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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

キンキーブーツ

2006-09-22 18:16:11 | 映画 カ行
映画館で、出演:ジョエル・エドガートン/キウェテル・イジョフォー/サラ=ジェーン・ポッツ/ジェミマ・ルーパー/リンダ・バセット/ニック・フロスト/ユアン・フーパー/ロバート・パフ/脚本:ジェフ・ディーン/ティム・ファース/監督:ジュリアン・ジャロルド/作品『キンキーブーツ』を観ました。

●感想
 ・(これ以下は、後で書き込みます。)

エンパイア・オブ・ザ・ウルフ

2006-09-12 17:03:35 | 映画 ア行
DVDで、出演:ジャン・レノ/アーリー・ジョヴァー/ジョスラン・キヴラン/ラウラ・モランテ/フィリップ・バス/デヴィッド・カンメノ/エチエンヌ・シコ/原作:ジャン=クリストフ・グランジェ/脚本:ジャン=クリストフ・グランジェ/クリス・ナオン/クリスチャン・クラヴィエ/フランク・オリヴィエ/監督:クリス・ナオン/作品『エンパイア・オブ・ザ・ウルフ』を観ました。

●感想
 ・ちょっと前に見逃した作品が1週間レンタル出来る様になっていたので、久しぶりTSUTAYAでDVDを数本借りて来ました。

 ・本作はジャン・レノ主演のサスペンス作品だったので、公開中に観に行きたかったのですが、他の作品を優先した為に、どうしても時間が取れなくなりDVD鑑賞となってしまいました……。

 ・観る前はもっと宗教色が強く、怪しい団体がもっと前面に出てくるのかと思いきや、原因不明の記憶喪失となった女性・アンナ(アーリー・ジョヴァー)を中心に、若き熱血刑事・ポール(ジョスラン・キヴラン)と裏の世界に精通したダーティーな潜入捜査官・シフェール(ジャン・レノ)がトルコ人女性の連続殺人事件の謎を解明していくガチガチなサスペンスアクション作品でした。

 ・物語はアンナが研究室で脳の検査を受けているシーンから始まるのですが、冒頭から謎めいた雰囲気をプンプン漂わせている映像のトーンがとても私好みで、直ぐに映像にのめり込んでしまいました。

 ・ジャン・レノが主演なので、相棒のポール刑事は目立たない存在なのかと思いきや、持ち前の行動力と洞察力であれよあれよと事件の核心に迫り、随所でジャン・レノよりも目立った活躍を見せるのでジョスラン・キヴランにとっては想像以上にオイシイ役だったのではないでしょうか。

 ・もちろんジャン・レノも裏のある潜入捜査官・シフェールを貫禄のあるヒゲ面で好演しています。私としては、ジャン・レノは本作の様に荒くれ者の役の方が魅力を感じますし、彼に似合っていると思いますので、ハリウッド映画のチョイ役で数多く出演するよりは、フランス映画の主役として貫禄のある演技をもっと見せて欲しいです。

●採点
 ・私的評価……70点(中盤までの先が読めないストーリー展開やサスペンス映画らしい映像のトーンはとても好きなんですが、「灰色の狼」のアジトに入ってからの展開が大雑把過ぎて、オチに物足りないもの感じてしまいました。)

 ・本作の原作者は『クリムゾン・リバー』も書いたジャン=クリストフ・グランジェなんですが、私はこの人の描く刑事物サスペンスの世界観が非常に好きです。全く異なる様に見える二つの事件を一つにまとめ上げる彼の巧みな手法は、なかなか真似の出来るものではないと思っています。

 ・と言う訳でこの作品は、白と黒のヒゲを蓄えたジャン・レノの妖しい魅力に浸りたい方や「最近、自分のダンナの顔に違和感を覚える」って方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、アンナが空港に向かうのを見て「身体に金属プレートが入っている人は、金属探知機を通る前にレントゲン写真を見せるのだろうか?」と疑問を持ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

UDON

2006-09-01 18:52:59 | 映画 その他(数字・英語など)
映画館で、出演: ユースケ・サンタマリア/小西真奈美/トータス松本/鈴木京香/升 毅/片桐 仁/要 潤/
小日向文世/木場勝己/江守 徹/二宮さよ子/明星真由美/森崎博之/中野英樹/永野宗典/池松壮亮/ムロツヨシ/与座嘉秋/川岡大次郎/脚本:戸田山雅司/監督:本広克行/作品『UDON』を観ました。

●感想
 ・「映画の日に何を観ようか?」と考えたのですが、まだ観ていない映画の中にあまりパッとする作品がなかったので、手堅く面白い作品を作り出す本広監督の『UDON』を観る事に致しました。

 ・観る前は、町興しの為にうどんブームを作ろうとユースケ・サンタマリア達が奮闘する映画だと思っていたのですが、意外にも父親と息子の絆や家族愛、友情、夢の実現などヒューマニズムが多く描かれており、何度か「ウルッ」とさせられました。

 ・特に、ユースケ・サンタマリアが演じる松井香助が急死した父親の拓富(木場勝己)と会話をするシーンは、私も昨年、父親を亡くしているだけにジーンときてしまいました。息子にとって父親という存在は乗り越えなければならない大きな壁の様に感じてしまうんですけど、自分が一人前になって「ようやく父親に追い着いたかな?」って感じる頃には、もう、そばには居なくて「もっとあんな事を話しておけばよかった」とか「あんな事を聞いておけばよかった」って思うもんなんですよね……。

 ・以上の様な理由もあり、私には主人公の松井香助の気持ちが痛いほど伝わり、自分でも予想外な程に色々なシーンで共感や感動をしてしまいました。もし、私の父親がまだ生きていたら、全然違う感想を持っていたと思うので、この作品は、観る人が男性か女性かや父親が健在か死亡しているかの違いで大きく観方が変わってくるものだと思います。

 ・とは言っても、本広監督のユーモアをふんだんに取り入れた、サービス精神旺盛な映像は登場人物の多さと共に目を見張るものがあり、随所で「クスッ」と笑わせてくれます。中でも、昨年公開された『サマータイムマシン・ブルース』に出演していた永野宗典が松井香助にコキ使われるタクシー運転手を演じていたり、ムロツヨシ、与座嘉秋、川岡大次郎の3人組がうどん巡礼をしていたり、佐々木蔵之介が白衣を着て、大学で授業をしていたり、真木よう子ちゃんがメガネ姿でワンシーンだけ登場したりと『サマータイムマシン・ブルース』を観た方にだけ理解できる、小憎らしい演出がたくさん施されております。ですから、まだ『サマータイムマシン・ブルース』を御覧になっていない方は、是非、御覧になってから本作を御鑑賞することをお薦め致します。

 ・中盤辺りで観られる、CGと実写を組み合わせた「キャプテンUDON」の出来も良く、映画『ブレードランナー』のワンシーンを堂々とパクッて作っているのが実に面白かったです。押井 守監督もこれくらいのユーモアセンスで『立喰師列伝』を制作できたら、あれほど酷い作品にはならなかったでしょうね。(ちなみに私は『立喰師列伝』も劇場で観たのですが、内容が非常にお粗末だったので、どうしてもレビューを書く気になれませんでした。まぁ、敢えて点数を付けるとしたら100点満点で5点くらいですね。押井ファンだけ観ればいいかなって感じでした。)

●採点
 ・私的評価……80点(色々なゲストがあちらこちらに登場するので、それを探すだけでもけっこう楽しめました。その他にも予想以上に感動できるシーンや笑えるシーンが多かったので、この点数に致しました。)

 ・パンフレットを購入して気付いたのですが、裏表紙が劇中に何度も登場した「タウン情報さぬき」になっており、「うどん巡礼記」や「キャプテンUDON」のマンガも掲載されています。パンフレットにまで細やか演出がなされている本広作品恐るべし!でした。(ちなみに裏表紙には、宮川恭子を演じたコニタンが笑顔で写っております。)

 ・という訳でこの作品は、世界中を笑わすコメディアンになる為「ニューヨークに渡ろう!」って考えている方や、うどんを鼻から吸って口から出せる特技を持っている方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「うどん人形 ふみちゃん」の販売価格と売れ行きが気になってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ユナイテッド93

2006-08-28 20:22:30 | 映画 ヤ行
映画館で、出演:ハリド・アブダラ/ポリー・アダムス/オパル・アラディン/ルイス・アルサマリ/デヴィッド・アラン・ブッシェ/リチャード・ベキンス/スターラ・ベンフォード/オマー・バーデゥニ/スーザン・ブロンマート/レイ・チャールソン/クリスチャン・クレメンソン/ライザ・コロン・ザヤス/ゲイリー・コモック/ローナ・ダラス/デニー・ディロン/トリエスト・デュン/トリッシュ・ゲイツ/ケイト・ジェニングス・グラント/ジェイミー・ハーディング/ピーター・ハーマン/タラ・ヒューゴ/マルセリーヌ・ヒューゴ/シェエン・ジャクソン/ジョー・ジャムログ/コーリイ・ジョンソン/J・J・ジョンソン/マサト・カモ/ベッキー・ロンドン/ピーター・マリンカー/ジョディー・リン・マクリントック/ナンシー・マクダニル/リビー・モリス/トム・オルーク/サイモン・ポーランド/デヴィッド・ラッシュ/エリック・レッドマン/マイケル・J・レイノルズ/ジョン・ロスマン/ダニエル・サウリ/レベッカ・スカル/クロー・シレーン/ベン・スライニー/オリヴィア・サールビー/チップ・ジエン/レイ・ジンマーマン/脚本・監督:ポール・グリーングラス/作品『ユナイテッド93』を観ました。

●感想
 ・この作品、公開前から楽しみにしていたので初日に観に行こうと思っていたのですが、夏の暑さと悲劇的な結末を改めて観直す決断がなかなかつかずにズルズルと日が延びてしまいました。

 ・テロの始まりである「アメリカン航空11便」が予定の進路を外れ、消息を絶ってからの航空管制センターの職員や防空指令センターの軍人達の慌てようが、実によく再現されていて、2001年9月11日にアメリカが直面していた「前例のない危機」を感じ取る事が出来ました。

 ・アメリカの様な情報を重んじる国が、ユナイテッド93便のハイジャックを知ったのが墜落してから4分も経った後だったという事にとても驚き、各管制センター、軍、民間の報道機関で情報が錯綜する様子は「世界の警察」を自負する国としては、非常にお粗末な印象を受けました。

 ・パンフレットによりますと、この映画を作るにあたって監督のポール・グリーングラスは、ほぼ全ての遺族や友人などから7週間をかけ詳細なインタビューを行ったそうです。その誠意ある対応が、この作品を多くの人から賞賛を与えられる物にしている様に感じました。国同士の憎しみ合いに宗教問題が絡んだ惨劇を僅か5年という歳月で映画にしてしまうアメリカ人のバイタリティーと懐の深さに、唖然と致しました。もし、この事件が日本で起きた事だったら、今でもタブーとして映画化されてないでしょうね。

 ・また、キャスティングに対しても乗務員の行動を正確なものにする為、機長役に民間航空のパイロットや客室乗務員役にユナイテッド航空の乗務経験のある者を選び、俳優に混ざって9月11日に実際に勤務していた管制官や軍関係者が出演しているんですが、これは「正確さを追求するため」だとポール・グリーングラス監督は語っています。この徹底した姿勢にも、私は頭が下がりました。

 ・機内のシーンはあくまで、詳細なインタビューを基にして作られた想像によるものなんですが、テロリスト達と戦う事を決断し、最後まで自分達の力で生き延びようと努力した乗客乗員の姿に思わず涙ぐんでしまいました。

●採点
 ・私的評価……85点(「正確さを追求するため」に有名な俳優を使わず、終始ドキュメンタリー的に描く事で、作品に説得力を与えている見応えのある作品でした。乗客や管制官だけの行動だけでなく、テロリスト達が犯行前に機内で緊張している表情や乗客に対する恐怖心なども盛り込み、一方的に「悪者」扱いしていない描き方に好感を覚えました。一つ気になったのが、ラストで乗客達がコックピットになだれ込んで行きますが、これは「ブラックボックス」の会話を参考に作られたものなのでしょうか?それによってラストシーンの見方が大きく変わる気がします。)

 ・と言う訳でこの作品は、今までに飛行機に乗った事のある方やこれから飛行機に乗る予定のある方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、将軍様の国の人達がハイジャック・テロで日本の原発に突っ込まないかと心配でたまらないのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

レイヤー・ケーキ

2006-08-22 18:33:10 | 映画 その他(数字・英語など)
映画館で、出演:ダニエル・クレイグ/コルム・ミーニイ/ケネス・クラナム/ジョージ・ハリス/ジェイミー・フォアマン/シエナ・ミラー/マイケル・ガンボン/マーセル・ユーレス/トム・ハーディ/テイマー・ハッサン/ベン・ウィショー/バーン・ゴーマン/サリー・ホーキンス/ナタリー・ルンギ/フランシス・マギー/ジェイソン・フレミング/原作・脚本:J・J・コノリー/監督:マシュー・ヴォーン/作品『レイヤー・ケーキ』を観ました。

●感想
 ・007の最新作にジェームズ・ボンド役として出演しているダニエル・クレイグの演技が気になったのと、「UK発、挑発的スタイリッシュ・クライム!」と言う宣伝文句に惹かれ、劇場に行って参りました。

 ・ハッキリ言って、この作品を観るまでは「どうして、ジェームズ・ボンド役にダニエル・クレイグが選ばれたのだろう?」と疑問を持っていたのですが、スマートな麻薬ディーラーを魅力的に演じている彼を観て「007も絶対に観よう!」と心変わりしてしまいました。

 ・イギリス映画とあって、ハリウッド作品のような派手な演出は無いのですが、名もなき麻薬ディーラー・XXXX(ダニエル・クレイグ)の魅力的な人物設定と彼を取り巻く仲間やギャング、殺し屋、裏社会のドンなどが入り乱れて行う、勝ち残る為の頭脳戦が実に面白く「観て良かった!」とクライム・ムービーの魅力を再認識致しました。

 ・命を落とすかも知れない修羅場を、物事を先読み出来る優れた頭脳と自分のボスも殺してしまう大胆な行動力で切り抜けて行くXXXXは本当にカッコ良かったです!

 ・ストーリーも高純度のエクスタシーをめぐって二転三転する展開となっているので、最後まで誰が笑うのか全く読めない上手い作りになっていますし「人生そんなに甘くない」と感じさせるラストシーンも見事だったと思います。

●採点
 ・私的評価……80点(ストーリー性を重視するクライム・ムービー好きな人はハマる作品だと思いますが、登場人物が多いので、外人の名前を憶えるのが苦手な方は混乱してしまうかも知れませんね。私も途中で「ジミー(ケネス・クラナム)って誰やったかな~?」とか「ガザ(バーン・ゴーマン)って何してる人やったっけ?」と多少、混乱してしまいました。ちなみに私の斜め前に座っていたオバチャン二人組みは終始「あの人、誰?」とか「あの人、何してるの?」を連発していました。)

 ・と言う訳でこの作品は、ダニエル・クレイグの本当の魅力を知りたい方と間もなく裏社会からの引退を考えている方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、クラブで踊るタミー(シエナ・ミラー)を観て「梨花に似てるな~!」と思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。 

X-MEN:ファイナル ディシジョン

2006-08-10 23:26:57 | 映画 その他(数字・英語など)
試写会で、出演:パトリック・スチュワート/ヒュー・ジャックマン/イアン・マッケラン/ハル・ベリー/ファムケ・ヤンセン/ケルシー・グラマー/アンナ・パキン/レベッカ・ローミン=スティモス/ショーン・アシュモア/エレン・ペイジ/ベン・フォスター/アーロン・スタンフォード/オリヴィア・ウィリアムズ/ショーレ・アグダシュルー/ジェームズ・マースデン/キャメロン・ブライト/ヴィニー・ジョーンズ/脚本:ザック・ペン/サイモン・キンバーグ/監督:ブレット・ラトナー/作品『X-MEN:ファイナル ディシジョン』を観ました。

●感想
 ・1作目、2作目を観ており、今回でシリーズが最終章を迎えるとあって、待ち切れずに一足先に観て参りました。

 ・最終章を迎えるからと言っても、原作がアメコミなのでそんなに期待をしていなかったのですが、ミュータントを人間に変えるという新薬「キュア」が発明されたり、死んだはずのジーン(ファムケ・ヤンセン)が復活したり、まさかと思うような「X-MEN」チームのメンバーが死亡したりと次から次へ話の展開が早く、予想以上に最後まで楽しんで観る事が出来ました。

 ・今回は「キュア」が発明された為に、人間に戻るかどうか思い悩むミュータント達のエピソードが上手く描かれてました。主な登場人物の何人かは自分の意思や戦闘で「キュア」を打たれて人間に戻ってしまうのですが、中でもこれまでマグニート(イアン・マッケラン)の忠実な部下で何にでも変身できる能力を持っていたミスティーク(レベッカ・ローミン=スティモス)がナイスバディの黒髪美人に戻ってしまったのには、ビックリ致しました!

 ・でも、1作目からずっと特殊メイクで綺麗な素顔を晒せなかったレベッカ・ローミン=スティモスには喜ばしい事だったんじゃないでしょうか。ミスティークもあんなに綺麗に生まれ変わったのなら、もっと喜んでもよさそうなんですが……。

 ・もし私がミュータントで、見るからにそれと分かる風貌だったら、迷わず「キュア」で人間になるでしょうが、マグニートの様に見た目が人間と変わらないミュータントだったら、特殊能力は失いたくないので絶対に人間には、ならないでしょうね。だから、自分達を迫害し続ける人間達を滅ぼそうとするマグニートの気持ちも、何となく理解出来るんですけどね……。

 ・肝心な戦闘シーンは、チームでの戦闘が盛りだくさんで、新たな能力を持ったミュータント達がたくさん登場するので見応えは充分あると思います。
特に、これまであまり目立てなかったストーム(ハル・ベリー)が今回は大活躍するので、ハル・ベリーファンの方は観に行った方が良いと思います。

 ・本作で一番驚いた事は、蘇ったジーンの驚異的な強さでしたね!彼女って能力的にはレベル5らしく、レベル3のマグニートよりも遥かに強くなっているんですね~!これを見ると前作であっさりと死んでしまったのは何だったの?と思ってしまうのですが……。

 ・ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)も、主役ですからいつもの様に目立っている訳なんですが、今回はクライマックスで愛するジーンと戦わなければならない状況に追い込まれてしまいます。
巨大な力を持ったジーンを倒せるのは不死身のウルヴァリンしかいなかったのですが、彼が最後に選んだ決断は少し悲しく思いました……。

●採点
 ・私的評価……80点(上映時間104分の中にミュータント達の葛藤や決断と戦闘シーンがふんだんに盛り込まれており、私としてはシリーズ中で一番出来が良かったと思いました。 )

 ・それにしても、上映前に司会のアナウンサーが「エンドロールの後も重要なシーンが残っていますので最後まで席を離れないで下さいね」とわざわざ言ってくれているにも係わらず、エンドロールが流れ出すと直ぐに席を立って帰って行った客が2割位いました。

 ・一体この人達は何をしに来たんでしょうかね~?エンドロールが終わるまで待っても5分位しか、かからないのに、どうして我慢出来ないんでしょうか?
私からすると「バカじゃないの?」と神経を疑いたくなってしまいます。完結編のラストシーンなんですから「絶対観よう!」と思うのが正常な映画ファンの心理だと思うのですが……。

 ・その問題のラストシーンを観ると「もしかして、まだ続くの!」と思わせるモノだったので、この作品の興行収入次第では、また続編を作るかも知れませんね~。私としては、本作でやめるのが一番キリがいいと思うんですが……。

 ・と言う訳でこの作品は、「X-MEN」チームの最後の戦いを見届けたい方とファムケ・ヤンセンの迫力ある顔のアップシーンを観たい方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、ミュータントでなくなったマグニートを見て「普通のジジイやん!」と思い、少し寂しくなってしまったのは、私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ディセント

2006-08-01 21:13:31 | 映画 タ行
映画館で、出演:シャウナ・マクドナルド/ナタリー・メンドーサ/アレックス・リード/サスキア・マルダー/マイアンナ・バリング/ノラ=ジェーン・ヌーン/オリヴァー・ミルバーン/モリー・ケイル/レスリー・シンプソン/クレイグ・コンウェイ/脚本・監督:ニール・マーシャル/作品『ディセント』を観ました。

●感想
 ・以前から気になっていたので、映画の日に観に行ったのですが、18:40からの回にも係わらず立ち見が出るほどの人気にビックリ致しました。私と同じで皆さん、この作品を映画の日に観る為に取っておいたのでしょうか?

 ・ストーリーは1年前に夫と娘を事故で亡くしたサラ(シャウナ・マクドナルド)を励ます為に、親友のジュノ(ナタリー・メンドーサ)が企画した洞窟探検に、ベス(アレックス・リード)、レベッカ(サスキア・マルダー)、ホリー(ノラ=ジェーン・ヌーン)、サム(マイアンナ・バリング)の冒険仲間が集まり、地下数マイルの地底へと旅立って行くのですが、そこで予期せぬ落盤事故が起こり、新たな出口を探さなければならない状況になり、洞窟の奥へと進んで行くのですが、そこには想像を絶する恐怖が彼女らを待ち受けていたのだった……と言うものです。

 ・イギリス映画なので、知っている俳優さんは1人も居なかったのですが、東洋人系の顔をしたジュノが知り合いにソックリで、「アイツいつの間に女優になったんや~!」と一人でビックリしておりました!(いや~、世の中には本当によく似た人がいるもんですね~!容姿だけでなく、身体のガッチリしたところや我が強く、場を仕切りたがる鬱陶しいところもソックリだったので、ジュノがスクリーンに出て来る度に笑いを堪えるのに必死になってしまいました。)

 ・何かの本で読んだ記憶があるのですが、人間の視力による情報収集量は感覚器官全体の約9割にも上るそうです。だから、ホラーとかサスペンス映画では、暗い舞台を上手く用意することが重要になる訳なんですが、それを満たすのに「洞窟」という場所は実に持って来いだと思いました。

 ・落盤→友人の怪我→「ヤツら」との遭遇→親友の裏切り、と6人の個性的な女性を妥協すること無く次から次へと追い詰めて行くストーリー展開が実に面白かったです。

 ・こういった類の作品は監督や脚本家が少しでも、登場人物達に優しさを見せて、彼女らに降りかかる危機的状況を甘くしてしまうと、一挙に面白味を失ってしまうのですが、最後まで6人の女性を妥協することなくイジメ抜いた、ニール・マーシャルのサディスティクな演出が思っていたよりも上手く、最後まで飽きずに観る事が出来ました。

 ・他のブログなどで、本作がB級映画扱いされているのは、ストーリーの中盤から「ヤツら」が出てくるせいだと思うんですが、見た目とか動きが『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに出て来た、白くて醜い「アイツ」に似ていたりして、確かに出来栄えは少しビミョーな感じでした。

 ・監督も「ヤツら」の出来栄えにあまり自信がなかったのか、格闘シーンになると「ヤツら」の人間的な動きを凶暴に見せる為にカメラを激しく揺らしたり、カットの切り替えを早くして、必死で粗を隠そうととしている努力が、実に涙ぐましかったです。

●採点
 ・私的評価……70点(映画の出来には、かなり差があるのですが、女性が主人公だったり、狭い空間で逃げられない状況に追い込まれたり、たくさんの「ヤツら」と戦う演出などは『エイリアン2』を連想してしまいました。リプリーは蘇って『エイリアン4』までシリーズ化したのですが、本作はどうなりますかね~?調子に乗って続編を作ると見事にすべりそうな気がするんですが……。)

 ・と言う訳でこの作品は、肉体的及び精神的に強い女性に憧れている方と今までに「目潰し」攻撃で相手に勝った事のある方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、勝手に自分達のねぐらに侵入して来た野蛮な女達に無残にやられてしまった「ヤツら」に少しだけ同情してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

スーパーマン リターンズ

2006-07-25 23:00:09 | 映画 サ行
試写会で、出演:ブランドン・ラウス/ケヴィン・スペイシー/ケイト・ボスワース/ジェームズ・マースデン/フランク・ランジェラ/サム・ハンティントン/エヴァ・マリー・セイント/パーカー・ポージー/カル・ペン/ステファン・ベンダー/マーロン・ブランド(アーカイヴ映像)/原案:ブライアン・シンガー/マイケル・ドハティ/ダン・ハリス/脚本:マイケル・ドハティ/ダン・ハリス/監督:ブライアン・シンガー/作品『スーパーマン リターンズ』を観ました。

●感想
 ・遂にアメリカンヒーローの元祖スーパーマンが帰って来ましたね。前作でクラーク・ケントを演じていたクリストファー・リーヴ は真面目で堅物な感じがしたのですが、本作のブランドン・ラウスが演じるクラーク・ケントには憎めない3枚目的な要素を強く感じました。

 ・4000とか5000人のオーディションの中で選ばれたブランドン・ラウスは面影がクリストファー・リーヴによく似ており、監督のブライアン・シンガーはオーディション場所のカフェの入り口でブランドン・ラウスとぶつかりそうになった時に、彼が咄嗟にとったリアクションを見て「主役を演じれるのは彼しかいない」と感じたそうです。

 ・ストーリーはスーパーマンが故郷のクリプトン星の消滅を自分の目で確かめる為に、地球を去って5年が過ぎたところから始まりまるのですが、帰還の仕方が実にド派手でいかにもスーパーマンらしかったです。帰って来てすぐに、愛するロイス・レイン(ケイト・ボスワース)は編集長の甥(ジェームズ・マースデン)と同棲しており、おまけに男の子の母親になっている事を知って、クラークはショックを受けてしまいますが、彼女の乗ったジャンボ機が墜落しそうになっている事を知ると、スーパーマンに変身し、音速を超える速さで、あっと言う間に救出してしまうあたりは、カッコ良過ぎました。

 ・この後もスーパーマンは世界各地を意欲的に飛び回り、小さな強盗事件まで解決していくのですが、レックス・ルーサーのクリプトナイトを使った攻撃にパワーが発揮できなくなり、呆気なく敗れてしまうんですね~。でも、そういった強いばかりでなく、ちゃんと弱点を持っているところに人間臭さを感じ、好きになりました。

 ・敵役のレックス・ルーサーを頭をつるつるにしたケヴィン・スペイシーが演じているのですが、さすがにオスカー俳優だけあって、オチャメな匂いを振りまきながら楽しそうに悪役を演じている様に観えました。

 ・ロイス・レインを演じたケイト・ボスワースも子供を守る強い母親の顔とスーパーマンを心から愛している色気のある女性の顔を上手く演じ分けていて「いい女優さんだなぁ~」って思いました。

 ・もちろん主役のスーパーマンを演じたブランドン・ラウスもクリストファー・リーヴに負けず劣らずの好演ぶりだったので、本作のみで終わらず、2作目、3作目とシリーズ化をして欲しいと思いました。

●採点
 ・私的評価……70点(ラストはちょっと物足りないような気もしたのですが、親子愛とか恋人への愛を前面に押し出しており、助けを求める人の元へすぐさま駆けつける好感度抜群のスーパーマンの姿はまさに元祖アメリカン・スーパーヒーローでした。)

 ・ロイス・レインの子供はぜんそくとかアレルギー体質を持っており、身体が弱いのですが、彼の隠れた秘密が分かった時「次回作は彼の活躍をもっと観てみたい!」と思いました。
レックス・ルーサーも、今だにしぶとく生き残っている訳ですし、今後も益々楽しめる新展開が期待出来そうです!

 ・と言う訳でこの作品は、帰って来た元祖アメリカン・スーパーヒーローが観たい方と子供の頃に丸坊主の人を見て「ハゲてる!」と正直に言ってしまった事のある方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、ロイス・レインと同棲している編集者を演じているジェームズ・マースデンを観て「早くお前もサイクロプスに変身しろ!」って途中で『XーMEN』と混同しそうになった「アメリカンコミックス」バカは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

2006-07-24 21:41:37 | 映画 ハ行
映画館で、出演: ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ/ビル・ナイ/ステラン・スカルスガルド/ジャック・ダヴェンポート/ケヴィン・マクナリー/ナオミ・ハリス/ジョナサン・プライス/マッケンジー・クルック/トム・ホランダー/リー・アレンバーグ/ジェフリー・ラッシュ/脚本:テッド・エリオット/テリー・ロッシオ/監督:ゴア・ヴァービンスキー/作品『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』を観ました。

●感想
 ・先週行われていた、先行上映に行きたかったのですが体調を崩してしまい、本日やっと観て参りました。

 ・行く前に色々なブログをチェックして覚悟をしていたのですが、やっぱり上映時間151分は長いですね~。デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)が登場してから面白くなってくるのですが、それまでにちょっと時間を掛け過ぎる感じがしました。前半の島の原住民に捕まるエピソードは、ジャック(ジョニー・デップ)や ウィル(オーランド・ブルーム)の脱出シーンは面白いのですが、その他は別にどうでもいいような内容なので、もっと短くして欲しかったです。

 ・良かったのは、デイヴィ・ジョーンズやその手下達の海洋生物をイメージした特殊メーキャップでした。ハンマーヘッドシャークやヤドカリなどをイメージさせたものは、とてもユニークでしたし、ウィルの父親の顔に付いているフジツボが動いたり、時間が経つ毎に数が増えていく細かな変化は手が込んでいて面白かったです。

 ・あとはデイヴィ・ジョーンズのフライング・ダッチマン号が潜水して行くシーンのカメラアングルが迫力があったのと、転がる水車の上でのジャック、ウィル、ジェームズ(ジャック・ダヴェンポート)の三つ巴の戦いは見応えがあったと思います。

 ・それと忘れてならないのが、ビル・ナイもほとんど誰が演じているのか分からないデイヴィ・ジョーンズを迫力のある目の演技で好演しています。彼みたいに大御所になれば、顔の出ない役は断ってもよさそうなのに『アンダーワールド』でのヴァンパイア役といい彼って化け物を演じるのが好きみたいですね。

 ・全体的な内容としては、何だかビミョーでしたね。クラーケンに何度も船を襲わせてストーリーを盛り上げようとしたのでしょうが、さすがに3度目にブラックパール号を襲って来た時には「また、大ダコ出すのかよ!」とツッコンでしまいました。

 ・次回作の撮影も決っていたので、本作はその繋ぎに過ぎない感じでした。その中で、エリザベス(キーラ・ナイトレイ)のジャックへの微妙な感情は、ウィルを含めて今後どうなって行くのかが楽しみです。

●採点
 ・私的評価……60点(前作が面白かった事もあり、そこそこ期待していたのですが、ギリギリ合格点といった感じでした。エンドロールの後に、少しだけ映像が残っているのを知っていたので、クソ長い時間を我慢したのですが、ハッキリ言って「しょーもない……」です。観ても観なくても差し支えがないので、エンドロールの長さに我慢出来ないと思った方はサッサと劇場を後にした方がいいと思います。)

 ・と言う訳でこの作品は、ゴキブリなみの生命力を持ったジャック・スパロウのオチャメな活躍を楽しみたい方とタコお化けが弾くピアノの音色を聴いてみたい方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「クラーケン」の足がとても美味そうに見えたので、帰りにたこ焼き屋を探してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ゆれる

2006-07-21 23:55:12 | 映画 ヤ行
映画館で、出演:オダギリジョー/香川照之/伊武雅刀/新井浩文/真木よう子/木村祐一/ピエール瀧/田口トモロヲ/蟹江敬三/原案・脚本・監督:西川美和/作品『ゆれる』を観ました。

●感想
 ・本作は先週から公開されているのですが、会員になっている映画館が金曜日は1000円になるので、今日まで待って観て参りました。

 ・ストーリーは、東京でカメラマンとして活躍している早川 猛(オダギリジョー)が母の一周忌の為に帰省した際、兄の稔(香川照之)と幼馴染みの川端智恵子(真木よう子)の3人で蓮美渓谷へ遊びに出かけ、猛を追って稔と一緒に吊り橋を渡っていた智恵子が転落し死亡する出来事に遭遇します。
離れた場所で二人の行動の全てを見ていた猛は、橋の上で呆然となっている稔に駆け寄り、警察に連絡を入れ、兄を守る為に智恵子の転落はあくまで事故によるものだと証言するのですが、警察で事情聴取を受けていた稔は「智恵子は自分が突き落とした」と自白してしまう……というものです。

 ・お目当ては、主演のオダギリジョーくんではなく『ベロニカは死ぬことにした』で一目惚れしてしまった真木よう子ちゃんでしたが、この作品は出演している役者さん全てが上手いです。特に『ホテルビーナス』での落ちぶれた医者の演技を観て「この人、上手いなぁ~!」って感心させられた香川照之さんは本作でも、オダギリジョーくん演じるカメラマンの早川 猛の温厚な兄の早川 稔を熱演なさっており、リアルな演技力は途中から「香川照之さんって、本当は稔みたいな人じゃないの?」って錯覚させられる程でした。

 ・オダギリジョーくんも女に対して、だらしない男前なカメラマン役がピッタリはまっており、これまでに私が観たジョーくん出演作品の中では、この役が一番好きですね。
ストーリー上、兄弟二人だけで会話をするシーンが多いのですが、特に拘置所の面会室でお互いに本音をぶちまけるシーンが実にリアルで凄まじく、二人の心の変化が実に上手く描かれているので、このシーンを観るだけでも充分に価値のある映画じゃないでしょうか。

 ・脇を固める伊武雅刀さんや蟹江敬三さんらベテラン陣の喜怒哀楽をリアルに表現する演技も見応ありますし、強弱を織り交ぜて、ネチネチと稔に尋問する丸坊主で強面で嫌味な検事を演じた木村祐一さんの演技は劇中でも目立っており「もはや、キム兄もすっかり役者さんやなぁ~」と感心させられました。

 ・もちろん、智恵子を演じた真木よう子ちゃんも28歳の寂しい女性を上手く演じているのですが、演出上、登場してから直ぐに死んでしまう為に出番が少なく、彼女をジックリと観れなかったのが残念でした……。でも、僅かに見せた彼女の笑顔の可愛らしさに、私はまたもやハートを打ち抜かれてしまいました!

 ・それにしても、監督の西川美和さんの才能は凄いですね~!撮影は基本的にカメラをステイさせてワンシーンの長まわしを多様し、役者の熱演をしっかり生かしながらも、合間に山や川などの自然の風景とか鯛のお頭などストーリーには直接関係ないワンカットをセリフ代わりに入れる事で、観ている側に自然と登場人物の心情を連想させる高等テクニックを使い、作品中にしっかりと独自色を出しているところには、すっかり脱帽といったところでした。
下手にカメラを動かしたり、意味の無い頻繁なカットの切り替えや無駄なセリフが全く無いので、これから映画監督を目指そうと思っている方には良いお手本として絶対に観て欲しい作品ですね!

 ・さっきも述べました様に、ほとんどの会話のシーンでカメラはステイ状態なんですが、拘置所で初めて猛と稔がこれまで心に秘めていた本音をお互いにぶつけ合うシーンでは二人の感情の爆発をリアルに表現する為に、カメラは容赦なく『ゆれる』んですね~。まるで、このシーンの為にそれまでカメラを動かさずにいたかの様に。ここ一番のクライマックスシーンでの西川監督のメリハリの効いた演出が冴えた名場面だったと思います。

 ・本作では何と言っても脚本が素晴らしいですね!この複雑な脚本を西川監督自身が書いており、パンフレットによりますと、ある日、監督自身が見た夢を参考に書いたという事で、夢を基本にここまでしっかりとした脚本を作り上げてしまうなんて、驚きとしか言い様がなく、脚本家としても非凡な才能を持った方だと思います。

 ・西川監督が撮った前作の『蛇イチゴ』はまだ観ていないのですが、この作品を観て「レンタルしなくては!」と思いました。『蛇イチゴ』も夢で見た事を映画にしたとの事なので、どんな風に仕上がっているのかが、とても楽しみです。

 ・何にしても、観客にとって観易く、しっかりとした映像作りが出来る才能豊かな若い監督の登場に喜びながらも、今後の西川美和監督作品にも大いなる期待をかけて見守っていきたいと思っております。

●採点
 ・私的評価……85点(俳優陣の熱演とそれをじっくり観せる為のカメラワークや演出、しっかりとした脚本、どれをとっても素晴らしかったです。特に普通ならセリフで説明したくなるところを敢えて映像で表現しいるところに西川美和監督のセンスの良さと非凡な才能を感じました。中でも稔のズボンに垂れるお酒、川に流れて行く智恵子の靴などのシーンはとても印象に残りましたし、川の流れや車の騒音などの物語の重要な場面に係わってくる音の使い方も上手いと思いました。)

 ・ここまでベタ褒めして「何で85点やねん!」って思っている方もおいででしょうが、肝心のオチの部分が少し弱かった様に感じました。パンフレットを読むと結末は、監督自身が意識してあやふやな状態で終わらせたかったみたいなんですが、ラストシーンを観ると、どうしても「何故、猛はあそこまで稔を追い込む必要があったのだろうか?」と疑問を持ってしまいます。ここだけがちょっと釈然としないので、この点数に致しました。

 ・先程から何度かパンフレットのことに触れましたので、少し紹介しておきますとサイズは文庫本より一回り大きいくらいで、よくあるパンフレットのサイズの1/4くらいしかない、とても小さいものです。定価は800円で、一緒に出演者や映画の舞台となった渓谷のポストカードが12枚付いている(オダギリジョーくんが一人で写っているカードは2枚あるのに、真木よう子ちゃんを含めて、その他の出演者は1枚だけでした。しかも、真木よう子ちゃんは悲しそうな横顔をしているので、なんだかビミューな感じです……。)ので、出演者の中に好きな俳優さんがいる方は購入されてもよいのではないでしょうか。

 ・と言う訳でこの作品は、人間の奥底にある悪意や嫉妬を上手く表現した映画が好きな方と吊り橋の真ん中で腰が抜けて動けなくなった経験のある方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、裁判長役をしている田口トモロヲさんが喋る度に『プロジェクトX』を思い出してしまったのは、私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。