徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

6年目の夏ー治験騒動あれこれー

2016-08-29 22:01:34 | 私のデフォルト
この8月25日。
卵巣がんの手術をして6年目を迎えた。
5年目を迎えた昨年もそうだったけれど、
有り難いなって思った。

60代に入ってからはずっとがんが同居中。
といっても、幸いなことに同居人は
手術以降は取り立てて悪さをしているわけではない。

しいて言えば、同居人をおとなしくさせるために
働いてくれている抗がん剤の副作用ということになろうか。

それも、生活に支障をきたすということは
ほとんどなく、おまけに幸いなことに
仕事も続けている。

ガンという病は外から侵入してくるわけではない。
自分の中で生まれ育ってしまうもの。
だから、それを叩こうとすると、
自分の健康な部分も叩かざるを得ないというのが
今までの抗がん剤といわれる薬の主流だ。

しかし、薬の世界も日進月歩。
化学療法といっても、
なるべく身体を痛めつける度合いが
少ないものが開発されつつある。

確か昨年だったか、
皮膚がんの一種の悪性黒色腫によく効く薬として
ニボルマブという薬がテレビなどでも紹介された。
これは今までとは毛色の違う薬で、
抗体を活用することで
免疫の働きを活性化させる薬とされている。

この薬、他のガンにもそれなりに効くことが
分かってきている。

この7月、そろそろマーカー値も上がり始めたので、
8月くらいから治療を再開しようということになっていた。

ところがこの日、主治医はその薬と同種の治験に
参加しないかと声をかけてくれた。
私の場合はTC療法という、薬を2剤使用する
標準の化学療法がもう使えなくなったので、
単剤で治療を続けていくことになっていた。
その前に、丁度条件が合うものがあるからと
主治医は考えてくれたのである。

治験には製薬会社からの様々な条件がある。
その条件が完全に満たされていないと
受けることはできない。
それは結構厳しいらしい。

私の場合は、前回の抗がん剤治療から
半年以上が経過していることもあり、
その条件は満たしていた。
あとはがんの大きさである。
幸か不幸か、今私の体内にあるのは
1センチに届くかとどかないかという大きさ。
条件は1センチ以上なのだ。

CTの画像から、ここから測ればは8ミリだけれど、
ここから測ると11ミリ。
うーーーん、際どいところと医者も唸る。
自分ははっきり1センチはあると思うけれど、
これを判断するのは治験の主体の
製薬会社側の判断だからね・・・と。

結局治験の応募締め切りのぎりぎりまで待って、
もう一度CTを撮った。
少しでも大きい方が有利だからだ。

けれど結果は大きくなっていなかった。
が、ぎりぎりの賭けということで応募を決断。
結果を待った。

最初の結果は✖。
小さすぎるというものだった。
主治医はここで俄然頑張ってくれ、
クレームをつけて、再試を申し込んだ。
しかし、再試の結果も✖。
これまた小さすぎるとのこと。

ガンが小さいことは喜ぶべきことなのに
その小ささが治験への参加を阻んだ。

この薬は第1相で卵巣がんへの奏効率
10から15%ということだ。
ただ、小さくするというだけではなく、
本当に消えてしまうということも
起こるという可能性があった。

私はずっと、たとえ画像には映らなくても
体内に同居中であったので、
まあ、退去の可能性もあるなら、
それをやってみるのもいいかと思ったのだ。
特段、同居したくて同居しているわけではないのだから(笑)。

ということで、治験の話はお流れに。
いい経験だった。
治験には医者や患者と製薬会社を繋ぐ
治験コーディネーター(CRC)という
職業があることを知ったのもその一つだ。

で、同居人がもう少し大きくなってから
予定通り次の治療に入ることになった。

がんを同居人として
人生を送るようになってから
分かったこと、それは・・・、

治療にしても、薬にしても、その効き方にしても、
本当に本当に個人差が大きいということ。

Aさんにはある副作用がでても
Bさんには出ないなんてことはざらだ。
その逆もまたしかり。

要は個体としての個性を持った
自分を生きていくしかないということだ。
薬のこととかは医者のアドバイスに従うが、
自分として主体的にできることは何か?

これはもう、日常をどう送るかってことだ。
自分として気持ちいい生活をして、
つまり、わがままをして(フフフ)・・・、
身体が気持ちいいなって思うものを食べ、
よく笑い、よくしゃべり(おしゃべりが好きな人にだけお薦めですが)、
ちょっと格好をつけていうと、
今日はこれ以上のことはできなかったなって満足する。
そんな風にして過ごして、気づいたら6年。

治験のことでは、
スワッ、同居人退去の可能性ありなんていう
夢をちょっぴり見て、
やっぱりまだまだ私、欲張りだっていうことを
思い知らされた。

以前、がんは60歳過ぎたら、
単なる老化といわれた時から
私って欲張りだったと思い、
その欲を捨てたつもりでいたけれど、
やっぱりそんなに簡単に
欲は捨て去れないものなのですね。

とまあ、この調子で寿命まで
ありのままを生きていこうなーんて思った
治験騒動なのでありました。



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