雇用契約書と労働条件通知書の違い
雇用契約書と労働条件通知書を同じだと考えている方も多いと思いますが、皆さんに、この違いについて「マメ」知識を・・・
労働条件を明示する手段として「労働条件通知書」と「雇用契約書」が用いられることが多い。ですが、その2つの違いについて知っている人は意外と少ない。
労働条件通知書
労働条件通知書→労基法第15条に基づいた事項を企業が労働者に通知するための書類。特に署名捺印等は必要なく、一方的に通知する書類となっている。
雇用契約書
法的には労働条件通知書があれば問題はありませんが、なぜ雇用契約書と言うものが存在しているのか?労働契約法第4条で、こう規定されている。
①使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、理解を深めるようにするものとする。
②労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。
つまり、企業側は労働者に対し書面で労働条件について理解させるようにしなさいと言うことである。雇用契約書という書類を作成し内容を理解した上で署名捺印→労働条件について理解した、ということである。
労基法は強行法規である。必ず守らないといけない法律で、違反すれば罰則がある。しかし、労働契約法は任意法規であることから必ず守らないといけない訳ではなく、なるべくそうした方がいいといったイメージの法律である。
強行法規は「~できない、してはいけない」、任意法規は「~できる、した方がいい」といったような違いがある。
労働条件について明示の義務がある事項
労基法第15条・・・必ず書面にて明示しないといけない事項
①労働契約の期間
②就業場所、従事する業務に関する事項
③始業・終業の時間、休憩時間・休日・休暇に関する事項
④賃金の決定・計算、支払い方法、支払い時期、締め日に関する事項
⑤退職・解雇に関する事項
労働条件の明示しない⇒企業に罰金
明示しなかった場合は、企業に30万円以下の罰金が課せられる場合がある。明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に雇用契約を解除することができ、企業にとっては大きな痛手になる可能性がある。
雇用形態に関わらず労働条件の明示は必要
雇用形態が多様化し、正社員の他にも契約・派遣社員、アルバイト・パートタイマー等と様々な雇用形態がある。
どのような雇用形態でも、人を雇用する場合は労働条件の明示は必須となります。派遣社員だから、アルバイトだから必要ないということは絶対にない。
労働条件通知書と雇用契約書についての違いについて、法的な根拠が違うことが、理解できたかと思います。
詳しくは、連合静岡の労働相談ダイヤルまで・・・