うひゃーーー・・・。
この列の長さは何だ!!
「ただいま、140分待ちでございまーす」(会場整理担当者)
「ひゃ、ひゃく四十分!!!」(私)
「やっぱりー・・・、先に来るべきだった・・・。
うーん、計画を誤ったーー」(夫)
夫はうなだれると同時に
私に対する怒りがフツフツと湧き上がっているのを感じた。
そうなのだ。
私が京都国立博物館に行く前に、
向かいの智積院に寄ろうと提案したから。
みんな、こういう催し物は早く行こうと考える。
特に団塊世代以上は時間もあるし、行動時間が早い。
だから最初の波が終わったあたりに入ろう。
それが私が出していた結論だった。
夫は、本当にそうかなあと思いつつも、
バスを降りて、国立博物館の入り口から、
既に長い列ができているのをみて、
私の案に従うと決めたのだ。
一点の杞憂は拭えないままに・・・。
実は私たち夫婦、その前日新幹線で京都に入った。
その目的は、京都国立博物館の特別展「琳派誕生400年記念 琳派 京(みやこ)を彩る」。
この特別展を観たい一心で前から計画を立てていた。
今年は琳派400年の催しがあちこちの美術館で開かれている。
その集大成というか、最後の大掛かりな展覧会がこの特別展。
一泊二日の予定なので、これが私たちの第一順位だった。
第二順位は醍醐寺。
このお寺は私が高校の修学旅行で行ったところ。
私が訪ねた時は「桜吹雪」で美しかった。
ああ、秀吉はこの桜に魅了されたんだなーなんて、
当時、歴女だった私は、うっとりした。
そして、絶対また来ると心に誓った。
そして50年が経った・・・。
桜の季節も紅葉の季節も京都は人でいっぱいと聞く。
私は東京に住んでいて、人でいっぱいはもうたくさん。
だから、本当は桜や紅葉を愛でたいけれど、
それは我慢している。
そしてその季節をちょっと外した3月とか、
今回のように10月とかに訪れ始めたのはここ2年のこと。
季節外れではあったけれど、訪れたところはどこも静かで、
そしてその季節なりの美しさがあった。
満開の前の桜の蕾、木々や花々が「さあ、外へ出よう!」という前の
エネルギーをため込んだ何とも言えない気持ちよさ。
今回はわずかに色づき始めた楓をみて、
ああ、もうすぐ萌出ずる木々や山々になるのだなと思いを馳せた。
閑話休題。
訪れた醍醐寺。
私が桜吹雪を見た場所はなかなか見つからなかった。
記憶違いなのだろうか・・・、
と思いながらうろちょろしていたが・・、
あっ、もしかしたらここかもと思った場所は
霊宝館という醍醐寺の需要文化財等が保管されている建物の前。
この建物は半世紀前には建っていなかった。
そこに大きな枝垂桜があった。
これだ!!
霊宝館が、建てられていて、
庭園の広さが少し狭くなっていたので
イメージが違い、最初は通り過ぎてしまったのだった。
また会えた。
あの50年前の日々は確かにあったのだ。
第三順位は智積院。
宿で、国立博物館近辺の地図を見ていると、
すぐ対面に「智積院」があるのを発見した。
というか、なんと事前準備の悪いことかというべきか・・・。
しかし同時に京都のテレビは信行寺の天井画が
期間限定で公開されていると伝えていた。
この天井画は私が追っかけをしている伊藤若冲の珍しい作品と聞いている。
こちらにも行きたいなあ、なーんて呟いていると、
あの智積院?と夫。
長谷川等伯、久蔵親子の「桜図」と「楓図」があるといわれる・・。
「そこも国立博物館に近いの?」(夫)
「そうよ」(私)
今年、安倍龍太郎著「長谷川等伯」を読んだ。
この本は夫にも私にもヒットした珍しい本の一つ。
だから、智積院と言ったとき、
夫も、オッとそうだった、その手があったねと賛成した。
そして智積院に行くことに決定。
8時40分には国立博物館前はすでに長蛇の列が。
私たちはすぐに踵を返して智積院に向かった。
こうして第三順位と第一順位の見学時間が入れ替わった。
こちらは9時の開門と共に中に入った。
もう「利休好みの庭園」も
お堂のなかの障壁画の鑑賞も私たちだけ。
なんという贅沢!!
この贅沢を綴るのは次に譲ろう。
ともかく、貸切、独り占めという贅沢を
一時間半余り満喫したのち
いよいよ本命の国立博物館へ。
見ると、もう長蛇の列はなかった。
「よかったわねえ」(私)
「うん、よかった」(夫)
と、二人でにこにこしながら入門した。
そしてすぐに耳に入ったのが、
「ただ今140分待ちでございまーす」の声。
団塊夫婦の冷戦の火ぶたが
またもや切られることになったのでありました。
この列の長さは何だ!!
「ただいま、140分待ちでございまーす」(会場整理担当者)
「ひゃ、ひゃく四十分!!!」(私)
「やっぱりー・・・、先に来るべきだった・・・。
うーん、計画を誤ったーー」(夫)
夫はうなだれると同時に
私に対する怒りがフツフツと湧き上がっているのを感じた。
そうなのだ。
私が京都国立博物館に行く前に、
向かいの智積院に寄ろうと提案したから。
みんな、こういう催し物は早く行こうと考える。
特に団塊世代以上は時間もあるし、行動時間が早い。
だから最初の波が終わったあたりに入ろう。
それが私が出していた結論だった。
夫は、本当にそうかなあと思いつつも、
バスを降りて、国立博物館の入り口から、
既に長い列ができているのをみて、
私の案に従うと決めたのだ。
一点の杞憂は拭えないままに・・・。
実は私たち夫婦、その前日新幹線で京都に入った。
その目的は、京都国立博物館の特別展「琳派誕生400年記念 琳派 京(みやこ)を彩る」。
この特別展を観たい一心で前から計画を立てていた。
今年は琳派400年の催しがあちこちの美術館で開かれている。
その集大成というか、最後の大掛かりな展覧会がこの特別展。
一泊二日の予定なので、これが私たちの第一順位だった。
第二順位は醍醐寺。
このお寺は私が高校の修学旅行で行ったところ。
私が訪ねた時は「桜吹雪」で美しかった。
ああ、秀吉はこの桜に魅了されたんだなーなんて、
当時、歴女だった私は、うっとりした。
そして、絶対また来ると心に誓った。
そして50年が経った・・・。
桜の季節も紅葉の季節も京都は人でいっぱいと聞く。
私は東京に住んでいて、人でいっぱいはもうたくさん。
だから、本当は桜や紅葉を愛でたいけれど、
それは我慢している。
そしてその季節をちょっと外した3月とか、
今回のように10月とかに訪れ始めたのはここ2年のこと。
季節外れではあったけれど、訪れたところはどこも静かで、
そしてその季節なりの美しさがあった。
満開の前の桜の蕾、木々や花々が「さあ、外へ出よう!」という前の
エネルギーをため込んだ何とも言えない気持ちよさ。
今回はわずかに色づき始めた楓をみて、
ああ、もうすぐ萌出ずる木々や山々になるのだなと思いを馳せた。
閑話休題。
訪れた醍醐寺。
私が桜吹雪を見た場所はなかなか見つからなかった。
記憶違いなのだろうか・・・、
と思いながらうろちょろしていたが・・、
あっ、もしかしたらここかもと思った場所は
霊宝館という醍醐寺の需要文化財等が保管されている建物の前。
この建物は半世紀前には建っていなかった。
そこに大きな枝垂桜があった。
これだ!!
霊宝館が、建てられていて、
庭園の広さが少し狭くなっていたので
イメージが違い、最初は通り過ぎてしまったのだった。
また会えた。
あの50年前の日々は確かにあったのだ。
第三順位は智積院。
宿で、国立博物館近辺の地図を見ていると、
すぐ対面に「智積院」があるのを発見した。
というか、なんと事前準備の悪いことかというべきか・・・。
しかし同時に京都のテレビは信行寺の天井画が
期間限定で公開されていると伝えていた。
この天井画は私が追っかけをしている伊藤若冲の珍しい作品と聞いている。
こちらにも行きたいなあ、なーんて呟いていると、
あの智積院?と夫。
長谷川等伯、久蔵親子の「桜図」と「楓図」があるといわれる・・。
「そこも国立博物館に近いの?」(夫)
「そうよ」(私)
今年、安倍龍太郎著「長谷川等伯」を読んだ。
この本は夫にも私にもヒットした珍しい本の一つ。
だから、智積院と言ったとき、
夫も、オッとそうだった、その手があったねと賛成した。
そして智積院に行くことに決定。
8時40分には国立博物館前はすでに長蛇の列が。
私たちはすぐに踵を返して智積院に向かった。
こうして第三順位と第一順位の見学時間が入れ替わった。
こちらは9時の開門と共に中に入った。
もう「利休好みの庭園」も
お堂のなかの障壁画の鑑賞も私たちだけ。
なんという贅沢!!
この贅沢を綴るのは次に譲ろう。
ともかく、貸切、独り占めという贅沢を
一時間半余り満喫したのち
いよいよ本命の国立博物館へ。
見ると、もう長蛇の列はなかった。
「よかったわねえ」(私)
「うん、よかった」(夫)
と、二人でにこにこしながら入門した。
そしてすぐに耳に入ったのが、
「ただ今140分待ちでございまーす」の声。
団塊夫婦の冷戦の火ぶたが
またもや切られることになったのでありました。