香川照之)と幼馴染みの川端智恵子(真木よう子)の3人で蓮美渓谷へ遊びに出かけ、猛を追って稔と一緒に吊り橋を渡っていた智恵子が転落し死亡する出来事に遭遇します。
離れた場所で二人の行動の全てを見ていた猛は、橋の上で呆然となっている稔に駆け寄り、警察に連絡を入れ、兄を守る為に智恵子の転落はあくまで事故によるものだと証言するのですが、警察で事情聴取を受けていた稔は「智恵子は自分が突き落とした」と自白してしまう……というものです。

 ・お目当ては、主演のオダギリジョーくんではなく『ベロニカは死ぬことにした』で一目惚れしてしまった真木よう子ちゃんでしたが、この作品は出演している役者さん全てが上手いです。特に『ホテルビーナス』での落ちぶれた医者の演技を観て「この人、上手いなぁ~!」って感心させられた香川照之さんは本作でも、オダギリジョーくん演じるカメラマンの早川 猛の温厚な兄の早川 稔を熱演なさっており、リアルな演技力は途中から「香川照之さんって、本当は稔みたいな人じゃないの?」って錯覚させられる程でした。

 ・オダギリジョーくんも女に対して、だらしない男前なカメラマン役がピッタリはまっており、これまでに私が観たジョーくん出演作品の中では、この役が一番好きですね。
ストーリー上、兄弟二人だけで会話をするシーンが多いのですが、特に拘置所の面会室でお互いに本音をぶちまけるシーンが実にリアルで凄まじく、二人の心の変化が実に上手く描かれているので、このシーンを観るだけでも充分に価値のある映画じゃないでしょうか。

 ・脇を固める伊武雅刀さんや蟹江敬三さんらベテラン陣の喜怒哀楽をリアルに表現する演技も見応ありますし、強弱を織り交ぜて、ネチネチと稔に尋問する丸坊主で強面で嫌味な検事を演じた木村祐一さんの演技は劇中でも目立っており「もはや、キム兄もすっかり役者さんやなぁ~」と感心させられました。

 ・もちろん、智恵子を演じた真木よう子ちゃんも28歳の寂しい女性を上手く演じているのですが、演出上、登場してから直ぐに死んでしまう為に出番が少なく、彼女をジックリと観れなかったのが残念でした……。でも、僅かに見せた彼女の笑顔の可愛らしさに、私はまたもやハートを打ち抜かれてしまいました!

 ・それにしても、監督の西川美和さんの才能は凄いですね~!撮影は基本的にカメラをステイさせてワンシーンの長まわしを多様し、役者の熱演をしっかり生かしながらも、合間に山や川などの自然の風景とか鯛のお頭などストーリーには直接関係ないワンカットをセリフ代わりに入れる事で、観ている側に自然と登場人物の心情を連想させる高等テクニックを使い、作品中にしっかりと独自色を出しているところには、すっかり脱帽といったところでした。
下手にカメラを動かしたり、意味の無い頻繁なカットの切り替えや無駄なセリフが全く無いので、これから映画監督を目指そうと思っている方には良いお手本として絶対に観て欲しい作品ですね!

 ・さっきも述べました様に、ほとんどの会話のシーンでカメラはステイ状態なんですが、拘置所で初めて猛と稔がこれまで心に秘めていた本音をお互いにぶつけ合うシーンでは二人の感情の爆発をリアルに表現する為に、カメラは容赦なく『ゆれる』んですね~。まるで、このシーンの為にそれまでカメラを動かさずにいたかの様に。ここ一番のクライマックスシーンでの西川監督のメリハリの効いた演出が冴えた名場面だったと思います。

 ・本作では何と言っても脚本が素晴らしいですね!この複雑な脚本を西川監督自身が書いており、パンフレットによりますと、ある日、監督自身が見た夢を参考に書いたという事で、夢を基本にここまでしっかりとした脚本を作り上げてしまうなんて、驚きとしか言い様がなく、脚本家としても非凡な才能を持った方だと思います。

 ・西川監督が撮った前作の『蛇イチゴ』はまだ観ていないのですが、この作品を観て「レンタルしなくては!」と思いました。『蛇イチゴ』も夢で見た事を映画にしたとの事なので、どんな風に仕上がっているのかが、とても楽しみです。

 ・何にしても、観客にとって観易く、しっかりとした映像作りが出来る才能豊かな若い監督の登場に喜びながらも、今後の西川美和監督作品にも大いなる期待をかけて見守っていきたいと思っております。

●採点
 ・私的評価……85点(俳優陣の熱演とそれをじっくり観せる為のカメラワークや演出、しっかりとした脚本、どれをとっても素晴らしかったです。特に普通ならセリフで説明したくなるところを敢えて映像で表現しいるところに西川美和監督のセンスの良さと非凡な才能を感じました。中でも稔のズボンに垂れるお酒、川に流れて行く智恵子の靴などのシーンはとても印象に残りましたし、川の流れや車の騒音などの物語の重要な場面に係わってくる音の使い方も上手いと思いました。)

 ・ここまでベタ褒めして「何で85点やねん!」って思っている方もおいででしょうが、肝心のオチの部分が少し弱かった様に感じました。パンフレットを読むと結末は、監督自身が意識してあやふやな状態で終わらせたかったみたいなんですが、ラストシーンを観ると、どうしても「何故、猛はあそこまで稔を追い込む必要があったのだろうか?」と疑問を持ってしまいます。ここだけがちょっと釈然としないので、この点数に致しました。

 ・先程から何度かパンフレットのことに触れましたので、少し紹介しておきますとサイズは文庫本より一回り大きいくらいで、よくあるパンフレットのサイズの1/4くらいしかない、とても小さいものです。定価は800円で、一緒に出演者や映画の舞台となった渓谷のポストカードが12枚付いている(オダギリジョーくんが一人で写っているカードは2枚あるのに、真木よう子ちゃんを含めて、その他の出演者は1枚だけでした。しかも、真木よう子ちゃんは悲しそうな横顔をしているので、なんだかビミューな感じです……。)ので、出演者の中に好きな俳優さんがいる方は購入されてもよいのではないでしょうか。

 ・と言う訳でこの作品は、人間の奥底にある悪意や嫉妬を上手く表現した映画が好きな方と吊り橋の真ん中で腰が抜けて動けなくなった経験のある方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、裁判長役をしている田口トモロヲさんが喋る度に『プロジェクトX』を思い出してしまったのは、私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


ローズ・イン・タイドランド

2006-07-13 18:35:53 | 映画 ラ行
映画館で、出演:ジョデル・フェルランド/ジェフ・ブリッジス/ジェニファー・ティリー/ジャネット・マクティア/ブレンダン・フレッチャー/原作:ミッチ・カリン/脚本:テリー・ギリアム/トニー・グリゾーニ/監督:テリー・ギリアム/作品『ローズ・イン・タイドランド』を観ました。

●感想
 ・テリー・ギリアムには前作の『ブラザーズ・グリム』で期待を裏切られたので、今度は色々な方のブログ記事を読んでから劇場に行くかどうかを決めようとしたのですが、賛否が分かれており、あまり参考にならず、思い切って観て参りました。

 ・平日のナイト上映を観に行ったのですが、120席の劇場の7割くらいの入りに少しビックリしながら「この映画に何を期待してみんなは観に来ているんだろう?」って聞きたくなってしまいました。

 ・それにしても、テリー・ギリアムらしい不可思議な映画でしたね~!ヒロインのジェライザ=ローズ(ジョデル・フェルランド)を始め、主要な登場人物の全てが異常な行動しかしないんですから~!ストーリー性を重視する私にはちょっと付いて行けませんでした……。

 ・ストーリーのほとんどがジェライザ=ローズの空想を基にして作られており、そこにパパ(ジェフ・ブリッジス)とママ(ジェニファー・ティリー)の死や引っ越し先の奇妙な隣人・デル(ジャネット・マクティア)やディケンズ(ブレンダン・フレッチャー)とのエピソードが織り交ぜられ、たまにリスやウサギが登場するって感じでした。

 ・ジェライザ=ローズを演じたジョデル・フェルランドも良かったのですが、頭のおかしいディケンズを演じたブレンダン・フレッチャーの頑張りが私には印象に残りました。あとは大草原や川などの空虚感のある風景とホラー映画に出てきそうな寂れた家と不気味な形の木が良い味を出していた様に思います。

●採点
 ・私的評価……40点(正直言って、ヤク中の両親を持つ10歳の少女のぶっ飛んだ空想にロリコン趣味のない私が117分も付き合わされるのはとても苦痛でした……。宣伝では現代版『不思議の国のアリス』などと言っておりますが、その言葉を鵜呑みにしてしまうと大変な目に遭うと思いますので、これから観ようと思われている方は、どうか御注意下さいませ。でも、今日来ていた女性のほとんどが『不思議の国のアリス』という言葉に釣られて来たんでしょうね~、劇場を足早に後にする彼女達に映画の感想を聞いてみたかったです。)

 ・聞くところによりますと、この作品をテリー・ギリアムは活き活きとしながら作っていたそうですが、見所が変な登場人物と2度の爆発だけというのは、映画としてどうなんでしょうか?『未来世紀ブラジル』『フィッシャー・キング』『12モンキーズ』はスキだけど、『ブラザーズ・グリム』と『ローズ・イン・タイドランド』はダメですね~、そういう意味でテリー・ギリアム作品は「アタリとハズレの差が激しい!」という印象を更に強める結果となってしまいました……。

 ・と言う訳でこの作品は、空想癖のかなり強い方と「親友は人形の首だけ!」って方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、ジェライザ=ローズに対して「お前は小悪魔か~!」って小一時間くらい説教したくなったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

日本沈没

2006-07-06 20:17:40 | 映画 ナ行
試写会で、出演:草 剛/柴咲コウ/豊川悦司/大地真央/及川光博/福田麻由子/吉田日出子/柄本 明/國村 隼/石坂浩二/原作:小松左京/脚本:加藤正人/監督:樋口真嗣/作品『日本沈没』を観ました。

●感想
 ・『ガメラ』シリーズや『ローレライ』で特撮技術の高さを示した樋口真嗣監督が小松左京氏の代表作『日本沈没』をリメイクしたと言うことで、10年前に原作を読んだ私としては我慢出来ずに試写会に行って参りました。

 ・原作を読んだと言っても、もう10年も経っているので細かい事はすっかり忘れていました。
ストーリーは日本の地殻変動により各地で大地震が発生し、地球物理学者である田所(豊川悦司)は各地の調査を行った結果、1年足らずで日本が沈没してしまうという驚愕の事実に直面します。
この調査結果を重く見た日本政府は、国民の海外への脱出計画と田所が発案した地殻爆破計画を推し進めて行くのだが……と言ったところです。

 ・いや~、さすがに樋口監督の特撮シーンはリアルで良く出来ていました!割れる大地、爆発する山々、襲い掛かる大津波、どれをとっても現実味があり観ていて恐ろしくなりました。

 ・各地で震度7を表すニュース画面や崩れ落ちる六本木ヒルズ、胸まで水没した奈良の大仏、完全に海に沈んだ大阪道頓堀、日本各地の名所が「これでもか!」と破壊し尽くされ、日本列島が真っ赤に燃えている映像は、あまりにも衝撃的で泣きたくなってしまいました。

 ・登場人物では、豊川悦司さんと大地真央さんが良かったですね~!豊川さんは、殆どが般若の様なしかめっ面をしているのですが、総理や大臣達の前で「日本は1年以内に沈没する!」と熱弁を振るったり、地殻爆破計画の責任者として最後まで日本に残り、結城(及川光博)や小野寺(草 剛)の行く末を見守ったりと主演の草くんが霞んでしまう存在感でした。
大地さんも毅然としたセリフ回しが、未曾有の国難を回避しようと奮闘する有能な女性大臣・鷹森沙織にピッタリでしたし、最後の声明発表のシーンはとても感動的でした!

 ・常々、日本には「人あっての国でいて欲しい」と願っているのですが、本作のように日本が壊滅して国民が他国に流出して行くシーンを観ると「国あっての人なのかも知れない」って考えてしまいました。

●採点
 ・私的評価……80点(大地震のシーンを始めとする災害の特撮シーンは、どれをとっても迫力があり見応え充分なのですが、主演の草くんと柴咲さんの演技がどうしても愛し合う恋人同士には見えず、彼らが出て来る度に現実へと引き戻されてしまいました。これを見せられると、どうしても「草 剛と柴咲コウって仲が悪いの?」って変な勘繰りをしたくなりました。)

 ・「どうして阿部玲子(柴咲コウ)をハイパーレスキュー隊員にしたんだろう?」って思いながら観ていたのですがラストシーンで「こういうエンディングにしたかったからなのか~」って納得致しました。

 ・と言う訳でこの作品は、樋口監督の『ガメラ』シリーズが大好きな方と万が一の為に「非常持ち出し袋」を枕元に置いているって方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「この映画を日本の近隣諸国で公開したら、泣いて喜ぶ人達がたくさんいるだろうなぁ~」って日本を目の敵にしている国々の主導者達の顔が目に浮かんでしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ホワイト・ライズ

2006-07-04 20:27:52 | 映画 ハ行
DVDで、出演:ジョシュ・ハートネット/ダイアン・クルーガー/ローズ・バーン/マシュー・リラード/
クリストファー・カズンズ/ジェシカ・パレ/ヴラスタ・ヴラナ/オリジナル脚本:ジル・ミモーニ/脚本:ブランドン・ボイス/監督:ポール・マクギガン/作品『ホワイト・ライズ』を観ました。

●感想
 ・いつも映画やDVDを観る際に参考にさせてもらっている「我想一個人映画美的女人blog 」(http://blog.goo.ne.jp/some-like-it-hot/c/3413477038427f178a8272b4be439c4c)管理人のmigさんの「おすすめ映画」「BEST作品」から、まだ私が観ていなくて気になっている作品を何本かTSUTAYAでレンタルして参りました。

 ・この作品の公開前に、おすぎさんが「良く出来ている!」ってベタ褒めしていたのが、ずーと気になっていたんですが、本当に良く出来ていたのでビックリ致しました!

 ・ストーリーは主人公・マシュー(ジョシュ・ハートネット)、マシューの元彼女・リサ(ダイアン・クルーガー)、マシューの親友・ルーク(マシュー・リラード)、ルークの恋人でリサの親友・アレックス(ローズ・バーン)ら4人の恋のもつれを描いています。

 ・主人公のマシューがリサの後姿を見かけてから、居場所を突き止めるまでのストーカーの様な執念が物凄いです。「マシューとリサは再び巡り逢えるのか?」というのが本作のキーポイントなんですが、途中でニセ者のリサが現れたり、親友のルークに「俺と彼女の仲を取り持ってくれ!」と、どうでもいいことを頼まれたりして、マシューはなかなかリサに逢えません!この逢えそうで逢えない状況にイライラ、ハラハラ、ドキドキさせられ、最後まで目の離せない状況にさせられてしまいます。

 ・たった「マシューとリサは再び巡り逢えるのか?」というテーマだけで、最後までストーリーを引っ張ってしまう監督のポール・マクギガンの演出とブランドン・ボイスの脚本の出来が素晴らしいです!ハッキリ言って、この作品を単なる恋愛映画と思って観るのは、止めて欲しいです!これは、純愛を上手く使った一流のサスペンス作品ですね!

 ・私は男なのでマシューの目線でストーリーを追っていたのですが、彼のリサに対する何とも言えない切ない気持ちが痛い程に伝わって来て、かなり感情移入をしてしまいました!役者、脚本、演出と全てが揃った見応えのある作品だったので、久しぶりに「本当に観て良かった!」と思いました。

●採点
 ・私的評価……95点(愛する恋人同士を引き裂く女のウソは、かなり怖いです。しかし、彼女のウソが悪意からではなく、愛する人へ近づく為の唯一の手段だとしたら、果たして彼女を非難する事が出来るでしょうか?人を愛する事の複雑さを観た後に考えさせられる見事な作品でした!)

 ・と言う訳でこの作品は、これまでに本気で人を愛した事のある方と本気で愛していた人にいきなり消息を絶たれてしまったという経験のある方にオススメ致します!

 ・最後にどうでもいいことなんですが、本作でのダイアン・クルーガーが『トロイ』の何十倍も魅力的に見えてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。
 

M:i:Ⅲ

2006-07-02 23:58:58 | 映画 その他(数字・英語など)
映画館で、出演:トム・クルーズ/ヴィング・レイムス/ケリー・ラッセル/ローレンス・フィッシュバーン/フィリップ・シーモア・ホフマン/サイモン・ペッグ/ミシェル・モナハン/マギー・Q/ジョナサン・リス=マイヤーズ/原作 ブルース・ゲラー/脚本・監督:J・J・エイブラムス/作品『M:i:Ⅲ』を観ました。

●感想
 ・それほど期待していた作品でもないのですが、前2作を観ているので、その流れで先行上映を観て参りました。

 ・いきなりイーサン・ハント(トム・クルーズ)が窮地に追い込まれているシーンから始まり、爆破、侵入、銃撃、肉弾戦と畳み掛けるようなアクションシーンの連続に、嫌が応にも映画の世界に引きずり込まれてしまいました。

 ・私生活でも女優のケイティー・ホームズと結婚し、超ハッピーなトム・クルーズが劇中でも、ケイティー・ホームズと良く似たジュリア(ミシェル・モナハン)と結婚し、初めて守るものが出来た男の強さや弱さを見せてくれ、これまでとは一味違ったイーサン・ハントを演じています。

 ・でも、このイーサンが結構おマヌケで、武器商人のオーウェン・デイヴィアン(フィリップ・シーモア・ホフマン)を素顔で拷問に遭わせた為に、自分の素性が知れ(仲間に何度も「イーサン!」と呼ばれ名前までバレちゃってます。)ジュリアを拉致されたり、自分で電気ショックを起こして死ぬ寸前になっている時に、本作の黒幕をジュリアが撃ち殺して助けられたりと、自分で自分を窮地に追い込んで行く様は、まさにトム様の一人芝居でした。

 ・フィリップ・シーモア・ホフマンが悪役を演じているのですが、流石にオスカー俳優らしく演技に迫力と重みを感じました。彼が『カポーティ』でどんな演技を見せてくれるのかが、益々楽しみになりました。

 ・ストーリーは中盤まで、右肩上がりに盛り上がっていくのですが、悪役のオーウェンの死に方があまりにも呆気なく、オチも弱すぎるので、典型的な尻すぼみ作品だと感じました。

●採点
 ・私的評価……70点(この作品を楽しむ為には、何も考えずに『24』のジャックばりに頑張っているトム・クルーズを観るのが一番です(独特の走り方を含めて)。スクリーンの中が一番似合う彼は、やっぱりハリウッドスターですね!私生活でのニヤケ顔と違うイーサンの引き締まった表情は、カッコ良かったです。)

 ・と言う訳でこの作品は、本作のテーマ曲を聞くと無条件にワクワクしてしまう方と敵から逃れる為に高級車を惜しげもなく爆破した事のある方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、チームでミッションを遂行しているはずなんですが「トム様一人だけが目立ってしまうのは、彼のオーラのせい?」って誰かに聞きたくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


ステイ/STAY

2006-07-01 21:41:23 | 映画 サ行
映画館で、出演:ユアン・マクレガー/ナオミ・ワッツ/ライアン・ゴズリング/ケイト・バートン/ボブ・ホスキンス/ジャニーン・ガロファロー/B・D・ウォン/エリザベス・リーサー/脚本:デヴィッド・ベニオフ/監督:マーク・フォースター/作品『ステイ/STAY』を観ました。

●感想
 ・本作は、私の住んでいる地域では6月24日(土)から上映されており、非常に楽しみにしていた作品なので「是非、初日に観に行こう!」と思っていたのですが、そこにはある障害が待っており、本日やっと観る事が出来ました。

 ・本作の場合、「凄い!」と思う要素がたくさんあるのですが、まず映画の土台となる脚本が素晴らしいです。映画の良し悪しは、脚本で決まると私は常々思っているのですが、その思いつきそうで、なかなか思いつかないアイデアを見事に脚本としてまとめたデヴィッド・ベニオフの想像力が凄いです!また、その良く出来たデヴィッド・ベニオフの脚本を様々な手法を使い、見事に映像化しているマーク・フォースター監督の手腕も凄いの一言です!

 ・この映画の凄さを象徴するのが、ファーストシーンでいきなり観客をミスリードしてしまう事でしょうね!サスペンス映画で肝心なのは「観客をどうやって上手く騙し続けるか」って事だと思うのですが、本作はその難しいテーマを意図も簡単にやってのけてしまっています。

 ・ユアン・マクレガー、ナオミ・ワッツ、ライアン・ゴズリングらを中心に現実とも幻とも思える出来事の中に、核心を衝いたセリフや映像を上手く散りばめているので、少しでも油断して観てしまうと「アッ!」と言う間に真実から遠ざけられてしまいます!この手法は凡人がマネようと思っても、高度過ぎてなかなかマネる事が出来ないでしょうね。

 ・映像もワンシーンごとに、カット割りやカメラアングルがストーリーの不可解さを継続させる為に、考えて作られていますし、場面転換のアイデアも非常に凝っており、最後までスクリーンに釘付けにされました。個人的には本作でのマーク・フォースター監督の映像センス、大好きです!

●採点
 ・私的評価……85点(久しぶりに、脚本と映像の両方が良く出来た作品を観た気がします!映像のトーンや音楽は『クラッシュ』、オチは『ジェイコブス・ラダー』に似ている感じが致しました。)

 ・今日は映画の日だったので、上映の1時間前に劇場に着くと「25番」の整理券を渡され「先着25名様にコチラをプレゼント致しております!」と無料で本作のポスターを頂きました!劇場の入り口まで、私の前にはイチャついているバカップルがいたのですが、なぜかチケットを買う前にチラシの方を見に行ったので、私がギリギリで有りつけた次第であります。人生の幸、不幸って、この映画と同じでちょっとした事で変わってしまうもんなんですねぇ~。バカップルさん、ポスターありがとうごさいました!

 ・上映まで手持ち無沙汰だったので、思わずパンフレットを買って読んでしまったんですよ~。実はこれが大きな落とし穴でした……。何気なく読んだページに本作のネタバレが載っており、よく見ると左上に小さな文字で「映画をご覧になってから、お読みください」って書いてありました……。まさに「映画観る前にオチ知っちゃったよ!」って感じでした。お陰様で、映画は充分理解させて頂いたのですが、だまされる悦びを奪われたみたいで、何だか複雑な気分になりました……。(ネタバレのあるページは一目で分かる様にしておいて欲しかったです……。)

 ・と言う訳でこの作品は、数時間後の天気が予言できる方と交通事故で生死の境を彷徨った事のある方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「映画代に1300円以上は絶対に出さない!」って変なポリシーを持っている為に、本作を今日まで我慢したのは私だけでしょうか?(ちなみに冒頭で言ってた障害とは、この映画の前売り券が1500円もする事でした!セコいポリシーでスミマセン……。)

それでは、また何か観たら書き込みます。