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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

ローズ・イン・タイドランド

2006-07-13 18:35:53 | 映画 ラ行
映画館で、出演:ジョデル・フェルランド/ジェフ・ブリッジス/ジェニファー・ティリー/ジャネット・マクティア/ブレンダン・フレッチャー/原作:ミッチ・カリン/脚本:テリー・ギリアム/トニー・グリゾーニ/監督:テリー・ギリアム/作品『ローズ・イン・タイドランド』を観ました。

●感想
 ・テリー・ギリアムには前作の『ブラザーズ・グリム』で期待を裏切られたので、今度は色々な方のブログ記事を読んでから劇場に行くかどうかを決めようとしたのですが、賛否が分かれており、あまり参考にならず、思い切って観て参りました。

 ・平日のナイト上映を観に行ったのですが、120席の劇場の7割くらいの入りに少しビックリしながら「この映画に何を期待してみんなは観に来ているんだろう?」って聞きたくなってしまいました。

 ・それにしても、テリー・ギリアムらしい不可思議な映画でしたね~!ヒロインのジェライザ=ローズ(ジョデル・フェルランド)を始め、主要な登場人物の全てが異常な行動しかしないんですから~!ストーリー性を重視する私にはちょっと付いて行けませんでした……。

 ・ストーリーのほとんどがジェライザ=ローズの空想を基にして作られており、そこにパパ(ジェフ・ブリッジス)とママ(ジェニファー・ティリー)の死や引っ越し先の奇妙な隣人・デル(ジャネット・マクティア)やディケンズ(ブレンダン・フレッチャー)とのエピソードが織り交ぜられ、たまにリスやウサギが登場するって感じでした。

 ・ジェライザ=ローズを演じたジョデル・フェルランドも良かったのですが、頭のおかしいディケンズを演じたブレンダン・フレッチャーの頑張りが私には印象に残りました。あとは大草原や川などの空虚感のある風景とホラー映画に出てきそうな寂れた家と不気味な形の木が良い味を出していた様に思います。

●採点
 ・私的評価……40点(正直言って、ヤク中の両親を持つ10歳の少女のぶっ飛んだ空想にロリコン趣味のない私が117分も付き合わされるのはとても苦痛でした……。宣伝では現代版『不思議の国のアリス』などと言っておりますが、その言葉を鵜呑みにしてしまうと大変な目に遭うと思いますので、これから観ようと思われている方は、どうか御注意下さいませ。でも、今日来ていた女性のほとんどが『不思議の国のアリス』という言葉に釣られて来たんでしょうね~、劇場を足早に後にする彼女達に映画の感想を聞いてみたかったです。)

 ・聞くところによりますと、この作品をテリー・ギリアムは活き活きとしながら作っていたそうですが、見所が変な登場人物と2度の爆発だけというのは、映画としてどうなんでしょうか?『未来世紀ブラジル』『フィッシャー・キング』『12モンキーズ』はスキだけど、『ブラザーズ・グリム』と『ローズ・イン・タイドランド』はダメですね~、そういう意味でテリー・ギリアム作品は「アタリとハズレの差が激しい!」という印象を更に強める結果となってしまいました……。

 ・と言う訳でこの作品は、空想癖のかなり強い方と「親友は人形の首だけ!」って方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、ジェライザ=ローズに対して「お前は小悪魔か~!」って小一時間くらい説教したくなったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

2006-02-01 21:45:36 | 映画 ラ行
DVDで、出演:ショーン・ペン/ナオミ・ワッツ/ドン・チードル/ジャック・トンプソン/マイケル・ウィンコット/脚本:ケヴィン・ケネディ/ニルス・ミュラー/監督:ニルス・ミュラー/作品『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』を観ました。

●ストーリー
1973年、サム・ビック(ショーン・ペン)は、別居中の妻マリー(ナオミ・ワッツ)と3人の子供を取り戻すため、事務器具のセールスマンとして再就職するのだが、不誠実な上司の販売の方法に納得出来ず、思うように成績を上げられずにいた。

そんなサムにとって、口先だけで大統領にまで登り詰めたリチャード・ニクソンは、アメリカを悪しき国に導く不誠実な存在にしか見えなかった。

やりきれない毎日の仕事を愚痴るサムに、親友の黒人ボニー(ドン・チードル)は、仕事を続けるよう説得する。

そんなある日、裁判所から突然マリーとの婚姻解消通知が届き、サムは激しく動揺する。

間もなく、計画していた移動タイヤ販売の為のローンも却下され、追い詰められたサムは、ヘリでホワイトハウスに侵入した軍人のテレビニュースを目撃し、リチャード・ニクソンに対するある思いが芽生えていくのだった……。

●感想
理想と違う人生を歩み、全てを失い、やがて世の中に絶望し、暴走してしまうサム・ビックの姿がとても切なかったです。

多くの人が、理想と違う毎日の生活を妥協し、折り合いをつけながら生きていると思うのですが、もし、上手く折り合いをつける事が出来なかったらサムの様になってしまうのかも知れませんね。

そう考えると、決して他人事ではない様に思えました。

私も経験があるのですが、生理的に会わない人間が自分の上司になるっていうのは、精神的にとてもキツイです。

もう、本当に毎日が地獄の様に感じて「コイツが死んだら俺は楽になるのに!」と顔を合わす度に、私は本気で思っていました。

どちらかと言うと人に合わせて行動する事が得意なんですが、人生の中でこの人だけは「ちょっと無理!」って思いましたね~。

結局は上司との関係が悪化してしまい、私はこの会社を辞めたのですが、今になって考えると、この時に辞めて正解だったなと思います。

だから、嫌な上司の元で我慢して働くサムの気持ちがよく分かり、観ていて昔の自分を思い出してしまいちょっと辛かったです。

でも、子供と奥さんの為にもサムには何とか頑張って欲しかったんですけどね~。
もう少し我慢していれば、事態が好転するって事も往々にしてあるんですから。

サムの様にナイーブ過ぎる人には、今の社会で生きて行くのは辛いでしょうね。
理想通り行かない事が多い世の中で、自分の理想でしか生きて行く事が出来ないんですからね。

そう考えると自分の失敗の全てをリチャード・ニクソンのせいにして、テロを起こそうとしたのも自然な流れだったんでしょうね。

未遂に終わったとはいえ、今から30年も前に9・11事件と同じ事を考えていたアメリカ人が実在した事に驚き、自分にとっては色々な事を考えさせられる印象的な作品でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

サム・ビックがハイジャクに至るまでの過程をドキュメンタリータッチで丁寧に描かれているので、とて見応えがありました。

なんと言っても、サムを演じたショーン・ペンの演技が凄かったです!
『アイ・アム・サム』での演技も「上手いなぁ~!」と思ったのですが、こちらのサムの演技もすっかり見惚れてしまいました。

社会に上手く適応出来ず、おどおどしながら毎日の生活を送っているサムの姿がとても痛々しく、ショーン・ペンが本物のサム・ビックに見えて仕方ありませんでした。

と言う訳で、この作品はショーン・ペンの気合の入った迫真の演技を観たい方と職場で嫌な上司に悩まされている方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、この作品は「ショーン・ペンにしか出来ない、ショーン・ペンの為に作られた映画だなぁ~」って感じてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

隣人13号

2006-01-07 20:51:55 | 映画 ラ行
DVDで、出演:中村獅童/小栗 旬/新井浩文/吉村由美/石井智也/松本 実/劇団ひとり/村田 充/三池崇史/原作:井上三太/脚本:門 肇/監督:井上靖雄/作品『隣人13号』を観ました。

●ストーリー
村崎十三(小栗 旬)は、古びたアパートの13号室に引っ越して来た。
それは、同じ日に23号室に引っ越してきた、小学生時代の同級生・赤井トール(新井浩文)にいじめられた復讐を果たす為であった。

十三の事を、何も知らず引っ越して来た赤井と同じ建築会社にバイトとして潜り込んだ十三は、赤井に復讐する機会を伺っていたのだが、ある日、自分の中に「凶暴なもう一人の自分」がいる事に気付く。

その「凶暴なもう一人の自分」は、次第に十三の中で大きくなり、ついにアパートの隣に住む金田(三池崇史)を殺害してしまうのだったが……。

●感想
いや~、レンタルが始まってから、ずーっと「早く観たい!」と思っていたのですが大人気でいつも貸し出し中……。
それでも念願が叶って、やっと観る事が出来ました!

この作品は主役の小栗 旬くんと中村獅童さんのキャラにギャップがあるのが良いですよね~。

冒頭の重い雲が空を覆い隠し、荒涼とした平原にある古い小屋の赤い映像の中で、苦痛を受けながらも悦楽の表情を見せる全裸の十三を突然入って来た「13号」(中村獅童)が尻を叩きながら外に追い出すシーンから画面に釘付けにされました!

赤井の部屋に盗聴器を仕掛け、行動をチェックしながら残忍な殺人を犯す「13号」の狡猾と異常が入り交ざった恐怖が斬新でした!

だんだん自分の中にいる「13号」を抑えられなくなり不安に駆られる十三役を、温厚な好青年のイメージがある小栗 旬くんが素っ裸になりながらも熱演してましたね~。

小栗 旬くんはこれまでの出演作品の中で一番の頑張りだった様に見えましたね~!

個人的には、小栗 旬くんにはこれからもっと狂気に満ちた役とか、荒くれ者の役に挑戦してもらって演技の幅を広げていって欲しいです。

そういう意味では今回の中村獅童さんとの競演は彼にとって貴重な経験になったのではないでしょうか。

中村獅童さんは、「13号」の異常さを持ち前のキレる演技で上手く演じてましたね!

『いま、会いに行きます』の内気なお父さん役から、異常な殺人者まで演じる役柄の引き出しが多くて、期待感を持って観れますよね!

私としては、本作の「13号」や『ピンポン』での「ドラゴン」の様な元気の良い吠える役をしている中村獅童さんの方が観ていてワクワクするので好きですね~!

理科室で日本刀を忍者の様に背中に掛け、赤井トールからちょこまかと逃げる「13号」の姿は、相手をバカにしている様で面白かったですし、刃を自分の足に突き刺して「イタ~イ、イタ~イ、イタ~イ」と子供の様に叫ぶシーンは「13号」の異常さが、よく現れていて印象に残りました。

ストーリーとしては、結末を分かり易くまとめてくれたら、もっと楽しめたんでしょうけど、映像のトーンとかカメラワークやカット割りなんかは、本作が映画の初監督となる井上靖雄氏でしたが、「上手い!」と思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

さっきも書きましたが、結末を「十三」か「13号」かどちらかの目線でまとめて欲しかったですね。

ちょっと、あの結末じゃ「どこまでが本当の話で、どこからが空想なのか?」ちょっと混乱してしまいました。

私としては、実は「13号」が実体で「十三」が仮の人格という、初めとは逆転したオチにしてくれてたら、もっと高い評価を付けたと思います。

まぁ、それでも「13号」の異常さがよく伝わって来たので、井上靖雄氏の初監督作品としては合格点をあげてもよいのではないでしょうか。

という訳でこの作品は、奇抜なサイコキラー「13号」の新しい恐怖感を味わいたい方と小学生の時にイジメに遭った経験のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「原作の漫画『隣人13号』を読んで結末を確認しよう!」って明日「ブックオフ」に行こうと計画しているのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。



輪廻

2005-12-26 22:44:13 | 映画 ラ行
試写会で、出演:優香/香里奈/椎名桔平/杉本哲太/小栗 旬/原作:大石 圭/脚本:清水 崇/安達正軌/監督:清水 崇/作品『輪廻』を観ました。

●ストーリー
今から35年前、あるホテルで11人もの犠牲者を出す大量無差別殺人事件が発生した。

ホラー作品を得意とする映画監督の松村(椎名桔平)は、この題材を映画化すべく出演者のオーディションを行っていた。

その中で1人の新人女優・杉浦 渚(優香)が目に留まり、彼女を主演に抜擢する。

渚は初の映画で主役に決まり、喜んでいたのだが、次第に人形を抱いた不思議な少女の幻影に悩まされる様になる。

クランク・イン初日、スタジオに集まった出演者やスタッフの前で配役が発表された。
渚が演じる事になったのは、11人を惨殺した後、自殺を図った犯人・大森(治田 敦)の娘役だった。

その娘の写真がホワイトボードに貼り出された瞬間、渚は息を呑んだ。
犯人・大森の娘は、渚が幻影で見た人形を抱いた少女そのものだったのだ……。

●感想
正直言って、試写会の前までは「主役が優香ちゃんで大丈夫なのかなぁ~」って不安だったのですが、いざ上映が始まると普段の笑顔を捨て去った「女優・優香」がしっかりとした演技を見せてくれたので、最後まで安心して観る事が出来ました。

謎の人物が背後を通り過ぎて行ったり、顔色の悪い子供が出て来たり、背後から手が出て来たり等の恐怖を煽る演出が『呪怨』とカブっていて、目新しさを感じず『呪怨』を観ている私にはそれほど怖さを感じる作品ではありませんでした。

それでも題材が「輪廻転生」や「前世」といった私が現在、興味を持っているものだったので好感を覚え、前半で優香ちゃんを上手く使い、観客をミスリードして行く清水 崇監督の構成力には非凡なものを感じました。

観ている途中で疑問に思ったのは、「どうして監督の松村は少女の兄を演じる役者をキャスティングしなかったのか?」「弥生(香里奈)はどの様な役割なのか?」「少女が渚に何度も語りかける『ずっと一緒だよ』とは何を表しているのか?」等でしたが、これら全てが物語を一変させる重要なキーポイントになっていますので、これから本作を観る予定の方は、頭の片隅にでも置いてもらえたら素直に楽しめると思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

この作品を観ていて思ったのですが、どうも私は清水 崇監督が映し出す少し色褪せた映像のトーンが好きみたいです。

それと最後まで観客をだまし続ける為に、よく考えられて脚本が作られているに好感を覚え、「原作の出来はどうなんだろう?」と読んで比較してみたくなりました。

しかし、昼間の道の真ん中で死人を歩かせたり、『リング』の貞子を思わせる奇妙な死人の動きが目に付き、今後、清水 崇監督がホラー映画を作り続けるのなら、「もう少し変わった演出が必要じゃないのかなぁ~」って不安に思ってしまいました。

と言う訳でこの作品は、普段の笑顔を捨て恐怖に怯え続ける「女優・優香」を観たい方と「前世での自分の死に方を記憶している」という方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「後半で、面白いどんでん返しを見せ様と努力している感じが伝わって来る邦画に久しぶりに出会ったなぁ~」って製作者の皆さんに敢闘賞をあげたくなったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


レジェンド・オブ・ゾロ

2005-12-20 23:03:34 | 映画 ラ行
試写会で、出演:アントニオ・バンデラス/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/ルーファス・シーウェル/ニック・チンランド/アドリアン・アロンソ/脚本:アレックス・カーツマン/ロベルト・オーチー/監督:マーティン・キャンベル/作品『レジェンド・オブ・ゾロ』を観ました。

●ストーリー
1850年カリフォルニアは自由と平和を求めて、アメリカ合衆国への仲間入りをしようとしていた。
それを機に引退し、家族を愛する男に戻ることを約束していたアレハンドロこと怪傑ゾロ(アントニオ・バンデラス)の前に、悪名高いジェイコブ(ニック・チンランド)が現れ、街を荒らし始める。

この頃、家庭を顧みず、約束を破り、民衆を助ける為に戦い続けるアレハンドロと不仲になっていた妻のエレナ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)はゾロを邸宅から追い出し、離婚届けを突きつける。

この隙を見計らってエレナに近づいて来た1人の男がいた。
名前をアルマン伯爵(ルーファス・シーウェル)と言い、エレナの学生時代の友人であり、大邸宅に住み鉄道開発とワイン、石鹸製造の事業に力を注いでいる大富豪だった。

エレナと離婚後、酒に溺れていたアレハンドロはアルマン伯爵が催すパーティーへ参加し、そこでエレナと再会するのだが、アルマン伯爵と仲良く接しているエレナの態度に激怒し、二人はまたケンカ別れをしてしまうのだったが……。

●感想
前作の『マスク・オブ・ゾロ』が面白かったし、監督も同じマーティン・キャンベル、そしてスティーブン・スピルバーグがプロデュースという事もあって、観る前から、かなり期待をして会場に向かいました。

試写会の司会者が、浜村 淳さんだったので「余計な事まで、喋らなければいいのになぁ~」と心配していたのですが、言わなくてもいいのに「アルマン伯爵という男が、なぜか列車の貨物に石鹸を一杯詰めて走らせます」と言ったではありませんか!

その「石鹸」と言うキーワードで『ファイト・クラブ』のラストシーンが頭を過ぎり、「まさかなぁ~」とは思っていたのですが、予想通りのオチになっていました。

本作では「家族の愛」をテーマにしているので、ゾロのアクションは前作の様な迫力が無く、見劣りしてしまい、どちらかと言うと息子のホアキン(アドリアン・アロンソ)と愛馬・トルネードの活躍の方が目立っていました。

ストーリーも勧善懲悪でひねりの無いベタなものなので、途中何度か激しい睡魔に襲われてしまいました。

私としては、かなり期待をしていただけに残念な気持ちになりましたが、続編だから、これくらいのクォリティーになってしまうのは仕方が無いのかも知れませんね。

●採点
私のこの作品に対する評価は50点です。

所々にゾロらしい見せ場はあるのですが、「それって、前作でもやってなかった?」って感じるレベルのモノでした。

クライマックスで列車を舞台にして、ゾロが戦うシーンがあるのですが、このシーンも「どこかで観たことがあるなぁ~」と思っていたら『インディ・ジョーンズ』シリーズでした。

さすがはスティーブン・スピルバーグのプロデュース作品だけあって、いい具合にパクっています。

でも、「もしかして、プロデュースしたのってこのシーンだけ?」って思えるような内容の作品って成功なんでしょうか?

と言う訳で、この作品は、10歳のゾロの息子と愛馬・トルネードの活躍が観たい方と、まだ映画『ファイト・クラブ』を観ていない方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「危険が迫ると馬も目を見開くんだなぁ~」ってトルネードの思わぬ3枚目ぶりに笑ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


ロード・オブ・ウォー

2005-12-09 23:17:52 | 映画 ラ行
試写会で、出演:ニコラス・ケイジ/イーサン・ホーク/ジャレッド・レト/ブリジット・モイナハン/製作・脚本・監督:アンドリュー・ニコル/作品『ロード・オブ・ウォー』を観ました。

●ストーリー
ウクライナに生まれ、少年時代にニューヨークへ移民して来たユーリー・オルロフ(ニコラス・ケイジ)は、両親が営むロシア人街のレストランを手伝いながらも、行き詰った気持ちで毎日を過ごしていた。

毎日の様に人が殺されるロシア人街で、くすぶり続けていたユーリーは、ギャング同士の銃撃戦を目の前で目撃した事を切欠として、武器売買の仕事を思いつく。

ユーリーは、自分と同じく毎日の生活に不満を持っていた実弟のヴィタリー(ジャレッド・レト)をパートナーに選び、中東、西アフリカ、アジアなど混沌とした情勢の国々を相手に次々と武器を売り捌き、瞬く間に“ロード・オブ・ウォー”(戦争の神)と呼ばれる武器商人へと上り詰めて行くのだが、インターポールのバレンタイン刑事(イーサン・ホーク)の執拗な追跡に、窮地へと追い込まれて行くのだった……。

●感想
本作は、『ターミナル』の原案や『トゥルーマン・ショー』の脚本を手がけたアンドリュー・ニコル監督が実在する6人の武器商人や実際の武器ビジネスの裏世界をレポートしたものをベースに作り上げたそうです。

主人公のユーリーも6人の武器商人を基にして作られ、劇中で彼が体験するエピソードのほとんどが実話と言う事に驚きとやるせなさを感じました。

本作は、世界最大の武器輸出国でもあるアメリカ資本を一切入れず、カナダを中心として集められた資金を基にして製作されたというところに、この作品の「アメリカ批判」のメッセージが感じられます。

並外れた商才で、危険な国々へ武器を売り歩き巨万の富を得るユーリーの目の付け所やバイタリティーには凄いものを感じるのですが、生命の危険度やお金以外で失う物の大きさ、人としてのモラル等を考えると決して魅力的な仕事だとは言えません。

監督もそこを意識してユーリーをヒーロー的人物として描いていないのですが、少しドキュメンタリー色が強く出すぎているために、ストーリーの盛り上がりが少なく「娯楽作品」としての魅力に欠ける内容でした。

派手なアクションシーンやニコラス・ケイジとイーサン・ホークのハラハラする追跡劇を期待したのですが、意に反して小さくまとまった作品になっている事にガッカリしながら帰って来た次第であります。

●採点
私のこの作品に対する評価は40点です。

ニコラス・ケイジの口八丁手八丁で武器を売り歩く演技は面白いと思ったのですが、予想よりもドキュメンタリーに重きを置いた作品で淡々とストーリーが進んで行くので、そんなに楽しめる作品ではありませんでした。

それでも、武器商人のハードな毎日と国連常任理事国である5ヶ国が武器輸出国としてもベスト5だという事実が知れただけでも観る価値があったかなと思う作品でした。

だから、この作品は無類の武器・兵器マニアの方と将来は「武器商人」として巨万の富を築こうと考えている方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「結局、戦争の最大の犠牲者になるのは力の無い一般人なんだよなぁ~」ってやり切れない嫌な気分になってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


乱歩地獄

2005-11-23 17:49:35 | 映画 ラ行
映画館で、出演:浅野忠信/成宮寛貴/松田龍平/岡元夕紀子/緒川たまき/原作:江戸川乱歩/脚本:竹内スグル/薩川昭夫/夢野史郎/カネコアツシ/監督:竹内スグル/実相寺昭雄/佐藤寿保/カネコアツシ/の『乱歩地獄』を観ました。

●ストーリー
江戸川乱歩の原作『火星の運河』『鏡地獄』『芋虫』『蟲』の4作品を、4人の監督が独自の感性で描いたオムニバス作品。

①『火星の運河』
男(浅野忠信)は気が付くと、全裸でどんよりとした雲がどこまでも続く大空と、緑が果てしなく広がる大地にポツンとある小さな沼の前に立っていた。
男が無意識に沼の中を覗き込むと、昔暮らした女と全裸で争い合う姿が映る。

男は終に女の首に手を掛けて締め始める。
その時、沼に映る自分の姿が首を締めている女の姿に変わっていく。

「自分は、一体何者なのか?」
錯乱した男は、もがき苦しみ沼の淵に倒れ込むのだった……。

②『鏡地獄』
鎌倉で行われた茶会に参加した女性達が、次々と顔を焼かれた無残な死体で発見される。

事件の噂を聞きつけた探偵の明智小五郎(浅野忠信)は、事件に和鏡が関係している事を掴み、製造者の斎透(成宮寛貴)に会いに行くのだが、彼はゾッとするほど美しい容姿を持つ青年だった……。

③『芋虫』
戦争で両手、両脚を失う重傷を負った夫の須永中尉(大森南朋)を狭い一室に隠し、献身的に介護を務める妻の時子(岡元夕紀子)。

しかし、時子には夫に虐待を加える事で性的興奮を覚えるもう一つの顔があったのだ……。

④『蟲』
人と触れ合うと湿疹が出るアレルギーを持った柾木愛造(浅野忠信)は、愛する女優・木下芙蓉(緒川たまき)の運転手を務めていた。

芙蓉には、既に恋人がおり、柾木は何度も二人が密会する現場を覗き見しては、満たされぬ思いに悶々としていた。

そんな自分の気持ちを抑えきれなくなった柾木は、花束を抱え、芙蓉の前に現れるのだったが……。

●感想
いや~、スゴイですね江戸川乱歩の世界は!
人間の持つ、エロ、グロ、嫉妬、暴力などの醜い欲望の部分を抉り出すように描かれた映像の数々には、後頭部をいきなり殴られたような、凄まじい衝撃を受けてしまいました!

4作品全てに出演している浅野忠信には、明智小五郎から壊れゆく男まで、幅の広い演技で充分に楽しませてもらい、『鏡地獄』で美しい男を演じた成宮寛貴には、これまでにない新しい魅力を見せてもらい、演技に対する頑張りを感じました。

他には、『芋虫』に出演した岡元夕紀子の身体を張った、美しくてエロチックな演技と、『蟲』に出演した緒川たまきの妖しい魅力で存在感のある演技が印象に残りました。

作品的には、どれも強烈なインパクトが有り、見応えのある出来になっていると思いますが、エロくてグロいシーンがたくさん出て来るので、江戸川乱歩の世界が理解出来ない方には、全く楽しめない内容だと思いますので敢えておすすめ致しません。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

多分、内容からして好き嫌いが、かなり別れる作品だと思います。

私は、これまでに観た事の無い刺激的な映像と、本性を暴かれる様な、エロとグロの魅惑的な世界観に充分満足させてもらいました。

どちらかというと、この作品は、私の様に精神的にどこか壊れている人間が楽しめる内容になっていると思いますので、自分の胸に手を当ててみて「自分はエロとグロが大好きな人間です!」と自信を持って言える方だけに観て欲しいです。

と言う訳で、この作品は、「江戸川乱歩の世界に入ってみたい!」と真剣に考えた事のある方と、恋人とSMプレイで楽しんだ事のある方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「『芋虫』で須永中尉を演じた「大森南朋」って誰?」って思い、彼の素顔をどうしても見たくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。







レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

2005-10-26 23:52:05 | 映画 ラ行
DVDで、ジム・キャリー、エミリー・ブラウニング、リアム・エイケン、メリル・ストリープ 出演の「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」を観ました。

●ストーリー
ボードレール三姉弟妹のヴァイオレット(エミリー・ブラウニング)、クラウス(リアム・エイケン)、サニー(カラ&シェルビー・ホフマン)は、裕福な両親と共に何不自由の無い幸せな生活を過ごしていた。

そんなある日、浜辺で遊んでいた三姉弟妹の元へ銀行家で遺産管理人のミスター・ポー(ティモシー・スポール)がやって来て、自宅が突然の火事により全焼し、両親が焼死したことを告げられるのだった。

巨額な遺産を相続した三姉弟妹であったが、法律により、ヴァイオレットが成人になるまで遺産を使う事が出来ず、身寄りのいない三姉弟妹は、今までに会った事も無い、遠縁に当たる親戚のオルフ伯爵(ジム・キャリー)に預けられる事になる。

間もなく、欲張りで邪悪なオルフ伯爵が、自分達を亡き者にし、遺産を奪おうと企んでいる事に気づいた三姉弟妹は、力を合わせて、オルフ伯爵の計画を防ごうとするのだが……。

●感想
いや~、面白いですね~、この作品は!とても気に入りました!
映像のトーンといい、俳優といい、ストーリーといい、全てが上手く繋がっていて、最後まで楽しんで観る事が出来ました!

俳優でいうと、オルフ伯爵のジム・キャリー、ボードレール三姉弟妹のエミリー・ブラウニング、リアム・エイケン、カラ&シェルビー・ホフマン、ジョセフィーンおばさんのメリル・ストリープが良い演技をしていますね~!

オルフ伯爵なんてジム・キャリーの為に作られたような役で、演技の80%はジムのアドリブで成り立っているというのがスゴイですね!

映像特典のメイキングで、監督と話しながらオルフ伯爵の役作りをするジム・キャリーは面白かったです!
メイキャップをしながら役に成りきって行くのは、やはりプロですね~!

エミリー・ブラウニングも可愛らしい表情でシッカリしたヴァイオレットを好演していましたし、リアム・エイケンも利口そうな顔立ちなので、頭の良いクラウス役にピッタリだったと思います。

そして、何でも噛みついてしまう末っ娘・サニーを演じたカラ&シェルビー・ホフマンの時折見せる笑顔と超自然体の演技に心が癒されました。

ちなみにこのサニーの役はカラ&シェルビー・ホフマンの双子以外にも、顔が映らないシーンなどでは、複数の子役が代役となり撮影されたそうです。

NGシーンでオスカー女優メリル・ストリープの前で爆睡するシェルビーの度胸が凄かったです。
多分、彼女以外がこんなNG出したら、映画界から追放されてしまうでしょうね。

メリル・ストリープの外出するのが嫌いで、電化製品が苦手な、ちょっと変わったジョセフィーンおばさんの演技も面白かったです!

コミカルな役も起用にこなすメリル・ストリープは、さすがですね!
これからも、もっとコミカルな役を演じて欲しいと思いました。

オープニングのアニメや観客に他の作品を勧めるオチャメな演出も好きになりまし、エンディングのオルゴールの様な曲や独創的な影絵風のアニメーションが良く、とても凝って作られているのを感じました。

劇場でこの作品を観た方も、特典映像の未公開シーンやNGシーンがとてもいい出来なので、DVDで再度観て欲しいと思う作品でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は85点です。

劇中では、ヴァイオレットがオラフ伯爵との婚姻届にサインをするシーンにドキドキし、ラストのボードレール三姉弟妹の安らかな寝顔に心安らぎました。

俳優の演技と脚本の構成がシッカリしており、とても見応えのある作品でした。

特に、ボードレール家が火事になった原因の小道具をオラフ伯爵の復讐にも使うところは、「上手く話を繋げているな~」と感心致しました。

だから、この作品は不思議な雰囲気のある面白い作品を探している方とジム・キャリーの怪しい演技が大好きだと言う方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、『ジョセフィーンおばさんの家に住むくらいなら、「どろどろ洞窟」に住む方を選びます!』って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。








ルパン

2005-10-05 03:23:59 | 映画 ラ行
映画館で、ロマン・デュリス、クリスティン・スコット・トーマス、パスカル・グレゴリー、エヴァ・グリーン 出演の「ルパン」を観ました。

●ストーリー
1882年、叔父スービーズ公爵(ロバン・ルチーナ)の屋敷に父母と共に暮らす少年アルセーヌ・ルパン(ロマン・デュリス)は、ある日、警察が屋敷に父を逮捕しにやって来た事で、彼の職業が泥棒で高貴な者達から盗みを働いていることを、父自身から告げられる。

父は警察からの追跡を巧みに逃れ、夜にアルセーヌの部屋に現れ、ジョセフィーヌ=カリオストロ伯爵夫人(クリスティン・スコット・トーマス)が所有する「マリー・アントワネットの首飾り」を盗み出す様にアルセーヌに命じる。

父からの要望にアルセーヌは、早くも怪盗の才を発揮し見事に応え、盗んだ「マリー・アントワネットの首飾り」を父に手渡すのだった。

しかし、翌日「マリー・アントワネットの首飾り」を手にし、逃げのびたはずの父が死体となっているのを、アルセーヌは皮肉にもスービーズ公爵の館から出て行く途中の道端で発見してしまう。

時が経ち、20歳となり怪盗として活躍するアルセーヌは、公爵夫人の娘で従妹のクラリス(エヴァ・グリーン )と母が入院している病院で再開し、やがて互いを愛する様になっていく。

そんなある夜、馬車で出かけて行くスービーズ公爵の後を追ったアルセーヌは、王家の財宝を狙う名士たちに、教会の貴重な十字架を盗んだとして、捕らえられていたカリオストロ伯爵夫人を絶体絶命の窮地から救出し、彼女の妖しい魅力へと引き込まれて行くのだが……。

●感想
いや~、「長い!長かった!」観終わった直後の、私の最初の感想がこの一言でした。

132分の作品なんですけど、途中でダレてしまい、時計を見るとまだ30分以上あったので、気が遠くなり、10分くらい意識を失ってしまいました。

ストーリーとしては、アクション有り、アドベンチャー有り、ラブサスペンス有りと盛りだくさんなんですが、主題をどれかに絞り込まれておらず、中途半端な作品の印象が残ってしまいました。

配役も私にはイマイチで、魅力が感じられず、20歳のアルセーヌ・ルパンを30歳過ぎたロマン・デュリスが演じている事から無理があり、魅惑的なはずのジョセフィーヌ=カリオストロ伯爵夫人をクリスティン・スコット・トーマスが演じているのですが、私にはどう見ても「普通のおばさん」にしか見えず、どうして、アルセーヌ・ルパンがこんな女に夢中になるのか理解に苦しんでしまいました。

ストーリーもアルセーヌ・ルパン、ジョセフィーヌ=カリオストロ伯爵夫人、ボーマニャン、クラリスら四人の人間関係が愛や憎しみ、裏切り、嫉妬心などでグチャグチャになるのを繰り返し観せられ、いい加減、うんざりしてしまいました。(この、しつこさに私は我慢できず、途中で意識を失ってしまったんだと思われます。)

宝石とか衣装とか豪華な物がふんだんに使われていて、きらびやかな感じは出ているのですが、その宝石を盗むルパンのテクニックがあまり華麗ではなく、警察に見つかって追われるシーンが滑稽に見えてしまいました。

肝心な話しのオチも「こんな終わり方で本当にイイの?」と疑問を持たせる終わり方で、「ジョセフィーヌ=カリオストロ伯爵夫人が監獄から脱走するあたりで終わっても良かったのになぁ~」と私は思ってしまいました。

●採点
私のこの作品に対する評価は50点です。

色々な要素を詰め込もうと欲張って、まとめ切れず自滅した感の強い作品でした。
アクシュンシーンや爆破シーンなど、見応えのあるシーンもあっただけに残念に思いました。

これは、ハリウッドでジョニー・デップ、ニコール・キッドマンを主役に据えて、アクション・アドベンチャーの要素に主題を絞り、リメイクすれば結構良い作品になりそうだと私は思うんですけどね~。

誰か、リメイクの権利を買い取りませんかね~。
でも、フランス人が主役の物語だから、ハリウッド関係者には興味が湧かない作品かもしれませんね。

だから、この作品はカルティエの豪華な宝石で出来た装飾品の数々を観てみたい方とドロドロとして複雑な人間関係を長時間、観せられるのに我慢出来る自信のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、幼いわが子を目の前で誘拐されたのにも係わらず、セコイ泥棒生活を続けているルパンを観て、「そんな暇があったら、息子を探しに行けよ!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。







ローレライ

2005-08-26 00:22:53 | 映画 ラ行
ビデオで役所広司、柳葉敏郎、妻夫木 聡、香椎由宇、出演の「ローレライ」を観ました。

●ストーリー
1945年8月、広島に最初の原子爆弾が投下されて間もなく、海軍軍令部作戦課長の浅倉大佐(堤 真一)は、かつての名艦長で現在は閑職に回されていた絹見少佐(役所広司)を呼び出すと、ドイツ降伏後、日本海軍が密かに入手していた潜水艦「伊507」の艦長に任命し、日本を救うため原爆を積んだ爆撃機が離陸するテニアン島への奇襲攻撃を命じる。

定員にも満たない、寄せ集めの乗組員達を厳しい訓練で鍛えながらも、「特攻攻撃は犬死以外の何物でもない」と考える絹見は回天特別攻撃隊の折笠征人(妻夫木聡)にも、特攻を禁じる命令をする。

両親や兄弟達すべてをアメリカの攻撃で喪っている折笠は、自分の特攻で1人でも多くのアメリカ人を道連れにしたいと考えていた為、絹見の命令に素直に従う事は出来ないと感じてしまう。

そんな中、テニアン島へ向かっていた「伊507」を発見した、アメリカ駆逐艦3隻は容赦のない爆雷攻撃を繰り返し、「伊507」を窮地に陥れる。

この危機を回避する為、艦長の絹見は最強と噂されている<ローレライ・システム>の使用を軍属技師・
高須(石黒 賢)に命令するのだが、、、。

●感想
私の原作を読んだ友人達の話しを聞き、あまり期待しないで見たのですが、あらかじめハードルを低く設定していたせいか、そこそこ楽しめてしまいました。

冒頭で乗組員のエピソードの説明が足りないとか、CGが今一つだとか、ラストシーンが呆気な過ぎるとか、原作を読んだ者にとって不満な点は多いですが、「原作と映画は別物!」と割り切ることができればそんなにストレスの溜まる事なく最後まで観る事ができる作品だと私は思います。

パウラの過去を説明する回想シーンは短くまとめ上手く説明してたと思いますし、軍医・時岡役に國岡 準さんを起用したのが成功し、彼の落ち着いた演技のお陰で、この作品全体がしっかり安定していると感じました。

細かい事を言えば、乗組員全員の制服がキレイ過ぎて、リアル感が全く出てませんでした。
そこら辺は制作者側が名作「Uボート」を観てもっと勉強するべきでしたね。
何日も狭い艦内にいて、全員が常にキレイな服を着ているなんて絶対に有り得ないですから、もっと考えて欲しかったです。

あと気付いたのは、原作者が同じである為、大まかなストーリー運びが「亡国のイージス」と同じですよね。

簡単に言えば、「国の最高兵器がクーデターによって、東京を攻撃する危機に陥るが、それを回避する為に愛国心を持った軍の隊員が戦って勝利する」この話しの流れはちょっと、似過ぎですよね。

まさに「亡国のイージス」の縮小版が「ローレライ」だと言ってもいいくらいです。

それによく考えると、現代のイージス・システムが、いわゆる第二次世界大戦中のローレライ・システムであって、これは時代を変えただけで全く同じ物になっています。
これはあえて、原作者であり脚本を受け持った福井さんが意識して作ったところなのかを個人的には聞いてみたいです。

それでも、発想がおもしろいので、「本当にこのローレライ・システムが終戦前に量産体制に入っていたら日本は戦争に負けなかったのになー」と残念に思ってしまう、そんな作品でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

はっきり言って思っていたよりも、ずーっと良かったですね!
「潜水艦を使った映画にハズレなし」って言葉を無事守ってくれたなって感じました。

また、主役の役所広司さんの熱演に引っ張られて、最後まで適度な緊張感を持ちながら観ることができ「役所広司って、本当にイイ役者だなー」って今更ながら感動してしまいました!

だからこの作品は、「ローレライ」の原作本を読んでいない方と閉所恐怖症でない方におすすめしたいと思います。

最後にどうでもいいことなんですが、「パウラは隠れている間、一体どうやってトイレを済ましていたのだろう?」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みします。