林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

英語ゼロからの挑戦(その1)

2009年10月19日 | 英語学習
英語力がほぼゼロだが有名大学に挑戦しようという高校生(浪人生)が、今年度春に何人か入塾した。いずれも希望は英語のトレーニングであるが、目標大学は明治、学習院、青学などのGMARCHである。ほとんど無謀な挑戦だとも言えなくもない。(実際、一人の生徒はすぐに挫折して退塾していった)。しかし、ともかく引き受けた。毎日3時間なり5時間の音読復習をこなす覚悟があればすれば、確実に英語力は向上することは分かっているからだ。実際、語学ほど集中学習が有効な分野はないのである。私は、アメリカで8週間集中語学トレーニングを受けたことがあるので、そのあたりはよく分かっているつもりだ。

某私立高校のピッチャーだったS君はすでに浪人を決定していた。基礎的な英語文法力がまったくなかったのだ。それでも推薦で入れる大学はあったのだが、きっぱりと浪人を選択していたのである。迷いはなかった。

即座に英語のやり直し集中トレーニングを開始した。1回3時間×週5日の1対1プログラムで、This is a pen からやり直してもらった。この文にmy を付け加えなさいと命令すると、 this is a my pen. とやってしまうくらい、まったく英文法力がなかったのである。疑問文、否定文への変形練習、howやwhatの疑問詞をつける訓練等を辛抱強く繰り返した。

まずは1週間で、中学1年生レベルはなんとかを終えられた。このレベルでも決して完璧ではなかったので危うさを感じざる得なかった。ついで2週間後、一応のところ中一・二レベルの英語文法が終了した。同時に基礎英語2の暗記暗誦もやってもらった。まだまだ先が見えない。首の皮一枚でなんとか繋がっている状況だった。もちろん、目標大学のふもとの地点すら、まったく見えてこない段階だ。

そして一ヶ月後、とうとう、なんとか、中学英文法を一通りは終えることができた。とはいっても、応用力は全くない。つまり、高校入試で偏差値50レベルの高校ならば合格できるかも知れないが、県立学区一番高レベル、つまり相模大野高校だとか日大三高・桜美林等にはほど遠いレベルだ。言い換えれば、まだ日大・神奈川大が全く見えていない段階なのである。

翌月からは中三~高校一年レベルの初級英語の特訓となった。同時に家庭学習の比重を増やし、一回二時間×週三回とする。『Forest』を通読し、『シリウス発展編』(Vol.3)の和文英訳をできるようにする。ついで、英文読解力の基礎訓練をすることになる。ながい長い初級英語の道のりが始まったという感じだ。この段階は、以前とは異なって急速に英語力が伸びることはないので、非常に苦しいはずだ。多くの高校生が挫折するのも、この段階である。

S君は自分を信じ、引き続き勉学にうちこんだ。英語を始めて3-4月後、西きょうじや宇佐美光昭の参考書も半ば以上終えることができた。

さて、ようやく念願のセンター試験にも挑戦してみたのだが、果たして200点満点中たったの120点ほどだった。最低でも150点は欲しいところだったので、本人は相当落ち込んだだろう。しかし、よく考えてみるべきだ。英語を始めて僅か4ヶ月間だけなのだ。この点数はむしろよくやっていると言えるのである。一流大学合格の山のふもとまで、もう少しで到達する地点までたどり着いたと信じることが出来るではないか。(続く)


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