徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

未来に向かって育っていく赤ちゃんに支えられてー保育学生頑張る!ー

2015-06-04 09:40:28 | 保育・子育て
この日は小さな親子グループの日だった。
午前中の1時間半ほどを大学の一室で遊ぶという企画。
年間の登録制で、いつも同じ親子がやってくる。

このグループは生後6か月から1歳半までのお子さんが中心。
4月の時点で、やっと寝返りのお子さんから、
歩くのが上手になった1歳半のお子さんまで。

発達の様相は大きく二つに分かれる。
コロコロ族とピョンピョン族。
私たちは密かにそう呼んでいる。

つまり、まだ畳敷きの場所でお母さんの近くで遊ぶ人たちと、
お母さんは畳のところにいても、自分はぴょんと飛び出して
学生と一緒に面白いことを探して動く人たち。

4月の始まりの時はそんな雰囲気で始まった。
この日はそれから3回目。
私たちは、前回の子どもたちの様子から、
この日の動きを予想してお部屋のしつらえを考える。

まだまだコロコロ族と
ピョンピョン族は分かれるだろうな・・。

けれど、学生のそんな予想は見事に裏切られた。
コロコロ族は既にハイハイができるようになり、
首を立てて、キョロキョロッとあたりを見回し、
ある一点をじーっと見つめてから、
おもむろにグイッグイッと前進した。

赤ちゃんがこれっというものを見つけた瞬間だ。
それはまた、コロコロ族とある意味、高をくくっていた私たちが
赤ちゃんたちに追い抜かれた瞬間でもある。

学生たちは毎回毎回手作りおもちゃ作りに励んでいる。
牛乳パックや、板段ボール、布やビニールテープに養生テープ、
日常の廃材や安く手に入る物を中心に
学生たちの知恵の出し合いと試行錯誤が続く。

部屋の真ん中には4年越しに使っている手作り滑り台もある。
学生たちの知恵と汗の結晶。
それを代々修理し、工夫しながら使っている。

今は赤ちゃん遊具があふれている時代。
お金を出せは、何でも手に入る。
そんな、色鮮やかなプラスチックの遊具に囲まれて、
というより、埋まって育っている赤ちゃんだって多いのが現実だ。

でも、そうではなくて、出会った赤ちゃんの
気に入ったものは何かをよーく見て、
それを次のお部屋のしつらえや遊具に反映させる。
お金をかけずに手作りで。
それが私たちのポリシー。

時折、今の自分たちの実力では作れそうもない
素敵な遊具は、少ない予算をやり繰りして、
絞りに絞って手に入れることもある。

たった1時間半のこの活動。
学生たちは子どもたちの様子の話し合いや、次回の計画、
そしてお部屋のしつらえや遊具の準備といった具合に
授業の合間をぬって奔走する。
授業の予習復習より優先順位が高い。

それは自分で考えたことを試すことができる
活動だからかもしれない。

当日。
自分たちの手塩にかけた遊具が
気に入ってもらえた時の学生の顔。
もう嬉しさでくちゃくちゃだ。

反対に、選んでもらえなかったとき、
何が悪かったのかと落ち込む。
でもその落ち込みをを知からとして、
またしこしこと準備に戻る。

そんなグループを皆で協力して立ち上げて、
10年近くが経つ。
学生たちの頑張りは本当にすごい。

その頑張りを支えているものは何か。

それは出会った赤ちゃんが次は何を喜んでくれるだろう、
そう考えて、計画や準備をし、一緒に遊びながら
「赤ちゃん、今何考えているんだろう?
何をしたいんだろう?これ一緒にやったら面白いかな?」と、
知恵と身体を総動員して考えることの大変さと楽しさかも知れない。

これは、私も母親だったときにはできなかったなあ・・。
家庭で家事をしながらの子育てはいつも「ながら」になってしまう。
保育の現場にいた時も、やっぱりここまでのことには気付けなかった。

今、学生たちは未来に向かって育っていく
言葉のない赤ちゃんに支えられて
その人に対する「想像力」と、「自ら考える力」を育んでいる。

と、高齢者にどっぷりと足を突っ込んでいる私は
赤ちゃんと学生たちをまぶしく思うのでした。

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