林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

ネットの力と『基礎英文100の技術』

2009年11月07日 | 英語学習
私の塾では、2009年においては、高校生用の英文解釈のテキストの一部として、 桑原信淑ほかの『基礎英文解釈の技術100』と、宇佐美光昭『必修英文問題精講』を採用しています。以前は、伊藤和夫の『ビジュアル』を使っていたのですが、頁の見開きの使い勝手が悪い、詳しい割にはわかりにくいし端折ることができない、CDがついていないので復習に適さない等の理由で、もう使うことはないでしょう。

つまり、『基礎英文解釈100の技術』と『必修英文問題』は、どちらもCD付きでリーズナブルな価格、復習しやすく見やすい英文解釈の参考書なのです。違いは前者のほうが文章が短いこと、しかし、英文の難易度がときどき高いという事です。したがって、普通の進学校に通う高校生で、もし指導者がいないのであれば、宇佐美の『必修英文問題』を選択したほうが無難でしょう。(その場合、『必修英文』を卒業してから、西きょうじ『ポレポレ』かキムタツ『熱血教師キムタツの東大英語基礎力マスター』へと進むのも一つの方法論です)。逆に言えば、塾の教材としては、どちらかといえば、『基礎100の技術』のほうが使いやすいという印象を受けました。

『基礎100の技術』の難しさなのですが、構文的な難しさというよりは、英文の言いたいことを理解するのに、ときどき苦労させられるのです。たとえば、私たちも苦労したのが、「14 補語になる名詞節のつかみ方」(28-29頁)でした。抜き書きします。

Reading and learning ability depend on something more definite than broad, general knowledge. To a significant degree, learning and reading depend on specific broad knowledge. The reason for this is that reading is not just a technical skill but also an act of communication.

どこが分かりにくいのかというと、definite(knowledge) vs broad general
および、specific broad knowledge の箇所です。どうもbroadという単語があるが故に意味が掴みにくかったのです。broadがどういう役割をはたしているのか、今ひとつはっきりしない。broadにはcomprehensive, unspecific, generalという意味もがあるから、何を言いたいのか自信が持てなくなってきます。いったい specific broad knowlegeに依存するというのは、どういう意味なのか?

憶測では嫌ですからネットで検索しました。すると、Googleの力はスゴイですね。本の著者とタイトルがわかりました。Ed. Hirsch Jr. Cultural Literacy です。(もしかしたら、この本はうちにあったかもしれない。。。)ページ数はxivだとも分かってしまいます。そして、文章を文脈に照らし合わせることができます。また、原文では, broad, general knowledgeというのは、broad unspecified knowledgeだとも判明しました。

結論から言えば、

specific, definite knowledge <---> unspecified, general knowledge 

という二項対立で、左のほうが読書が学習において重要であるという議論であるということです。つまり、この文章のbroadというのは、二項対立のgeneralという意味ではなく、むしろ強調的に用いれられたのです。授業でいえば、「broadは括弧に入れてちょっと無視しておいてください」というべきところです。

ネットで検索できて、教える方はちょっと安心でした。独学の高校生ならば、飛ばしてしまっても良い箇所かも知れませんね。(続く)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。