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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

dot the i / ドット・ジ・アイ

2005-10-31 21:31:28 | 映画 その他(数字・英語など)
DVDで、ガエル・ガルシア・ベルナル、ナタリア・ベルベケ、ジェームズ・ダーシー 出演の「dot the i / ドット・ジ・アイ」を観ました。

●ストーリー
美しいカルメン(ナタリア・ベルベケ)は、裕福で優しいバーナビー(ジェームズ・ダーシー)にプロポーズされ、彼と結婚することを決心した。

レストランで独身最後のパーティを親しい仲間達と楽しむカルメンは、ビデオカメラを持って入って来た3人組の1人・キット(ガエル・ガルシア・ベルナル)とイギリスの古いしきたりに則ってキスをすることになる。

気楽なキスのはずが、唇を重ねた瞬間、カルメンとキットはお互いを運命の人だと確信し、激しいキスを繰り返す。

自分の気持ちにビックリし、急に店を飛び出し、バーナビーの元に帰ったカルメンだったが、キットの事が忘れられないでいた。

次の日、カルメンが働いているハンバーガーショップを見つけ出したキットは、執拗なまでにカルメンをデートに誘うのだった。

キットのあまりのしつこさにカルメンはデートを受け入れたのだが、デート当日に婚約者のバーナビーがハンバーガーショップに電話を入れた為、カルメンのついたウソが全てバレてしまうのだった……。

●感想
最後の結末に「アッ」と驚かされるという噂だったので、大どんでん返しのストーリーが大好きな私は、非常に楽しみにして観る事に致しました。

冒頭からヒロインのカルメンを映したホームビデオの映像に「アレ?」と違和感を覚えたのですが、この後も随所にホームビデオの映像が出て来た為に、「こういう演出をしている作品なんだな~」と納得致しました。

このホームビデオの映像がいいアクセントとなり、ストーリーを盛り上げるのにとても効果的に使われているので「なかなか上手い編集をしているなぁ~」と感心しながら観てしまいました。

中盤過ぎまで、カルメン、キット、バーナビーの三角関係とカルメンを追う謎の存在を絡めて、「恋愛のもつれの結末がどうなってしまうのか?」という事に主眼を向けていたのですが、ラスト20分から、この作品のどんでん返しが次々と始まり、最後までどうなってしまうのか分からない展開へと転がって行きました。

ここからラストまでの展開が、最近の映画では珍しい位に何度も激しく変化して行くので、観ている私はだんだん楽しくなり、オチがどうなってしまうのか最後まで目が離せませんでした。

オチもそこそこ、まとまっており、ハッピーエンドには共感できるのですが「ユージュアル・サスペクツ」や「ショーシャンクの空に」等の素晴らしいオチをすでに観てしまっている私にとっては、残念ながら、そんなに目新しさは感じず、正直「まあまあ」という印象を持ちました。

それでも、これだけ次々と色々な急展開を観せてくれる作品もなかなか無いと思いますので、意表を衝いた結末が好きな人なら充分楽しめる作品だと思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

後半、一挙にそれまでの謎を、次々と明らかにしてくれるのは気持ち良かったのですが、せっかくカルメンに怪我を負わせた男に上手く伏線を張っているにも関わらず、最後まで有効に活用しなかった事にガッカリし、作品全体を通してあまりこれといった感動が残らない内容になっているのが少し残念に思えました。

それでも、カルメンとキットが無料でホテルのルームサービスを取り、階段で食事をしているシーンやバーナビーがカルメンに玉ねぎを指輪に見立ててプロポーズするシーンはユニークで面白く仕上がっていると思いました。

だから、この作品は最後までどのような結末で終わるのか、先が読めない作品が大好きな方と「隠し撮りをされてもスターになりたい!」という役者志望の方のおすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「最近、やたらと暴力を振るう勝気な女性をヒロインにした映画が多いよなぁ~」って映画の中でも女性の強さをヒシヒシと感じてしまっているのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。

最後の恋のはじめ方

2005-10-30 23:46:38 | 映画 サ行
DVDで、ウィル・スミス、エヴァ・メンデス、ケヴィン・ジェームズ、アンバー・ヴァレッタ 出演の「最後の恋のはじめ方」を観ました。

●ストーリー
ニューヨークに住むヒッチ(ウィル・スミス)は、恋愛下手な男達に救いの手を差し伸べる「デート・ドクター」を職業にしている。

彼のモットーは、真剣な恋愛関係を望む者にしか力を貸さないということ、だからナンパ目的の男達はお断りである。

このスタイルで何人ものモテない男達に適切なアドバイスを与え、成功に導いて来たヒッチは、知る人ぞ知る恋愛のカリスマ的存在となっていた。

そんな時、何をやっても要領の悪い会計士のアルバート(ケヴィン・ジェームズ)が資産家セレブのアレグラ(アンバー・ヴァレッタ)に恋をし、ヒッチを頼ってやって来る。

素直なアルバートは、ヒッチのアドバイス通りにアレグラの気を引くことに成功し、彼女をデートに誘い出す。

しかし、アレグラとのデート現場をゴシップ紙のカメラマンに撮られたことから、アルバートは記者達に身元を調べられ始める。

一方、普段は恋愛指南をしているヒッチも、バーで知り合ったゴシップ記者のサラ(エヴァ・メンデス)に一目惚れをし、彼女をデートに誘い出すのだが……。

●感想
ハッキリ言って、思ったよりも面白かったです!

ヒッチ演じるウィル・スミスとアルバート演じるケヴィン・ジェームズの軽妙な会話とコミカルな動きが息もピッタリで面白く、まさに名コンビだと思いました。

劇中でヒッチがアルバートのダンスを見守るシーンがあるのですが、これが本当に下手くそダンスで面白く「見事な演技だなぁ~」と思っていたら、このシーンでのダンスは、全部ケヴィン・ジェームズが即興で作ったものだというのが、特典映像のメイキングを観て判明し、「演技ではなく本当にダンスが下手くそだった」という事が分かり更に笑ってしまいました。

他にも、ヒッチのアドバイスでアルバートがエステに行き、背中の毛を悲鳴を上げながら抜かれているシーンや、アルバートがキスの仕方をヒッチから習っていて本当にキスをしてしまうシーンでは、思わず「プッ」と笑ってしまいました。

女性に対して自信満々のヒッチも昔はとてもダサく、やっと出来た恋人にも無惨に捨てられ、その経験を元にモテない男達の恋愛の手助けをしているという彼の設定にも好感が持て、良く出来ていると思いました。

ウィル・スミスが主演をしている映画は、彼の話す言葉だけでも充分楽しめるので、私としては、「ハズレ作品が少ない俳優」とイメージを持っているのですが、まさにこの作品は、ウィル・スミスの会話や仕草を大いに楽しめるコミカルな作品に仕上がっていると思います。

特に、ヒッチがホタテに当たり男前のウィル・スミスの顔がどんどんブサイクになっていく過程は何度観ても笑えるとシーンだと思います。

少し気になったのが、ウィル・スミスの恋人・サラ役としてエヴァ・メンデスが出演しているのですが、あまり私の好みではなく、最後にサラの妹・マリア役で出てきた女優さんの方がはるかに綺麗だと感じてしまいました。

女性は、この作品を観るだけで「男が女性を誘うまでのドキドキ感や自信の無さ」が分かって楽しいと思いますし、男性は「どうやったら好きな女を落とすことができるのか?」を知ることが出来るので、男女共々、観て損の無い作品だと思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

ほとんどが、男性目線で作られているので私にはとても参考になり、今後の女性へのアプローチに大いに役立てようと思いました。

本当にヒッチのような「デート・ドクター」という職業が存在するのかは分からないですが、あれほど的確にアドバイスを与え、自分も一緒になって行動してくれる良心的な恋愛アドバイザーがいれば、「かなり流行るだろうなぁ」と真剣に考えてしまいました。

だから、この作品は「今より、少しでも女性にモテたい!」と切に願っている男性の方々と「気弱な男性が好きな女性をデートに誘うまでの大変さを観てみたい!」という女性の方々におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「ニューヨークの恋愛事情も結構大変なんだなぁ~」と少しだけ同情してしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。












エターナル・サンシャイン

2005-10-29 23:23:18 | 映画 ア行
DVDで、ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルステン・ダンスト、イライジャ・ウッド 出演の「エターナル・サンシャイン」を観ました。

●ストーリー
ジョエル(ジム・キャリー)はある朝目覚め、会社に向かう駅のホームで、急にモントークに行きたくなり、走ってモントーク行きの列車へ飛び乗ってしまう。

どこへ行くとなく、冬の寂しい海を見つめているとオレンジ色のパーカーを着て青く髪を染めた女性が目に入る。

しばらく海で時間を潰し、モントーク駅で帰りの電車を待っていたジョエルは、海で見たさっきの女性がやって来るのを見つける。

ジョエルは電車に乗り込んでからも、何故だかパーカーの女性の事が気になり、彼女のスケッチをチラチラ見ながら描いていた。

すると、ジョエルの視線に気が付いたその女性が彼に挨拶をして、話しかけて来た。

彼女はクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)だと名乗り、勝手に色々な話をし始める。

会話をしていくうちに、お互いの行き先が同じで、ジョエルがよく行く本屋でクレメンタインが働いている事などもあって、2人の会話は次第に弾んでいく。

間もなく2人は恋人同士になり、幸せな時間を過ごしていたのだが、バレンタインデーを前にしたある日、ふとした事でケンカをしてしまいクレメンタインが部屋を出て行ってしまう。

そんなある日、ジョエルは「クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。今後、彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。ラクーナ社」という手紙を受け取る。

仲直りしようと思っていたジョエルは、クレメンタインが自分との記憶を消去してしまったことを知りショックを受ける。

クレメンタインとの思い出に苦しみ、ついに彼女の事を忘れようと決断したジョエルは、自分もクレメンタインの記憶を消し去るべく、ラクーナ医院を訪れるのであったが……。

●感想
いや~、久しぶりにやられてしまいましたね~!チャーリー・カウフマンの不思議な世界に!

私は、同じ日に同じ作品を2度観る事をほとんどしない人なんですが、この作品は最初に観た時、あまりにも「?????」状態だったので、2度続けて観ざるを得ませんでした。

でも2度観て正解でした!
「?????」部分が全て理解出来ましたし、細かいところの描写も「なるほどね~」と感心しながら観れたので、この作品の本当の面白さが分かったと思います。

でも、さすがにチャーリー・カウフマンが6年も練って作った脚本なんで良く出来てますよね。
冒頭からの巧妙な仕掛けにまんまとハマってしまいましたからね~。

この作品は、気を抜いて観ていると私みたいに「?????」状態になってしまうと思いますので、時間の無い人は、最初から最後まで集中して観ることをおすすめします。

ジム・キャリーは、個性的な彼らしくない、無口で内気な男の役でビックリしたのですが、これはこれで中々シックリ来ていて「ジム・キャリーも演技の引き出しが多いなぁ~」と感心致しました。(でも、個人的には「レモニー・スニケット~」のオラフ伯爵の様なブッ飛んだコミカルキャラを演じているジムが大好きなんですけどね。)

ケイト・ウィンスレットも「タイタニック」後は少し苦労をしたみたいですが、最近は演技の実力もついたせいなのか、少しヒステリックで我がままなクレメンタインを上手く演じていたと思います。

キルステン・ダンストも「エリザベスタウン」よりは、彼女に合ったキャラを演じていた様に思えましたし、イライジャ・ウッドも丸坊主にして「ロード・オブ・ザ・リング」のイメージを早く消し去ろうと頑張っているように見えました。

この作品を観た後で「彼女が自分の記憶を消してしまったら、自分はどうするだろう?」と考えたのですが、どんなに嫌な思い出ばかりで、ケンカ別れしたとしても、私は次の恋愛の参考の為に、絶対に記憶を消したりはしないでしょうね。

せっかく苦労して得た貴重な経験を1日で消してしまうなんて、すごく勿体無い気がして私には到底出来ない事ですね。

でも、男って結構、私の様に考える人が多いんじゃないでしょうかね。
だから、男の方がいつまでも女々しく、別れた恋人の事を引きずってしまうんだと思うのですが…。

だから、恋人がいる人は一緒にこの作品を観て「もし、私があなたの記憶を消してしまったらどうする?」って聞いてみるのも面白いんじゃないでしょうか。(相手から、サラッと「すぐ消す!」なんて危険な答えが返って来る事も充分考えられますので、本当に聞く際は、くれぐれもご注意下さいませ。)

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

私が観たチャーリー・カウフマンの脚本作品では「アダプテーション」より良く「マルコビッチの穴」ほど楽しめなかったのでこの点数に致しました。

点数は80点ですが、観た後に不思議な余韻の残る印象深い作品だと思います。
特にラストシーンで雪の中を戯れるジョエルとクレメンタインを観ていると「今度は仲良くやって欲しいなぁ」と二人の明るい未来を望まずにはいられませんでした。

毎回、チャーリー・カウフマンの書いた作品を観るたびに「この人の独特でユニークな発想はどこから来るんだろう?」と驚いてしまいます。

しかし、私と同じようにチャーリー・カウフマンの書く作品が大好きなジム・キャリーが、ノーギャラに近い額でこの作品に出演していたことを知って更に驚いてしまいました。

だから、この作品はケンカをしてしまって別れる危機にある恋人達と髪の毛を次々と派手な色に変える彼女と付き合っている方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが「一度好きになった人なら、記憶を消してしまっても、また好きになるんだろうなぁ~」と何となく考えてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。






バタフライ・エフェクト

2005-10-28 23:53:15 | 映画 ハ行
DVDで、アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート、ウィリアム・リー・スコット、エルデン・ヘンソン 出演、エリック・ブレス、J・マッキー・グルーバー 監督作品の「バタフライ・エフェクト」を観ました。

●ストーリー
幼い頃から、原因不明の記憶喪失を度々起していたエヴァン(アシュトン・カッチャー)は、治療の為、精神科の医師の指示に従い、毎日の出来事を日記につけていた。

エヴァンが13歳の頃、幼馴染みのケイリー(エイミー・スマート)、トミー(ウィリアム・リー・スコット)、レニー(エルデン・ヘンソン)とダイナマイトを近所の家のポストに仕掛ける悪戯をしている時、誤ってその家の母親と赤ちゃんを死亡させる大事故を引き起こしてしまうが、ダイナマイトが爆発する瞬間、またしてもエヴァンは記憶を消失してしまう。

この事件が起こり、街の治安に不安を抱いたエヴァンの母・アンドレア(メローラ・ウォルターズ)が引っ越すことを決断した為、エヴァンは初恋のケイリーに「迎えにくる!」と伝え、街を離れる。

時が経ち、大学生となったエヴァンは、記憶を失う事も無くなり、平穏な大学生活を送っていたのだが、ある日、恋人がベットの下から偶然に見つけた、幼い頃の日記を読んで欲しいとせがまれ、彼が仕方なく読み返した瞬間、突然13歳のあの事件の現場にタイムスリップし、失っていた大事な記憶を取り戻す。

間もなく現実世界へと帰ってきたエヴァンは、ケイリーの事が気になり、彼女の街まで会いに行き、その後の不幸な運命を知ってしまう。

なんとかケイリーを不幸な現実から救い出したいと思ったエヴァンは、再び幼い頃の日記を読み返し、過去にタイムスリップするのだったが……。

●感想
映画公開時に評判が良く、「観に行こう!」と思っていたのですが、公開最終日に急用が入ってしまい劇場に行けなかったので、DVDが出るのをとても楽しみにしていた作品を今日やっと観る事が出来ました。

私が大好きな作品である「デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2」の監督と脚本を手がけたエリック・ブレスとJ・マッキー・グルーバーがこの作品でも監督と脚本を務めているだけあって、とてもストーリー展開が速く、最後まで楽しんで観れました。

DVDにはオリジナルエンディングの他にも「ストーカー編」「ハッピーエンディング編」が収録されているのですが、私としては、オリジナルエンディングが話の流れからして一番良いのではないかと思いました。

この作品に出演している俳優さん達の事は詳しく知らないのですが、同じ役で違った性格を演じなければならなかったり、衣装や髪型、ヒゲなどを変えて何度も撮影するのが大変だったみたいです。

特に、レニーを演じたエルデン・ヘンソンは体重まで増減し役作りに励んだそうです。

前の作品でも感じたのですが、あまり有名な俳優を使わず、効果的なCGとカメラワークで良い作品を作り出してしまうエリック・ブレスとJ・マッキー・グルーバー のコンビには脱帽してしまいます。

本作品のヒットにより、今後の彼らの活躍が益々楽しみで「次はどんな作品を作ってくれるのだろう?」と考えただけでもワクワクし、私的には、この名コンビの次回作を「早く観たい!」という気持ちでいっぱいです。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

時間軸を上手く利用し、よく練り上げられた脚本と演出で観ている者を納得させる監督達の実力は大したものだと思います。

前半で上手く伏線を張っているで、中盤から後半にかけてもダレる事なく最後まで楽しめる作品だと思いますので、レンタルショップに行って「どれを借りようか?」と迷った時には、手にとって欲しい作品です。

だから、この作品は今までに「過去に戻ってやり直したい!」と真剣に考えた事のある方と幼い頃から、よく記憶を失ってしまうという方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「愛し合っていても、一緒にならない方が幸せになれるのって、何だか複雑だなぁ~」ってシミジミ考えてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。

エリザベスタウン

2005-10-27 23:46:50 | 映画 ア行
試写会で、オーランド・ブルーム、キルステン・ダンスト、スーザン・サランドン、ジェシカ・ビール 出演の「エリザベスタウン」を観ました。

●ストーリー
大手シューズメーカーのデザイナーとして、長い年月をかけて開発した新しいシューズがまさかの不評を受け、商品の返品が相次ぎ、ドリュー(オーランド・ブルーム)は会社に多大の損害を与えた責任をとらされ解雇される。

会社社長・フィル(アレック・ボールドウィン)の企てにより6日後には、この多大な損失を招いた責任者として、ドリューのコメントがビジネス紙で公表されることに決定し、ドリューは失意のどん底に落とされてしまう。

すべてを失い、死ぬ事を選んだドリューは、エアロバイクを改造し、ナイフが自分の胸を突き刺す装置を作り、電源のスイッチを押そうとした時、彼の携帯電話の着信音が鳴る。

しばらくして、電話は切れるのだが、ドリューがスイッチを押そうとする度にしつこく電話が鳴り、あきれたドリューは電話に出ることにする。

電話は実家から掛かって来ており、涙に声を詰まらせる妹から父の死を知らされる。

失業に加え、父の死の報告を受け、度重なる失意を抱えながら、ドリューは母の言い伝えに従い、お気に入りのスーツを着せた父の遺体を火葬にする為、故郷であるケンタッキー州の小さな街、エリザベスタウンへと出発する。

ケンタッキーに向かう機内で、よく喋る客室乗務員のクレア(キルステン・ダンスト)と親しくなり、エリザベスタウンまでの詳しい地図を書いてもらったドリューは、空港に着くとレンタカーを借り、エリザベスタウンまでの遠い道程を、車で走り始めるのであったが……。

●感想
主人公のドリューと同じく、私も今年、父を亡くした事もあり、この作品のテーマに惹かれ、「主人公がどのように自分の気持ちを立て直していくのか?」に興味を持ち、観に行く事を決めたのですが、あまりにも死の描き方が軽いのにビックリし、予告編で感じた作品の内容と本編とのあまりの違いにショックを受け、ガッカリしながら帰って来ました。

仕事の大失敗から職を失って、エリザベスタウンに辿り着くまでは、ドリューの苦悩が伺えて結構面白かったのですが、その後の内容があまりにも軽すぎて、「父親が死んだ悲しみはどこに行ったの?」と尋ねたくなるくらいお気楽な内容でした。

オーランド・ブルームのファンの方は彼の喜怒哀楽の演技が、たくさん観れるので大変楽しめる内容だと思うのですが、そんなにオーランド・ブルームのファンでは無い私にとっては、ストーリーの内容に物足りなさを感じる作品でした。

ドリューと恋に落ちる客室乗務員のクレアを演じたキルステン・ダンストに「スパイダーマン」スリーズや「ウィンブルドン」で演じたヒロインの様な魅力を感じられなかったですし、ドリューの恋人エレン を演じたジェシカ・ビールも「ステルス」ほど華やかさが感じられず、「下手に化粧しない方で、ポニーテールにした方が綺麗なんじゃないの?」って思ってしまいました。

そんな女優陣の中で、一番印象に残ったのは、ドリューの母親・ホリーを演じたスーザン・サランドンの葬儀でのスピーチですね!

ありきたりな亡くなった夫の思い出話をするのではなく、下ネタの入った笑えるスピーチとダンスが夫への愛情の深さをより一層感じさせ、見応えのある良いシーンだと思いました。

その他はどうなんですかね?やたらとクレアを追い掛け回すドリューの姿が印象に残り「本当にあなたは、死のうとするくらい悩んでるの?」って疑いたくなりました。

●採点
私のこの作品に対する評価は40点です。

「あの予告編でこの内容は無いんじゃないの!」って言いたくなるくらい予告編に騙されてしまったのでこの点数に致しました。

もっとシリアスな内容で「あわよくば涙もポロリと流せるのかなぁ~」と期待していたのですが、泣くどころか鼻で笑ってしまうシーンが多かったです。

変てこな自殺マシーンを自分で作り上げてしまうほど、人生に絶望していた若者が、偶然出会った女性のおかげで僅か5日間位でスッカリ元気になってしまうんですから、愛の力って偉大ですよね~。

だから、この作品はオーランド・ブルームの大ファンであるという方と機内で客室乗務員のお姉さんにナンパをされた事のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですけど、「大手企業ほどトカゲのしっぽ切りは上手いよね~」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。


レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

2005-10-26 23:52:05 | 映画 ラ行
DVDで、ジム・キャリー、エミリー・ブラウニング、リアム・エイケン、メリル・ストリープ 出演の「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」を観ました。

●ストーリー
ボードレール三姉弟妹のヴァイオレット(エミリー・ブラウニング)、クラウス(リアム・エイケン)、サニー(カラ&シェルビー・ホフマン)は、裕福な両親と共に何不自由の無い幸せな生活を過ごしていた。

そんなある日、浜辺で遊んでいた三姉弟妹の元へ銀行家で遺産管理人のミスター・ポー(ティモシー・スポール)がやって来て、自宅が突然の火事により全焼し、両親が焼死したことを告げられるのだった。

巨額な遺産を相続した三姉弟妹であったが、法律により、ヴァイオレットが成人になるまで遺産を使う事が出来ず、身寄りのいない三姉弟妹は、今までに会った事も無い、遠縁に当たる親戚のオルフ伯爵(ジム・キャリー)に預けられる事になる。

間もなく、欲張りで邪悪なオルフ伯爵が、自分達を亡き者にし、遺産を奪おうと企んでいる事に気づいた三姉弟妹は、力を合わせて、オルフ伯爵の計画を防ごうとするのだが……。

●感想
いや~、面白いですね~、この作品は!とても気に入りました!
映像のトーンといい、俳優といい、ストーリーといい、全てが上手く繋がっていて、最後まで楽しんで観る事が出来ました!

俳優でいうと、オルフ伯爵のジム・キャリー、ボードレール三姉弟妹のエミリー・ブラウニング、リアム・エイケン、カラ&シェルビー・ホフマン、ジョセフィーンおばさんのメリル・ストリープが良い演技をしていますね~!

オルフ伯爵なんてジム・キャリーの為に作られたような役で、演技の80%はジムのアドリブで成り立っているというのがスゴイですね!

映像特典のメイキングで、監督と話しながらオルフ伯爵の役作りをするジム・キャリーは面白かったです!
メイキャップをしながら役に成りきって行くのは、やはりプロですね~!

エミリー・ブラウニングも可愛らしい表情でシッカリしたヴァイオレットを好演していましたし、リアム・エイケンも利口そうな顔立ちなので、頭の良いクラウス役にピッタリだったと思います。

そして、何でも噛みついてしまう末っ娘・サニーを演じたカラ&シェルビー・ホフマンの時折見せる笑顔と超自然体の演技に心が癒されました。

ちなみにこのサニーの役はカラ&シェルビー・ホフマンの双子以外にも、顔が映らないシーンなどでは、複数の子役が代役となり撮影されたそうです。

NGシーンでオスカー女優メリル・ストリープの前で爆睡するシェルビーの度胸が凄かったです。
多分、彼女以外がこんなNG出したら、映画界から追放されてしまうでしょうね。

メリル・ストリープの外出するのが嫌いで、電化製品が苦手な、ちょっと変わったジョセフィーンおばさんの演技も面白かったです!

コミカルな役も起用にこなすメリル・ストリープは、さすがですね!
これからも、もっとコミカルな役を演じて欲しいと思いました。

オープニングのアニメや観客に他の作品を勧めるオチャメな演出も好きになりまし、エンディングのオルゴールの様な曲や独創的な影絵風のアニメーションが良く、とても凝って作られているのを感じました。

劇場でこの作品を観た方も、特典映像の未公開シーンやNGシーンがとてもいい出来なので、DVDで再度観て欲しいと思う作品でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は85点です。

劇中では、ヴァイオレットがオラフ伯爵との婚姻届にサインをするシーンにドキドキし、ラストのボードレール三姉弟妹の安らかな寝顔に心安らぎました。

俳優の演技と脚本の構成がシッカリしており、とても見応えのある作品でした。

特に、ボードレール家が火事になった原因の小道具をオラフ伯爵の復讐にも使うところは、「上手く話を繋げているな~」と感心致しました。

だから、この作品は不思議な雰囲気のある面白い作品を探している方とジム・キャリーの怪しい演技が大好きだと言う方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、『ジョセフィーンおばさんの家に住むくらいなら、「どろどろ洞窟」に住む方を選びます!』って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。








ブラザーズ・グリム

2005-10-25 23:03:36 | 映画 ハ行
試写会で、マット・デイモン、 ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチ 出演、テリー・ギリアム 監督作品の「ブラザーズ・グリム」を観ました。

●ストーリー
時代は19世紀のドイツ。
地方の田舎の村々を巡り、インチキな魔物退治をして、大金を稼ぐウィル(マット・デイモン)とジェイコブ(ヒース・レジャー)のグリム兄弟がいた。

村人達が見たと言う魔物の証言を元に、それに応じた巧妙な仕掛けを用いるので、グリム兄弟のインチキが純粋な村人達に見破られる事は無く、魔物退治屋として名声を広めていた。

しかし、そんなインチキもフランス軍の将軍・デラトンベ(ジョナサン・プライス)には通用せず、宿泊先の宿屋で捕まったグリム兄弟は、罪を許す換わりに、マハルデン村の森で起きている連続少女失踪事件の解明を命じられ、サディスティクなデラトンベの部下・カヴァルディ(ピーター・ストーメア)と共に謎の森へと足を踏み入れるのだったが…。

●感想
「12モンキーズ」の世界観と映像のトーンが大好きな私は、テリー・ギリアム監督の久々の作品である本作に大変期待を込めて、公開前の試写会に駆けつけたのですが、あまり楽しめず複雑な気持ちで帰って参りました。

「もしも、グリム兄弟が実際に体験した事を基にグリム童話の名作を書いていたとしたら!」と言う考えただけでもワクワクしてしまう発想には、とても共感できるのですが、無理やり多くのグリム童話を詰め込もうとしていて、全体的にまとまりの無い作品に感じられました。

予告編では、キレイなCG映像を使っていたので、もっと「アッ」と驚く視覚効果が使われているのかと期待して観ていたのですが、どれもどこかで観た事のある技術ばかりで、映像に目新しさは感じられませんでした。

キャスティングでも、マット・デイモンやモニカ・ベルッチなどの有名俳優を起用しているのですが、彼らがこれまでに出演して来た作品に比べて、そんなに強い印象は残らず「別に他の俳優さんでも良かったんじゃないの?」と思えるくらい彼らが演じるには可哀想なキャラ設定でした。

他のブログを読むと、「所々に小さな笑いどころが有り、何度かクスリと笑ってしまいました」なんて感想が多かったですけど、私が行った関西人が大多数を占める試写場内では、ラスト近くで1度「ハハハ」と軽く笑い声が上がっただけで、それまでは水を打ったように静まりかえっていました。

確かに笑いの小ネタが多かったのは分かりましたけど、それが面白かったかと言うと決して笑えるレベルのネタじゃなかったと思います。

特に井戸の中から、泥んこ魔物が出てきた時には、さすがに「ちょっと、それは無いやろ!」ってツッコんでしまいました。

まぁ、面白いというのであれば、カヴァルディを演じたピーター・ストーメアの動きですかね~。
キャラ的には準主役ながら、彼がよく目立っていましたし、劇中で一番美味しい思いをしたんではないでしょうか。

それから、衣装が良かったですね!モニカ・ベルッチが着ていた赤のドレスはとてもゴージャスだったし、グリム兄弟が着ていた黒のロングコートもとても格好良く、観ていて欲しくなってしまいました。

●採点
私のこの作品に対する評価は55点です。

「少し辛い!」と思われる方もいるとは思いますが、「テリー・ギリアムはもっと良い作品が作れる素晴らしい監督だ!」と私は思っていますので、叱咤激励する意味も込めて、今回は敢えてこの点数に致しました。

CGや視覚効果で魅せるのでも無く、ストーリーで唸らせるのでも無く、役者の演技で盛り上げるのでも無いので、どうしても見所の少ない内容の薄い作品に感じてしまいました。

観る前はもっと、鏡の女王とグリム兄弟が戦うシーンがメインに来るものだと思っていたのですが、これがほんの僅かしか無く、期待が大きく外れてしまい、大変ガッカリ致しました。

鏡の女王を演じたモニカ・ベルッチに至っては、登場してくるのがとても遅く、出番が少なすぎて物足りませんでした。

だから、この作品はデザイナー志望で様々なファッションに興味のある方と中世ヨーロッパの拷問シーンにエクスタシーを感じてしまうサディスティクな方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、『この作品のカヴァルディ(ピーター・ストーメア)のキャラって、仲間由紀恵 主演の「トリック」シリーズに出てくる刑事・矢部謙三(生瀬勝久)にどこか被ってない?』って色んな意味で思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。





パニッシャー

2005-10-24 23:35:21 | 映画 ハ行
DVDで、トム・ジェーン、ジョン・トラボルタ、ウィル・パットン 出演の「パニッシャー」を観ました。

●ストーリー
ある晩、FBI潜入捜査官・フランク(トム・ジェーン)が計画した密輸取引犯逮捕の現場で、思わぬ銃撃戦が勃発し、犯人の一人で裏社会のボス・ハワード(ジョン・トラボルタ)の次男・ボビー(ジェームズ・カルピネロ)が死亡する。

愛する息子を殺されたハワードは息子の死を招いた者に復讐すべく、自分の組織を利用し、フランクの正体と居場所を突き止めさせる。

間もなく、ハワードはプエルトリコで家族や親族一同と休暇を楽しんでいるフランクを見つけ出すと、信頼を寄せる部下のクエンティン(ウィル・パットン)にフランクの家族全員の抹殺を指示する。

今までの過酷な任務を振り返り、家族や親族と楽しいひと時を送れる幸せを噛みしめるフランク。
その時、激しい銃声が聞こえ、フランクは母親が床に倒れ込む姿を父親と共に目撃する。

急襲して来たハワードの部下達は容赦なく、次々とフランクの親族を殺害して行く。
家にいたフランクと父親は銃を取り、懸命に反撃するが父親も相手の銃弾に倒れてしまう。

それまで、ボートの下に隠れていたフランクの妻と息子が、車に乗り込み助けを求めに行ったのを、ハワードの部下が見つけ、すぐさまその後を追跡する。

それを見たフランクもすぐ側にあったバイクに跨り、妻と息子の後を追うのだが、一足遅く、桟橋で二人の亡骸を目の当たりにする。

冷たくなった妻と息子を抱き上げ、悲しみに暮れるフランクの前に部下を伴ったクエンティンが現れ、容赦なくフランクに銃弾を撃ち込むとガソリンに火を点け、桟橋ごと彼を吹き飛ばしてしまう。

爆風で海中に落ちながらも、奇跡的に救出されたフランクは、ハワード達に報復すべく静かに行動を開始するのであったが……。

●感想
この作品は、以前にもテレビでやっていたそうですが、見逃してしまった私は、今日初めて観させてもらいました。

制作費が2800万ドルしかなかったらしく、あまり有名な俳優は出ていないのですが、主人公の敵となる重要な役をジョン・トラボルタが好演しているので、作品全体が締まって良いキャスティングだと思いました。

はっきり言って主役のトム・ジェーンの事はあまり知らず、モーガン・フリーマンの出演していた「ドリーム・キャッチャー」にも出ていたそうなんですが、残念ながら私の記憶の中に、彼の存在は残っていませんでした。

初めてトム・ジェーンを見た時、一瞬『「サスペクト・ゼロ」で主役を演じたアーロン・エッカートじゃないの?』と思ってしまったのですが、よく見ると全く違う顔をしていました。

制作費が少ない割りには、アナログな爆発シーンやカーアクションを効果的に使っているので、CG無しにしては、良く工夫して作られていると感じました。

特典映像によると、格闘などのアクションシーンは、主役のケガを防止する為に、普通はスタントマンが代役で演じるそうなんですが、この作品では格闘シーンの99%を主役のトム・ジェーンが自分で演じたそうです。

そのトム・ジェーンが自分で演じた巨漢のロシア人との格闘シーンが結構良く出来ており、BGMにオペラを使うなどの演出も上手く、この作品の見せ場の一つとなっています。

他にも、ギターを弾く殺し屋が現れたり、車を爆発させドクロのマークを作る所などは、原作がアメコミらしい演出で面白いと思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

アクションに、もう少しパンチを利かせて欲しいとも思いましたが、久しぶりにアクション映画を観たせいか、思っていたよりも楽しめました。

ジョン・トラボルタが出演しなければB級作品ぽい出演者の顔ぶれなんで、悪役の核としてジョン・トラボルタを起用したのは大成功だと私は思いました。

それにしても、制作費の何%くらいがトラボルタのギャラに消えたんでしょうかね?
「良い役者は高くつく」っていうのは、全世界共通ですもんね。

それに引き換え、まだ知名度の低い、主役のトム・ジェーンは、作品に入る前に毎日9時間の銃やナイフ、格闘のレッスンを2ヶ月間も受け、クランク・インしてからは、自分でアクションシーンを演じるなど、1日16時間労働を50日も行い、かなりこき使われてしまったみたいです。

それだけ頑張っても美味しい所にだけ登場した、トラボルタのギャラに遠く及ばないなんて、なんだか可哀想な話ですよね。

だから、この作品はCGを一切使っていないアクション映画を観たい方とドクロマークの付いた黒いTシャツを持っている方のおすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、冒頭の銃撃戦後の死体安置所のシーンで「お前がフランクだったのか~!」って軽くだまされてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。




きみに読む物語

2005-10-23 22:56:07 | 映画 カ行
DVDで、ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローランズ、ジェームズ・ガーナー 出演の「きみに読む物語」を観ました。

●ストーリー
1940年、夏季休暇を利用して17歳の都会に住む令嬢・アリー(レイチェル・マクアダムス)はノース・カロライナ州シーブルックへ家族と共に遊びに来ていた。

そんな夜、地元の製材所で働く青年・ノア(ライアン・ゴズリング)が友人と遊園地に出かけた時、アリーと出逢い、一目で恋に落ちてしまう。

アリーの周りには数人の友人達がいるにも関わらず、ノアは彼女に接近し、自分とデートして欲しいと願い出る。

突然のノアの誘いを軽くかわし、他の男友達と観覧車に乗り込むアリー。

デートの誘いを断られたものの、まだ諦めきらないノアは、アリー達が乗り込んだ観覧車によじ登り、二人の間に強引に割り込んで座ると、なおもアリーをデートに誘い続けた。

何度誘っても、彼女からなかなかOKの返事がもらえず、考えたノアは、急に席を立つと目の前の鉄柱にぶら下り、「デートしてくれるまでは、ここを離れない」とアリーに迫る。

落ちれば死んでしまうかもしれない高さでぶら下っているノアに、危険を感じたアリーは、バカな行動を止めさせる為に、ノアからのデートの誘いを受け入れるのだったが……。

●感想
またしても、最近流行っている純愛感動ストーリーに「泣けるかも!」と期待をかけたのですが、残念ながら物語がストレート過ぎて、最後まで泣くことが出来ませんでした。

ノアとアリーがひと夏の恋に落ち、身分の違いや戦争で別れることになり、数年が過ぎアリーは婚約し、ノアはアリーの面影を引きずりながら、憧れだった家を手に入れ、立派な家に改築し、アリーが自分の元へ帰って来た時に備えて待つと言うのが中盤までのおおまかな話であります。

私が印象に残ったのは、終わった恋に対する女の潔さと男の未練がましさがよく描かれており、「男の女々しさは世界共通なんだなぁ~」って観てて思いました。

その後、結婚を前にしたアリーが新聞で偶然にもノアの写真が載っている記事を見つけて、彼に会いに行き、再び恋に落ち、金持ちで男前で両親のお気に入りで婚約者のロン(ジェームズ・マーズデン)とノアのどちらを選ぶんだ?という話になるんです。

ここまでは、観ている私も、ノアとアリーの付き合い始めてからのラブラブデートや2人が再会してから白鳥が何百、何千羽もいる湖にボートで漕ぎ出したりと、観ていて楽しくなるシーンが多くて、とても好きなんですが、中盤から二人の老後のネタバレが始まると、先の展開が読めるようになってしまい、一挙に冷めてしまいました。

何故だか、若い二人の話が急に終わり、いきなり老後の二人の話に変わってしまったので中盤までと後半以降で違う作品を観せられた気分になってしまいました。

●採点
私のこの作品に対する評価は65点です。

同じ病気を題材にした「私の頭の中の消しゴム」を先に観ていたので、「同じような感動を与えてもらえるんじゃないのかな~」と内心では期待していたのですが、内容は若くしてアルツハイマーを発病し、愛する人と別れざるを得なくなってしまう「私の頭の中の消しゴム」の方が遥かに切なくて、子供や孫が出来てからアルツハイマーになってしまったこの作品の主人公には、「老化現象の為で仕方の無い事」としか思えず、残念ながら感情を移入して観るまでには至りませんでした。

主人公達は不幸どころか、「老人になってもこんなに愛してくれる人がいたり、愛せる人がいるなんて幸せな人達だなぁ~」と私には思えました。

オチも「まさか!」って疑いたくなるほどのストレートなもので、ここまでストレート過ぎると、どうしても「ベタやなぁ~」って言いたくなってしまいました。

だから、この作品は一途に一人の人を愛する事の大切さを知りたい方と中盤で先の展開がほとんど読めてしまう純愛映画に耐え切れる自信のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、湖にたくさんの白鳥が映っているシーンで「アヒルも結構いたんじゃないの?」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。

マスター・アンド・コマンダー

2005-10-23 06:11:26 | 映画 ヤ行
DVDで、ラッセル・クロウ、ポール・ベタニー、ビリー・ボイド、マックス・パーキス 出演の「マスター・アンド・コマンダー」を観ました。

●ストーリー
1805年、ナポレオン率いるフランスがヨーロッパ全土を席巻しようとしていた。
その勢力は海上にもおよび、フランスのアケロン号は圧倒的なスピードと火力で、幾多の敵戦艦を海の藻屑として葬り去っていた。

その劣勢を打開する為、ジャック・オーブリー船長(ラッセル・クロウ)が乗り込む英国海軍サプライズ号は、祖国からアケロン号の拿捕または破壊の命令を受けて、遠く離れた海上で捜索活動を行っていた。

そんな霧の深い夜、当直仕官が船影らしきものを発見し戦闘態勢を発令する。
その状況を察知したジャックは、素早く甲板に駆け上がり、自分の目で敵船を確認しようと望遠鏡を覗くのだが、深い霧に阻まれ、敵船を見つける事は出来なかった。

しばらく、捜索を続けたジャックが諦めて船室に戻ろうとした時、左舷に赤い閃光を発見する。
霧が切れているその光の元には、捜し求めていた敵艦アケロン号の姿があった。

危険を感じて、乗組員に「伏せろ!」と叫び声を上げるジャック。
その声が止むのと、同時にアケロン号から放たれた砲弾が次々と、サプライズ号を直撃していく。

思ってもいない奇襲攻撃に、次々と乗組員が吹き飛ばされ、船は破壊されていく。

“幸運のジャック”と呼ばれ無敗を誇っていたジャックは、この危機を回避し、何とか反撃に転じようと乗組員達に次々と指示を与えていくのだが……。

●感想
冒頭の壮絶なアケロン号との接近戦に迫力を感じ、これから更なる激しい展開を期待したのですが、冒頭のようなスリルを感じるシーンは無く、イマイチ盛り上がりに欠ける印象を持ってしまいました。

昨日、「ウィンブルドン」を観た為、二日連続でポール・ベタニーの演技を観る事になったのですが、この作品では、船医で生物学者でもあるインテリのスティーヴンを好演しており、「なかなか、しっかりとした演技も出来る役者さんなんだなぁ~」と感心してしまいました。

今回もラッセル・クロウは、戦うリーダー・ジャック船長を演じているのですが、これまでの役柄に比べてイマイチ迫力が感じられず、私の中では印象が薄いキャラになってしまいそうです。

全体を通じて何を伝えたいのかが、最後までハッキリせず、そんなに感動出来るシーンも無い為、敵船と戦って何となく終わってしまったと言う印象が強い作品です。

海の上で戦う軍艦の話しなので、ヒロインどころか女性がほとんど登場せず、全く華やかさが無いので、男性には少しガッカリな作品に映るかもしれません。

この作品を観ると、『海軍の潜水艦にも関わらず無理やり女性を乗せる設定にした「ローレライ」は成功だったな~』って思えました。

クライマックスの白兵戦でも、ほとんどみんな同じ様な服装をしている為に、誰が敵で、誰が味方なのかハッキリせず、何がなんだか分からないシーンになってしまっているのが非常に残念に思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は60点です。

最初の戦いで、霧の中から突如、攻撃を仕掛けて来る、敵艦アケロン号の不気味さが良かったのですが、ストーリーが進むにつれ、姿をハッキリ現して行く為、どうしても冒頭の様なインパクトを感じる事が出来ず、作品的に尻すぼみに終わってしまっている感じが強かったです。

戦闘シーン以外で印象に残っているのは、船医のスティーヴンが麻酔なしで自分の腹の中に打ち込まれた銃弾を摘出したシーンとガラパゴス諸島に上陸した時に登場する陸ガメの巨大さですね。

後は、やたらとガラパゴス周辺を行ったり来たりし、上陸するとかしないとかで、何度も揉めていたので「どうでもいい事で、ちょっと主題からズレているんじゃないの?」っていう印象が強く残ってしまう作品となってしまいました。

だからこの作品は、昔の帆船が大好きな方とガラパゴス諸島の生物に興味がある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「ジャック船長は敵に刺されたはずなのに、どうして元気でいられるの?」って不思議に思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。