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私、Rohi-taの映画の感想(ネタバレ有り!)と日常を報告するページです。

スーパーマン リターンズ

2006-07-25 23:00:09 | 映画 サ行
試写会で、出演:ブランドン・ラウス/ケヴィン・スペイシー/ケイト・ボスワース/ジェームズ・マースデン/フランク・ランジェラ/サム・ハンティントン/エヴァ・マリー・セイント/パーカー・ポージー/カル・ペン/ステファン・ベンダー/マーロン・ブランド(アーカイヴ映像)/原案:ブライアン・シンガー/マイケル・ドハティ/ダン・ハリス/脚本:マイケル・ドハティ/ダン・ハリス/監督:ブライアン・シンガー/作品『スーパーマン リターンズ』を観ました。

●感想
 ・遂にアメリカンヒーローの元祖スーパーマンが帰って来ましたね。前作でクラーク・ケントを演じていたクリストファー・リーヴ は真面目で堅物な感じがしたのですが、本作のブランドン・ラウスが演じるクラーク・ケントには憎めない3枚目的な要素を強く感じました。

 ・4000とか5000人のオーディションの中で選ばれたブランドン・ラウスは面影がクリストファー・リーヴによく似ており、監督のブライアン・シンガーはオーディション場所のカフェの入り口でブランドン・ラウスとぶつかりそうになった時に、彼が咄嗟にとったリアクションを見て「主役を演じれるのは彼しかいない」と感じたそうです。

 ・ストーリーはスーパーマンが故郷のクリプトン星の消滅を自分の目で確かめる為に、地球を去って5年が過ぎたところから始まりまるのですが、帰還の仕方が実にド派手でいかにもスーパーマンらしかったです。帰って来てすぐに、愛するロイス・レイン(ケイト・ボスワース)は編集長の甥(ジェームズ・マースデン)と同棲しており、おまけに男の子の母親になっている事を知って、クラークはショックを受けてしまいますが、彼女の乗ったジャンボ機が墜落しそうになっている事を知ると、スーパーマンに変身し、音速を超える速さで、あっと言う間に救出してしまうあたりは、カッコ良過ぎました。

 ・この後もスーパーマンは世界各地を意欲的に飛び回り、小さな強盗事件まで解決していくのですが、レックス・ルーサーのクリプトナイトを使った攻撃にパワーが発揮できなくなり、呆気なく敗れてしまうんですね~。でも、そういった強いばかりでなく、ちゃんと弱点を持っているところに人間臭さを感じ、好きになりました。

 ・敵役のレックス・ルーサーを頭をつるつるにしたケヴィン・スペイシーが演じているのですが、さすがにオスカー俳優だけあって、オチャメな匂いを振りまきながら楽しそうに悪役を演じている様に観えました。

 ・ロイス・レインを演じたケイト・ボスワースも子供を守る強い母親の顔とスーパーマンを心から愛している色気のある女性の顔を上手く演じ分けていて「いい女優さんだなぁ~」って思いました。

 ・もちろん主役のスーパーマンを演じたブランドン・ラウスもクリストファー・リーヴに負けず劣らずの好演ぶりだったので、本作のみで終わらず、2作目、3作目とシリーズ化をして欲しいと思いました。

●採点
 ・私的評価……70点(ラストはちょっと物足りないような気もしたのですが、親子愛とか恋人への愛を前面に押し出しており、助けを求める人の元へすぐさま駆けつける好感度抜群のスーパーマンの姿はまさに元祖アメリカン・スーパーヒーローでした。)

 ・ロイス・レインの子供はぜんそくとかアレルギー体質を持っており、身体が弱いのですが、彼の隠れた秘密が分かった時「次回作は彼の活躍をもっと観てみたい!」と思いました。
レックス・ルーサーも、今だにしぶとく生き残っている訳ですし、今後も益々楽しめる新展開が期待出来そうです!

 ・と言う訳でこの作品は、帰って来た元祖アメリカン・スーパーヒーローが観たい方と子供の頃に丸坊主の人を見て「ハゲてる!」と正直に言ってしまった事のある方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、ロイス・レインと同棲している編集者を演じているジェームズ・マースデンを観て「早くお前もサイクロプスに変身しろ!」って途中で『XーMEN』と混同しそうになった「アメリカンコミックス」バカは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ステイ/STAY

2006-07-01 21:41:23 | 映画 サ行
映画館で、出演:ユアン・マクレガー/ナオミ・ワッツ/ライアン・ゴズリング/ケイト・バートン/ボブ・ホスキンス/ジャニーン・ガロファロー/B・D・ウォン/エリザベス・リーサー/脚本:デヴィッド・ベニオフ/監督:マーク・フォースター/作品『ステイ/STAY』を観ました。

●感想
 ・本作は、私の住んでいる地域では6月24日(土)から上映されており、非常に楽しみにしていた作品なので「是非、初日に観に行こう!」と思っていたのですが、そこにはある障害が待っており、本日やっと観る事が出来ました。

 ・本作の場合、「凄い!」と思う要素がたくさんあるのですが、まず映画の土台となる脚本が素晴らしいです。映画の良し悪しは、脚本で決まると私は常々思っているのですが、その思いつきそうで、なかなか思いつかないアイデアを見事に脚本としてまとめたデヴィッド・ベニオフの想像力が凄いです!また、その良く出来たデヴィッド・ベニオフの脚本を様々な手法を使い、見事に映像化しているマーク・フォースター監督の手腕も凄いの一言です!

 ・この映画の凄さを象徴するのが、ファーストシーンでいきなり観客をミスリードしてしまう事でしょうね!サスペンス映画で肝心なのは「観客をどうやって上手く騙し続けるか」って事だと思うのですが、本作はその難しいテーマを意図も簡単にやってのけてしまっています。

 ・ユアン・マクレガー、ナオミ・ワッツ、ライアン・ゴズリングらを中心に現実とも幻とも思える出来事の中に、核心を衝いたセリフや映像を上手く散りばめているので、少しでも油断して観てしまうと「アッ!」と言う間に真実から遠ざけられてしまいます!この手法は凡人がマネようと思っても、高度過ぎてなかなかマネる事が出来ないでしょうね。

 ・映像もワンシーンごとに、カット割りやカメラアングルがストーリーの不可解さを継続させる為に、考えて作られていますし、場面転換のアイデアも非常に凝っており、最後までスクリーンに釘付けにされました。個人的には本作でのマーク・フォースター監督の映像センス、大好きです!

●採点
 ・私的評価……85点(久しぶりに、脚本と映像の両方が良く出来た作品を観た気がします!映像のトーンや音楽は『クラッシュ』、オチは『ジェイコブス・ラダー』に似ている感じが致しました。)

 ・今日は映画の日だったので、上映の1時間前に劇場に着くと「25番」の整理券を渡され「先着25名様にコチラをプレゼント致しております!」と無料で本作のポスターを頂きました!劇場の入り口まで、私の前にはイチャついているバカップルがいたのですが、なぜかチケットを買う前にチラシの方を見に行ったので、私がギリギリで有りつけた次第であります。人生の幸、不幸って、この映画と同じでちょっとした事で変わってしまうもんなんですねぇ~。バカップルさん、ポスターありがとうごさいました!

 ・上映まで手持ち無沙汰だったので、思わずパンフレットを買って読んでしまったんですよ~。実はこれが大きな落とし穴でした……。何気なく読んだページに本作のネタバレが載っており、よく見ると左上に小さな文字で「映画をご覧になってから、お読みください」って書いてありました……。まさに「映画観る前にオチ知っちゃったよ!」って感じでした。お陰様で、映画は充分理解させて頂いたのですが、だまされる悦びを奪われたみたいで、何だか複雑な気分になりました……。(ネタバレのあるページは一目で分かる様にしておいて欲しかったです……。)

 ・と言う訳でこの作品は、数時間後の天気が予言できる方と交通事故で生死の境を彷徨った事のある方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「映画代に1300円以上は絶対に出さない!」って変なポリシーを持っている為に、本作を今日まで我慢したのは私だけでしょうか?(ちなみに冒頭で言ってた障害とは、この映画の前売り券が1500円もする事でした!セコいポリシーでスミマセン……。)

それでは、また何か観たら書き込みます。

ジャケット

2006-05-21 22:07:56 | 映画 サ行
映画館で、出演:エイドリアン・ブロディ/キーラ・ナイトレイ/クリス・クリストファーソン/リス・クリストファーソン/ケリー・リンチ/ブラッド・レンフロー/ダニエル・クレイグ/原案:トム・ブリーカー/マーク・ロッコ/脚本:マッシー・タジェディン/監督:ジョン・メイバリー/作品『ジャケット』を観ました。

●感想
 ・サスペンス作品が好きなのと、「エイドリアン・ブロディとキーラ・ナイトレイの組み合わせが面白い!」と思い、この作品を観る事に致しました。

 ・本作はエイドリアン・ブロディ演じるジャックが湾岸戦争の影響で記憶障害となり、精神病院で治療を受ける事になるのですが、ここで死体安置用の引き出しに入れられる荒療法を受けている際に、1992年から15年後の2007年にタイムスリップし、運命の女性ジャッキー(キーラ・ナイトレイ)に出会い、自分の過去の記憶と未来への希望を取り戻して行くという物語で御座います。

 ・戦争以後、ジャックには悲惨な出来事が次々と起こるのですが、これをエイドリアンが見事に演じ切っているので、大変見応えがありました!『戦場のピアニスト』でもそうだったのですが、エイドリアンは悲壮感漂う男の役が似合いますねぇ~!薬漬けにされ、やつれて、フラフラになるジャックはエイドリアンの為に用意された役の様な気が致しました。

 ・映像も目のアップやカットの切り替えが早く、ジャックの緊迫感を表現するのに効果的な演出がなされており、何度も心がザワついたのですが、いつの間にか、すっかりジャックに感情移入しておりました。

 ・未来に行き、人生を変えるオーソドックスな作品なんですが、不幸の後に、ちゃんと救いの手が差し伸べられているので、観た後に「不思議な幸福感」を味わえた作品でした。

●採点
 ・私的評価……80点(私はエイドリアン・ブロディの熱演に魅了されたので、この点数に致しましたが、彼があまり好きでない方はもっと低い評価をするかもしれませんね。ストーリー的には少し説明不足の感も否めないのですが、その分を様々な演出でカバーし、最後までスクリーンに興味を惹き付ける事に成功していると感じられたので、私的には「有り!」な作品でした。)

 ・と言う訳でこの作品は、現在と未来を行き来するタイムトラベルストーリーが好きな方とクリスマスにヒッチハイクした事のある方にオススメ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「キーラ・ナイトレイには、これからもどんどん脱いで、シャーリーズ・セロンの様にオスカーを獲って欲しい!」って変な下心を持ちつつ、応援しているのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

サウンド・オブ・サンダー

2006-03-26 23:31:24 | 映画 サ行
映画館で、出演:エドワード・バーンズ/キャサリン・マコーマック/ベン・キングズレー/ジェミマ・ルーパー/デヴィッド・オイェロウォ/ヴィルフリート・ホーホルディンガー/コーリイ・ジョンソン/原作:レイ・ブラッドベリ/脚本:トーマス・ディーン・ドネリー/ジョシュア・オッペンハイマー/グレッグ・ポイリアー/監督: ピーター・ハイアムズ/作品『サウンド・オブ・サンダー』を観ました。

●感想
 ・約2週間前に行きつけの金券ショップで本作の前売り券が1000円で売り出されているのを見つけて、「お買い得だなぁ~」と思い、すぐさま購入し、初日である25日(土)の2回目の上映を観て参りました。(このショップではイマイチ作品の前売り券は値段を下げて売っているみたいで、以前には『男たちの大和/YAMATO』の前売り券も900円で購入致しました。そういう訳で、ここのショップの映画を観る目は大変信用出来ると思います!)

 ・あちこちのブログでコケにされている作品なので、ある程度の覚悟をして観に行ったのですが、予想以上のCGの下手さにビックリしてしまいました!(果たして、これかプロの仕事と呼べるのでしょうか?)

 ・冒頭から、タイムトラベルで恐竜を撃つシーンから始まるのですが、この最初に出て来たティラノサウルスの様な恐竜のCGを観た瞬間『ひょっとしたら俺達はバカにされてるの?』って疑ってしまいました。『ジュラシック・パーク』が上映されてから10年以上が経つのですが、そこに登場した恐竜を観ている人達には、30年くらい前にタイムトリップした様な感覚に襲われる事でしょう……。

 ・恐竜の他にも、変な生き物が数種類出て来るのですが、どれもこれもヒドイ出来でした……。他にも未来の街並みと人間の合成は、これまでに観た事がないくらいにヘタクソな仕上がりになっており、唖然としてしまいました……。これだけでも冷めてしまうのですが、未来の車のデザインがバギーみたいなものばかりで、2055年の自動車会社の美的センスを疑いたくなりました。(もう、この頃にはTOYOTAとかHONDAは無くなっているんでしょうか?私的には、あんな可笑しなデザインの車を作っている会社の方が先に潰れてしまうと思うのですが……。)

 ・前半からこんな調子で始まったので、引き気味で観ていたのですが、過去から持ち帰ったモノを探しに出掛けるあたりから、少しドキドキし盛り返してくれたので、何とか寝ずに済みました。話の内容としては、進化の波が段々とやって来るアイディア等は良かったので、「原作は面白いんだろうなぁ~」と思いました。

 ・出演者もベン・キングズレーとエドワード・バーンズ以外は知らない人ばかりで、そんなに魅力を感じませんでしたし、目立って良い演技をしている俳優がいるとも思えませんでした。(でも、ベン・キングズレーはオスカー俳優とは思えないくらいに出演作を選びませんよね~。『ガンジー』『シンドラーのリスト』『オリバー・ツイスト』等の名作に出ているかと思えば、『サスペクト・ゼロ』『サンダーバード』『サウンド・オブ・サンダー』等のB級作品に平気で出ているし……、何なんでしょうね~?この人は?彼のキャリアから見て、もっと出演作や役柄を選んでも良いと思うのですが……、ひょっとして、かなりの借金を抱えているのでしょうか?考えれば、考える程、謎ばかりです……。)

●採点
 ・私的評価……40点(前売り券を1000円で購入出来たので、劇場まで観に行きましたが、「1000円の価値があるのか?」と疑いたくなる作品でした。まだ、前売り券を購入していない方は、DVDで充分じゃないでしょうか?)

 ・と言う訳でこの作品は、もう、すでに前売り券を買ってしまっている方と無意識に蝶々を踏んづけてしまった事のある方におすすめ致します。

 ・最後にどうでもいいことなんですが、「この作品を上映する場所と時間があるのなら、『ホテル・ルワンダ』や『クラッシュ』を上映した方がいいんじゃないの?」って残念な気持ちになってしまったのは、私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

シリアナ

2006-02-15 22:17:03 | 映画 サ行
試写会で、出演:ジョージ・クルーニー/マット・デイモン/ジェフリー・ライト/アマンダ・ピート/クリス・クーパー/ウィリアム・ハート/クリストファー・プラマー/マックス・ミンゲラ/ジェイミー・シェリダン/原作:ロバート・ベア/脚本・監督:スティーヴン・ギャガン/作品『シリアナ』を観ました。

●ストーリー
長年にわたり中東で活動を続けてきたCIA諜報員ボブ・バーンズ(ジョージ・クルーニー)は、息子の進学を機に現場を離れデスクワークに専念する事を決心し、最後の極秘指令となるアラブ某国の王位継承者を暗殺する為に行動を開始していた。

その頃、野心家弁護士ベネット・ホリデイ(ジェフリー・ライト)は、アメリカ最大の石油企業コネックス社とカザフスタンの採油権を獲得したキリーン社との合併をコネックス社に有利となる条件で成功させる為に、アラブ某国のハマド王に接近を計っていた。

また、ジュネーブ在住の石油アナリストであるブライアン・ウッドマン(マット・デイモン)は、息子の溺死をきっかけに石油王ハマドの長男ナシール王子(アレクサンダー・シディグ)の相談役となり、自国での採掘を目指す為にアメリカから中国へ採油権を移す改革路線を提案していた。

そして、パキスタン人の青年ワシーム(マズハール・ムニール)は母国を離れナシール王子の国にあるコネックス社で働いていたが、採油権が中国に移ってしまった為に解雇を言い渡され、たちまち路頭に迷うことになってしまうのだったが……。

●感想
一見、何の関係も無いと思われる人々が石油で結びつき、それぞれに思いがけない結末へと向かって行く内容の濃い作品でした。

元CIA工作員の暴露本がベースとなっているので、リアル感がひしひしと伝わって来ましたが、登場人物が多く、外人の名前を憶えるのが苦手な私は話を理解するのに大変苦労致しました。

話の規模が国とかCIAを巻き込んだ大きなものになっているので、登場人物がたくさん出て来るのは、まだ仕方無いと思うのですが、ジョージ・クルーニーやマット・デイモンが大事な話をしている時の字幕が、砂漠などの白っぽい背景に隠され、読めないシーンが多々ある事に、フラストレーションを感じてイライラしてしまいました。

もう、ブログ上で何度も言ってる事なんですが、配給会社には「字幕がちゃんと読めない映画は上映するな!」と改めて言っておきたいと思います。

以上の様なマイナス点はあるのですが、俳優陣の迫真のある演技や脚本が良く出来ており、立場の違う人間の様々な思惑が幾重にも重なり合い、複雑な展開へと発展して行く面白い作品に仕上がっているので、私としては合格点をあげたいと思いました。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

人間関係を整理しながら観て行かないと、理解出来ない部分が多くなって来るので、劇場で観る場合は最初から最後まで、集中力を切らさないように心掛ける事をおすすめします。

私も字幕が読めず理解不能なシーンがいくつかあったので、DVDのレンタルが開始されたら、もう1度、吹替え版を観たいと思っています。

しかし、アメリカの石油に対する執着心は凄まじいものがありますね~!
CIAを使って産油国の邪魔な後継者の暗殺を謀るんですからね~、ある意味、彼らも立派なテロリストの様な気がしました。

これで、アラブの国々をテロリスト国家だと非難している訳ですから、嫌われるのも仕方無いですね…。

それにしても、アメリカが最後に使った秘密兵器の威力と精度の高さにはビックリしました!
あんな物が実際に使われていると思うと恐ろしくなってしまいます…。

あれじゃ~、狙われたら最後、安心して外出できなくなってしまいますね……。

と言う訳でこの作品は、アメリカの石油を巡る闇の部分を垣間見たい方とヒゲ面の渋い中年オヤジが大好き!って方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「この作品でジョージ・クルーニーが助演男優だとしたら、一体誰が主演男優なんだろう?」って主演と助演のハッキリとした境界線を知りたくなってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

ジャーヘッド

2006-02-14 20:09:07 | 映画 サ行
映画館で、出演:ジェイク・ギレンホール/ピーター・サースガード/ルーカス・ブラック/クリス・クーパー/ジェイミー・フォックス/原作:アンソニー・スオフォード/脚本:ウィリアム・D・ブロイルズ・Jr/監督:サム・メンデス/作品『ジャーヘッド』を観ました。

●ストーリー
18歳になって祖父や父と同様に海兵隊へ入隊したスオフォード(ジェイク・ギレンホール)は、理不尽な新兵訓練を耐え抜き、カリフォルニア州のペンドルトン基地へ配属となった。

ここでも新入りのスオフォードは手洗い洗礼を受けるが、射撃の腕をサイクス曹長(ジェイミー・フォックス)に見込まれ、8名の斥候狙撃隊に選ばれる。

調度その頃、イラクがクウェートへと侵攻し、スオフォード達もサウジアラビアへと派遣されるのであったが……。

●感想
今までに無い戦争映画という事で、どんなものなのか自分の目で確認する為に劇場まで行って参りました。

若きジャーヘッド達がイラク兵を殺す為にサウジへ送られるのですが、そこに殺すべき敵の姿は無く、訓練以外は特にすることがなく、砂漠でのアメフトや恋人に電話をしたりとひたすら暇つぶしに励む、海兵隊員の姿がとても滑稽でした。

イラクに駐屯するアメリカ軍の宿舎にミサイル攻撃を受けたとか、車両が待ち伏せされ爆破されたとか悲惨なニュースを聞いていたので、イラク国内に派遣された部隊とサウジでひたすら油田を守る事を命じられたスオフォード達とのギャップを感じてしまいました。

劇中でスオフォード達はやたらとイラク兵を殺したがっていたのですが、イラク国内に派遣されていたら自分達が死んでいたかも知れませんね。

物語の展開が早いのと劇中に流れる軽快な音楽のお陰で、最後まで飽きる事なく観れる作品になっています。

出演している俳優陣も素晴らしく、主役のジェイク・ギレンホールを始めとして、ピーター・サースガード、クリス・クーパー、ジェイミー・フォックスらの軍隊ならではの、はじけた演技は一見の価値が有ると思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は70点です。

最前線で激しい戦闘を繰り広げる兵士よりも、戦地で何もすることがなく暇を持て余す海兵隊員に焦点を当てたアイディアが斬新で良かったと思います。

劇中でもアメリカ空軍の誤爆が問題となっていましたが、イラク市民だけでなく味方のアメリカ兵も殺されてるかも知れませんね。

と言う訳でこの作品は、若きジャーヘッド達のムキムキの肉体を観たい方と戦争に行っている間に恋人を奪われてしまった経験のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「人を殺さなくても戦争の強烈な体験はいつまでも人の心に残るんだな~」ってラストシーンを観てしみじみと感じてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


サイレン

2006-02-06 23:08:21 | 映画 サ行
試写会で、出演:市川由衣/田中直樹/阿部 寛/西田尚美/松尾スズキ/高橋真唯/西山 潤/嶋田久作/森本レオ/脚本:高山直也/監督:堤 幸彦/作品『サイレン』を観ました。

●ストーリー
1976年、日本の「夜美島」で全島民が突然消失するという事件が発生した。
発見された唯一の島民・土田 圭(阿部 寛)も正気を失っており「サイレンが鳴ったら外へ出てはならない」と叫び続けるだけであった。

その事件から29年後、天本由貴(市川由衣)は弟・英夫(西山 潤)の病気療養の為に、父・真一(森本レオ)と共に「夜美島」に引越して来た。

医師の南田(田中直樹)に迎えられ、島を案内されながらも、由貴は遠巻きに自分達を見つめる島民の奇異な表情に不気味さを覚えていた。

さらに由貴は、家の掃除をしている途中で、壁に血跡の様なものを発見したり、向いに住む島民・里美(西田尚美)から「夜は出歩かないように」「森の鉄塔には近づかないこと」「サイレンが鳴ったら外に出てはならない」等のアドバイスを受け不安が増して行く。

その翌日、由貴は迷い込んだ空家の中で、29年前の唯一の生き残りである土田が書き残した手記の半分を発見するのだが、そこには「3度目のサイレンで島民に変化…」という意味不明な文章で終わっているのだった……。

●感想
堤監督の作品が好きで『サイレン』もなんとか試写会状をゲットし、一足先に観て来たのですが、感想としては「なんだかビミョーだな~」って感じです。

映像とかカメラワークは堤監督独特の雰囲気が出ていて良かったと思うのですが、ストーリーが大雑把過ぎて、あまり納得出来ませんでした。

高橋真唯ちゃん演じる「赤い服の少女」や「DOG」「LIVE」等の文字、島民達の不気味な宗教儀式と意味ありげなフリを序盤から、散々し倒すのですが、どれもオチにまったく繋がらず、最後は何でもアリの「空想オチ」という力技で幕を降ろしてしまうあたりは、M・ナイト・シャマランの悪いところだけをマネている様に感じました。

個性派俳優の阿部 寛さん、松尾スズキさん、嶋田久作さん等が出演して脇を固めているのですが、扱いが雑で彼らの良さが充分に発揮されていないのも残念でした。

市川由衣ちゃんもかわいいとは思うのですが、そんなに私のタイプじゃない為に興味も沸かず、全体的にインパクトに欠ける印象を持ちました。

この作品で一番オイシイ思いをしたのは、森本レオさんですかね~。
「まさか、森本レオさんがあそこまでやってくれるなんて!」って正直驚いてしまいました。

●採点
私のこの作品に対する評価は60点です。

試写の後で主演の市川由衣ちゃんが登場し、少し驚いたのですが、私的には堤監督の話が聞きたかったです。

中盤までは、色々なネタふりと先の読めない展開にワクワクしたのですが、オチを観て「これじゃ~、ダメだ~」と脚本の出来の悪さを感じてしまいました。

この作品の脚本家はM・ナイト・シャマランのファンなんでしょうかね?
どうも彼の作品の臭いが色々なところから感じられて仕方ありませんでした。
まぁ、人のマネをするのもいいと思うのですが、せめて良い所だけを盗んで欲しいものです。

と言う訳でこの作品は、堤監督や市川由衣ちゃんの大ファンの方と家の近くにサイレンの鳴る大きな鉄塔が建っているという方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、クライマックスでの森本レオさんの思わぬ変身ぶりにビックリさせられてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

スケルトン・キー

2006-01-28 22:34:36 | 映画 サ行
DVDで、出演:ケイト・ハドソン/ジーナ・ローランズ/ジョン・ハート/ピーター・サースガード/ジョイ・ブライアント/脚本:アーレン・クルーガー/監督:イアン・ソフトリー/作品『スケルトン・キー』を観ました。

●ストーリー
看護士のキャロライン(ケイト・ハドソン)は、都会のホスピスで働いていたのだが、人の死をビジネスとして割り切るやり方に疑問を感じ、新聞の求人欄で見つけたルイジアナでの住み込み看護の仕事に転職する。

その屋敷での主な仕事は、脳梗塞で身動きが出来なくなった老人・ベン(ジョン・ハート)の身のまわりの世話をする事だった。

ベンの妻の老婦人・ヴァイオレット(ジーナ・ローランズ)は南部の出身者でないキャロラインを雇う事に難色を示すのだが、ヴァイオレットの弁護士であるルーク(ピーター・サースガード)の説得で雇い入れられる事になる。

仕事を始めて、キャロラインは広大な屋敷の全ての部屋を開けられる合鍵をバイオレットから預かるのだが、2階の屋根裏に1つだけ開けられない部屋がある事に気付く。

開かずの部屋の存在が気になったキャロラインが、ヴァイオレットに厳しく詰め寄ると彼女はこの地方で言い伝えられている “フードゥー”という呪術をめぐり、ひと昔前にこの家で起こった惨劇を打ち明け始めるのであった……。

●感想
『東京国際ファンタスティック映画祭2005』で上映され、「衝撃のラストシーン!」というよくある宣伝文句で絶賛されていた作品なんですが、何度もこの言葉に騙されて来た私は敢えて、そんなに期待しないで観る事に致しました。

ラブコメをほとんど観ない私は、本作で主演のケイト・ハドソンを初めて見たのですが、そんなに美人じゃないんですけど肉感的で健康的なエロを感じさせる良い女優さんでした。

特にシャワーシーンでは胸やお尻に目線が釘付けになり、思わず「もうちょっと、こっち向いて!」と叫んでしまいました。

今まで知らなかったんですけど彼女って『バード・オン・ワイヤー』『永遠に美しく…』等の作品でキュートな演技を見せてくれたゴールディ・ホーンの娘なんですね~。
目のクリッとしたお母さんとは全然似ていないので、全く気付きませんでした。

出だしはケイト・ハドソンの魅力で楽しめるのですが、途中で“ブードゥー”とか“フードゥー”の話が出て来た時には「あ~、そっちの方向に行っちゃうのね~」って感じて呆れ始め、クライマックスでキャロラインとヴァイオレットのガチンコ勝負になった時は「『ミザリー』の様なオチにするんだな」と決め付けてしまいました。

この決め付けが正直言って失敗でした…。

と言うのも、オチを知った後に「あの写真は、そういう意味だったのか!」とか「あの時の言葉はそういう意味だったのか!」等と伏線が細かく張り巡らされているのに驚き、これらを初めから確認する為に、最終的には3回も観てしまう結果になってしまいました…。

●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。

「映画は気を抜いて観てはいけません!」って言われた気分になり、久しぶりに反省致しました。
映画に関しては「終わり良ければ、全て良し!」って事があるので最後まで気合を入れて観ていないとダメですね。

脚本が良く出来ていると思ったら『隣人は静かに笑う』『レインディア・ゲーム』『クローン』等を手掛けたアーレン・クルーガーが書いているんですね!

独特の、どんでん返しや悪党が最後に「ニヤッ」と笑う所なんかは『隣人は静かに笑う』を思い出してしまいました。

脚本ばかりではなくイアン・ソフトリー監督のカット割りや演出、編集などが上手いですね。
監督が丁寧な作品づくりをしているからこそ、ここまでの作品になったものの、下手な監督が撮ると全然面白く無い作品になっていた可能性が高いですね。

特典映像も未公開シーンやメイキングなどを始めとして、見応えのあるものがタップリ収録されているので、こちらも見逃さないで欲しいです。

音楽では「アイコ、アイコ」の曲が印象的で、これからこの曲を聴く度に本作とピーター・サースガードを思い出してしまいそうです。

と言う訳でこの作品は、ケイト・ハドソンの見えそうで見えないシャワーシーンが気になる方と最後まで観終わった後に、もう1度観直す時間的余裕のある方にオススメ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、『フライトプラン』同様にピーター・サースガードの期待を裏切らない悪役ぶりに「ホッ」としてしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

サル

2006-01-19 21:18:10 | 映画 サ行
DVDで、出演:水橋研二/大森南朋/鳥羽 潤/水川あさみ/プロデューサー:釜口佳人/前田芳秀/脚本・監督:葉山陽一郎/作品『サル』を観ました。

●ストーリー
自主製作映画の青年監督・福家(水橋研二)は作品の資金調達の為に、撮影仲間4人と共に短期間で高額な報酬が得られる新薬投与実験のアルバイトに参加する。

実験内容は、アルツハイマー型老人痴呆症のための治療薬の安全性を調べる目的で行われるのだが、たった5泊6日の入院で高額なバイト代が貰えるとあって、彼らは浮かれ気分であった。

好奇心で実験の過程を隠し撮りする事を思いついた彼らは、秘かにビデオカメラを持ち込み、5泊6日の入院生活を記録し始める。

しかし、入院日数が進むにつれ、徐々にアルバイトに参加していた人の数が減って行く。
やがて実験が進むうち、福家達の身体にも異変が現れ、何かがおかしいと気づき始めるのであったが……。

●感想
ビデオカメラの目線を基にストーリーが展開して行くのですが、全編を通して映像にチープさが漂い、何か起こりそうで何も起こらないお粗末な結末に、思わず「何じゃそりゃ!」とツッコンでしまいました!

この作品はサスペンス・ホラーとしてジャンル分けされているのですが、ホラーの部分はほとんど無いので「怖さ」を期待して観てしまうとガッカリしてしまうので、注意して欲しいと思います。

カット割りもビデオカメラの目線なので、ワンシーンの長回しがほとんどでテレビのドキュメンタリー番組に近いものを感じました。

病院を舞台にして、秘密の新薬実験が行われるという発想は面白いと思うのですが、脚本の内容が悪く、監督が何を言いたいのか?全く分からない作品になっています。

ビデオカメラの目線なのに、不自然な映像があったり、途中で何度か挿入されるニュース映像の作りが雑だったり、肝心なシーンをテロップで誤魔化していたりと出来としては、どう観ても素人が作った様にしか見えず、こんな作品を劇場で公開してお金を取るのはやめて欲しいと思いました。

まぁ、DVDで観るにしてもレンタル代がもったいない感じですね~。

大森南朋さんの演技が自然体で良かったので、彼の作品を全部観ないと気が済まない!って方以外には、ちょっとおすすめ出来ない作品でした。

●採点
私のこの作品に対する評価は30点です。

サスペンス・ホラー作品だと期待を持たせておいて、大した事が何も起きないって作品を「観たい!」って思う人が果たしているのでしょうか?

そういう作品を作ってしまう監督や製作者の感性に疑問を持ったのと、こんな映画が劇場公開されてしまう現状があるから、いつまでたっても邦画を敬遠する人が減らないんだと感じました。

本作は明らかに映画にするレベルの作品じゃなく、「テレビの深夜枠の2時間ドラマで充分だ!」と思います。

と言う訳でこの作品は、上記の様な理由からちょっとおすすめ出来ない作品です!

私が観て「これはちょっとヒドイ出来だな~!」って感じた作品は、おすすめしない事にしていますので、どうか御了承下さいませ。

最後にどうでもいいことなんですが、この作品の監督や製作者の方々に「もう少し真剣に、映画について勉強して欲しい!」って思ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

スタンドアップ

2006-01-06 23:57:50 | 映画 サ行
試写会で、出演:シャーリーズ・セロン/フランシス・マクドーマンド/シシー・スペイセク/ウディ・ハレルソン/ショーン・ビーン/原作:クララ・ビンガム/ローラ・リーディー・ガンスラー/脚本:マイケル・サイツマン/監督:ニキ・カーロ/作品『スタンドアップ』を観ました。

●ストーリー
ジョージー・エイムズ(シャーリーズ・セロン)は、夫の暴力に絶えかね、2人の子供・サミー(トーマス・カーティス)とアリス(シシー・スペイセク)を連れて両親が住む北ミネソタへ戻って来た。

10代で相手の分からない子供を生んだ事で、父親のハンク(リチャード・ジェンキンス)はジョージーを「一家の面汚し」と呼び、親子の関係は決して良好とは言えなかった。

両親と同居しながらも、2人の子供を養う為に美容院のシャンプー係として働いていたジョージーだったが、給料が安く、このままではいつまでたっても自分達の家を持てない状況だった。

そんな時、偶然にも美容院で幼馴染みのグローリー(フランシス・マクドーマンド)と再開し、彼女が鉱山で大型ダンプの運転手をしている事を知り驚くジョージー。

グローリーはジョージーの経済状況を察し、彼女にも給料の良い鉱山労働者の職を紹介してくれるのだった。

鉱山労働者である父親からは男社会に入り込んで来る事を反対されるのだが、ジョージーは2人の子供達と一緒に暮らす家を持つべく鉱山労働者として働く道を選ぶ。

しかし、ジョージーが選んだ炭鉱労働者の職場は、全てにおいて男社会であり、共に働く女性の地位は低く扱われ、同僚の男達からは露骨で悪質な嫌がらせを受けていたのだった……。

●感想
『モンスター』でアカデミー主演女優賞を獲得したシャーリーズ・セロンが、またもや体当たりの演技をしているという事でこの作品は随分前から「絶対に観よう!」と決めていました。

本作は、1988年にアメリカのミネソタ州で起きた実話を基に作られているのですが、人権にうるさいイメージが強いアメリカでも僅か20年前には、これほど酷い女性差別が職場内で平然と行われていた事に驚かされました。

本作で女性が差別を受ける背景には、海外から質の良い鉱石の流入でアメリカ国内の炭鉱が次々と閉鎖に追い込まれ、「いつ自分が職を失うかもしれない状況で、社会政策に守られた女性達が自分の職場に入って来る」という男達の嫉妬や恐怖感があります。

この事を考えると、男の職場に女が入って来るのに抵抗を示す炭鉱労働者の気持ちも分からないでもないですが、それにして女性に対する嫌がらせが卑猥で悪質過ぎまて、男性の私が見ても無性に腹が立ってしまいました。

職場での卑猥な言葉や落書きはもちろんの事、ペニスを模ったおもちゃをランチボックスに入れたり、誰も来ない場所でキスを要求したり、押し倒したりと街中でやったら、すぐに逮捕されるような行為が職場内では平然と行われていたんですから、閉ざされた社会での集団心理って怖いですね。

女性が職場で受けた差別を上司や社長に訴えたとしても、会社自体に女性を厄介者としか見ない風潮があるので、職場が気に食わない女性には、すぐに退職を勧める始末で全く話にならない訳です。

社長や上司の対応を見ていて腹が立ちましたが、この当時の会社は女性の地位改善という発想が全くなかったんでしょうね。
会社がこの時点で上手い解決策を見出していれば、後で痛い出費をしないで済んだのでしょうけどね。

この様な状況だったので、鉱山で働く女性達は辞めるか我慢するかの選択しかなかったのです。

その中でジョージーが女性の職場での地位改善の為に立ち上がるのですが、男達の報復や会社からの解雇を恐れて、女性達の足並みも最初はなかなか揃わず、裁判で勝訴する可能性が高くなる集団訴訟に持ち込めない不利な状況のまま、ジョージーと弁護士のビル(ウディ・ハレルソン)は会社を相手に裁判を起こします。

会社側もやり手の女性弁護士を雇い、女性従業員に会社に有利な供述書を書かせたり、法廷でジョージーの長男の出生の秘密を暴露したりと、何でも有りな手段でジョージーの人格に問題がある事を訴える作戦に出ます。

まぁ、この作戦が後で大きな誤算となってしまうのですけど…。

法廷でジョージーの秘密を知ってからの父親・ハンクのとった行動やその後のジョージーに接する態度の変化が、前半ではあまりにも冷たかっただけに大変感動させられました。

全編を通じて父親役のリチャード・ジェンキンスの演技は実に素晴らしいです!
私としては、アカデミーの助演男優賞をこの人にあげたい気分になりました!

友人のグローリーを演じたフランシス・マクドーマンドも巨大なダンプをスタント無しで運転したり、元気な時から難病にかかり、身体が弱って行く様を実に見事に演じています。
この人の名演は、アカデミーの助演女優賞を獲るかも知れませんよ。

ジョージーを優しく支える母親・カレン役で存在感を示してくれたシシー・スペイセク、グローリーの夫・カイルをこれまでにない良い人役で見せてくれたショーン・ビーン、普段はシャイだがジョージーを助ける為に熱弁を振るった弁護士・ビル役を好演したウディ・ハレルソン、昔のジョージーの恋人で昔の秘密を知る同僚・ボビーを、観ていて思わず殴りたくなるくらい絶妙に演じ切ったジェレミー・レナー等の脇を固める出演者達の演技も実に素晴らしいので、こちらも是非、注目して観て欲しい作品です。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

主演のシャーリーズ・セロンを含めて主要な登場人物を演じている俳優陣の演技のレベルがとても高いので「観る価値有り!」な作品だと思います。

特に女性は共感した人が多かったみたいで、私の両脇に座った女性の方はハンカチで何度も目元を拭っていました。

試写会前に司会のお姉さんが言ってたのですが、シャーリーズ・セロンの母親もシャーリーズがまだ幼い時に夫から激しい暴力を受けていて、自分と娘を守る為に夫を殺害したそうなんです。

幸いにも、母親の行為は正当防衛として認められ服役はしないで済んだそうなんですけども、それから女優になるまでシャーリーズは大変苦労したそうです。

そういう彼女の背景を考えると、映画に出始めた時に見せた「美しい容姿にも係わらず、異常なまでの脱ぎっぷりの良さ」も「女優として大成する為に必死だったんだな~」って理解出来ました。

そう言う訳でこの作品は、骨太な実話を基にしたアカデミー賞最有力作品を堪能したい方と幸せな明日を願うすべてのシングルマザーにおすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、もうすでに次のシャーリーズ・セロンの主演作『イーオン・フラックス』が観たくて仕方がない!って思ってしまっているのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。