★ reiGの『日記シックスは2人いた』 ★

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読書日記(『怖い話』シリーズ/プリーストリー)

2011-08-23 | 
どうも、最近はSEBASTIAN HARDIEの「哀愁の南十字星」を聴きまくっているreiGデス。
夏の終わりにあれほど似合う曲はないと思いますね。

さて、「モンタギューおじさんの怖い話」で一躍英国期待のホラー作家となった、
クリス・プリーストリーの続刊を読みましたので、その感想を。


○船乗りサッカレーの怖い話
 シリーズ第2作。
 お次は、嵐の夜に子供たちが留守を守る宿屋に突然現れた男が、海と船を舞台にした話を語る。
 つまり、コナン・ドイルやW・H・ホジスンのような「海の怪談」オンリー。
 オチが見え見えで、連作集としての完成度は「モンタギューおじさん」には及ばないが、
 個々の短編は十分怖い。
 ただ、「カタツムリ」はどう考えてもP・ハイスミスのパクリだよね?

○トンネルに消えた女の怖い話
 シリーズ第3作。
 今回は旅行中にトンネルの手前でなぜか止まってしまった汽車の車中、
 たまたま居合わせた謎の女性が語る話。
 これまでの2作以上に、イヤ~な奴を主人公とした話ばかり。ある意味では勧善懲悪なのか?
 もちろん怖さは保証付きで、しかも過去最高レベルかも。
 連作集としては、今回のオチもまあなんとなく想像はつくが、前作よりは納得できるレベル。

しかし、「モンタギューおじさん」も含めたこれら3作品、
児童(というかYA?)をターゲットに書かれたとは思えないほど、
完成度が高く、しかも(良い意味で)嫌らしい作品ばかり。
すっごく面白いけど、現実に子供が図書館から借りて帰ってきたらイヤかも(笑)