徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

松葉かきーカルチャーショックバージョンー

2015-01-07 22:45:55 | フラッシュバック
今日ふと思い出したことがある。
今から20年以上前、夫の海外赴任に伴って、
アトランタ近郊に住み始めた頃のこと。

南部の赤土。ゆったりした住宅事情。
決して大きな家ではなかったけれど、
それでも家には前庭と裏庭があった。

前庭にはひょろりと伸びた赤松が植えられていた。
見ると、松の木一本一本のまわりは松葉だらけ。
その松葉と芝生のコントラストの美しいこと!
でも私は思った。松葉とみたらかき集めなくちゃ。

実家の近くに松並木があり、
小さい頃はその松葉かきが時々のお手伝いだった。
特に台風の後はかきいれどき。

かき集めた松葉はお風呂の焚き付けに使う。
今では考えられないことだけれど、
当時の風呂焚きには欠かせないものだった。

その刻印された記憶のため、
庭に落ちている松葉を掃かずにはいられなくなった。

家族総出で松葉かきをした。
かき集めた松葉は何袋にもなった。
ごみの日に出そう!と思っていたら、
軽トラックを運転した夫婦がやってきた(もちろんアメリカ人です)。

どうやらかき集めた松葉が欲しいと言っている。
なんせ、アメリカに来たて、
おまけにここは南部。南部訛りの凄いのなんのって。
よくわからなかったけれど、
松葉が欲しいということだけは分かった。

どうぞ、どうぞ、お持ちください。どうせ捨てるつもりでしたから、
と、心で思いつつ、ニコニコ笑って手振りでどうぞと答えた。

その人たちはしきりに「プリーシエイト、プリーシエイト」と言う。
肌身離さず持っている辞書を調べても、そんな単語ありはしない。
結局その人たちは、もう一度やってきて、きれいに松葉を持っていってくれた。
庭は赤土がむき出しになった。
それでも私はすっきりした気持ちになり、ホッと一息ついた。

それから数日後。
彼らの言っていた言葉がついにわかった。
" I appreciate it" と言っていたのだ。
そうか、本当に喜んでくれたんだ!

しかし、それから更に数日が経ち・・・・、
車で近くの園芸店にいくと、なんと松葉が束になっていくつも積んである。
おまけにそれにいい値段がついていた!
なんで・・・・・。

更に時が経ち、松葉をかいた後の赤土から、雑草がムクムク・・・。
あの松葉は雑草対策と前庭の景観対策だったのだ・・・。

結局、そのあと、また園芸店に車を走らせた。
あの松葉の束を買いに!
今でも家にはその時の写真が残っている。
子どもたちはみんな手に熊手を持っていた。

庭の手入れは、アメリカでは欠かせない。
それは、家を売るときにその景観の良しあしで値段が大きく変わってくるからだ。
家の中は空っぽでも庭は綺麗にするというのは、この地では常識。

私の幾多もあるカルチャーショックの初期バージョンでした。




最新の画像もっと見る