徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

映画「ブリッジ・オブ・スパイ」@St.Valentine's Day

2016-02-17 13:41:44 | 映画鑑賞
2月14日。
バレンタインデー=結婚記念日。
なんと40回目。
いやー、よくも40年間続いたものだと思いつつ(お互いに(*_*;)。

その先は・・・、
映画「ブリッジ・オブ・スパイ」を観に行くことに。
私がいつも楽しんで読ませていただいている
ブログ「徒然草」のJulianさんの四つ星映画。

ブログで紹介された時からずーっと観たいと思っていた。


私はこの映画の主演のトム・ハンクスのファン。

一番感銘を受けたのは「フォレスト・ガンプ/一期一会」


もう20年以上前の作品だ。
それでも「I'm Forrest, Forrest Gump!」という
トム・ハンクスの声が今でも頭の中をこだまする。

そんなトム・ハンクスは数えきれない映画に出演しているけれど、
この20年間、そう沢山を観ることはかなわなかった。

観たのは
「アポロ13」
「ユー・ガット・メール」
「プライベートライアン」
「グリーンマイル」
「ダ・ヴィンチ・コード」くらいだ。
でも、そのいずれもが、心に残る。

そして、今回の「ブリッジ・オブ・スパイ」となった。

東西冷戦下のスパイ交換劇。
それを成し遂げた民間の弁護士ドノバンが主人公。
その事実に触発されてこの映画ができた。

冷戦下の合衆国で、
ソビエトのスパイを弁護するということがどういうことか。
誰もが彼を日本式に言えば非国民扱いにする。
それでも主人公がこのスパイの弁護を受けたのは、
合衆国憲法のその理念にあった。
たとえスパイでも、正当に裁判を受ける権利がある。
その筋を通したことと、
スパイを死刑にせずに、生かしておくことで、
いずれ人質の交換に使えるという願いのような思惑もあった。

実際、それは起こった。
U2という偵察機、今でいうステルス偵察機の原型と言ったらいいだろうか。
それはソ連のレーダーを回避できるはずだった。
しかし、レーダーに感知され攻撃を受け、結局墜落する。
そのパイロット、パワーズは一命を取り留め、ソ連の捕虜となる。

映画によれば、U2は当時の合衆国の最高機密兵器。
パイロットは搭乗するときに
青酸カリ付きの針が内蔵された
25セント硬貨と思われるコインを渡される。

つまり、捕虜になるくらいなら自ら命を断てということだ。
えっ、これって日本軍と何が違うのと思わず思った。
その一方で、人間として、たとえスパイであっても
裁判を受ける権利があると、
ある意味命がけで主張する主人公がいる。

パイロットであるパワーズは生き延びた。
機密を持つ人物を何とか取り返したい合衆国政府。
ここで、ソ連スパイであったアベルとの交換劇が始まる。

ここでの交渉人はドノバン。
政府が表立って動けない、東ドイツとは国交が樹立されていない。
それ故の起用。
政府にも守られずに交渉に臨まなければならない。
その神経戦は、映画の描写に譲る。

今回、この映画を観て一番考えたことは、
「交渉」ということだ。
お互いの主張や利益が真っ向から対立する中で、
最善、いや痛み分けともいえる落としどころを探すこと。
これより難しい仕事ってあるのだろうか・・・。

と、そんなことを考えながら、
今、その「交渉」がほとんど意味をなさない事態が
この世界に生じていることを思った。
IS(Islamic State)の在り方だ。

この集団と一体どうやったら交渉ができるのか。
そもそもその窓口はあるのか??
問答無用の世界とどう話し合いの糸口を見つけていくのか。

その問答無用の世界、自分たちだけが正しいと思う世界。
そういう世界の出現もまた、
今の世界の様々な歪みを背負ったからこそなのかもしれない。

ほんとうに人間が生きていくって難しいなって思う。

私は戦後生まれで戦争下を生きた経験はない。
生まれてから60年以上、この経験がないということは
この地球上に生を受けた人間としては
稀有なことともいえる。

幼い日、実家の前の国道を戦車が時々大轟音を立てて通った。
それが米軍のものか、今の自衛隊の前身のものかは定かではない。
その音にびっくりして母に聞いたことがあった。

「あの戦車はどこに行くの?」(私)
「演習場ってところにいくのよ。
世界はね、今ここでは戦争はないけれど、
戦争をやっていない時なんてなかったのよ。
いつもどこかで戦争をしているのよ」(母)
「ふーん・・・・」(私)

当時の私は意味がよくわからなかったけれど、
ここでは戦争をしていなくても、
必ずどこかで戦争をしているという母の言葉は
以来心に焼き付いている。
そして、少し大きくなってから、
母の言葉は本当だったことを実感する。

「ブリッジ・オブ・スパイ」の鑑賞から、
「交渉」と「戦争」、
そんな言葉が浮かんでは消え、浮かんでは消えしている
今日この頃なのでした。



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