この日で三連休もおしまい。
また日常が戻る。
その前にどうしても観たい映画があった。
英国女優マギー・スミス主演の
「ミス・シェパードをお手本に」
(原題:The Lady in the Van) がそれだ。
年の瀬に、いつも楽しみにしているブログで
紹介されていた。
そして、このお正月休み中に
絶対に観にいこうと決心した。
しかし、年末年始は家族行事で忙しく、
その上ちょっぴり風邪もひき、
なかなか行かれなかった。
が、お休み最終日のこの日、
何とか決行できた。
上映館は銀座にある「シネスイッチ銀座」。
夫は同時に上映されている
「ヒトラーの忘れもの」を観たそうだったが、
今回は私の選択に付き合ってもらった(=^・^=)。
この映画はほとんど真実のストーリーだという。
1970年代から80年代にかけてのイギリスの
文化人が多く住むという
カムデンタウンがその舞台。
一人の誇り高いホームレス淑女のミス・シェパードと
彼女がねぐらにしているオンボロ車に
15年に亘って自宅の前庭を提供していた
劇作家ベネットとの物語。
二人とも一人暮らし。
ミス・シェパードの過去はほとんど謎。
誇り高くはあるが、まわりの親切に対しては
徹底的に悪態をつき、「ありがとう」の「あ」の字も
言わない偏屈さを持ち合わせている。
けれども周りの人々は
いろいろ思うところはあるのだが、
彼女を憎み切きれない。
そんなミス・シェパードを
マギー・スミスが実に実に
素晴らしく演じている。
彼女の過去に何かがあったことは
匂わされているが、
それが何であるかは最後の方まで
もやがかかった状態で進んでいく。
一方、ベネットの方も一人暮らしの劇作家。
一人暮らしの老いた母親を題材に
戯曲を書いたりしている。
そこにミス・シェパードというもう一人の
老婦人が彼の生活に入り込んでくる。
映画ではベネットは二人登場する。
一人は実際に生きて生活しているベネット。
もう一人はそのベネットの頭の中にいるベネット
ということになろうか。
一人が二人の人物として登場、
つまり彼もまた心に大きな葛藤を
抱えていることをうかがわせる。
そんな二人と近隣住民との長い年月。
ベネットの母親もミス・シェパードも
いつしか老いていく。
ベネットは母親を施設に入れた。
同じ頃、ミス・シェパードも福祉施設に体験入所。
それから間もなく訪れるミス・シェパードの死。
そこに来て初めて、彼女がなぜこの人生を
生きるようになったかが明らかになる。
と、これだけの説明では
内容は分かりにくいかもしれません。
あらすじが書きにくい映画でもあります。
でも、感じることはいっぱいある映画だった。
その一つは、ミス・シェパードの若い時のこと。
ピアノをなんと当時の一流ピアニスト、
アルフレッド・コルトーに習っていた。
コルトーは、今でいえば
アシュケナージやバレンボイム
ということになろうか。
当代一流のピアニストに薫陶を受けてはいたが、
彼女は修道院に入って修道女をめざす。
そこでの生活は、ミンチン先生にやられていた
小公女セーラを彷彿とさせる。
彼女の命ともいうべきピアノには
絶対にさわらせてはもらえなかったのだから。
その後の生活は詳しくはわからない。
が、その後の人生で
更にもう一つ偶然遭遇した現実から
彼女は逃避することに。
と、そんなこんながあって後のホームレス生活。
考えれば考えるほどよくわからないけれど・・・。
場面、場面で感じたことがいくつもあった。
その一つがミス・シェパードが
福祉施設に体験入所した際のこと。
久方ぶりのシャワーを浴びてさっぱりした彼女、
部屋に置かれていたピアノに近づく。
そして、静かにキーを叩く。
そこに流れたのはショパン。
何故だかわからないけれど、
恥ずかしながら、私は涙が止まらなくなった。
彼女の気持ちを感じて
彼女の人生を思ってなのか、
はたまた自分の人生を思ってなのか・・・。
まだその結論を出すには
気持ちの高ぶりが治まらない。
そんな高ぶりを得たマギー・スミスの
魅力ある演技に惹きこまれたひとときでした。
また日常が戻る。
その前にどうしても観たい映画があった。
英国女優マギー・スミス主演の
「ミス・シェパードをお手本に」
(原題:The Lady in the Van) がそれだ。
年の瀬に、いつも楽しみにしているブログで
紹介されていた。
そして、このお正月休み中に
絶対に観にいこうと決心した。
しかし、年末年始は家族行事で忙しく、
その上ちょっぴり風邪もひき、
なかなか行かれなかった。
が、お休み最終日のこの日、
何とか決行できた。
上映館は銀座にある「シネスイッチ銀座」。
夫は同時に上映されている
「ヒトラーの忘れもの」を観たそうだったが、
今回は私の選択に付き合ってもらった(=^・^=)。
この映画はほとんど真実のストーリーだという。
1970年代から80年代にかけてのイギリスの
文化人が多く住むという
カムデンタウンがその舞台。
一人の誇り高いホームレス淑女のミス・シェパードと
彼女がねぐらにしているオンボロ車に
15年に亘って自宅の前庭を提供していた
劇作家ベネットとの物語。
二人とも一人暮らし。
ミス・シェパードの過去はほとんど謎。
誇り高くはあるが、まわりの親切に対しては
徹底的に悪態をつき、「ありがとう」の「あ」の字も
言わない偏屈さを持ち合わせている。
けれども周りの人々は
いろいろ思うところはあるのだが、
彼女を憎み切きれない。
そんなミス・シェパードを
マギー・スミスが実に実に
素晴らしく演じている。
彼女の過去に何かがあったことは
匂わされているが、
それが何であるかは最後の方まで
もやがかかった状態で進んでいく。
一方、ベネットの方も一人暮らしの劇作家。
一人暮らしの老いた母親を題材に
戯曲を書いたりしている。
そこにミス・シェパードというもう一人の
老婦人が彼の生活に入り込んでくる。
映画ではベネットは二人登場する。
一人は実際に生きて生活しているベネット。
もう一人はそのベネットの頭の中にいるベネット
ということになろうか。
一人が二人の人物として登場、
つまり彼もまた心に大きな葛藤を
抱えていることをうかがわせる。
そんな二人と近隣住民との長い年月。
ベネットの母親もミス・シェパードも
いつしか老いていく。
ベネットは母親を施設に入れた。
同じ頃、ミス・シェパードも福祉施設に体験入所。
それから間もなく訪れるミス・シェパードの死。
そこに来て初めて、彼女がなぜこの人生を
生きるようになったかが明らかになる。
と、これだけの説明では
内容は分かりにくいかもしれません。
あらすじが書きにくい映画でもあります。
でも、感じることはいっぱいある映画だった。
その一つは、ミス・シェパードの若い時のこと。
ピアノをなんと当時の一流ピアニスト、
アルフレッド・コルトーに習っていた。
コルトーは、今でいえば
アシュケナージやバレンボイム
ということになろうか。
当代一流のピアニストに薫陶を受けてはいたが、
彼女は修道院に入って修道女をめざす。
そこでの生活は、ミンチン先生にやられていた
小公女セーラを彷彿とさせる。
彼女の命ともいうべきピアノには
絶対にさわらせてはもらえなかったのだから。
その後の生活は詳しくはわからない。
が、その後の人生で
更にもう一つ偶然遭遇した現実から
彼女は逃避することに。
と、そんなこんながあって後のホームレス生活。
考えれば考えるほどよくわからないけれど・・・。
場面、場面で感じたことがいくつもあった。
その一つがミス・シェパードが
福祉施設に体験入所した際のこと。
久方ぶりのシャワーを浴びてさっぱりした彼女、
部屋に置かれていたピアノに近づく。
そして、静かにキーを叩く。
そこに流れたのはショパン。
何故だかわからないけれど、
恥ずかしながら、私は涙が止まらなくなった。
彼女の気持ちを感じて
彼女の人生を思ってなのか、
はたまた自分の人生を思ってなのか・・・。
まだその結論を出すには
気持ちの高ぶりが治まらない。
そんな高ぶりを得たマギー・スミスの
魅力ある演技に惹きこまれたひとときでした。
マギー・スミスは素敵な女優さんですね。
『天使にラブソング』とか『ハリーポッター』とか・・・
いつも小うるさいオバサンで(^^;)
あんな人になりたいなぁ。。。
寒中お見舞い、申し上げます。
いい作品で、心に余韻の残る映画でした。
女性から見ると、こういう作品はまた細やかな一面も見えてくるものですね。
あかね雲様の作品鑑賞後の胸の高鳴りが、こちらにまで聞こえて来るようです。
風邪が流行っておりますから、お体をご自愛ください。
横浜のジャック&ベティの支配人は風邪を召したらしく、このところマスクをしっぱなしです。
寒い日が続きますので、私も風邪をひかないように気を付けます。どうぞお元気で。
申し訳ありませんでした。初めてブログを拝見いたしました。これから時々立ち寄らせていただきます。
嬉しいコメントをありがとうございました。
マギー・スミスはすごいなって改めて思いましたし、ミス・シェパードが強気の陰に隠れた人生をどんなふうに送っていたのかと思うと、今の私にはまだ涙は流れても、それを文章にすることはできません。そんな映画をお教えいただき、本当に感謝しています。
また、今回ご紹介くださった「アイ・イン・ザ・スカイ」、これを次に見に行く予定です。いつもありがとうございます!