林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

『プログレス』『バードランド』『トレジャー』教育についての感想

2011年12月04日 | 英語学習
2011年もはや12月にもなったということなので、そろそろブログを再開しなければならないと痛感している。実はいろいろと書きたいネタがたくさんあったのだが、こういうブログのたぐいのもは一度お休みてしまおうとなかなか再開するのが億劫になってしまうのである。さあ、言い訳ばかりしないで、はじめることとする。

さて、当塾の生徒が利用する、あるいは利用するであろう英語教材についてちょっと書いてみることとする。まずは例の難解英語教科書について。

最初に『プログレス』。私達はこの教科書は、文法習得という観点からするとちょっと不親切ではないのか。そんなふうに前々から考えてきた。会話的すぎるし、かつ長い文章が余りにもたくさん登場し、基礎的な文法練習にふさわしくなくなってしまうように見えたからである。そして、やはりその通りであって、かなり素質があり真面目に勉強するはずの中学生てあっても、英語では大苦戦してしまっているようだ。

さらに困った事に、『プログレス』の私学の英語の先生たちの多くは、必ずしも足りない分(=文法演習)を補足してくださるわけではないのである。文法的規則か判らないままにテキスト本文の丸暗記を強いるような教師も少なからず存在するようだ。

しかし、有効なプログレス対策は存在する! 中学1年生から当塾のような英語塾に通い、英文法を体系的に学習しさえすれば良いのである。実際、『シリウス発展編』の『Vol.1』及び『Vol.2』以上の例文を理解し暗唱してしまった当塾の生徒であれば、『プログレス』はそれ程”厳しい”教科書ではないようで、のテキスト暗唱もそれほどの苦痛ではないようである。他方、中三から入塾する生徒の場合は、ちょっと厳しい時期が続いてしまう。

次に、『プログレス』に対抗する新勢力の教科書である『トレージャー』『バードランド』について。

これらはかなり理想的な教科書に近いと書いておこう。文法学習に対する配慮はなかなかしっかりしている。良心的な私立中高一貫校であれば、『プログレス』ではなく、こちらの教科書を採用すべきである。(麻布や逗子開成がその例である)。

本文はネイティブ・スピーカーから見ればやや不自然な文章が並んでいるように見えるかもしれない。しかし、英語を初めて学ぶ中学生が英文法を習得しやすいように丁寧に配列されてあるのだ。小学生ではなく中学生が、シャワーを浴びるように大量にではなく、むしろ毎日こつこつ少しづつ英語を学ぶことを前提に考えてみれば、文法中心の英語学習が一番効率が良いのである。

とはいえ、『バードランド』『トレージャー』の習得が簡単であるという訳では決してない。普通に難しいのだ。その理由は次の通りである。

(1)英文の音読・暗唱をサボれば、ついていけなくなる教科書だということだ。1年生のうちはまだ良い、しかし2年生になれば急速に難しくなる。さらに3年生になれば、かなり急激な展開になっており、大学受験生レベルの課題を要求することになる。バードランド準拠問題集をみれば、習ったことのない構文や熟語がどんどん出てくるのにびっくりさせられた。のんびりしている生徒は、上位校でもすぐに落ちこぼれてしまう危険性がある。

(2)逆説的に聞こえるかもしれないが、難解な教科書だからこそ逆に本質的な英文法の能力が学校のテストでは問われないかもしれない。本来ならば、英文法を理解し活用できるのかが試験で測定されるべきだ。しかし、どういうわけなのか、文法能力ではなく教科書を[丸暗記]したのかどうなのかを測定する試験問題を出す先生方がかなりいるようだ。こういう学校の生徒たちは、英文法を理解するのではなく、教科書を試験直前に丸呑み込み的に[丸暗記]をする事によって対策してしまう。非常に不味い! 

(3)『プログレス』『バードランド』『トレージャー』全ての教科書に共通している事だが、教科書の英語の文書は極めて興味深いテーマばかりであると私は思う。それはある意味では歓迎すべきことだ。しかし残念ながら多くの私立中学生にはその内容がよくは理解できていないのである。また、英語の先生が英文の内容をかみ砕いて解説したり、関連する資料を見せたり配布したりするようなことは、私の知る限りほとんど皆無である。英語の教科書を通じて教養をを深めるということがあっても良さそうなのだが、そういった理想教育の実現はまだ遠いようだ。

続く。

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