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オリバー・ツイスト

2006-01-24 22:57:01 | 映画 ア行
試写会で、出演:バーニー・クラーク/ベン・キングズレー/ハリー・イーデン/ジェイミー・フォアマン/リアン・ロウ/エドワード・ハードウィック/原作:チャールズ・ディケンズ/脚本:ロナルド・ハーウッド/監督:ロマン・ポランスキー/作品『オリバー・ツイスト』を観ました。

●ストーリー
19世紀のイギリスに生まれた孤児のオリバー・ツイスト(バーニー・クラーク)は9歳になり、救貧院へと連れて来られた。

そこには、多くの孤児達が僅かな食事で空腹に耐えながら、単純労働を強いられていた。
ある日、空腹に耐えかねた孤児達の代表として、委員に夕食のお代わりを訴え出る者をくじ引きで決めるのだが、運悪くオリバーがこの役に決まってしまう。

夕食時、人より早く食べ終えたオリバーは仲間達が見守る中、委員の前に出て行き「お代わりを下さい」と訴えるのだが、この言葉が委員の怒りを買い、オリバーは追い出され葬儀屋の主人に引き取られる。

しかし、ここでも主人の妻や兄弟子のひどいイジメに遭ったオリバーは、葬儀屋を飛び出し7日間歩き通して、やっとの事で70マイル離れたロンドンに辿り着く。

何とかロンドンまで辿り着いたオリバーだったが、空腹の為に動けなくなっていると偶然に通りかかった少年スリ団のリーダー・ドジャー(ハリー・イーデン)に助けられ、彼らの面倒をみている老人・フェイギン(ベン・キングズレー)の住処に案内されるのだったが……。

●感想
『戦場のピアニスト』でアカデミー監督賞を獲得したロマン・ポランスキー監督が自分の幼い子供に「お父さんの作る映画は面白くない」と言われてこの作品を作ったそうなんですが、決して子供向けでは無い内容に監督のお子さんは果たして理解出来たのか?と心配しております。

映画評論家のおすぎさんが、「この映画に会う為に61年間、生きてきました」とか「感動で涙が止まりませんでした」とかテレビCMで盛んに叫ばれておりますが、私にとっては感動して涙を流す程の作品ではありませんでした。

感動というよりも波乱万丈のオリバーの人生が良く描けているので、脚本の出来に感心致しました。

本作の内容をまとめれば「涙のあと、幸せはやってくる」というチラシのキャッチコピーそのままだったと思います。

物語の前半で、孤児のオリバーが色々な所で散々な目に遭い、やっとの事で少年達を使ってスリを行っているフェイギンに出会い、人間らしい生活が出来る様になるのですが、裕福なブラウンロー氏(エドワード・ハードウィック)に危ないところを助けられてから、フェイギン達とブラウンロー氏の間に挟まれて、義理人情で思い悩む9歳のオリバーが堪らなく切なかったです。

一様は勧善懲悪のストーリーになっているのですが、一時はオリバーを助けたフェイギンの結末が哀れに描かれているので、彼を善人だと考える人と悪人だと考える人で、感想が大きく変わってしまうかもしれませんね。

この憎めない老人・フェイギンを『ガンジー』でアカデミー主演男優賞を獲ったベン・キングズレーが好演しているので彼の演技をジックリと観てもらいたいのですが、メーキャップが凄いので言われないと誰が演じているのか分からないですね。

まぁ、何はともあれオリバーを観ていると、いかに自分の気持ちに正直であることが幸せになる為に大切な事なのかを気付かされる作品だと思いますので、気になっている方は劇場に足を運んでもらいたいと思います。

●採点
私のこの作品に対する評価は75点です。

単にオリバーの幸せをつかむまでのサクセス・ストーリーを描いているのではなく、フェイギンを通して「人の善悪とは?」という質問をポランスキー監督に問われている様な気が致しました。

結果的には予想していたよりも、一波乱、二波乱あり楽しめる作品だったので観て良かったと思っています。

と言う訳でこの作品は、母性本能をくすぐる美形の男の子が大好きな方と行き倒れになっている所を誰かに助けられた経験のある方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「もし、オリバーのルックスが可愛くなかったら、果たして幸せになれただろうか?」って汚れきってしまった大人ならではの意地悪な感想を持ってしまったのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。


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