今日の女王サマ

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それでもボクはやってない

2007年01月31日 | 映画&本&音楽&TV
周防正行監督・脚本の『それでもボクはやってない』はなんと11年ぶりの新作です。

痴漢冤罪を描いた映画ですが、昨年11月に裁判員制度のモニターを務めた私は興味を持って公開を待っていました。

予告編で主役の金子徹平役の加瀬亮さんを見たときから、冤罪事件の主役にピッタリ、もう他の人は考えられないぐらいに思っていたんですよ。


フリーターの青年が、面接に向かうその朝、女子中学生に痴漢したという疑いをかけられてしまう。女子中学生のような一般人が、例えば袖をつかまえて「この人チカンです」と言えばそれは私人による現行犯逮捕と言うのだそうです。逮捕できるのは、警察官だけではないんですね。

留置所にいるセンパイ(?)から「当番弁護士を呼びなさい」とアドバイスされ、接見するのですが、ここで弁護士から「認めて示談にすればすぐに出られる、容疑を否認して無罪を主張すれば拘留される」と言われます。

やってないんだから認めるわけにはいかないですよねぇ。
刑事と検察官は頭から犯人の扱い。起訴はされないだろうと警察関係者も踏んでいたのに、結局起訴されてしまい、ここから長い闘いになります。

唯一の手がかりは、電車で隣にいた女性。この女性が当日「チカンじゃないですよ」と駅事務所に来てくれていたことで目撃者探しが始まります。
ただこういうのはなかなか見つからないようです。

途中で裁判官が代わって落胆したり(これは経過を文章でしか知ることができず、被疑者にとっては不利)、目撃者が現れて喜んだりしたものの、判決は・・・。

日本の裁判では起訴された事件の99・9%が有罪になるとか。映画もその通りの結果になりますが、最初のオドオドしていた金子クンは、力強く「控訴します」と言い放ち終わります。

周防監督は「多くの人にとって疑わしきは罰せずよりも疑わしきは捕まえといての方がホンネに近いのかも」とコメントしています。

10人の真犯人を逃すとも1人の無辜(むこ)を罰するなかれ

人が人を裁いてきた歴史の中から生まれた法格言です。今後、裁判員制度が始まった時のために、この言葉を覚えておいた方がいいのかも。

でも、ますます裁判員になるのが躊躇われるなぁ。


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