林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

「夢」を持たせてくれる高校と、目標を実現させようとする高校と。

2011年12月14日 | 受験
塾の私立高校生たちと話をしていると、大学進学についての学校側の姿勢が大きく二つに大別できるように見える。一方には、自分の行きたい大学を生徒たちが自由に「夢」見るがままにさせている高校がある。その対極には、一流大学進学について、その厳しい現実についていつも生徒たちに言い聞かせている高校がある。

塾をやっているものとして一番困ってしまうのは、前者のタイプの高校に在学する高校生が来た時である。日東駒専がちょっと無理そうなのに早慶上智や国立大学を希望したり、英検2級すら合格していないのに卒業後に海外正規留学を希望してしまうような、無垢な少年少女たちである。


子供時代というのは、世の中の荒波からは守られて安らかに暮らし、自分の夢を見ることができる時間である。サンタ・クロースの存在を信じることのできるというのは、何と幸せなことだろうかと思わないわけではない。だが、いつまでもそのようなファンタジーの中では生きられない。高校2年や3年生になって、いつまでも現実を直視できないのはちょっと不味いのではないか。なによりも、高校の教育方針が間違っていないだろうか。

もっとも高校側には言い分もあるだろう。たとえば、「夢」をモテるからこそ成績の良くない生徒であっても学園生活を楽しめるのだ、といった理屈である。確かに、夢と希望がなくなった私立中高一貫校では、授業中に生徒の声がうるさく授業が成立しないという。だから、ある種のマンモス私立では、生徒の「夢」を否定しないというのも、やむを得ない措置なのかもしれないと思わないわけではない。しかし、そんなふうに「夢」を尊重してしまう私学というのは、金もうけ主義なのではないかという疑念をぬぐえない。また、生徒のことを考えてもちょっと悲しいではないか。我々としても、そういう生徒を塾が引き受けるのは非常にキビシーのだ。こちらも本当のことを教えてあげるべきなのかどうなのか、困惑してしまうではないか。

他方、生徒に厳しくアプローチする高校に対しては、我々は好感を抱く。言葉に嘘がないからだ。「夢」を抱くことではなく、目標を実現する事に力を注いでいるからだ。

こんなことを書くのは、やはり高一から高二になるくらいまでの間に、生徒たちは何らかの決断を迫られていると思うからだ。だから、高校側にはその決断を支援してもらいたいのだ。

とくに重要なのは、数学をこれからも継続して勉強するのか、それとも断念するのかという選択をさせることである。国立や理系を目指すならば数学は必須だ。しかし、あるレベル以上の私立理系学部や国立大学が無理なのであれば、数学2Bや数学3Cの勉強をやめさせた方が本人のためだろう。しかし、日大に合格する事が難しいレベルの学力なのに、国公立大学を目指して数学を学ぶ生徒がいるのが現実だ。私は甚だしく遺憾に思う。

もう一つは英語の学力状況を知らしめ、有名大学に進学したい生徒には勉強の決意を新たにさせてもらいたいのである。半分以上の大学進学希望の高校生がおそらくは中学1年レベルの基礎英語力もない。だが、そのことについて個々の生徒に厳しく知らしめるような方針が欠如している「受験校」があまりにも多い。能天気な高校の高校生は、 Where did you buy the book? レベルの英作文もできないのに、慶應大学商学部を平気で希望したりする。そういう生徒に対して最終通告をつきつけるような厳しさが必要ではないのかと私は思う。2年間必死に頑張ればあれば、早慶は無理でもGMARCHや日東駒専なら届くかも知れない。そういうことを教えてあげるのが、本当の優しさではないのか。

生徒に現実を突きつける私学が増えて欲しいものだ。

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