徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

東映チャンバラ映画で育つということー私の根っこはここにある??ー

2015-12-28 08:33:07 | 私のデフォルト
進藤英太郎
月形龍之介
山形勲
薄田研二
原健作

といったら・・・・。

そう、往年、いや1950年代の東映時代劇(と言ってもチャンバラ映画)の
「悪役」の面々。

一方、
市川歌右衛門
片岡千恵蔵
大友柳太郎
東千代之介
中村錦之助
大川橋蔵
山城新伍
里見浩太朗

と言ったら・・・・、
この東映時代劇の主役大スター。

なんで今頃こんな名前を・・・。

それには訳がある。

祖父は瓦屋をやっていた。
瓦屋なので雨の日は休業日。

1950年代の話。
家にいればラジオで長唄を聞き、
時には隣町の映画館まで東映時代劇を観に行くのが常だった。

1950年生まれの私は
5歳くらいから、祖父の映画のお供をした。
小学校に入っても、日曜日に祖父が映画を見るときは
大体連れて行ってもらった記憶がある。
祖父が亡くなる1959年までこれは続く。
つまり幼稚園くらいの年齢から3年生くらいまでのこと。

私はこの東映チャンバラ映画が大好きだった。
だって、正義の味方と悪者がはっきりしているから。
子どもだった私にはとってもわかりやすかった。

映画は大抵二本立て。
終わって出てくると、外は真っ暗というのも
とても不思議な感じだった。

この頃の私・・、
映画を見ていつもいつも不思議に思うことがあった。

それは一本目の映画で、主役の正義の見方に切り殺されたり、
崖から転げ落ちて死んでしまったはずの悪人が、
二本目の映画で、「殿、それはいかがなものか・・・」なーんて言って、
悪家老を演じているのだ。

「ねえ、おじいちゃん、あのご家老、さっき崖から転げ落ちたよね」(私)
「そうだなあ」(祖父)
「なんで、また生き返ったんだろう??」(私)
「映画だからなあ・・・」(祖父)

映画だからか?、でも私には訳が分からなかった。
それでも通い続けるうちに、
あれはお芝居で、役者さんがやっていて、
だから次の映画にも出てくるんだ、
本当に死んでいるってことではないんだな・・、
ということがおぼろげながら分かり始めた。

それでも一本目でやっつけられた悪役が、
次の二本目で出てくると、
「おじいちゃん、あの人さっき、悪者だから殺されちゃったんだよねー」と
言わずにはいられず、
それを大きな声で言ってしまって、
見ているまわりの観客の人が笑い出し、
私はなんだかとっても恥ずかしかったことを思い出す。

特に、よく立て続けに悪役をやっていたのが原健作さん。
この名前を知ったのはずっと後になってから。
当時の私はまだ漢字ばかりのスタッフロールは読めなかったし、
小学校3年の時に私のバイブルだった
「東映オールスター事典」(?)には
主役級とお姫様女優は載っていても悪役は載っていなかったような記憶がある。

何年も経ってから、テレビで原健作さんを見つけた。
「あっ、この人だ。いつも映画で2回殺されていたのは!」と思わず叫んだ。

もう一つ、映画を見ていてわからないことがあった。
それは、同じ二本立てでも、最初は時代劇、二本目は現代劇(と呼んでいた)という場合。
多くの場合二本目の現代劇の主役は片岡千恵蔵さん。

ところが私、この2本目の映画は見ていてちっとも意味がわからない。
1本目の時代劇はもう頭にすーすー入ってくるのに。
だから、現代劇が2本目だとああ、ちょっぴりつまんないなーって思った。

この謎はずーっと謎のままだった。
そしてある時突然気づいた。
現代劇、といっても東映の現代劇だから
やはり勧善懲悪ものだとは思うのだが、
チャンバラ時代劇よりも悪者と正義の味方の区別がつきにくい。
だから分からなかったのだ。
黒白はっきりしないと理解できなかったということだ。
それに舞台が「現代」ということになると、
子どもだった私にはその世界に入るすべをがない。

時代劇だったら、不思議なことに
あっという間にその世界に入れるというのに。
当時の私には「灰色」の世界、
あるいは「折り合いをつける」世界というのは
理解できなかったのだなあとわかった。

この子ども時代の勧善懲悪の世界から、
子どもたちは育ちながら灰色の世界やら、
折り合いをつけて生きるということを
ちょっぴり大げさな言葉で言えば
傷つきながら学んでいく。

ところが私、このチャンバラ映画の影響が大きすぎて
「白か黒か!」の単純世界からなかなか抜け出せなくて苦労した。

苦労しながら生きているうちに、
あっという間に高齢者。
そして、また「白か黒か」の世界の誘惑が・・・。

若い時、高齢者、つまり、老人になるということは
イコール「老賢人」になれることだと信じていた。

でも、自分が足を突っ込んでみると、
「老賢人」になれるなんて言うことは神業に近い!
ということが分かったように思う。

ちなみに、このスターたちが勢ぞろいするのは
決まって「忠臣蔵」。
もう何回観ただろう。
ある時、市川歌右衛門が大石内蔵助の時、
息子の北大路欣也が内蔵助の息子大石主税。
確か、吉良上野之介はあの「水戸黄門」の月形龍之介だったっけ。
月形龍之介は大型悪役から勧善懲悪の正義の味方に大変身した。

今では北大路欣也は押しも押されぬ大俳優だが、
当時は本当におにいちゃーんという感じだったことをはっきり覚えている。

と、時の流れを思うとともに、
「幼児期から小学校低学年」の時期の子どもって
どんな世界を生きているんだろうって考えた。
きっと違う感性で生きているんだろうな。

私たちよりずっと正義を重んじて生きているかもしれない。
そしてその勧善懲悪が崩れ始めるときが、
思春期の到来なのかなと、
東映チャンバラ映画から思ったのでした。

私ですか?
なんだか思春期すっ飛ばして高齢期に入ってしまったような・・・。

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ururu)
2015-12-28 18:18:27
オー、私より若い^^あかね雲さん、こんばんは~♪
時代劇・・・というか、チャンバラ映画、
幼い頃、隣駅に映画館がありまして、
私もよく母と観に行きましたよ♪(懐かしいなぁ。。。)

東千代之介
中村錦之助
大川橋蔵
山城新伍
里見浩太朗

懐かしい~♪

で、勧善懲悪!
みんないつも『正義は勝つ!!』でした。。。

それが幼い私に沁みついて、
(絶対悪い事なんかしちゃいけないんだ!)
(真面目に頑張るんだ!)

映画に心が育てられた気がします。

で、余談ですが・・・
ショックだったのは童話の『狐のライネッケ』。。。
この狐、ワルなんです!
子ども心に「悪が最後まで勝つ」のが許せなくて・・・
本屋さんで(絶対あると信じ)、続き本を探したのが懐かしく思い出されます。

正義を信じてた私はドイツ童話にやられました。
チャンバラ映画だけにしておけばよかったな(笑)


返信する
チャンバラ (KATO)
2016-08-15 16:02:09
子供の頃 よくやりました・・・
私は 少し年が上ですので 『新諸国物語』から入りました。
里見八犬伝、笛吹童子、紅孔雀などです あの時の俳優は もちろん
東千代之介、 中村錦之助 後 大友柳太郎、高千穂ひずるさんを覚えています・・・
女優さんもいっぱい覚えていますが、特に好きだったのは
お姫様、石松、若剣士までやった活発なひばりちゃんが好きでした。

おっとつい懐かしい昔話をしましたが・・・
ひょんなことからここを知りました
卵巣がんと同居中だそうですが、なになにすっとこどっこい!! まだまだ若い!!! 大丈夫!! 大丈夫!!
返信する
Unknown (あかね雲)
2016-08-15 22:03:46
KATOさま

嬉しいコメントをありがとうございました!
東映チャンバラ映画、そしてラジオの少年探偵団、赤胴鈴之助なんかも私の体の一部です(笑)
小さい時の出来事は、人生でも格別の意味をもつなと思ったりしています。

それから、エールをありがとうございました!
この8月で6年になります。同居中ですが、いたって普通に元気です(=^・^=)
そうです、スッとこどっこい、まだまだ若いので(笑)。
これからもよろしくお願いいたします!
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。