今日の女王サマ

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シーンに無駄がない『英国王のスピーチ』

2011年03月10日 | 映画&本&音楽&TV
現・英国王エリザベス2世の父であるジョージ6世のお話。お兄さんは、シンプソン夫人との恋を選び、王位を捨てた人として有名ですが、弟のヨーク公(ジョージ6世)のことはほとんど知られていませんね。



吃音で、大事なスピーチが成功したためしがなく、関係者はいつもドキドキハラハラ。いろいろな矯正方法を試しますが効果なし。夫人が見つけたスピーチ矯正の専門家ライオネルのもとを訪れるが、この人のやり方が型破りでした。関係は対等、呼び名も「陛下」ではなくバーティ。バーティはアルバート(・フレデリック・アーサー・ジョージ・ウィンザー)の愛称で、家族のみが使っていたので、ジョージ6世は大いに抵抗があったようです。

しかし型破りな方法が功を奏して、少しずつスピーチがうまくなってきます。普段は心優しいジョージ6世なのですが、一方かんしゃく持ちでもあるのです。たびたびライオネルと衝突もし、関係が遠のいたこともあります。

この訓練方法は映画を観ていただいたほうがわかりやすいし、面白いです。
罵倒する言葉や卑猥な言葉を発するときには一切どもらないので、連発するシーンもあり、笑えます。

幼少期に乳母からつねられた、乳母から食事をもらえなかった、X脚の矯正で死ぬほど痛かった、左利きを無理やり直されたなど、吃音になったきっかけというのも初めて告白するわけですが、言葉に詰まるとライオネルから「歌いながら話せ」と言われ、深刻な場面なのになんだかおかしかったです。

王位を捨てた兄のエドワード8世に代わり、青天の霹靂で自分が英国王になることが決まってしまう。もちろんスピーチの回数も増えるわけですよね。映画のクライマックスになるのが、ドイツとの開戦前夜、国民に訴えた渾身のスピーチ。
もちろん成功するとわかって観ていますが、やっぱりハラハラします。このスピーチが終わって部屋から出てくるシーンで自信にあふれた姿を見て「本当の国王になったんだなぁ」と思っていたら、流れてきたBGMはベートーヴェンの「皇帝」でした。

妃殿下のエリザベス役はヘレナ・ボナム=カーター。私は初めてこの女優さんが好きになりました。夫を思いやり、ユーモアにあふれ、家族を愛する1人の女性として、王族という縛りにとらわれない大らかさを感じ取ることができました。


まったくムダのないシーンばかり。1000円で観賞しましたが、1800円出しても惜しくない映画。久々でしたよ。

               
◆実際のジョージ6世一家。国王の隣が現英国女王エリザベス2世。  ◆エリザベス皇太后とエリザベス女王(ややこしいな)。エリザベス皇太后は2002年に101歳で亡くなっています。早くに亡くなったジョージ6世と比べると長生きされましたね。


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2 コメント

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Unknown (たしかに)
2011-03-12 16:55:24
・・・でも、ザ・クイーン(女王)とザ・クイーン・マザー(皇太后)ならば、もう少し直感的に区別できる感じがしないでもありません。女王のコメントを拝見して、映画を見に行く気になりました。
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面白そう (水戸納豆)
2011-03-12 21:18:54
映画をとてもみたくなりました。おもしろそう。特派員時代、ダイアナ妃の関係の記事で、皇太后と女王の名前が一緒なので誤報を書く寸前までいたりました。ヒヤリ。記事を訳したたとに、どうもおかしいと感じ、家系図を見て、首の皮1枚でつながりました。英語だと皇太后をmother qeen というのです。女王は、当時のダイアナ妃の義母に当たるから女王と訳しそうになったのです。今となっては、なつかしい思い出ですが・・・・。
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