ライン出版編集部

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ライン(rein)出版編集長の日常と雑感

後(のち)の雛祭り

2014-10-03 00:00:18 | Weblog



十月二日は旧暦の九月九日。
そこで、重陽の節句を寿ぐことにしてみた。
この日行う「後の雛祭り」は、春に飾った雛人形を、
再び秋に愛でることで長寿を願う、
江戸初期からの風習である。
人形の寿命をも延ばす、
秋の虫干しを兼ねてのことだという。

重陽の花、菊の上には
昨夜から被綿(きせわた)が載っている。
花にかぶせて香りと夜露を移し、
本日はその綿で、顔や体を拭うことで
長寿を願うそうだ。

しかしながら、菊の大輪を眺めていると、
東籬の下で、菊を採りたくなり、
悠然として、南山を眺めたくなって、
ついには菊の花びらを浮かべた酒が飲みたくなる。
ということで、今宵に備えて、杯と瓶も飾る。
折角の長寿の習いを
台無しにせぬかと案じている。

飲酒        陶淵明
結廬在人境       いおりを結んでじんきょうにあり
而無車馬喧       しかも 車馬の かまびすしきなし
問君何能爾       君に問う 何ぞ よく しかるや と
心遠地自偏       心遠ければ 地 おのずから へんなり
采菊東籬下       菊をとる とうりのもと
悠然見南山       ゆうぜんとして南山を見る
山気日夕佳       さんき にっせきに よく
飛鳥相与還       ひちょう あいともに かえる
此中有真意       このうちに真意あり
欲弁已忘言       べんぜんと欲すれば すでに げんをわする